壊れたココロを埋めるヒト   作:アライグマ318号

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 さてさて、ヤンデレ章の第1話スタートです。タイトル見れば分かるとおり、最初は風紀委員のあの人です。

 創也に襲いかかる最初の脅威!創也の運命はいかに!?


 kaRuna094さん、神威結月さん、よるベインさん、ロイローイさん、キリギリスンゴさん、ちわわさん、お気に入り登録ありがとうございます!!

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 それでは、第1話どうぞ〜



第1話 また生徒会室に呼ばれちゃった

「やっべぇ!!遅刻する!!」

 

 

「にゃぁ!!」

 

 

 俺は慌てながらも急いで身支度を整える。もちろん、ここあの朝ゴハンも忘れずに。

 

 

「早く学校に行かないと紗夜先輩に怒られる!!」

 

 

 風紀委員の関係でたまに遅刻する生徒を確認しに校門で待機していることがあるのだが、遅刻した生徒は紗夜先輩からO・HA・NA・SHIを受けるのだ。

 しかも風紀委員である俺が遅刻したとなると…考えるだけでも鳥肌がヤバイ。

 

 

「いってきまーす!!!!」

 

 

「みゃぁ〜」

 

 

 玄関の鍵を閉める余裕もなく、俺は全力で学校まで向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しゃっあ!!!セーフ!!!」

 

 

 なんとか校門まで辿り着く。ギリギリで間に合った事に安堵するが…

 

 

「アウトです」

 

 

「そんなっ!?」

 

 

「事実です。」

 

 

 そう言いながら、紗夜先輩は自分の右手に着けてある腕時計を見せる。

 紗夜先輩の腕時計は“8時1分”と表示されている。花咲川は8時登校なので、間違いなく遅刻だった。というか、これくらいなら許してほしいんだけど…

 

 

「まったく…遅刻したのは創也さんと松原さんの2人ですか…」

 

 

「あれ?花音先輩も?」

 

 

 学校来る前に迷子になったのかな?探しに行ったほうがいいような…?

 

 

「松原さんは事前に遅刻すると連絡が入っていたので、今回は不問としますが創也さん…」

 

 

「な、なんですか…?」

 

 

 恐る恐る紗夜先輩に聞く。やべぇ…紗夜先輩の顔を直視できねぇ…顔を見ることさえ怖すぎる。

 っていうか、花音先輩事前に対策をしてたのか!?ズルい!!!

 

 

「放課後、生徒会室に()()で来てくださいね?」

 

 

 極刑(説教)の判決を言い渡す紗夜先輩。

 

 

「はい…」

 

 

 紗夜先輩からどんなお説教を受けるのか恐怖しながらも俺は教室に向かうのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ…」

 

 

 彼女はニヤけそうになる顔をなんとか笑みを零す程度に留め、腕時計の時間を()()ほど前に巻き戻した。

 

 

「なんとか2人だけの空間を作ることに成功しましたね…」

 

 

 今日は生徒会を使う人はいない…よって、完全な密室空間へとなるのだ。

 

 

「もウ少しデ…創也さんガ…ワタシのモノに…フフフ♡」

 

 

 彼女の顔は赤く紅潮し、普段の彼女を知る人間からは、とても考えられないような顔だった。瞳には一切の光はなく、そこに風紀委員としての彼女の姿はなかった…

 

 もしも、創也がこの時の彼女の表情を見ていれば、少しは違った未来になったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オッス創也!遅刻ギリギリだったな!」

 

 

 教室に入ると、勇人が声をかけてきた。

 

 

「はぁ?何言ってんの?俺遅刻したみたいだけど…」

 

 

「はぁ?お前こそ何言ってんだ?今8時になったばかりだから遅刻でも何でもねぇぞ?」

 

 

 教室の時計を見ると、勇人の言う通り、時刻は8時を示していた。

 

 

「まじかぁ…これ紗夜先輩の腕時計がズレてたってパターンじゃん…」

 

 

「へぇ…あの人時間の管理に結構厳しいのに珍しいこともあるんだな。」

 

 

「はぁ…あのお説教を無意味に喰らうことになるのか…」

 

 

 以前、紗夜先輩のお説教を見たことがあるのだが、とても言葉で表せるものではない。勇人にいたっては説教の常習犯なので、どれだけそれ(説教)が地獄か理解しているだろう。

 

 

「うわぁ……餞別に購買のジュース奢ってやるよ…」

 

 

「そんな餞別は嫌だ…」

 

 

 衝撃の事実に絶望しながらも、俺は自分の席に着席するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 昼休み

 

 

「そういえば創也、今日は遅刻しそうになってたけど…何かあったの?」

 

 

 昼休みとなり、俺はハロハピのメンバーで弁当を食べていた。

 

 

「いやぁ…昨日の資材運びのせいでちょっと疲れちゃってさ…眠りすぎちゃったんだよ。」

 

 

「なるほど。」

 

 

「確かに、創也くん昨日はぐっすりだったもんね。」

 

 

「でも、遅刻しなかったのだから良かったじゃない!」

 

 

「教室から見てたけど、そーくん、すっごく脚がはやかった!」

 

 

 そんな感じで俺達は昼食を続けた。

 

 

「はぁ…どのみち、紗夜先輩に説教を食らうんだろうなぁ…」

 

 

 普段の説教は俺紗夜先輩のそばで待機することでストッパーとなり、短時間で終わらせるように仕向けるのだが…今回、ストッパーである俺自身が説教を受けるとなると…何時間かかることやら…

 

 

「ソウヤ…サヨに何も変なコトされナイわヨネ?」

 

 

「こ、こころ…?」

 

 

 なぜかこちら側にゆっくりと寄ってくるこころ。なんだろ…こころの瞳に光がない…なんか怖いんだけど!?

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

「あ、昼休みが終わるみたいだよ!はぐみ、この後体育だから早く行くね!!」

 

 

 そういうと、はぐみは食べ終わった弁当を急いで片付け運動場へと向かった。

 

 

「あ、俺も授業の準備してないから教室に早めに戻ってるよ!」

 

 

 はぐみに便乗して、俺は何とかその場を切り抜けた。

 

 

(今日のこころ…瞳に光がなかったような…考え過ぎか?あのこころがあんな怖い顔をするはず無いし…昨日の疲れがまだ残ってるのかな…?)

 

 

 こころの表情に不安を抱きつつも俺は教室に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、放課後。創也に悪夢が襲いかかろうとしていた。

 

 

 

 

「はぁ…ついに来ちまったよこの時(放課後)が…」

 

 

 相変わらず謎の威圧感すら放つ生徒会室…うん、すっごく入りたくない…このまま逃げて帰ろうかな…?

 

 

「どこへ行くつもりですか?創也さん?」

 

 

「ですよねぇ…」

 

 

 当然、背後で待ち構えていた紗夜先輩に捕まる。

 

 

「ちゃんと逃げないで来ましたね……まぁ、逃げても捕まえるだけですが♡…

 

 

「そりゃあ、逃げたらもっと酷い説教食らうことになりそうなので…」

 

 

「まぁ、それよりも早く生徒会室に入ってください。」

 

 

「ちょっ!分かりましたから押さないでください!」

 

 

 ぐいぐいと俺を押して無理やり生徒会室に入室させようとする紗夜先輩。

 結局、そのまま強引に入室させられる。

 

 

「さて、それでは確認ですが、あたは何故ここに呼ばれたか分かっていますか?」

 

 

「…遅刻したことでしょうけど…紗夜先輩の時計、あの時の時間と合ってないみたいなんですけど…」

 

 

 勇人の話が確かなら、俺は遅刻をしていないらしいのだ。無駄に説教を受ける趣味はない。時間のズレを伝え早く帰宅しようと考えていたのだが…

 

 

「あぁ、その事ですか…時計は私がわざと5分進めていたんですよ。」

 

 

「……え?」

 

 

(紗夜先輩は今、なんて言った?わざと5分進めていた?じゃあ、何で俺はここにいるんだ?)

 

 

 嫌な予感が止まらない。ここにいたら酷い目に会うと俺の本能が警鐘を鳴らす…

 

 

「今回私が貴方を読んだのは、弦巻さんや奥沢さん…松原さんとの関係性についてです…」

 

 

「こ、こころ達との関係性…ですか…?」

 

 

 ジリジリとこちらに寄ってくる紗夜先輩。俺も本能的に後ずさってしまう。

 

 

「あなたは風紀委員でアルニも関わらず弦巻さん達との距離が近すぎルンじゃないデスカ?…一歩間違えれば不純異性交友デスヨ…?」

 

 

「そ、そんなこと言われましても…同じバンドメンバーですし、アレも多分こころなりのスキンシップじゃないんですか?俺は別に構いませんし…」

 

 

 第一、俺に抱きついてきたりするのは9…いや、10割がこころだ。なのに何故美咲や花音先輩にまでそんな指摘をされるのだろう?

 

 しかし、そんな思考をしている間にも、紗夜先輩はジリジリと確実に俺との距離を詰めていき、俺はついに壁際まで到着してしまう。

 というか、さっきから紗夜先輩の顔が怖い。怒った時とはまた違ったベクトルの怖さ。頬は紅潮し、瞳からは一切の光が消えていた。なんだか、昼休みに見たこころと少し似ている気がする。

 

 

「あなたがヨクてもワタシが駄目なんデス…」

 

 

「……っ!」

 

 

 教室の隅まで下がった以上、俺に逃げ道はなく、紗夜先輩に完全に逃げ道を塞がれてしまう。

 

 

「弦巻さん達とはどこまでいったのデスカ?一歩間違えれば創也さん自身が襲われていたかもシレナインデスヨ?」

 

 

「お、襲われるってそんな…っていうか、俺今先輩に襲われそうで怖いんですけど!?ちょっ、近いですって!」

 

 

 視界の殆どが紗夜先輩の顔で占められている。あと少し近づけば唇と唇が触れ合ってしまいそうな距離だ。

 紗夜先輩をから逃げようとするが、両手を押さえつけられ、手を動かし抵抗することが出来ない。いや、強引に振り払えばいけるかもしれないが、リスクが高すぎる。

 普段から紗夜先輩はロゼリアのギターで鍛えられているということもあり、平均的な女子以下の腕力しかない俺には現状対抗できる策が何一つとしてなかった。

 

 

「ワタシがあなたに風紀のトリカタを骨の髄までオシエテアゲマス♡…そうすれば、他のオンナとはもっと適切な距離がトレマスヨ…?」

 

 

(やばい…これは…獲物を前にした肉食獣の目と同じだ…っ!)

 

 

「くっ!」 

 

 

 俺では紗夜先輩に腕力で勝つ事はできない。だが、他の身体能力では俺の方が上…ならば全力で紗夜先輩の後ろにあるドアから脱出すればいい。

 

 

(よしっ!抜けた!)

 

 

 今出せる最大の速度で紗夜先輩を出し抜き、ドアに手をかけ、脱出………するはずだった。

 

 

 ガチャガチャ 

 

 

「なっ…開かない!?」

 

 

 紗夜先輩の後ろ側に回り、出入口であるドアに手をかける事には成功したが、鍵がかかっており、動きが一瞬止まってしまう。

 即座に鍵を開け、再び脱出を試みるがすでに遅い。

 

 

「うわっ!?」

 

 

 後方に強く引っ張られ、そのまま押し倒されてしまう。先程押さえつけられてた手を強引に振り解いたせいで、腕が痛む。同じ手はもう二度と使えない。

 

 

「さ、紗夜先輩……っ!」

 

 

 完全にマウントを取られる。こうなった以上、俺に逃げ道はない。

 

 

「創也サン…?イマ、ナンデニゲタンデスカ?ワタシガイレバアナタニハナニモモンダイガナイデショウ?ネェ、ナンデニゲタンデスカ?ネェ、ナンデ……?」

 

 

「ひっ!?」

 

 

 紗夜先輩の眼はたった一筋の光さえ無く、先程よりも頬が紅潮していることからも、完全に俺を襲うつもりなのだと理解する。

 

 

「ふふふ…大丈夫デスヨ?創也サンは大人しくしていればイインデスカラ…♡」

 

 

(もう……駄目だ…だれか…っ!)

 

 

 あまりの恐怖と突然の状況に、俺は半ば諦め、目を瞑った時だった。

 

 

 ガラッ!!

 

 

「大変よ!紗夜さん!一年生の矢坂勇人って男子が映画鑑賞部の部室を占拠して男子数十人で成人向けのビデオの鑑賞会を始めたわ!!!早く何とかしないと………って、何してるの?」

 

 

 紗夜先輩の手が俺の服に触れた瞬間、生徒会室のドアが開き、紗夜先輩の同級生と思わしき人物が入ってきた。

 

 

「……すみません、躓いて倒れた際、彼を巻き込んでしまったので……今止めに行きます。」

 

 

 紗夜先輩はそう言うと、俺からゆっくり離れ生徒会したから出て行った……

 

 

「…今度…勇人にお礼言わなきゃ….」

 

 

 学校で何バカな事やってんだ!?的なツッコミよりも先に、勇人への感謝が口から出た創也であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから約2時間後。

 

 

「さすがに疲れたな……」

 

 

 あの後、勇人が時間を稼いでくれたおかげで無事に下校できた。俺は現在、バイト帰りの為、近場の公園に寄って休憩してる。

 今日の紗夜先輩の事をモカやリサ先輩に相談するわけにもいかず、俺は暗くなり、人1人いない公園で今回の件について考えていた。

 

 

「にしても紗夜先輩のあの目……何だったんだ…?」

 

 

 学園の風紀を守る風紀委員自らがその風紀を壊そうとしていた。しかも、相手はよく知る相手…さらに言えばコーチをしているバンドのメンバーの1人なのだ。普段の彼女を知る人間からはまず考えられない行動だろう。

 

 

「はぁ….明日はロゼリアのコーチがあったけど、事前にリサ先輩に休むって言っておいて正解だったな…どうせ明日は土曜日だし久しぶりに家でゆっくりするか…」

 

 

 そう思い、自宅へと帰宅しようとした時だった。

 

 

 バチッ!!!!

 

 

「がっ!?」

 

 

 ベンチを立ち、移動しようとした瞬間、全身が痺れそのまま受け身も取れずに倒れてしまう。

 

 

「フフフ……ニゲラレルトオモッタンデスカ?ソウヤサン♡」

 

 

「…さ…よ…せんぱ…い…なん…で…?」

 

 

 紗夜先輩の手にスタンガンが握られている事を確認し、俺は意識を手放すのだった…。




 ヤンデレってこんな感じでいいんですか?(´・ω・)

 ちなみに、昼休みの間にこころ以外にさりげなくヤバイ発言した人物がいるのですが、皆さん分かりましたか?

 さて、創也の運命はどうなる!

文化祭編終了後の夏休み編の予定

  • 創也、花嫁になるの巻+その他短編集
  • 夏だ!海だ!ハピハピ島だー!
  • 夜の羽丘学園に侵入せよ!?
  • 女優の仕事は思ったよりも重労働?
  • 花咲川オブ夏休み旅行計画
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