黒金瑠璃は天才ではない。このことは、本人も自覚していることだ。
小学4年の時に、兄の影響でミニバスを始めた。才能があるわけでもなかった瑠璃は小6でレギュラーとなった。
黒金瑠璃は小6にして自分の才能が凡庸であることを知っていた。地元の中学に進学し、普通にバスケをして普通の成績しか残せない。そう思っていた瑠璃に転機が訪れたのは、小学校最後の大会。そん日、瑠璃は1人でチームを勝利に導いた。ブロック、シュート、リバウンドとすべてふた桁を超えていた。才能の蓋が開くのはいつなのかなんて誰にも分からない。しかし、瑠璃はその試合で初めて自分の才能が開くことを感じた。
偶然にもその試合を帝光のスカウトが来ていた。当然、瑠璃はその誘いに乗る。こうして瑠璃は帝光に入学することを決めたのである。
帝光に入学する者のほとんどは自分の実力に自信がある強者ばかり。中でも、瑠璃の世代にはその当時中学最強呼ばれていた、虹村修造がいた。
「絶対負けねえ。この中で一番になるんだ・・・!!」
その頃からだろう。瑠璃の愛称”努力の天才”が生まれたのは。
毎日、毎日部活が終われば、残って練習。さらに早朝は体力作りのためのランニング。有に同世代の練習量を超えていた。
「瑠璃、1on1しようぜ!!」
「おう!!」
徐々に虹村との実力差はなくなっていた。そして互いに高め合う仲となっていた。友人ではない、敵でもない。虹村は瑠璃の好敵手《ライバル》となったのだ。
「にしてもほんとすごい練習量だよな?練習量だけなら先輩達より上だろ?」
虹村は日頃から疑問に思っていたことを聞いてみることにした。虹村とて普通の選手の何倍もの練習を行っている。その虹村をもってしても、瑠璃の練習量には勝てない。
「ああ、まあ。俺は才能がないからさ。人より練習しないと。」
瑠璃は決して自分に人より優れた才能があるとは思っていなかった。たまたま小6の試合で、活躍はできたがそれでもまだ自分の才能を信じてはいない。だから練習する。”ここで一番になるために”
「(だからお前は怖いんだよ。才能の塊じゃねえか。」
虹村は自分の思ったことを心にしまった。
この2人はすぐに一軍に上がった。そして試合でも結果を残した。帝光は1年2人の活躍により全中を制した。
このまま自分達の時代が来るのだと信じていた。自分達が中心となり、帝光を引っ張るのだと。そう思っていた。
彼らが。キセキの世代と呼ばれる彼らが入学して来るまでは。
今回は短いです。
すいません。