妖怪(?)がIS世界に転生   作:真庭猟犬

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今回はセシリアの両親についてオリジナルの設定があります。


静すぎる休憩時間

原作ではそれなりに賑わいがあった一年一組の教室は外からのガヤがよく聞こえるほどに静かだ。

原因としては俺の自己紹介が原因だが、ここまでとは思わなかった。

 

 

「雪那」

 

「なんだ?」

 

「やっぱクソったれな偽りの平穏しか知らない者のに裏の現実はやりすぎじゃない? 私も本当の現実を知ってショックを受けた者の顔は結構見たけど、流石に学生に言わせるものじゃないよね?」

 

「さあな。力に妄執した考えを持ったもんには丁度良い薬だろうよ」

 

 

頬杖をつきながら桔梗に言葉を返す。俺達の会話を聞いて自分に対して何かしらの感情を抱いた生徒はほぼ全員だろうな。

 

 

「なあ、比泉だっけ?」

 

「ん? ああ、織斑か。何かようか?」

 

「一夏でいいぜ。さっきの自己紹介だけど、あれって全部が真実なのか?」

 

 

自己紹介について尋ねる一夏の表情は戸惑いを表していた。やっぱそういう反応するよな。

 

 

「冗談抜きの現実だ。俺はIS操縦者がISごと物言わぬ血みどろのオブジェに成り果てるまでの流れも目撃した。あれ程脳に焼き付いて離れないものはない」

 

 

命はあっさりと奪われるものだとハッキリと言える出来事のほんの一部を語ると一夏は顔を顰める。お人よしにはこれはキツいものだろう。

 

 

「覚えておきな。命ってものは簡単に奪われる。ISなら一機だけで何百何千もの命を奪えるからな」

 

「私も雪那も人の命が軽いと錯覚しそうな仕事をやってるからね。君はそうならないでね」

 

「あ、ああ」

 

「少しいいか?」

 

 

ちょっとした警告を告げた直後、第三者の声が聞こえた。左を見ると、原作ヒロインの一人である『篠ノ之 箒』が立っていた。

 

 

「……箒?」

 

「比泉。一夏を連れて行ってもいいだろうか?」

 

「いいぜ。むしろ気分転換させてくれや。さっきまで暗い話題ばっかだからな」

 

「わかった。一夏。廊下へ出るぞ」

 

「ああ」

 

 

箒に連れられる形で廊下へ出る一夏。俺達はそれを見た後、インフィルニティ・グリモワールから送られた報告書に目を通すことにした。

 

 

「最近多いようだな、女尊男卑主義者の過激派の殺人事件」

 

「そうね。犯人の予想はつくけど、雌狐も自業自得と言った所かしら? ISに乗れる=最強とは限らない上に乗ったこともないのに好き勝手に振舞う者らしい最期だわ」

 

 

報告書の内容の殆どは犯人が不明の殺人事件ばかりだ。やっぱ似津真天の亜種が関わっているのか?

 

 

「これの被害者も自業自得ってところね。金や地位への歪んだ欲望で列車の事故と見せかけた大量殺人を行っていたわ」

 

「どれどれ……(ボソッ)マジか」

 

 

桔梗が見せた報告書には強い衝撃でバラバラになったプラモ染みた死体と成り果てた数人の男女の犯罪歴が書かれており、その被害者達の中にオルコットのファミリーネームが二つあった。どうやらこの世界ではセシリアの両親は事故ではなく他殺となってるのか。

 

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

「? うわ、このタイミングでかよ」

 

「何ですか、その態度は!」

 

 

それを見ていた時にやってきたのはセシリアだ。この報告書の内容は偶然見られてないが、対応に関しては全くだったので失礼な態度と見られている。

 

 

「あー、それについてはすまなかった。ミス・オルコット「オルコット? それって列車の事故に見せかけた殺人事件の被害」っておい!?」

 

 

ちょっとは空気読め!!

セシリアは殺人のキーワードに反応したらしく、桔梗に詰め寄ってる。

 

 

「殺人!? 一体どういうことですか!!」

 

「ああもう落ち着け。「ですが」いいから黙れ「はい……」とりあえず簡潔に要点だけ話すからな」

 

 

セシリアを濃縮かつ規模を小さくした妖気と怒気で大人しくさせた後簡潔に、しかしキチンとした説明をした(正直言って原作を知っていた身としてはセシリアの父が元イギリスの特殊機関の一員だったのは意外だったけど)。セシリアは聞いていく内に悲痛な表情となっていき、両親を守ろうとして殺された母親の友人のところで涙を流しながら膝をついた。

外野は何も言えず、ただ無言でそれを見ている。

 

 

「オルコット。お前の父親はワザと情けない態度をとってた理由がわかっただろ」

 

「……ええ」

 

「もしお前が努力を実らせて候補生にならなかったら……。その先は言わなくても分かるだろ。ISが世界に浸透したと同時に欲にまみれた者や人の命の価値を安くみる人間が多くなった。これは紛れもない現実だ」

 

 

俺は淡々と、そしてしっかりとした口調で語る。元々静かだった空気がより音が無い状態になっていく。

 

 

「お前は運も良かったが、それ以上に両親に恵まれてた。でなきゃ、ここには居なかっただろうよ」

 

「……少しだけ背中を貸してくれませんか?」

 

「………いいぜ」

 

「では、お言葉に甘えさせていたただきます」

 

 

オルコットに背を向けて床に座ると、オルコットが背に顔を埋め、啜り泣き始めた。

俺はただ黙ってその場に座り、桔梗は外野を元の教室に、席に戻るようにした後、何も言わずにパラパラと報告書に目を向けていた。

その後、一夏と箒が戻り(桔梗が何か指示を出したのか何も言わずに席についた)、織斑先生と山田先生は俺とオルコットの状況を見てオルコットが泣き止むまでただ静かに立っていた。




次回は代表決めの推薦とその放課後まで進められたらいいなというところです。
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