黒子のバスケ〜努力の天才   作:マニック

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今回は台本形式なしで行ってみます笑
読みにくかったらご指摘ください。


第41Q

第1Q序盤、両チームのエースはそれまで見せてこなかった技で火花を散らしていた。しかし、バスケットはチーム戦だ。いつまでもエースだけの対決というわけにはいかなくなってくる。何より、エースの体力はできるだけ温存しておきたい。

 

「頼むぜ、氷室!!」

陽泉高校のもう1人のエース、氷室辰也にボールが回る。その氷室のマークを担当しているのは宮地清志である。

「君には悪いけど、俺の敵じゃない!!」

氷室は得意の現実ではないかと錯覚するほどのフェイクで宮地を抜く。

「クソがっ!!」

宮地は急いで、態勢を立て直そうとするが氷室には追いつけず、シュートをゆるしてしまった。

その様子は誰の目から見ても、氷室と宮地の実力の差が明らかであった。

 

「宮地。木村をヘルプにつかせるか?あいつは相当な選手だぞ。」

「いや、いい。自分のケツは自分で拭く。」

宮地は大坪の提案を断った。それは秀徳高校でレギュラーを勝ち取った誇りからだ。秀徳高校にはベンチに入ることのできない選手が多くいる。3年になっても試合に出ることのできない者などざらだ。その中で宮地はレギュラーを勝ち取った。秀徳のレギュラーはベンチに入ることすら叶わなかった選手の想いも背負っている。負けるわけにはいかない理由はそれだけで充分なのだ。

 

「いいのおー?あの人じゃあ、室ちんには勝てないよ。」

氷室は紫原が認める数少ない選手だ。完全に対等として見ているわけではないが、その実力を認めるには充分な相手だ。

「見くびるなよ、紫原。俺のチームに誰かに手を借りなければならない選手などいないのだよ!!全員が人事を尽くしてるのだよ。」

緑間はすでにチームメイトを信じている。ただひたすら、自分の練習だけをしてきた紫原との違いがあるとすればソコだ。緑間は瑠璃に負けてから、チーム練習に重点を置いてきた。そうしなければ、勝てないと思ったのだ。

 

「緑間、次”アレ”頼むわ。」

「分かりました。」

 

秀徳のOF。ほぼ決まって高尾からボールが始まる。ハーフラインを超えた当たりで、緑間が木村のスクリーンを利用してフリーとなる。

「真ちゃん!!」

高尾から緑間にボールが渡る。

「んな簡単に打たせる訳ねーし!!」

「だろうな・・・!!」

緑間はあろうことか、宮地にパスを出した。そんなことが起こるはずないと思っていた氷室の反応が遅れ、宮地は全速力のドライブで氷室を抜く。

宮地はドライブに関しては緑間も認める選手だ。緑間が練習後も3Pを練習している横でほたすらボールをついている。その努力を緑間は見ていた。

「あの人は人事を尽くしている。故に」

宮地がダンクをたたきこむ。

「天はあの人を選ぶのだよ・・・!!」

 

第1Qは宮地のダンクで終了した。点差は15対13。秀徳高校のリードである。

第2がはじまるまでの間、両校の監督は選手に指示をだすことをしなかった。そうすることの無意味さを理解していた。

いままでの戦い方に間違いなどない。これまで通り戦えばいいのだ。

 

「よし、いくぞ!!」

「はいっ!!」

大坪の声に選手たちが答える。

 

「よし、いこーかい!!」

「うるさいアル、アゴリラ。」

「ほんとうにうるさい。」

「おまえらな。」

かたや主将をいじることで緊張を緩和している陽泉高校。

 

第2Qは両校とも落着いたスタートを切った。

両校とも機会を伺っているのだ。エースが最大限に活躍できるタイミングを・・・!!

 

「くれ!!」

そんな中さきほど宮地にやられた氷室がボールを要求する。

「さっきはやられたよ。でも今度は俺の番だ。このシュートは止められない。」

「なっ!?」

氷室の打ったシュートをブロックに跳んだ宮地。しかし、そのブロックをボールがすり抜けた。

「陽炎のシュート《ミラージュシュート》」

 

「なんだ、あのシュートは?征、わかったか?」

「いえ、完全に分かったとは言えないです。」

赤司ですら完全には把握できないシュート。氷室達也の実力が伺えるシュートだ。

「祥吾。あのシュート、よく見とけよ。」

「うす。なんとか頑張ります。」

灰崎にとって見ておくというのは強奪することと同義。瑠璃は灰崎をこのウィンターカップでさらに強くしようと企んでいる。

「緑間、あのシュートは一体。」

「今はまだ分かりません。ですが、ボールがブロックをすり抜けるなどありえません。なにかトリックがあるはずです。」

「宮地、このQはあのシュートを観察することに徹しろ。いいな?」

大坪から宮地に指示が入る。ただでさえ紫原がいるチームにあんな選手がいたのでは秀徳の不利は否めない。

紫原と氷室のダブルエースをなんとか止めようと秀徳は食らいつく。しかし、そう簡単に止められるはずもなく、点差は開き26対35。

 

「高尾、もう温存している時間はないのだよ。”アレ”をやるのだよ。」

「ああ。もうやるしかねえな。」

2人は何かをやろうとしていた。その様子は見る者が見れば、観客席からも分かる。

 

「まだあきらめてないの?その目むかつくんだけど」

「悪いが、俺の辞書にあきらめるの文字はないのだよ!!」

緑間は紫原を振り切り、一瞬の隙を作る。

そしてボールをもっていないにも関わらず、シュートに入る。

「(なんなんだよ、それは!!ボールもまだ持っていないのにシュートなんか打てるわけが!?)」

「真ちゃん!!」

シュートフォームに入り、跳んだ緑間の手に中に高尾から絶妙なタイミングでパスが通る。そのボールは、いつもの緑間のように高いループを描き3Pが決まる。

 

「これが、”俺達”の力なのだよ!!」

 

 

 




あと二回ぐらいで、秀徳対陽線は終わりです。
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