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さて、今回の話は前半シリアス、後半ギャグです。僕は、シリアス下手なのでご了承下い。
それと、今回の話は“愛の告白”とかではなく、“感情を表に出す”方の告白です。ご注意を。
それでは、第11話どうぞ〜。
「ここは…?」
俺とこころは、あの状態から起き上がり、なんとかこころが明かりを見たという場所へ辿り着いた。
「こんな広場があったのか?」
俺達が辿り着いたのは、ひと通りのまったくない見晴らしの良い広場だ。
「もう…なんなのさ…」
あれだけ苦労して辿り着いたのに、得たものが何もない。それは流石に凹んでしまう。
「でも…無駄足じゃなかったかな?」
俺はふと、右手に掴まったこころを見る。
「ソウヤ!とってもキレイよ!あんなに星空が輝いているわ!」
夜空に輝く星に負けない程の輝いた金色の瞳でこころは夜空を指差すこころ。
「あぁ、そうだな……」
こんなにキレイな瞳をしている奴が隣りにいるんだ。とても無駄足だったとは思えない。
「まぁ、少しここらへんで休むか…流石にこんな夜道を懐中電灯無しで歩くなんてバカな真似は出来ないしさ。」
俺とこころは、人気のないこの広場で休息を取ることとなった。
「丁度いい、ここで休むとするか…」
「分かったわ!」
程よく草の生い茂っている場所を見つけ、腰掛ける。
「まさか迷子になるとは思わなかったな…」
「でも、こんなに素敵な場所が見つかったのよ!良かったじゃない!」
「…そうだな。」
ふと、夜空を見上げる。
(夜空って……こんなにもキレイだったんだな。)
そんなことを思う。少し前まではこんな考え方が出来るとは思いもしなかった。
「ねぇソウヤ……ソウヤは空…好き?」
こころが訪ねてくる。
「さぁな。少なくとも、夜空は嫌いじゃない。」
(まぁ、好きでもなかったんだけどな…)
夜になると独りになれた。唯一の安らぎの時間…どうしようもないほどの孤独が襲ってくる…それが俺にとっての夜だった。自分1人ではどうすることも出来ないこの2つの矛盾した感情はあの日からずっと俺を蝕んでいった。
「そういうこころは…?」
「あたしは、朝の空も昼の空も夜の空も、全部の空が大好きよっ!!」
「なんともこころらしい解答だな。」
正直、羨ましいと思う。何かを好きになる。それは、とても素晴らしい感情だ。
「俺さ……家出みたいな状態なんだよね。」
「いえで…?“いえで”って何かしら?」
キョトンと首を傾げるこころ。まぁ、家出なんてものと程遠いやつだしな…
「家出って言うのは…自分の両親と喧嘩して家を出ることだよ。」
「親と喧嘩してるの?」
「まぁ…色々とあったんだよ。」
連中から逃げるように花咲川へと入学した。俺はそこでこころ達と出会った。
「ずっとずっと…誰とも関わること無く独りで勝手に野垂れ死ぬのかと思ってた…」
(あぁ……この気持ち…ずっと昔に感じてたものだ……)
自身の心の内側を独白していく内に、不思議と曇っていたココロが穏やかに晴れていくのが分かる。
「毎日1人で変わらない時間を過ごして終わりを迎えるんだって思ってた。」
でも、こころ達に出会った。
「前にさ、“心の底から俺が笑ってない”って俺に言ったよな…こころ?」
「いったわ…でも、今のソウヤはとっても
なら、良かった…俺が今こころに送れる言葉は、これだろう。
「ありがとうこころ……俺さ、今とっても…」
息を吸い込み、伝える。
「とっても…
言葉に出して改めて分かった。俺は…今…こころ達のおかげでこの時、
「とっても…幸せなんだ。」
いままでに見たことのない表情で……普段の彼からは想像も出来ないような穏やかな笑顔で彼は微笑んだ。
「あ…」
それは彼女が彼に最も望んでいたものだ。その笑顔は今まで見せた彼のどの表情よりの儚く、短いものだった。思わず、彼の顔をじっと視てしまう。
「こころ…?」
彼が不安そうに彼女に尋ねる。
「だ…っ……大丈夫よ…っ!」
顔に熱が灯っていくのがハッキリと分かる。
時間帯が夜で、2人を照らすのが夜空の星々だけだったおかげで彼女の顔を見ることは出来ない。
もしも見えていれば……きっと赤くなっていたことが彼に知られていただろう。
(どうして……?やっぱりソウヤといると胸がドキドキする……胸が…苦しいわ…でも…もっと…)
この苦しみの正体を彼女はまだ知らない。
「はぁ〜…にしてもどうすっかなぁ〜…」
このままでは朝にならないと移動はできない。夜の森ほど危険なものはないのだ。
「はぁ…ま、気長に待つか…」
創也はゴロンと地面に寝転がる。
「こころも転がったらどうだ?」
先程見せた“笑顔”は鳴りを潜め、いつもの無愛想な表情へと彼は戻った。
「そ、そうするわ!」
創也の隣でこころが寝転がる。
「へっくし!!」
「ソウヤ…寒いの?」
「いや、そんなことは…へっくし!…あるかも…」
「なら、一緒にこうやって身体をくっつければ暖かいわ!」
そういって、こころは転がっている創也の身体に抱きついてきた
「たしかに、人肌って暖かいな…」
「そうね!」
こころはそのまま創也の胸に顔を埋める。
「こころ?」
トクン…トクン…
(…ソウヤの鼓動が聞こえる……とっても…落ち着く…ずっと…こうして…いたい……)
程よいテンポで鳴る彼の鼓動は、少女を眠りへと誘うのだった…。
「こころ……って、眠ってる…のか?」
「すー……すー……」
「ま、話を聞く限りずっと楽しみにしてたみたいだからな……」
俺は地面から起き上がり、こころの頭の部分を自分の膝にのせる。所謂膝枕ってやつだ。
そっと、頭を撫でる。
「本当に……きれいだなぁ…」
夜空を見ながら、俺のつぶやきは誰にも聞かれること無く、夜の闇に溶けるのだった。
「やっぱり、そろそろ移動しないとヤバイよな……」
腕時計の時刻を確認すると、肝試しの終了時刻が刻一刻と迫っていた。
「しょうがない…俺がやるしかないよな…」
俺はこころに衝撃を与えないように細心の注意を払いながら立ち上がり、こころを背負う。
(こいつ軽っ!?)
俺の筋力(平均的な女子以下)でも持ち運べるくらいには、こころの体重は軽かった。
「やっぱり道分かんねぇからなぁ……」
どうしようもなく困り果てていたその時だった。
「あ、黒焦げアフロになってた人だ…」
「だれが黒焦げアフロだっ!!…ってモカの幼馴染の……蘭だっけ?」
声がした方向を見ると、モカ達の幼馴染でもある…えーと…美竹蘭?…がいた。赤メッシュが特徴的でよく覚えている。
「そうだけど……何やってんの?」
「迷子になった。助けてくれ。」
答えを濁す必要はない。シンプルイズベスト。
「え……」
「え?」
おい…まさか…そんな最悪のパターン…絶対に嫌なんだけど…
「ひょっとして…お前も?」
「……」
目を全力でそらす蘭。その態度が何よりも最悪のパターンを物語っていた。
しかし、今回は悪運が強かったらしい。
「らーん、どこー?」
「蘭!いたら返事しろー!」
「蘭ちゃーん!何処にいるのー!」
「らーん!」
蘭の幼馴染達が
「あ、みんなが呼んでる‥」
「え、あんな大人数で肝試しやったの?ナニソレズルイ」
苦労して俺とこころは2人でここに来たのにあんな大人数とかずるくね?
(いや…これなら好都合だな…)
「なぁ、俺ら一応迷子だからさ、連れてってくんね?」
「別に良いよ‥」
「ありがとう」
短い言葉を交わし、俺は眠りについたこころを背負って蘭に付いていくのだった。
「ま、キャンプファイヤーまではゆっくり眠らせとくか。」
その後、俺は羽丘の生徒と合流し、何とか花咲川のゴール地点まで辿り着いた。
「こころ!創也!大丈夫だった!?」
流石に帰りが遅いことを心配した美咲がこちらに駆け寄ってきた。
「おう、こころは途中で眠っちまったけどな…」
「あの状況で寝たの!?」
「おう…ホント規格外だよ…」
俺の背中でこころは穏やかな寝息をたてている。まぁ、流石にキャンプファイヤーが始まれば起きるだろ。
笑顔のある所に飛んでいく…それがこころだし。
「創也ァ…テメェ……」
ふと、後ろから地獄の底から響いたような怨念を具現化したような恐ろしい声が聞こえる。
「うおっ!?……勇人!?お前その格好どうした!?って、くっせぇ!?」
思わず鼻を抑えてしまう。
声を出していたのは、勇人だった。ゆうとの服装は、白いドレスのようなものを纏い、黒い長髪のカツラを装着し、所々に血のメイクがされているのだが……血のメイクに紛れて泥や草木、酷い部分には動物の排泄物が付いていた。というか、9割くらい動物の排泄物の匂い……あ、残りの1割は体臭ね。
「俺が1人でだれも来ない森で終了時間までボッチで待機してたのに……俺が仕掛けた動物の糞を入れた落とし穴に落ちるわ…捕獲用の罠にかかるわ…カップル撲滅装置にかかったのは俺だけ…その間にお前は弦巻さんとイチャコラしてたってか…?あはははははは!!!!!……人生ねぶっちゅーのかわれぇ!!!!!」
お前ばかり羨ましすぎる!!とでも言いたげな顔でこちらに攻め寄ってきた。あまりのキレ具合に土佐弁まで混じっている。というか、そんなもん仕掛けてたのか…自分で仕掛けた罠に全部1人でかかるとかバカだろ…
「くっせぇぇぇ!!!!!おいっ!それ以上近づくな!!鼻が潰れる!!!!」
「うるせぇ!!テメェもこっち側に巻き込んでやる!!」
「来るなァァァァァ!!!!!!」
結局、俺と勇人の鬼ごっこは、キャンプファイヤーが始まる数分前まで続いた。
〜おまけ1〜
勇人「ふっふっふ…このリア充壊滅用の罠…これで学校に肝試しの吊橋効果でリア充が出来るのを防ぐことが出来る…」
勇人の目の前には大量の罠が用意されている。
勇人「この“対リア充戦決戦兵器”なら……いつも美味しい目にあっている創也を‥…あははは!!!!」
動物の糞の入った落とし穴作成キットや、クマを捕獲するようのネットなどを順調に仕掛けていく勇人。
その数分後、全ての罠に彼自身がかかるのだが……まぁ、問題はないだろう。
〜おまけ2〜
創也「テメェ!マジでこっちに来るな!!臭い!!!」
勇人「ふははは!!!!我が怨念!!貴様などに止められる程甘くはない!!!」
創也「くっせぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
鬼ごっこを続け、創也が逃げた先には、羽丘の生徒たちが居た。
創也「だれかぁ!!助けてくれぇ!!!」
勇人「ははははは!!!何処にいこうというのかね!!!!」
創也と勇人が走っていると、ふと、蘭と勇人の目があった。
蘭「うわっ…きも…」
小さなつぶやき…だが、その言葉のナイフは確実に勇人の心臓を抉った。
勇人「かふっ…ッ!?」
創也「……?…助かった…のか?」
その後、勇人は川に投げ捨てられましたとさ。キャンプファイヤーが始まり、三途の川から戻ってくる頃には、匂いは多少はマシになったとさ。
めでたしめでたし。
勇人「じゃねぇよ!!」
一応、予告しおきます。あと2話でこの章は完結です。
つまり、次章は以前予告したとおりのヤンデレ回!!!なのですが…コロナウイルスの関係で、僕の学校の当番の回数が埋め合わせのように増えてしまい、もしかしたら投稿速度が6月中はガタ落ちするかもです。一応、通学中に最新話を作ってみますが……まぁ、頑張ってみます。
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