超次元サッカーさせてくれ(懇願) 作:勝機を零した、掴み取れん
──大谷つくし。現在、たった一人しかいないサッカー部のマネージャーを務めている女子生徒。その見た目と誰にでも優しく接することのできる性格もあり、クラスの男子からは人気のある生徒だという噂を聞いた事がある。
サッカーが好きなのかどうかはわからないがマネージャーとしての仕事は彼女にとって適任と言っても良かった。彼女の世話好きともいえる部分に本当に助かっている。
ユニフォームやジャージの洗濯、ドリンク等の用意、部室の管理など自分一人では中々こなせない仕事を引き受けてくれた。
だが、俺にとってそれは理解し難いものだった。
現在、たった一人のサッカー部員。しかも、約半年前に転校してきたばかりの人間に対してここまでするだろうか。彼女が優しい人間だから? だとしてもここまでの事をするはずはないだろう。
でも、いつもやっている彼女との練習や、いつもの言動を見る限りは……。彼女は俺に好意……それ以上のえげつない感情を俺に向けているのだろう。
そうでなければあんな肉体関係を思わせる誘惑はしてこないだろうし、よくわからない彼女面をしてくるわけもない。
気になるのいつもクラスのみんなに対しても明るく振る舞う彼女がどうして俺のような人間にそこまでのものを抱くようになってしまったのだという事だ。
まあ、感情や好意なんてものは本人以外にはわからないものだ。もしかすれば今俺が考えてた事も違うという可能性も充分ある。
俺からすればそれが本当だとすれば……少し嬉しい。
彼女が可愛いということもあるが前世の俺はここまで異性に好意を向けられたことがない。例えそれが歪んだものだったしてもそれを受け入れれば青春間違いないだろう。下手をすれば真っ赤な青春になってしまうがな。
だが、見た目は中学生でも中身は高校生からおっさんになってしまった。
前も言ったがいくら合法とはいえ背徳感が迫ってきてしまうのだ。同じ精神年齢だったのなら平気で毎日やっていただろう。
だから、まだ時間が欲しかったのだ。俺が本当にこの決断をしてしまっても良いのだろうかと。
今はその答えが見つかるまでは彼女の誘惑に耐える日々だ。
「──はあ、はあ……やっぱりスクワットってきついね……」
そう言って彼女は腰を上下に振る。
今日の練習は俺ではなく、彼女のだった。
俺が床に対して仰向けになって寝て、彼女は俺の腰あたりに両足を跨いでスクワットを行う。
うん、これはあれだ……あまり見られてはいけないやつだ。
一言で表すなら騎乗位スクワット。それを彼女が行い、俺はそれを眺めるしかない。とても下半身に悪い。色んな意味でな。
「──4……5……あっ……!」
腰を上げ下げする度に彼女は甘い声を漏らす。あまり身体は鍛えていないのだろう。もう足腰がプルプルと震えている。
「──なあ、きついならもうやめた方がいいんじゃあ」
「大丈夫! 大丈夫だからぁ……!」
そうは言っているが身体を下げた時にもう下半身が支えきれず、膝を90度近くで保つのが出来なくなっていてどんどん腰が下がっていってしまっている。
そして、ついに彼女の股が俺の腰あたり……丁度股間の部分に触れた。
「──ふぁ……!?」
それを彼女が狙っていたのかはわからないがその瞬間彼女は俺の腹部に両手を添える形で崩れ落ちる。絵面がとても酷い。
「──だから言っただろう。あまり無理はしない方がいい」
「──あ、待って! 優くん動かないで……あっ!」
やばい、勃ってきた例のアレが彼女のアレにグリグリといった形で触れてしまった。結果彼女は顔を真っ赤にして喘ぐ。
「悪い! つくし、大丈夫か?」
俺は上体を起こして彼女の両肩を掴んで支える。
「だ、だいじょうぶ……ゆうくん、わたしなんかでこんなふうになってくれたんだね」
最早彼女は疲れとさっきので顔がぐしゃぐしゃになっていた。絵面が本当に事案です。
俺は部室に掛けられた時計を見る。やばい、そろそろ時間だ。
「つくし、今日はこの辺にしよう。俺も向こうに行かないといけない」
「え……? 優くんまた生徒会の方に行っちゃうの?」
つくしはそれを聞いて泣きそうになっていた。その顔はやめてくれ。自分がクズ人間のように見えて仕方がない。
俺は生徒会の手伝いをしている。サッカー部がつくし含めて2人しか居ないので、現在の正式な部としては認められていない。それでいて活動は行っているのだからそれを管理する生徒会に目立つ行為しかしていない事になる。
しかも何故か雷門中の生徒会は男が全くいない。それもあって男手が必要な力仕事になると必ずといって呼び出されてしまうのだ。部として認められたい、追い出されたくなかったら生徒会の指示に従い、手伝いを行えという脅しも含まれていたりするのだろう。生徒会というのは大体そんなもんだ。
「──だから今日は部活は終わりにしよう」
「──嫌だ……嫌だよ……。もっと、一緒にいたいよ……!」
彼女は両腕を俺の首、足を背中に回してホールドをしてくる。だからそういうことはするなっての。本当にやってるとか、事後とかに見えてしょうがないだろう。
先ほどの疲れがあるのかあまり力が入っていないのでそれを俺は無理矢理解いて立ち上がり、部室の扉の方へと向かう。
しかし、扉に手をかけようとしたら後ろから抱き止められる。本当に生徒会に向かわせたくないようだ。
「──つくし、あまり俺を困らせないでくれ。そういう所、俺は嫌いだ」
──嫌い。そう言葉にした瞬間、彼女は離してくれた。やっぱり……そういうことなんだろう。
「──ごめん。明日は生徒会の仕事は無いから、また明日、練習しような」
彼女はどんな顔をしていただろう。俺にはそれを考えるだけで苦しさを感じてしまったので、振り返らずに部室をあとにした。
「──本当に、このままだと俺はクズ男みたいに思われてしまうな」
後で生徒会の人間に、これからは仕事を減らしてもらうように後で相談しよう。流石に彼女を困らせるのは良くない。
──だが、この時の俺はまだ知らなかった。これから頭が痛くなりそうな修羅場の数々が待っていることに。
読んだことある方はお分かりだとは思いますが自分の過去作の再投稿になってます。
マジで続きかけるように頑張りますのでよろしくお願いいたします。