黒子のバスケ〜努力の天才   作:マニック

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第25Q

現在、黒金瑠璃は帝光時代の主将であった虹村修造の家にきていた。

虹村の家はスポーツジムを経営しており、虹村はその家を継ぐようだ。なので時より、黒金はここへトレーニングを行いに来るのである。

 

虹「シュートを捨てるってのは、どういうことだ?」

虹村はさきほど、瑠璃が言ったことの真意を確かめようと確認する。

瑠「いや、つまりさ。今福田総合に必要なのは点取り屋じゃなくてさ、黒子みたいなパスを回せる選手だと思うわけよ?灰崎というエースを獲得したからさ。だから俺がパスを回せる選手になろうかなって。」

虹「パスを回すなら、主将の石田がいるだろ?」

瑠「んー。あの人には本来の自分のスタイルに戻って欲しいんだよなあ。俺が憧れたあの人にさ。だから俺がパスを回す。俺が目指すのはPF《ポイントフォワード》だ。」

 

PF《ポイントフォワード》とはPG《ポイントガード》とF《フォワード》の両方の役割を担うポジションである。このポジションに求められるものはPG《ポイントガード》並のパスセンスと視野の広さ。F《フォワード》並の得点力である。これ以上瑠璃に適しているポジションはないだろう。

 

虹「分かったよ。とりあえず、何を強化したいんだ?」

虹村は練習を組む天才である。その選手が何を強化したいのかによって練習を組み分ける。練習の効果が最もでやすいように。

 

瑠「左右両方の筋力を均等にしたいんだ。俺は右ききだから、左手でパスを出す時にコンマ何秒の差が出るんだよなあ。それじゃあ、勝てないんだ。なんとかしてくれ。」

虹「ふう。またとんでもない注文しやがって。いいぜ。その代わり、逃がせねえからな?」

虹村は黒い笑顔を向ける。瑠璃は帝光時代の虹村を思い出していた。とんでもない練習を部員に言い渡し、微笑む。虹村という男は期待している者にはとんでもなく厳しい。

瑠「望むところだ。」

 

虹「次は左50回。そのあと右38回な。」

瑠「はぁ、はぁ。おーけー。」

瑠璃は現在スクワットを行っている。虹村の指示に従い、左右両方の筋力を均等に近づけている。

 

虹「合宿の半分が終わったら、参加するんだよな?」

瑠「ん?ああ。俺にはもう自分のスタイルのイメージが浮かんでるんでな。それにはチームメイトとも練習しないと。」

虹「そっか。じゃあ、それまでには間に合わせてやる。」

瑠「ありがたい。」

瑠璃は虹村の組んだ地獄のメニューを行う。おそらく瑠璃でなければ、逃げ出すほどの練習である。

 

その頃、福田総合は合宿所で誠凛と秀徳に遭遇していた。

灰「ん?黒子じゃねえか。それに緑間もかよ。」

黒「お久しぶりです。灰崎君、緑間君。」

緑「会いたくなどなかったのだよ。」

緑間はいつもの如く、嫌そうな顔をする。」

黒「灰崎君がまたバスケに戻ってきたと桃井さんから聞いてましたが、本当だったんですね。よかったです。」

灰「まあな。瑠璃さんに引っ張られてな。」

緑「その瑠璃さんはどうしたのだよ?」

灰「ああ。今別トレーニングでな。あと3日もしたら合流するさ。」

緑「そうか。」

元帝光の3人が話しているところへ割り込むものが2名いた。

秀徳の高尾と誠凛の火神である。

高「真ちゃーん。俺もまぜろよお。」

火「黒子。そいつもキセキの世代なのか!?」

緑「うるさいのだよ。高尾。」

黒「灰崎君は元キセキの世代です。途中で退部したのでキセキの世代とは呼ばれていませんが。」

火「でも強いんだろ?匂いがするからな。」

灰「お前は。そうか、お前が。黒子の新しい光か。へえ、才能だけならキセキの世代並だな。」

火「なあ、1on1しようぜ?」

火神はボールを持って灰崎を挑発する。

灰「はっ。今すぐやってやりてえが、俺だけ別行動ってわけにはいかねえからな。その内な。」

黒子はその灰崎に違和感を覚える。黒子の知っている灰崎という男はこんなにおとなしくない。いつも自身満々で自己中な男であった。

しかし今は違う。福田総合にいってから何が灰崎に起こったのだろう。黒子はそのことを考えていた。

その日はそこまでで、各々各自のチームで練習をしていたのだが。

次の日。

各高校の監督が部員に告げる。

3校合同の合宿を行うと。

 

3校とも実力は全国クラスである。その3校が練習をすれば、得るものは大きい。

最も効果が期待できる練習はやはり練習試合である。

1年「それではこれより、誠凛対福田総合の練習試合を始めます!!」

火「いきなりやれるとはな。いくぜ、灰崎!!」

火神はここで気づく。灰崎の本当の姿を。まるで獣。いやケダモノ。

それは青峰よりも野蛮で危険だと火神は感じた。

灰「こいよ。食い尽くしてやるよ。」

黒「ビビらないでください。火神君。」

火「ビビってねえよ!!てかお前どこから出てきた!?」

黒「どこって、始めからいましたけど。」

灰「相変わらずだなあ。黒子は。」

 

石「よろしくたのむ。」

日「こちらこそ。」

主将の石田と日向は握手を交わす。

日向は石田にことをよく知っている。全国でも屈指のPG。そして、屈指の3Pシューターである。

表情には出さないが、日向も燃えていた。

 

ジャンプボールは鶴野と木吉である。

鶴野もまた木吉のことを知っていた。無冠の五将、鉄心。自分がどこまでできるのか。それを試すいい機会である。

 

両校とも実りのある試合になることは確かである。

 

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