第3Qは静けさから始まった。
緑「どうしたのだよ、ついにあきらめたのか?」
緑間は不審に思っていた。自分の知る青峰という男はこんなものではない。
誰よりもバスケットを知るこの男があきらめるなどありえない。ゆえに攻撃の手はゆるめない。
高尾のスクリーンから緑間はハーフラインでシュートを打つはずだった。
若「おらあ!!」
若松の手がかすかにボールに触れる。
青「そいつは身体能力だけならオレらとタメはるぜ、緑間。」
ボールはリングに弾かれる。そのリバウンドを大坪はとろうとする。
しかし
大「(なんでだ、なぜお前がもうそこにいる!?)」
大坪がとらえたのはさきほど緑間がすでにリングの下にいた。
若松は福田総合に負けてから自分の足腰の強化と青峰との1on1を日課にしていた。
青峰自ら、相手をすると言い出したのだ。青峰は気づいていた。若松の可能性に。彼は、キセキに匹敵するかもしれないことに・・・!!そして緑間の超高弾道3Pの弱点が露呈する。滞空時間が長いこのシュートは外せばそのままカウンターチャンスを生む。
若松はリバウンドを制し、ボールを黒子さながらの強力なパスで桜井に出す。
緑「なっ!?味方がリバウンドを制することを信じて走っていたのか!?」
桜井をとめることができるものはいなかった。
…
瑠「ひゅう。やるなあ。いまのは良かったな。大輝をあえて囮にして真を止めるか。それにあの3人のトライアングルも正解だな」
バスケットでもっとも点を多くとる方法は、点をとれるコンビをつくること。あるいは、点を取れるトライアングルをつくること。
石「だが、それが一番難しい。3人で息を合わせることは、2人のそれより何倍も難しい。」
…
今「ほんまこれをするのにどんだけ苦労したか。最初なんか、互いに足の引っ張り合いでこまったもんやで。」
この会場の誰も知らない物語がある。練習をあれだけサボっていた青峰が瑠璃に負けてから毎日練習に顔を出し、少しづつチームに馴染んでいった。OFFの日でさえ、若松と桜井を引っ張り出しトライアングルの練習。
今「せやから、まあ。この台詞は嫌いなんやけど言うわ。努力は人を裏切らないやろ?」
今吉の言葉の通り、そこから着実に桐皇は点差を詰めていく。その中核は間違いなく青峰、桜井、若松のトライアングル。
考えて見れば、これほど厄介なトライアングルもそうはない。
リバウンド力に長けた若松。
クイックリリースの3Pシューター、桜井。
そしてDF不可の男、青峰。
緑「(やるしかないか。もうなりふりかまっていられない。)」
緑間は決心をした。“アレ“をすることを。
緑「キャプテン。“アレ”をやります。真の同調連動型ゾーン《シン・シンクロドライブゾーン》!!」
次のQ。そこには驚くべき光景が広がっていた・・・!!
瑠「おいおい。そうくるかよ。それは俺でも読めなかったぞ、真?」
うれしそうな顔をする瑠璃を虹村はそっと見ていた。
思えば、瑠璃を心から尊敬し敬愛しているのは
3年間その背中を追い続け、キセキの世代と呼ばれようと努力を惜しまなかったのは
緑間真太郎唯1人。
だからだろうか。こうなることは必然だったのかもしれない。瑠璃がPGに転向したことを知っている緑間だからこその戦略。
緑「いくぞ。これが秀徳と言うチームなのだよ・・・!!」
緑間からのパスを高尾が木村が大坪が宮地が完璧な態勢でシュートを打つ。
外すことなどありえない。OFに入った瞬間に、全員がゴールに向かって走り出し全員がシュートモーションに入る。相手の動揺は計り知れない。
青峰は笑わなかった。いや、笑えなかった。
なぜならそこに瑠璃と同じ領域に達した男の覚悟が見えたのだから。
緑間はチームのために己を捨てた。
真の同調連動型ゾーン《シン・シンクロドライブゾーン》は緑間がPGとなりほかのチームメイトに完璧なパスを通す超攻撃型OF。
シューターでる緑間だからこそできる。シューターであるからこそ、どこにパスを通せばシュートを決めることができるかが分かる。故にこのOFにリバウンダーは存在しない。
ある意味では、究極のOFの陣形と言える。
高「(真ちゃんの考えが頭の中に流れてくる。これが真ちゃんの“ゾーン“か。悪くねえじゃん!!)」
青「ったく。最高だな、お前も!!だけどよ、俺だって何も用意してきていないわけじゃないんだぜ?」
青峰もまた切り札を隠している。
最終Qの闘いが今始まる。
決勝の相手が緑間になりそうな文章しかけない泣