自分の趣味の範囲で書けたらと思います。
「ついにこの時がきたな。」
会場の誰かが言った。ついに、冬の日本一の高校が決まる。勝者は1チームのみ。
「きたぞーー!!キセキの世代、エース暴君青峰大輝要する桐皇学園!!今大会屈指のOFのチーム!!」
さらにそこに青峰のパスが加わったのだから、厄介だ。バスケットにおいて、エースの存在感は他のスポーツのそれを上回る。極端な話、エース1人で勝てるゲームも少なくない。なぜなら、エースばかりに気を取られてしまうと他がおろそかになるからだ。つまり、エースは得点力とパス力を併せ持つ必要がある。青峰はそれを手に入れた。真のエースとなった。
だが、それができる人物は青峰だけではない。
「こっちもきたぞーー!!高校バスケ界の秀才、黒金瑠璃要する福田総合学園!!圧倒的なポテンシャルですべてのプレーを完璧にこなす万能チーム!!」
いつのまにか瑠璃には新たなあだ名がついていた。
「秀才って。なにそれ、天才ではないと?」
明らかに、不機嫌な素振りを見せ瑠璃は歩いていく。
「まあまあ、いいじゃないすか。俺なんか紹介なしですよ。」
シュート練習に入る各選手。しだいに会場すべてが静けさに包まれる。
その時が来たのだ。
「これよりウィンターカップ決勝戦をはじめます!!互いに礼!!」
「「お願いします!!」」
運命の試合まで、あと数十秒。
ピ----
「しゃあっ!!」
いつものうるさい声が会場に響く。
「ナイスや、若松!!」
「(ちっ。これはあいつらの得意なパターンじゃねえかよ。)」
石田の読みはほぼ当たっていた。わずかに読み間違えたのは、自分のチームメイトの反応の速さ。
「させるかよ!!」
この試合、桜井のマークである望月がすぐにコースをなくす。
「ナイスだ、望月!!」
「あらー。いつもので、初得点はもろたと思ったんやけどなあ。まあ、さすがは福田総合っちゅうところかの。」
ならばと、今吉はエースへとパスを出す。これが意味するのは、エース対決。
「ちょっとはやいなあ、なあ大輝?」
「さっそくリベンジ、第一回戦だ!!」
どうしたことだろう。青峰の動きが止まる。気配、いや匂いともいうべきものを感じ取ったのはキセキの世代、またはそれに準ずるもののみ。
「真ちゃん、あれって。」
観客席ではそれを感じ取った選手がここにまた1人。
「ああ、あれは高次元の駆け引き。まずは小手調べと言ったところなのだよ。」
ボールを今吉にもどし、勝負は振り出しとなる。
「この配置じゃだめだな。次はぶち抜く。」
大人になった後輩をみて、思わず笑みが溢れる。
この男は自分に勝ちに来ている。真剣に、チームとして勝ちに来ている。ならば、それに答えなければならない。
「どしたんすか、瑠璃さん?」
桐帝は結局得点を奪えなかった。動きを止めている瑠璃に灰崎は話しかける。
「ああ、わりい。あ、祥吾。いまからお前に俺の全てを伝えるから。」
それは突然に訪れた。現れるのは覚悟という才能。
「刮目しろ。これが俺のバスケットだ。」
自分と対して身長が変わらない目の前の選手が倍以上に大きく感じた。
やっとの思いで言葉を紡ぎ出す。
「お、押忍!!」
これが最後のチャンス。この人を越える最後のチャンス。
覚悟の大きさこそがこの人の強さ。