仮面ライダーアベンジ   作:辰ノ命

7 / 47
皆さんご無沙汰しております。

前回、リゲインの幹部の1人であるスイムをアベンジの新たなフォーム、ダイブウエポン退けまして、連れ去られた陽奈の親友、楓も無事に助かりまして…

それではどうぞご覧ください。


第6話「速度やスピード」

 稲森はスイムを見事撃破したが、海へと消えていった奴を追うことは困難であり、そのまま見失ってしまった。

 それから渋々帰宅をし、部屋にある大量のヘローワークから仕事を探し始める。稲森もここ最近忙しかったもので、貯金が底を尽きて来ており、今すぐにでも金が必要な状況なのだ。

 

 

「ど、どうしよう… 金がない。モグロウに相談しようにも、あいつも今探し中だからなぁ……」

 

 

 再び稲森は頭を抱えて悩み出す。

 仮面ライダーという戦士が仕事であるなら良かったのに…と、思っていると、玄関からドアを叩く音が聞こえる。チャイムが壊れしまっていた為に仕方がないことだが、それにしても音が激しい。

 

 

「今、行きますよ! そんなに叩いたらドア壊れちゃいますって!!」

 

 

 そしてドンドンと激しく叩かれているドアを開けると、そこにはバックを持った1人の人間がいた。全身を見ても擬態している怪人ではない事や感覚なんかですぐにわかる。

 しかし、妙である。このアパートに来るのは宅配かモグロウくらいであり、普通の人間がまず立ち寄る事はほぼないのだ。

 そう普通の人間は──。

 

 

「あ、あ、あなたは誰ですかぁっ!!!?」

 

「まぁまぁ落ち着いてください」

 

「普通の人間じゃない事は察し付きますし、そもそもあんな狂ったようにドアを叩く人を前にして普通に対応できる訳ないじゃないですかぁ!!!」

 

「私、こういう者です──」

 

 

 その人間。男から渡されたのは名刺であった。名刺には「班目 響斗(まだらめ ひびと)」と書かれているだけで、他は何一つ書かれていない不思議なものであった。

 

 

「班目さん…… で、何をされてる方なんですか? というか何用でしょうか?」

 

「質問が多いですねぇ… まぁまず1つ申し上げるならば、私は仮面ライダーエース事、月火さん… 今は陽奈さんのドライバーを開発したものでしてね? あなたの()()にも興味が湧きまして…」

 

「それ…?」

 

 

 班目と名乗るその男が見ているのは、稲森の部屋のテーブルに置かれているアベンジドライバー。

 これにより稲森は何かを察して反射的に後ろへと跳ねてドライバーを抱える。どう考えてもこの男は陽奈の仲間であり、自分を殺しに来たのだと思ったのだ。

 

 

「まさか僕を… まずは話しを聞いてください!!」

 

「話しをするから今日ここへ来たんですよ。仮面ライダーアベンジ… 稲森さん」

 

「へぇ…?」

 

「まぁ立ち話をなんですし、座りましょうか」

 

「えぇ、はい…(僕の部屋なんだけど…)」

 

 

 そして班目はズカズカと部屋に入り込み、テーブルの向かい側に座る。

 その間にもアベンジドライバーを見続けている。やはりこのドライバーの件であることは間違いない。

 

 

「それで─── 用件は…?」

 

「まずは安心して欲しい。私は陽奈さんから言われてここは出向いたわけではないということです」

 

「あ、はい」

 

「そして用件の方なんですが、そのアベンジドライバーを調べさせてもらおうと思いましてね?」

 

「アベンジドライバーをですか?」

 

「ここも安心してください。エースドライバーの開発者として、君のドライバーに興味が湧いたってだけです。データを見ようとも君のドライバーに細工なんかしませんよ」

 

 

 稲森は怪しくは思ったが、とりあえずアベンジドライバーを班目に渡してみる。

 ドライバーを受け取った班目はバックの中からノートパソコンを取り出し、ドライバーのデータを解析し始める。ニッコリと笑ったまま表情は全く変えずに、データを隅から隅まで見ること数分。

 班目はノートパソコンを閉じてバックに入れ、アベンジドライバーを稲森へと素直に返した。

 

 

「いやぁ、素晴らしい! まさかここまでのプログラムが組み込まれているとは… 良いものを見せてもらいましたよ」

 

「それは良かったです…?」

 

「さて、私は早速帰って彼女に新たなアビリティズフィードを制作しなければならないので失礼しますよ」

 

「あ、はい… お疲れ様です…」

 

 

 それから班目は特に何を言わずにさっさと帰ってしまった。

 まるで風のように去っていってしまったけれど本当に何だったんだろうか。また1人敵とは言わないが、危ない人が知り合いにできた。

 

 

「…… そろそろ出かけようかな」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 

「今日からもやし生活だなぁ…」

 

 

 先程の変な研究員班目といい、金は無くなり、もう今日はいい事が起きないような気がしてきた。

 栄須市にあるショッピングモールにて食材(もやし)を買おうと食材コーナーを歩いていると、そこでバッタリとある人物に遭遇する。

 

 

「あ、あなたは…」

 

「ん? どこかでお会いしましたっけ〜?」

 

 

 稲森は何か言おうとしたが、すぐにその口を閉じて考える。

 目の前にいるのは陽奈と共にいた女性は楓であり、稲森がアベンジであるという事は知らない。

 

 

「あなた… 怪人…」

 

「そうですね… ははっ。急に話しかけちゃってすみません」

 

「…… なんか雰囲気が似てますね」

 

「え? 誰とですか?」

 

「前に会った怪人の仮面ライダーです」

 

「…!?」

 

 

 ジェスターに対しての彼女は普段のおっとりとした態度が薄れてしまうが、稲森を前にするとあの仮面ライダーと似ているからか。お互い長々と話すつもりはなかったが、段々と打ち解けあって会話するようになっていた。

 

 

「── あ、すみません。長々と話してしまって」

 

「私も稲森さんのお陰で少し気が楽になりました… ジェスターも悪い人だらけではないんですね」

 

「僕みたいな争いが嫌いなジェスターは沢山いますよ。いつか平和な世の中が来てくれればいいんですけど…」

 

「稲森さん。もし例の仮面ライダーに会ったらお礼を言っておいてもらえますか?」

 

「ぼ、僕がですか?」

 

「何故かあなたと彼は同じ感じがするので、私よりあなたの方が出会えるんじゃないかなって思いまして〜」

 

「そうですか… わかりました。伝えておきますね」

 

「ありがとうございま〜す! それでは──」

 

 

 2人がその場を後にしようとした時、外から悲鳴が聞こえてきた。

 当然、稲森は咄嗟にモールから外へと飛び出していく。その後ろ姿を見た楓は何を思ったか彼の跡をついて行った。

 

 それから稲森が外へ出ると、そこには馬のジェスターがおり人々を襲っていた。クネクネとした気持ちの悪い歩き方をしながら、そこら辺にいた女を1人掴み上げ、拳で顔面を叩き割ろうとする。

 

 

「やめてください!!」

 

「…… あら? あなたもジェスターじゃな〜い。なにかしら?」

 

「その女の人を離してください!!」

 

「いやねー… 人類は滅ぶべき存在。今ここで1人でも多く叩き殺してあげなきゃ、でしょ?」

 

「そんなのダメに決まってるじゃないですか!!… 変身ッ!!」

 

 

 そして稲森はアベンジドライバーを腰に巻いてジャンプフィードを差し込む。ドライバーの口を閉じると、イナゴの群れが馬のジェスターを襲い、女の人を助け、それから稲森はアベンジへと変身する。

 

 

《START!! アベンジ!!》

「みんなに代わって逆襲だ!!」

 

「まぁ! あなたが噂のアベンジなのね… いいわ殺してあげる!! この『スピーダ』お姉さん直々に!!」

 

 

 スピーダと名乗ったジェスターはアベンジへと突進しもの凄い勢いで吹き飛ばすと、凄まじいスピードで追いついて背中にラリアットをくらわせた。

 アベンジは吹き飛ばされた向きとは真逆からの攻撃の威力が相まって、一瞬呼吸ができないほど衝撃が走る。

 

 

「かはっ…!!」

 

 

 どうやらこのスピーダは素早さが持ち味らしい。流石にこのスピードにはついていけないが、好きにやられている訳にもいかない。

 するとアベンジはジャンプウエポンの力で高く跳び上がり、ドライバーからジャンプフィードを抜いてフライフィードを差し込む。口を閉じてフライウエポンへと変身する。

 

 

《The sky is mine!!》

《START!! フライアベンジ!!》

「上空からならどうだッ!!」

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 

 スピーダの隙を狙って上空より降下し、アベンジは鋭い刃のような翼で斬りつける。いくら素早いスピーダとて、空からの攻撃は対応できないらしく苦戦しているようだ。

 

 

「まだまだぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 更に斬りつける速度を加速させ、このままトドメにまで持っていこうとしていた。

 だが、スピーダの身体がワナワナとし始め、呼吸も荒くなってきている。苦しんでいるのか?と思ったアベンジであったが、すぐにそれは間違いだと気付かされた。

 

 

「…めぇ…… てめぇよ…」

 

「ん?」

 

「いい加減にしやがれぇぇぇぇぇぇッッッ!!!」

 

「うわぁっ!!?」

 

 

 その瞬間、野太い男の声となったスピーダはアベンジが向かってくるタイミングと合わせて殴り飛ばす。

 アベンジはなんとか受け身を取り、スピーダの方を向いて固まった。あまりの切り返しの速さに驚いたのではなく、その野太い声を聞く前に彼女… いや、彼の事を女だと勘違いしていたのだ。

 

 

「あ、あなっ、あなた男ですかッ!!?」

 

「お・ん・な!! もう私を表面上傷つけた挙句、中身まで… 許さないわよ!!」

 

 

 アベンジの純粋さが起こした勘違いであるが、これが火に油を注ぐと言うもの。口調は戻ってはいるが、怒っているのは確実である。

 それからスピーダはカプセルを取り出して、それを何個がばら撒くと、カプセルが落ちた場所から例のウィンプジェスターが出現する。

 

 

「ウィンプジェスター!!?」

 

「あらあら知っているようね。なら、この子たちの恐ろしさはわかっているはずよ」

 

「…これは1人じゃ不利だ」

 

 

 瞬く間にウィンプジェスターたちはアベンジの周りを取り囲み、逃げ場を塞ごうとしていた。

 ただし、こちらは空を飛んで逃げることができる。反撃のチャンスはまだあるのだが、それをスピーダが許してくれるかわからない。

 

 

「でも… やるしかない!!」

 

「行きなさい!! アベンジを殺すのよ!!」

 

 

 スピーダの命令で一斉に飛びかかってきたウィンプジェスターであったが、1人、また1人と何者かによって撃ち抜かれ、その場から消滅してしまった。

 

 

「だ、誰なの!!?」

 

 

 アベンジは後ろを振り向くと、そこにいたのはエースガモスボウを構えた仮面ライダーエースであった。助かったと言っていいのか、それとも第二波が来たと言うべきなのか。

 そんな心配をしていたが、エースはこちらに近づくと横へ並び立つ。なんの冗談かと思ったが、エースの変身者の陽奈の名を呼ぶ女性が遠くの方から手を振っている。

 

 

「あれは… 楓さん?」

 

「… 不本意だけどあの子からの頼み事よ。今日は手伝わせてあげる」

 

「どういうことですか…?」

 

「あの子から連絡をもらったのよ。稲森を助けてあげてってね。あんた正体バレてるわよ」

 

「まさかあの時ついて来て…… でも、ありがとうございます。こんな僕を助けに来てくれて」

 

「楓に言われたからよ。それに色んな人にバレたっていうのに呑気なものね?」

 

「いいんです。バレてもバレなくても仮面ライダーのやる事は変わりませんから」

 

「…… あっそ。お喋りはここまで行くわよ」

 

「はい!!」

 

 

 いざ、スピーダとウィンプジェスターを倒そうとしたその時である。背後から凄まじい勢いで上空より飛来したものが地面に降り立つ。

 2人は振り向くと、そこにはガタイがいい熊のジェスターが立っていた。

 

 

「手を貸すぞ… スピーダ…」

 

「あら〜! 『ウェイト』ちゃん来てくれたのね!」

 

「貴様だけに任せては置けない…」

 

「ふふふっ、恥ずかしがっちゃって…… じゃあぶっ殺すわよ」

 

 

 2人のライダーの元にリゲインの幹部が並び立つ。




以上です!!
今回は新たなキャラクターが登場!!

では次回、第7話「力にストロング」

次回もよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。