仮面ライダーアベンジ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。悶絶小説調教師の辰ノ命と申します。

今回、調教する小説は「仮面ライダーアベンジ」

怪人と人間の価値観の違いや存在する意味。
2つの種族が混じるこの世界は果たして平和なのか。どちらが真の悪なのか。

皆さんは私の小説に耐えきる事ができるでしょうか?
新たなライダーが歴史にその名を刻む瞬間を、それではどうぞご覧ください。


ジェスター編
第1話「開始のアベンジ」


 栄須(えいす)市。ここには仮面ライダーがいる。

 みんなご存知の通り、仮面ライダーっていうのは正義の味方だ。悪い奴らをやっつけてくれる希望の光。

 

── 20年前、世界はジェスターと言う怪人が集まった組織によって、地獄のような日々を送る事になった。人々は毎日、夜もまともに眠れないまま強制労働され、死者も数人、数十人と数を増やしていた。

 そんなある時、1人の男。それが「羽畑 月火(はばた げっか)」。この地獄を終わらせた救世主であり「仮面ライダーエース」である。

 長い戦いの末、組織の首領は月火により敗れ、月火もまた戦いには勝利したものの、激しい戦いにより重傷を負い、力尽きて死んでしまった。

 

… と、ここまでは月火は英雄であり、言わずもがな人々にとって希望であり絶対的な正義だ。

 僕も確かにそう思うんだけど、でもこれは人間にとってはの話。

 僕たち怪人にとっては────。

 

 

 

 

 

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「いらっしゃいませ。温めますか?」

 

 

 コンビニでアルバイトをしている青年。この青年は普通の人間ではない。そもそも人間でもない。ジェスターと呼ばれる怪人である。

 人間ネームは「稲森(いなもり)」で、怪人ネームは「イナゴ」。ここでは彼を稲森を呼ばせてもらおう。

 怪人はここでは人間の姿であらなくてはいけない。だから稲森も見た目は青年そのものなのだが、名残として触覚と瞳孔が鋭いのだ。他にも怪人は……

 

 

「…… おい、あんちゃん」

 

「あ、はい?」

 

「箸つけ忘れとんぞこらぁ!!!」

 

「ももも申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

── 稲森はバイトが終わると、いつものようにボロボロなアパートへの帰路を歩く。見た目も中身も酷いけど、それでも稲森にとっては最高の我が家である。そしてとても安心できる。

 この道中、人目のつかない路地裏やガラス越しの店の中に怪人たちがいたが、表情はそれぞれ違うけれど、心情は苦しんでいるのだろう。

 ここで先程の怪人にとってはという事についてなのだが、首領はこの世界を手に入れる事が目的だった。しかし絶対的な者が敗北すると、誰も仮面ライダーエースに対抗する事ができない。だから彼は次の首領とまで呼ばれた怪人と条約を結ぶ。それは怪人にとってあまりに理不尽な内容だった。

 

 

「怪人の癖に俺たちに手ぇ出してんじゃねーぞ!! エースにぶっ殺してもらうぞ!!?」

 

「ご、ごめんなさい!! ごめんなさい!!」

 

「ごめんなさいで済んだらライダー要らねーんだよ!!」

 

「ひぃぃぃぃ…!!!」

 

 

 今、1人の怪人が近くで暴力を振られているようだ。

… そう。その条約は怪人が人間に手を出すことを一切禁止するのだ。もし怪人が手を出す事があれば、現仮面ライダーエースに倒される。

 暴力はいけないことだが、ジェスターがしてきたと事は確かに最低だし、こうなってしまっても仕方のない事だと思う。

 しかし、ジェスターだって争いが嫌いな奴もいるし、誰も傷つかない平等な平和が来てくれればと願っている。

 

 

「このバイトもいつまでかな……」

 

 

 そう呟いて稲森はアパートの自室へと向かう──。

 

 

 

 

 >>>>>>>>>>>>>>

 

 今日もまたコンビニのバイトで品物を棚に並べている。

 そんな時、後ろから声がかけられた。いつものように人間の客からのクレームかなと思い、はいと返事をして後ろを振り返ってみると、そこにいたのは自分と同じジェスターであった。もちろん人間の姿であるが、鼻だけが伸びている。彼は土竜のジェスターなのだ。

 

 

「おぉ、モグロウ! 久しぶりだね!」

 

「久しぶりってお前、会ったの3日前くらいだろ? んで、バイトの方どうよ」

 

「ボチボチかな… モグロウの方は仕事見つかった?」

 

「仕事もバイトも見つかるは見つかるが… まぁ俺たちジェスターを受け入れてくれるところなんてほとんどないさ」

 

「そうなんだ… 僕が店長に頼んでみようか?」

 

「やめとけ。人間様に意見しようなんてろくな事にならねーぞ」

 

「モグロウ、そんなこと言うのやめなよ。ここの店長は僕を受け入れてくれた凄く良い人なんだ。きっと大丈夫だって!」

 

「俺はいいよ。お前はこの日常を崩すなよ… それじゃあな。買って帰るわ。会計頼むぜ」

 

「まいどあり!」

 

「なんだそれ」

 

 

 2人は笑いながら手を振って別れると、店内は静まり返った。ジェスターが喋っていたからではなく、ただ単にここへ人があまり来ないのだ。

 そして裏から店長が出て来ると、稲森を手招きする。稲森はバックヤードに入ると、店長が椅子に腰掛け、稲森も店長に言われて座る。

 

 

「えっと… どうされました店長?」

 

「明日でここ潰れるから」

 

「へ? え、えぇぇぇ!!!? ど、どうして急に!!?」

 

「前から決まっていたんだけどね。言わなかったんだよ」

 

「一体どうして…」

 

「稲森くんもわかってるだろ? この店には客が来ない。もうこの時点で利益が怪しかったんだ。そこで稲森くん。ジェスターを雇ってから更に客足は激減。こうなってもおかしくはないよ」

 

「それなら僕のせいで… 何故雇ったんですか?」

 

「怪人が今、大変な事はわかっている。でも面接に来た時、君はとてもいい怪人だと思ったんだ。他とは違うってね? 残念だけどそういう事だから」

 

「…… そうだったんですか… 今までありがとうございました。店長さんには感謝の言葉しかありません!」

 

「私も君を雇って失敗だったとは思わないよ。よく働いてくれるし、時間より早く来て作業に入ってくれるし、本当に助かった。こちらからも礼を言うよ。ありがとう」

 

「て、店長…!!」

 

 

 店長の暖かさに思わず涙が出そうになる稲森。そこはグッと堪え、店内の方へ戻ると何やら外が騒がしい。気になって少し外へ顔を出すと、怪人態のままのジェスターのデモ隊が何処かへと向かっているようだった。

 この光景はよくある日常的なものである。やはり理不尽な条約を受け入れられないジェスターたちが、あのようにライダーに対抗するように数を作る。だから人間にとっては危険なのだ。言葉を変えれば反逆者たち。条約を完全に無視している為、いつ仮面ライダーに倒されても文句は言えない。

 

 

「うわぁ…… は、早く店に戻ろっと…」

 

 

 しかし、店に戻ろうとした稲森の襟を誰かが掴み、そのまま列の中へと入れられる。抵抗しようと思ったが、ジェスター同士と言えどあちらは反逆者。人間に味方するとなればこちらも何をされるか分からない。

 

 

「あ、あの〜 僕は仕事中なので戻らなければならなくて…」

 

「お前ジェスターだろ? だったら来い!! 今日は人間… ライダーの終わりが見える日なんだからな」

 

「ライダーの… 終わり? 一体何があるって…おわっ!!?」

 

「着いて来ればわかる。さっさと来い!!」

 

「えぇ……」

 

 

 稲森が連れてこられたのは、全く人気のない何処かの廃棄された工場の倉庫。今にも風で飛んでいきそうな薄い板がめくり上がり、薄暗くてとても不気味な場所である。

 そこには別のところから来た反逆者の集団もおり、その中には大人2人分くらいの高さの犀のジェスターがいる。この大きめなジェスターは人間で言うペットのようなものだ。ただしその力は通常のジェスターを超えており、もし暴れ出したりしたら、ここの集団が飛びかかっても止める事は難しいだろう。

 

 

「皆さん!! お集まりいただきありがとうございます!! これより我が最高傑作の発表を行わせていただきます!!」

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!!」

 

 

 倉庫の真ん中にフードを被った謎の男が現れ、彼の言葉にジェスターたちが沸く。よく見ると机があり、その上にテーブルクロスがかけられているが、その内側に何か入ってるようでぷっくりと膨らんでいる。

 稲森は何か恐ろしい事に巻き込まれたんじゃないかと身震いしていると、フードの男は話し始めた。

 

 

「我々は人間の理不尽な条約により自由を奪われた。もし仮面ライダーエースがいなければ我々はこの世界を征服していた… 我々こそが人間よりも上の存在ではないのか? 我々こそが! 世界を動かす生き物ではないのか!?」

 

「そうだそうだ!!」

「その通りだぜ!!」

 

「── だが、今日。この場においてその歴史は変わる。人間の支配はこれにて終了だ… 私が持ってきたジェスターの未来を変えるを可能にする兵器。我々の夢!! 希望!! 人間に報復することができる──── アベンジドライバーだッッッ!!!」

 

「…… お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!!」

 

 

 テーブルクロスが取られ、そこに現れたのは牙のようにギザギザとしたものが付いており、エースが装着しているドライバーとは対照的な見た目である。そしてその隣にはそれに取り付けるであろうアイテムが置かれていた。

 稲森はここにいてはいけないと、ゆっくりと後ろへ下がろうとするが、興奮したジェスターたちによって逃げる隙間がない。

 

 

「ライダーの力にはライダーの力で対抗する!! そしてエースの最後をライダーで終わったという皮肉な終わり方にしてあげましょう!!」

 

「あれで一体なにを……」

 

「それでは皆さん1人1人にこれを装着して頂きます。装着するまでは簡単ですが、変身した後その身が耐え切れるかどうか。この力を制御した時、あなた方は人間に報復する事ができるでしょう!!!」

 

 

 そして次々にアベンジドライバーへと群がるジェスターたち。

 全員が変身しようとするが、姿が変わる前に彼らの身体をとてつもないエネルギーが駆け巡り、誰もまともに装甲を纏うことすらできない。

 それを見ているフードの男の顔がチラリと見える。先ほどまで笑っていただろう顔は全くの無表情。この結果を分かりきっていたかのような印象も受ける。

 ほぼここにいたジェスターたちは皆が変身できず、その殆どもその光景を見て遠慮している。

 するとフードの男の目と稲森の目がちょうど良くあってしまった。

 

 

「あ、えっと… 僕も遠慮します。多分僕じゃ変身できません。絶対できません!!」

 

「…ふっ、それはどうでしょう? 君は試した訳でもないのにできないというのですか?」

 

「そ、それは確かに… ですけど僕は……」

 

「君はできます… 何せジェスターに反逆する者ですからね」

 

「え? それってどういう──」

 

 

 稲森が意味深な言葉のことを聞こうとしたその瞬間。ジェスターたちの悲鳴声が工場内に響き渡る。

 そして凄まじい咆哮と共にガラスが割れ、工場の板も剥がれて落ちてきた。

 この元凶はどうやら先程の犀のジェスターのようだ。

 

 

「きゅ、急に暴れ出した…?」

 

「やめろ『ライナー』!! 落ち着けっ… ゲハァッ…!!?」

 

 

 犀のジェスターをライナーと呼ぶその怪人は飼い主であろう。主の静止もままならず、腹を巨大な角で貫かれて絶命してしまった。

 それからライナーは暴れ回って工場を破壊してしまうと、何処かへと走り出し行く。

 稲森はその方角を見て気づく、栄須市の方へと向かっているようだ。このままでは街が破壊されてしまう。あそこに住む人々が危険だ。

 

 

「だけどあそこにはエースがいる。きっとみんな大丈夫な筈だ……」

 

「── エースは来ませんよ?」

 

「エ、エースが来ない? 何を言っているんですか?」

 

「彼女は別の仕事で迎えるかどうか… このままでは栄須市は破壊されてしまいますね」

 

「そんな…!! じゃあ、あそこにいる人たちはみんな助からないかもしれないじゃないですか!!!」

 

「その為にこれを使うんですよ」

 

「…… アベンジドライバー」

 

「そうです!!… どうしますか? あのジェスターに対抗できる力が目の前にあるのに、使えるかわからないだけで逃げますか?」

 

「……ッ」

 

「まぁやらないのであれば構いませんけど… これは持ち帰らせて───」

 

「── やります」

 

「お?」

 

「やってみます… このまま逃げたら後悔しそうなんです。あそこにいるモグロウ… 店長… これで守れるならやってみます!」

 

「…… 意外と… いや、だと思いましたよ」

 

「え?」

 

「さぁ、行ってください。これはあなたにお譲り致します」

 

 

 稲森はアベンジドライバーともう一つのアイテムを震えた手で受け取ると、急いでライナーが向かった方へと走り出す。

 フードの男はその背中を暫し見てから、何処かへと消えるように去ってしまった───。

 

 

 

 

 >>>>>>>>>>>>>>

 

「そんな街が…!!」

 

 

 街は破壊され、稲森のバイトをしていたコンビニも無残に潰されていた。稲森は走り崩れた瓦礫を退かす。無我夢中で探した末、店長を見つけた。どうやら足を折ってしまったようで歩けないらしい。

 

 

「店長!!」

 

「お、おぉ… 稲森。どこへ行ってたんだ?」

 

「すみません。デモ隊に拐われてしまって…… 店長に怪我を負わせてしまいました…!!」

 

「お前のせいじゃない… うっ!」

 

「大丈夫です。運びます」

 

 

 それから稲森は店長を救助隊に預け、すぐさま走り出した。向かう場所はもちろんライナーの元である。

 ジェスターとしては下の部類と言ってもいいが、ジャンプ力だけならどのジェスターよりも負けてはいない。高く跳びながらライナーの行方を追うと、爆発音が聞こえ、そこへと向かう。

 

 

「いた…!!」

 

 

 ライナーは今にも人を襲おうとしている時だった。

 稲森は瓦礫の陰から石を投げてぶつけて気を逸らそうとしたが、どうやら逆効果だったらしく再び暴れ始めた。

 

 

「まずい!! 危なっ…!!」

 

 

 そしてライナーが人を踏みつける。稲森は余計なことをしたせいで殺してしまったという自分に対しての怒りが込み上げる。

 だが、よく見ればライナーの足の下に穴が見えた。その穴が何なのかと身を乗り上げようとすると、足元から声が聞こえた。

 

 

「こ、この声は… モグロウか!!?」

 

「しーっ!!安心しろ。俺があの子を救っておいたぜ」

 

「本当!? あ、ありがとうモグロウ…」

 

「… それよりお前手に持ってるそれなんだよ」

 

「これ? えっとこれは……」

 

「…ッ!!? 伏せろ!! イナゴッ!!」

 

 

 陰に隠れているのが見つかってしまい、ライナーが突進してきた。稲森は間に合わずモグロウだけでもと押そうとしたが、逆に彼が稲森を押し出して代わりにその突進を喰らってしまった。

 

 

「モ… モグロォォォォォォ!!!!!」

 

 

 地面を転がったモグロウはニカッと笑うとそのまま気を失ってしまった。

 最悪である。昔からの親友が自分を守る為に傷つけられ、自分が怪人でも受け入れてくれた店長も骨折してしまう怪我を負ってしまった。

 

 

「…… 怖い。怖い…」

 

「グオォォォォォッッッ!!!!!」

 

 

 ライナーはモグロウの元へと向かう。生物の本能か、トドメを刺そうというのだろうか。

 稲森の手に力が入る。アベンジドライバーを握りゆっくりと立ち上がる。

 

 

「怖い怖い怖い…… 怖いけど… 今のこの恐怖は親友を失ってしまうという怖いだ。そしてその怖さより、親友を殺そうとするお前に対しての怒りが優ってきた…!!!」

 

 

 そして稲森はアベンジドライバーを腰に巻きつける。《アベンジドライバー》という音声が流れた。

 先程の変身手順を見ていたので、もう一つのアイテムである、イナゴの絵が描かれた《アビリティズフィード》をドライバーの右側に差し込む。

 

 

《Welcome!! ジャンプ!!》

 

 

 ドライバーに差し込んだ瞬間、あの試しの時には鳴らなかったはずの音声がなり、まるで悪者なんじゃないかという待機音が鳴り始める。

 

 

「え、さっき鳴らなかったはずじゃ…」

 

「グオォォォォォッッッ!!!」

 

 

 この音に気づいたライナーがモグロウから離れ、足を地面に擦り、稲森に向かって凄まじい速度で突進を行ってきた。

 それに焦った稲森は左手を鉤爪のようして右頬まで持っていき、右手をドライバーの左側を掴む。

 

 

「えと、えっ、あ、あぁ変身ッ!!!」

 

 

 左から右へと折りたたむと再び音声が流れ、アビリティズフィード「ジャンプフィード」を喰らうが如く、ドライバーは怪物の横顔のような見た目へと変わる。

 その瞬間パッとスーツが装着され、装甲になり得る部分に光るイナゴが引っ付いて装甲へと変わってく。

 そしてそのイナゴたちは装甲になろうとする度に、稲森の身体を噛みついてくるので、本人は地味に痛い。

 

 

《Tasty!!》

 

「痛ッ!! イタタタッ!!!」

 

《START!! アベンジ!!》

 

 

 ライナーの角が当たりそうになった瞬間。その場から稲森が消える。ライナーは消えた彼を探しているがどこにも見当たらない。

 何故なら彼は真上にいるからだ。突進が当たりそうになった時、脚に力を込めると素のジャンプ力を遥かに超え、天高く舞い上がったのだ。

 

 

「す、凄い…!! 何なんだこの力!!… これなら!!」

 

 

 そのまま稲森… 否、仮面ライダーアベンジへと変身した彼は上空より勢いの乗った飛び蹴りを放つと、あの巨大なライナーを地面にめり込ませたのだ。

 まだ慣れないアベンジはその衝撃と共にゴロゴロとモグロウのところまで転がり、ちょうどよく彼の所だったのでそのまま安全な場所まで運び、ライナーの元まで跳んで戻ってくる。

 

 

「あのフードの怪人が言ってたけど、本当にこの力さえあれば人類に報復できる……」

 

「グゥゥゥ…… ォォォォ…ッッッ!!!!」

 

「── 僕はそんな事しない。僕は争いを無くす。この世界が怪人と人間が平和に暮らせるようにするんだ!!」

 

「グゥゥゥオォォォォォォォォッッッ!!!!!」

 

 

 そしてアベンジは再び突進してきたライナーをジャンプで躱し、側頭部蹴り飛ばす。あの巨体がいとも簡単に吹き飛び、追い討ちで更に両脚で飛び蹴りを放つと、角がボキリと折れてしまう。

 

 

「ライナー。お前はモグロウと店長… それから街の人々を傷つけたんだ。その報いだけは受けてもらう!!!」

 

「グガァァァァァッッッ!!!!!」

 

「──── みんなに代わって、逆襲だッ!!!」

 

 アベンジドライバーの右側を上から拳で叩くと、脚がイナゴのような形状へと変わり、再びライナーの届かない場所まで高く跳び上がる。空中で一回転をし、勢いに乗ったままライナーに向かってエネルギーを浴びた飛び蹴りを放つ。

 

《GOODBYE!! アベンジタイム!!》

「ハアァァァァァァァァァァッッッ!!!!!」

 

「グオォォォォォォォォォッッッ────」

 

 

 そしてアベンジの蹴りはライナーの身体を貫通し、牙のようなエフェクトが出る。最後にその牙がガブリとライナーに噛みつくと、同時に大爆発を引き起こして消滅した。

 

 

「ハァ… ハァ…… これが仮面ライダーの…」

 

 

 アベンジはそこにいた筈のライナーを見る。感情のままに倒してしまったが、冷静になると本当にこれで良かったのだろうかと思ってしまう。

 絶対的な力を手に入れた自分はいつも通りでいられるのか。何かを拍子に人を襲ってしまうのではないかと、先ほど感じなかったドライバーへの恐怖が現れ始めた。

 

 

「── そこの… 仮面ライダー…!!? 一体どういう事なの!!?」

 

「え…?」

 

 

 そこには1人の女性が立っていた。アベンジはこの女性を知っている。いや、彼だけではなく誰もが知っている。

 

 

「仮面ライダーエース……『羽畑 陽奈(はばた ひな) 』さん…!!?」

 

「あなた人間…… いや、怪人ね。最近噂を聞いていたのよ。反逆者たちが武力を上げようと父のドライバーを真似て、仮面ライダーの力を我が物にしようっていうね… どうやら本当だったらしいわ」

 

「ま、待ってください!! 確かに僕は怪人ですけど、みんなを助けて──!!」

 

「言い訳なら聞きたくないわ。散々、街を破壊しておいてよくそんなことが言えたものね。まぁ、今あなたがジェスターだってことが確定してホッとしたわ」

 

「ホッとした…?」

 

「これで心置きなく… あなたを倒せるってことよね?」

 

「……ッ!!!?」

 

 

 父の月火のドライバーを引き継ぎ、そしてそれを託された1人娘。

 陽奈は現仮面ライダーエースである。

 

 

「ジェスター。あなたを倒す」

 

 

 そして彼女は「エースドライバー」を装着した───。




1話にしては短い方かなと思います…?
ではでは、第1話如何だったでしょうか?また怪人主人公となりますが… まぁあっちは人間なので一応…一応は…。

今作は時系列的には2作目という位置付けです。
という事で新ライダーアベンジの活躍をお見逃しなく!
最後まずいことになったけれども……

次回、第2話「正義はエース」

次回もよろしくお願いします!
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