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☆10 ぺけぽんとうさん、ありがとうございます!
さて、もしかしたら今回の話はR17.9かもです。
それでは、第2話どうぞ〜
「ん…ぅ….」
深く沈んだ意識が次第に覚醒していくのを感じる。
「ここ…は…?」
現在の自分の状態を改めて確認する。手足は麻のロープで縛られているが、一応、ベッドの上で眠らされているような状態だ。
「そうだ…俺は…紗夜先輩に……」
だんだんとここに来る前の記憶がハッキリとしてくる。周囲を見渡せば、落ち着いた雰囲気の部屋に一つ、存在感のある青いギターが目に止まった。間違いない。紗夜先輩のギターだ。ロゼリアの練習の時によくみている為、誰が使っているかくらいは判別がつく。
ガチャ
「あら、やっと起きたんですか」
「紗夜先輩……」
不意に、扉が空いたと思えば入ってきたのはやはり、紗夜先輩だった。花咲川の制服ではなく、私服を着ていることからも、ここが紗夜先輩の家だと確信する。
「なんで…こんな事をするんですか…?」
「なんで…ですか…ふふふ」
こちらが質問したというのに、紗夜先輩は笑っている。たったそれだけの動作だというのに、嫌な予感…寒気が止まらない。ずっと狙われているような不快感が全身を襲う。
「そんなの…あなたが欲しくなったからですよ…」
「俺が…?」
ジリジリと生徒会室の時のようにこちらに寄ってくる紗夜先輩。違う点があるとすれば、俺には逃げ道も抵抗する手段も、全てが封じられているという事だろう。
「以前までは頼りがいのある後輩と思っていましたが…いつからでしょうね…創也さんの事が欲しくて欲しくてしょうがないんですよ…」
俺の顔に近づいてくる紗夜先輩。先輩の吐息が鼻腔をくすぐる。一種の甘さのようなモノさえ含むそれは、俺の神経を少しずつ麻痺させていく。
「ヤット…ワタシノモノニナッテクレマスネ♡」
俺の顔を通り過ぎ、耳元で甘く囁いてくる先輩。
先輩の吐息が耳にかかる。
「はむっ」
「ひゃっ!?」
突然、紗夜先輩が耳を咥えてきた為、変な声をあげてしまう。
「案外可愛らしい声がでるのですね…ふふ」
頬を紅潮させ、濁った瞳で俺を見る紗夜先輩。
「こ、これ以上はダメです…っ!こんなところ誰かに見られたら…」
物理的な抵抗ができない以上、言葉による説得しか方法はない。
「大丈夫です…ワタシの両親は仕事の関係で帰ってくるのは明後日なので、家にはいませんし、日菜も仕事で今日は遅くなるかもしれないと聞きました……つまり、この家は私と創也さんの2人っきりという事ですよ♡」
(嘘だろっ!?)
ここで会話を断つのは危険すぎる。どうにかして会話を続けなければ……
「というか、なんで俺があの時公園にいるって分かったんですか!?」
まず最初に思いついた事はそれだった。
「その事でしたら……これです。」
紗夜先輩は、私服のポケットから小さなレーダーのようなものを取り出した。
「そ、それって…発信器ってやつですか……」
「よくわかりましたね…お察しの通り、これで創也さんのいる公園にたどり着き、ここまで運んだんですよ。」
なぜあの時、紗夜先輩が俺のいる場所に現れたのか、疑問が解消される。
(って、会話を続けて誤魔化さないと…っ!)
そこで、ふと思い浮かんだ疑問がある。
「そ、そういえば!日菜先輩って高校生なのに仕事してるんですか…?」
先ほどの紗夜先輩の発言から突破口を探し、思い浮かんだのがそれだった。
「…日菜でしたら、学生兼アイドルなんですよ。以前、オーディションをしたら受かったそうです。今は“ Pastel*Palette”というアイドルバンドでギターをしているそうです。」
「な、なるほど……」
マジかよ…あの先輩そんなに凄かったのか…
「ですが….」
突然、紗夜先輩が口調を強くし、言葉を繋ぐ。
「ナンデアナタノクチカラホカノオンナノナマエガデルンデスカ?アナタニハワタシイガイヒツヨウナイデショウ?」
たった一筋の光さえない瞳で紗夜先輩は俺を見据える。どうやら最悪の質問をしてしまったらしい。
「ち、違います!そんなつもりじゃ…」
「言い訳はイリマセン…オシオキデス♡」
紗夜先輩は、どこから取り出したのかアイマスクを俺の顔に装着し、耳元で囁いてくる。
「もう二度と…他のオンナに目移りしないよう…あなたが誰のモノなのか…直接身体に教え込んでアゲマス♡」
「ひうっ!?」
そう囁くと同時に、耳にぬるぬるとした生暖かい感触を感じる。
「知ってますか?人間は目から8割程情報を得るのですが、目を使わなければ、耳から情報を得ようとするんですよ…?」
くちゅ、くちゃ、ぺろ…
アイマスクで視界を塞がれ、触覚や聴覚が敏感になっている。そんな状態で責められ続け、俺の理性と精神はゴリゴリ削られていた。
(や、やばい…刺激が…強すぎる…っ!)
顔を動かして逃れようにも、しっかりと顔を固定され、びくともしない。
(っていうか明らかに力が強すぎる…っ!全く抵抗できない…!?)
女性からは考えられないような力で押さえつけられている以上、逃げる手段が殆どない。
「ふふふ…そろそろ創也さんのファーストキスをいただきましょうか♡」
万事休すか…放課後のように勇人あたりの人間が何かアクションを起こしてくれればありがたいが、そんなことはありえないだろう。
「それでは改めて…イタダキマス♡」
そして、俺の唇と紗夜先輩の唇が触れようとしたその時だった。
ドタドタドタ
「…え?」
何かがとてつもない速度でこちらに近づいてくる音がする。紗夜先輩もその音に気が付いたようで、寸前のところで俺と紗夜先輩の唇は接触を避けることが出来た。
「…ふっ!」
「わっ!?」
近づいてくるものの正体が分かったのか、紗夜先輩はベッドの端に置かれた布団を取り、俺に被せて来た。
「おねーちゃん!ただいまー!!」
(この声は…日菜先輩!?)
音の正体は紗夜先輩の双子の妹の日菜先輩だった。
「おかえりなさい日菜…それと、いつも部屋に入る時はノックをしてと言っているでしょう?…パスパレの練習はどうしたの?」
「なんかね、マネージャーの人が体調不良みたいで自己練習になったんだけど、あたしはもういいかなーって!」
日菜先輩からは俺が見えていないのか、普通に紗夜先輩と話し込んでいる。
「日菜先輩っ!助けっ!?!?」
布団越しに助けを求めようとした瞬間、口の中に異物が入る。
(紗夜先輩!?)
紗夜先輩は俺が何をしようとしているのか、察したのか、布団越しに俺の口の中に指を入れてきた。これでは声が出せない。
「あ、そうだ!おねーちゃん!一緒にご飯食べようよ!」
「…別に、私と一緒に食べる必要はないでしょう……?」
「えー、それだとるんっ♪ってしないもん…それとも、何か一緒に食べられない理由でもあるの?」
「……分かったわ。後で下に行くから待ってて。」
「はーい!」
そう言うと、日菜先輩は部屋から出て行ったようだ。
そして、身体から布団の重みが消え、視界が明るくなる。アイマスクも取ってもらえたらしい。
「私は今から日菜と食事をしてきます。」
紗夜先輩は俺の後ろに回り、俺の身体にさらにロープを巻き付け、部屋の家具と俺を縛り止める。
「ニゲヨウナンテ、カンガエナイデクダサイネ?」
「っ!」
俺はその言葉に恐怖し、ただコクリと小さく頷くことしかできなかった。
(はぁ……いったい紗夜先輩に何が起こってんだ?)
紗夜先輩が日菜先輩と食事をしている時、俺は今回の件について改めて考えていた。
(紗夜先輩の一連の行動は普段の先輩からは考えられないような風紀をぶっ壊すものばかり……キャラ崩壊なんてレベルを軽く超えてるぞ…)
どんな可能性を考えても、先輩があんな状態になった理由がわからない。
(やっぱり消去法で何らかの外部的要因があるのか?)
そんな思考に至り、数分がたった頃だった。
コンコン
(っ!……来たか…)
部屋のドアがノックされる。おそらく紗夜先輩だ。次こそ逃げ道はない。そう思い、これから先で起こるであろう展開を覚悟した。
「あれ?なんでそーくんがここにいるの?」
「ひ、日菜先輩!?」
どうやら悪運が強かったらしい。入ってきたのは紗夜先輩ではなく日菜先輩だった。
「ねーねー、なんでおねーちゃんの部屋にそーくんがいるの?縛られてるけど……趣味?」
「これが趣味に見えます?……あ、あとこのロープほどいてもらっていいですか?肌に食い込んで地味に痛いんですよ…」
「いいよ!」
こうして俺は、紗夜先輩の捕縛からなんとか解放されたのだった。
「そういえば、紗夜先輩は?」
今、この状況を紗夜先輩に見られれば日菜先輩も俺も間違いなく碌な目に合わない。
「おねーちゃんなら、今お風呂に入ってるよ!意外と長風呂だから…あと10分くらいすれば上がってくると思うよ?」
「なるほど…あ、日菜先輩、ちょっとスマホ貸してもらって良いですか?」
「いいよ……でも、何に使うの?」
「ポケットに入れておいたはずのスマホが無いので、場所を確認しようと思いまして。」
日菜先輩からスマホを受け取り、自分の携帯に電話をかける。
ピロロロロ、ピロロロロ
部屋の本棚の裏から小さく音が聞こえる。
「あったよ!」
日菜先輩が音の方向へと向かい、俺のスマホを取り出す。そして俺にスマホを渡してくる。当然、俺も日菜先輩のスマホを返す。
「ありがとうございます。」
「あ、それから…はい、これ!」
日菜先輩は、少しスマホをいじると、俺に何かを見せてきた。
「あの…これは?」
「あたしの連絡先!」
「なんで俺なんかに?」
「えーとね、なんだかるんっ♪ってきたから!!」
「る、るん?」
「うん!…それとも、あたしと連絡先交換するの…いや?」
若干の上目遣いになって訪ねてくる先輩……なんだか、紗夜先輩の双子ってこともあって、違和感がすげぇ…
「まぁ…俺のでよければ。」
こうして、俺は日菜先輩と連絡先を交換した。
「って、こんなことをしている場合じゃなかった!早く脱出しないと…っ!」
「なら、こっちだよ!」
日菜先輩は俺の手を掴み、玄関を出て、外に連れて行かれる。
「すみません先輩…助かりました…」
「おねーちゃんならあたしが様子を見ておくから、安心して逃げてね!」
「はいっ!ありがとうございます!」
こうして、俺は氷川邸からの脱出を、日菜先輩という協力者を得ることで脱出するのだった…
「卯月創也くん…かぁ…うん!るるるるるんっ♪って感じがする!」
走り去っていった少年の姿が見えなくなる頃、1人の少女はその場で呟くのだった。
少女の目は、1点の曇りもなく、新しいおもちゃを見つけた子供のように輝いていた。
「とりあえず家の近くまで逃げてきたけど…」
俺は改めて、連絡先に加わった“氷川日菜先輩”と記された項目を見る。
「何気に俺、アイドルと連絡先交換したんだよなぁ…
スマホの電源を切り、家の方向へと向かう。
「はぁ…アイドルと連絡先交換した反動で不幸が来なければいいけど…」
幸か不幸かわからないような状況だったが、俺は窮地を脱した事に安堵し、気を緩めたその時だった。
「みつけたわよ!ソウヤ!」
「こ、こころ!?」
突然、俺の目の前に黒い大型の車が停車したかと思えば、車の窓が開き、こころがいた。
「こんな時間に何してんだ!?」
「それよりも、早く乗って!!」
「ちょ、まっ!!」
ドアが開いた瞬間、こころが俺の服を引っ張り、車の中へと引きずり込まれる。
「今からあたしとソウヤの家に向かうのよ♪」
「はぁ!?」
こころがそう言うと同時に、車が動き出し、俺の家とは反対方向に進みだした。
とりあえず、心の底から一言…
「また誘拐じゃねぇかコノヤロぉぉぉぉっっ!!!!!!!!」
暗くなった街に、俺の悲鳴が轟くのだった。
意外と予想よりも投稿ペースを落とさずに編集できていて驚いてます。
さて、日菜先輩に目をつけられてしまった創也くん…あれ?過労死したりしないよね?
今日紗夜先輩とこころに誘拐されてるから…羨ましいなこいつ(大変そうだなぁ)※本音が漏れ出てます。
それでは、次回をお楽しみに〜
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