「赤司征十郎です!!ポジションはPGです。よろしくお願いします!!」
瑠璃たちが二年になって世間で騒がれることになるキセキの世代が入学してきた。
はじめての印象は普通の中学生だった。部活に入って1週間も立つとその才能の恐ろしさが見えてきた。
レギュラーであった3年生はすぐにキセキの世代と交代となってしまう。
キセキの世代は帝光に栄光だけをもたらしたのではない。部活内に悪風をももたらした。
瑠璃たちの上の学年は、半分が部活をやめてしまった。それもそうだろう。最後の学年であるにも関わらずレギュラーの顔ぶれに3年がいないのだから。そんな屈辱を我慢することができなかった。それは瑠璃の学年も同じである。
「俺さ、部活やめるわ。どう頑張っても試合にでれないし、それにもうあいつらが活躍いてるところは見たくない。」
そう言って瑠璃や虹村と駕ぎを削ってきた者は次々とやめていく。
俺は”あいつら”が嫌いだ。
俺は”才能”という言葉が嫌いだ。
俺は”天才”が嫌いだ。
それ以上に”努力しない奴”はもっと嫌いだ。
努力をしている人は何もしていない人を認めない。
決して認めない。
瑠璃の心には空虚感が満ち溢れていた。
皮肉なことにそんな瑠璃を救ったのも、キセキの世代であった。
「瑠璃さん!!今日も1on1しようせ!!」
まるで子供のような笑顔で青峰は瑠璃に近づいてくる。
「瑠璃さん。今日もフォームをチェックして欲しいのだよ。」
今と何も変わらない仏頂面で瑠璃に近づく緑間。
「瑠璃ちんさーん、センターの練習付き合ってよー。瑠璃ちんさんしか相手できなくてさあ。」
髪を縛り、お菓子を食べながらどすどす歩く紫原。
「ったく。お前ら、俺を殺す気か!?」
そんな様子を赤司と桃井がノートを取りながら見ている。
こいつらはちゃんと努力してる。
ああ、俺はこいつらのことが好きなんだな。
だから、ちゃんとこいつらより上に立ってないとな。
俺はこいつらの先輩なんだから。
途中からは灰崎も入部し、その練習に加わっていた。この時はまだ、祥吾と呼んでいた。
それからだろうか、瑠璃の練習量がさらに増えだしたのは。
黒金瑠璃のすごいところは、練習量が増えてもそれがオーバーワークにならないところである。どんな練習でも完全に消化してしまう。やはり、この男もまぎれもない”天才”である。
瑠璃が2年生レギュラーとして挑んだ全国大会
予選はなんなく勝ち進んだ。
「瑠璃さん、監督から1回戦は緊張をほぐすために1年だけでオーダーを組むとの伝言がありました。」
赤司は少し申し訳なさそうに言う。
「ああ、そうだろうなとは思ってた。お前ら、ガチガチすぎだからな。」
瑠璃の予想通り、1回戦が始まり帝光は思ったように点を取れない。
「くそっ。体が動かねえ。」
自分のふがいなさにイラだつ青峰。それは他のメンバーも同じであった。
「安心したわ。お前らやっぱ一年だな!!」
1人瑠璃はうれしそうに笑う。
「修造!!行くぞ?頼りない1年に変わってな!!」
「ああ。やっと出番だな。」
この2人が出た瞬間、会場の空気が変わった。
「おい!!見ろよ、帝光の最強コンビの登場だぞ!!」
観客全員が2人の話をしだす。
そんな2人の活躍を見ている内に、1年も硬さがとれていきトリプルスコアで帝光は勝利する。
「なあ、灰崎。勝ったけどよ、くやしいわ。」
青峰は共に試合から外された灰崎に言う。
「そうだな。俺らはまだあの人たちの領域にはいないんだな。」
灰崎も自分の無力さを嘆く。
「でも、なんか安心したわ!!俺より上にはまだまだすげー人がいる!!もっとうまくなってやる!!」
1年と2年がうまくかみ合い、帝光は2連覇を成し遂げた。
後に、瑠璃が2年にころの帝光のことを歴代最強と呼ぶ者も少なくない。
チームとしての完成度は確かに連覇中で最高であった。
このチームにさらに変化をもたらす男が現れるのは、もう少し先の話である。
次回は黒子が登場します!!