転生してから結構過ぎたが本当に色々あり過ぎた。まず、転生して『堕ちる』までは前世と言うかあの記憶がなく、ただの平凡少年だったが白騎士事件後に『堕ちて』妖怪になり、祖父ちゃんが喝一発で気絶させれてからあの時のドラゴン事翔悟さんにあれこれ調整してもらって半妖になったが、何故か神としての波長があったのか半神にもなった。あの人曰く、簡単に言えば某日本神話の最高神から分かれた御魂の九尾と同等らしい。後、両親や祖父ちゃん達家族と町の人達には全てを打ち明けた上で受け入れられている。なんというか、ヨザカルの桜新町に似ている(町自体は原作にあった七郷と原作キャラ・元老院がいないのを除くと全く同じ。最近では俺みたいに人外になった者や女尊男卑が嫌で逃げてきた人達も受け入れているもので、桜新町によく似たものになってきた)。
で、現在俺は高校受験の為に試験会場に向かっている。ちなみに受験するのは地元から少し離れた高校だ。
「さみぃ。雪降ってないだけマシとはいえ、気温が10度以下なのはちょっとだけキツいな」
「けどさ、雪那は受験しなきゃ高校入れないじゃん」
首に巻いていたマフラー(ヨザカルの槍桜ヒメのマフラーをさらに長くしたもの)から鳥の頭に似た状態の経文が出てくる。経文の付喪神、
「分かってんだけどな、そういうのは。つうか石迦、お前は地元以外で顔を出すな。巻物が勝手に喋るなんて普通はあり得ないだろ」
「ワリィワリィ。んじゃまアタシは引っ込んどくよ」
そう言って石迦はマフラーの中に引っ込む。俺のマフラーには石迦を始めとした小型の妖怪が潜んでおり、偶に町の外にまでついていく事もある。【サトリ】の能力で確認すると、今日は石迦だけだった。
「とりあえず、間に合わせないとな」
マフラーで口元を隠しながら受験会場へ走る。ただあんな形で原作に介入する事になるとはこの時は思ってもいなかった。
――――五時間後
「…………すっげー余裕だったな。五月雨さんの授業の成果、なのか?」
町の妖怪の中で最年長の龍である五月雨さんは教え方が上手く、個人個人に合った勉強法や解き方を教えて貰っていた。俺の場合は受験対策として多くの参考書や本を読んで出来るだけ多く記憶し、本番では冷静に問題に合った対処をしていくものだった。結果としては選択した教科全てにおいて十二分に見直しと書きなおしができる程の時間が取れた上に用紙に空欄が一切なかったのだ。あの人の教え子なのはかなりラッキーだと確信できる。
「…ん?」
帰宅途中、混ざり合った妖怪の内、月兎の聴力がここら周辺とは別の音を捉えた。それと同時に妖怪及び半妖特有の妖気を感じる。これはまさか…
「どうしたんだ? 雪那」
「俺と同じ『堕ちた』ものが来てる。この無機質な感じ、それに空を飛んでいるようなブースターの音、ISが『堕ちた』ものだ!」
ドオオオォン!!
確信の声と同時に結界を張って今いる場所とその周辺をこの世から隔離させると、目の前に一つの影が落下する。それは人型の何かがIS『打鉄』を纏っていたものだった。ISが『堕ちる』とああいう風になるみたいだ。
『…………』
「敵意バリバリだな。俺限定で」
ただひたすらに俺を見る打鉄はユラリと刀を持った右のアームを上に挙げて斬りかかってきた。
「うおっ、『壁』! 『金棒』!」
言霊で壁を出すが、直ぐに右に旋回される。そこを金棒で攻撃したが、刀で防がれた。
「チッ、戦闘は一著前だな」
「どうすんのさ!? 声が枯れたら武器はできないぜ!」
「確かに、そこがネックなんだよなぁ。それに向こうは『堕ちて』間もないのに残っている戦闘データを基にした戦法を使ってるようだ」
あの回避の仕方は素人のものじゃないし、かと言ってプロのものじゃない、中途半端な感じだ。単に言えば訓練機故に消されたデータの残り滓でやっているとしか言いようがない。どうしようかと悩んでると、打鉄が口を開いた。それと同時にIS特有の機械的な鎧は時代劇の服装とセーラー服を合わせたような物になり、人型の何かだったものは赤黒い髪をポニーテールにした目の色彩が渦巻きの様になった黒い瞳の見た目が俺とほぼ同年代の少女のものへと変わっていた。
『くは。はは、アハハハハハハハハハハハハハッ! 自由だ! 私はやっと自由になれた!!』
「もう付喪神のレベルじゃねえな。お前はIS学園で使われた打鉄だったのか?」
『はあ? 私はISじゃない、妖怪さ。あの忌々しい糞兎や女共の玩具扱いされたポンコツごときの存在じゃないのよ!!』
「ふうん、お前はISのコアにある意識そのものってわけか」
『そう。貴方はあいつ等よりかは頭が回る方ね』
「半妖半神だからな。とりあえずはお前を
『へえ、妖怪でも受け入れるんだ。で、
「妖怪や無生物なんかをあの世に送る能力。俺しか持ってない能力で、俺は特定の妖力のをあの世に送れる技術も持ってんだ」
『ふうん。貴方は私を『堕ちた』ISって言ったけど、そもそも『堕ちる』ってなによ?』
「生物や無機物が突然妖怪になる現象。ここ最近じゃ余り見なくなったがな」
『堕ちる』については原作の説明を俺なりに解釈したものだ。この世界でも『堕ちる』現象があったのは驚いたが、まさかISにまでこれが起こるとは思わなかった。それに人間では言霊使いや元が人外の姿の妖怪の能力を使えるものだったが、機械が人間と同じ姿を持つのは前代未聞だ。多分翔悟さんが言う馬鹿が関わってる気がする。あいつ翔悟さんとハスターさんから制裁受けてるのに一切懲りないからな。
『ふふっ、良いわね。けど、はいそうですかと素直に従わない』
「だと思った」
向こうは笑い、こっちは呆れる。よくある当たり前なやり取りはリアルじゃ何かとめんどくさいな。
『そんなわけだから、いくよ!』
「ショートカット、『
ガシィィンッ!
『……へ?(ギュイイイィィン!)いぃぃぃやあああぁぁぁぁっ!!!?』
あの人が馬鹿を処刑する時に使った大車輪をベース、に恐怖心を煽らせるように高速回転する大車輪に捕まった打鉄は悲鳴を上げる。地面からたった20cmの高さで回転されるのは恐怖以外はなにも出ないだろう。
「うーわー。地面すれすれで高速回転してらー。ありゃ暴れて拘束具外れたら即赤い絵具化だよな」
「実際馬鹿が絵具かしたらしい」
「うげ…」
石迦が引く中、回転はまだ止まらず、打鉄の悲鳴は響いていた。車輪は4時間も回り続け、終わった頃には打鉄は完全にダウン。その後、
半妖になった桔梗は雪那の専用機(と言うなの相棒)にすべきか迷ってます。