黒子のバスケ〜努力の天才   作:マニック

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第16Q

第1Q初っ端、瑠璃はドリブルで相手陣へと突っ込む。

そして青峰と対峙する。

 

瑠「あいかわらず、”野生”かよ。それ嫌いなんだよなあ。」

 

青「あ?俺は昔からこれだろーがよ。やりにくいっていうなら褒め言葉としてうけとっておくぜ。」

 

瑠「あー。ちがうちがう。その努力もへったくれもない天性の才能だけでバスケをやってるのが嫌いなんだよっ。」

 

瑠璃は基本に忠実にダックイン、そしてレッグスルーで青峰をかわそうとする。

 

青「甘ーよ。」

青峰は瑠璃のボールを弾く。

 

しかし弾かれたはずのボールは不思議と瑠璃の方向へと転がっていく。

 

青「なっ!?」

 

瑠「忘れたか?俺のバスケスタイルを。ボールの回転は常に俺の支配下だ。」

 

瑠璃はボールを弾かれる直前にボールに強烈なバックスピンをかけていた。

弾かれたボールはその回転に従い、瑠璃の方へと帰ってくる。

仕掛けは単純である。しかし、この技を成功させるには高度な技術が必要となる。

 

1つは相手がいつボールをカットしにくるかを感知する嗅覚。

この嗅覚は決して才能では身につかない。瑠璃のような日々限界を越えるような練習。そして数多くの経験が必要である。

 

2つ目は相手にバレないように回転を掛ける技術。必要最小限の動きで回転を掛けることによって相手はバックスピンに気づかない。瑠璃の手首の強さ有り気の技なのである。

 

瑠「先取点はもらった!!」

 

若「くそっ」

 

若松がすぐにヘルプにつくが、それは瑠璃の狙い通りであった。

 

瑠璃はインサイドからアウトサイドにいる灰崎にバウンズパスを出す。

 

ただのバウンズパスではない。ボールがコートに触れた瞬間、ボールの向きが変わったのだ。これも瑠璃の回転を操る力である。

 

灰「っしゃあ!」

 

灰崎はそのままミドルシュートを決める。

 

客「先制は福田総合だー!!なんだあのパスは!?」

 

瑠「さあ。どんどんいこう!!」

 

瑠璃はチームを盛り上げる。

 

今「はっは。やられわあ。今度はこっちのエースの番やなあ。なあ?青峰。」

 

青「ったりめえだ!よこせ!!」

 

桐皇の攻撃はエースである青峰一辺倒の攻撃である。

 

エースにかける絶対的な信頼なのか、自信なのか桐皇に唯一存在する連帯意識である。

 

当然青峰には瑠璃がつく。

 

青「さっきはよくもやってくれたな。いくぜ。今の最高速度だ。」

 

瑠「ちっ!」

 

青峰は今の自分の最高速度で瑠璃を抜きにかかる。最高速度の青峰を捉えることはいくら瑠璃でも簡単ではない。

 

瑠「ヘルプ!!」

 

灰「くっ」

 

灰崎はすぐに瑠璃のヘルプへ入る。

 

青「お前は俺の敵じゃねえよ。」

 

この時青峰は灰崎など簡単に抜けると思っていた。一度ドロップアウトした人間など簡単に抜けると。

 

だが実際に抜こうとした時に、抜きづらいという感覚を覚えた。

 

なぜか?

 

それは灰崎のディフェンスが基本に忠実な完成されたものであったからである。

 

青峰はこのディフェンスを知っていた。帝光時代、幾度となくこのディフェンス相手に練習した覚えがあった。

 

青「(このディフェンスは。まさかっ!?)」

 

瑠「残念だが、福田総合のエースは俺だけではない。」

 

青峰のほんの一瞬のスキをつき瑠璃がボールをカットする。

 

青「そういうことかよ。瑠璃さん。あんたが灰崎をここまでにしたのかよ。こいつはもう”扉”を開きかけてんじゃねえか。あんた、何を狙ってんだ?」

 

瑠「秘密だよ。それより集中しろよ。お前の目の前にいるのはキセキの世代にまったく劣らない2人だぞ?」

 

 

それから第1Qはエース同士の点取り合戦となった。

 

青「おもしれえ!!ほら、もっとこいよ!!」

 

瑠「青峰!!もっと集中しろや!!」

 

青峰の型のないバスケスタイル。

瑠璃の基本に忠実なバスケ+回転を操るトリッキーなスタイル。

さらに瑠璃は灰崎へのパスも組み入れている。

 

差は徐々にであるが、出てきていた。

 

現在22対28。福田総合学園がリードしていた。

 

今「あかんなあ。桜井!ボールくれ!」

 

石「いかせるか!!」

 

主将同士がぶつかり合う。

 

今吉はフェイクなど一切なしに3Pを打つ。フェイクなしのシュートを打つなどという考えは石田にはなかった。結果、反応が遅れ3Pを許してしまった。

 

今吉の3Pが決まったところで第1Qが終了する。

 

互いのベンチでは監督からの指示がでる。

監「よしよし。いいペースだ。黒金と灰崎はよく青峰を抑えてくれた。第2Qもこの調子でいこう。いまの点差をキープしつつ勝負は第3Qに仕掛けるぞ?」

 

選「はいっ!!」

 

灰「瑠璃さん。大丈夫ですか?汗の量、半端じゃないすけど。」

 

瑠「ん?ああ。大丈夫。俺の調子が絶好調っていう合図だから。それより灰崎。次の第2Q、俺と青峰から目を離すなよ?」

 

灰「??」

灰崎は瑠璃の言動を不思議に思っていた。

 

一方桐皇は。

 

監「まずいですね。青峰くんと黒金君は同等と言えますね。ほかの選手のレベルも高い。非常にバランスのいい選手です。」

 

今「青峰。どうしたい?ディフェンスきついなら1人たすか?」

 

青「そんなことしたらぶっ殺すぞ。いいから俺に全部パスよこせ。やっと楽しめる相手が出てきたんだからよ。今最高の気分なんだよ。」

 

若「またお前は!!自己中にもほどがあるだろ!!」

 

今「かまわんからほっときいや。ここまでやれとるのは青峰の力や。もう少し好きにやらせたり。」

 

今吉が若松を黙らせる。

 

そして第2Qが始まる。

 

攻撃は桐皇からである。

 

青「瑠璃さん。感謝しますよ。この状態にここまで早くなれたのは初めてだ。」

 

瑠「おまえ。まさか。自分の意思でっ!?」

 

青「いくぜ。たのむからついてきてくれよ。」

 

青峰はごく普通に瑠璃を抜いた。それは無駄な動きなど一切ないバスケットマンとして完璧な動きであった。

 

ゾーン。

それは、余計な思考感情の一切ない極限の集中状態。選手の持つ力を最大限引き出せるが、トップアスリートでも偶発的にしか経験できない稀有な現象。通常であれば日々の鍛錬により自分の限界まで近づいたトッププレイヤー、それでもまだ上を目指すプレイヤーに”偶然”訪れる。しかし、青峰の才能は自らの意思でその”扉”を開いた。

 

瑠「まったく。おそろしいな。キセキの世代。」

 

青「瑠璃さん。俺は知ってるぜ?あんたの本気はそんなもんじゃねえ。とっとと来いよ。」

 

瑠「ふう。しゃーねえな。」

 

瑠璃の本気。その底はまだ誰も知らない。

 




アンケートの結果。
瑠璃覚醒になりました!!

P.S
みなさま。感想と評価、待ってます泣
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