ある日、世界は後に「異界」と呼ばれる世界に浸食された。
「異界」は日々、大陸や海を「異界」飲み込み世界の終わり目前というとこまで来た。
その危機を救ったのは五人の魔法師。
彼らは残されたこちらの世界と「異界」の境界に魔術的な防壁を張り命尽きた。
彼らが命懸けで築いた壁が現在までこちらの世界が侵攻されるのを防いでいる。
時折、転移魔法なるもので「異界」の怪物が現れるが、今は国や街を守る魔法師がいる。
「旧時代」で神秘的な作用を介して不思議を為す「魔法」も今ではこの世界において、生活の一部となった。
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ここは風の国。数多くの自然に囲まれた国の辺境地にて俺は友人の世話になっている。
前職を終えてからかれこれ数年が経とうとしていた。月日は12月。
東に位置するこの国でも寒さを感じる時期である。
木造作りの家の二階にて夕飯時。
「で、魔術師になる気はないんだね」
友人でありこの家の所有者である、パラケル=スエテルはやや呆れた顔を俺に向けている。
机の上には夕飯ではなく大量の書類の束。内容は全て魔術絡みのモノばかりである。
「何度もそう言っている。俺はもう魔術師などやらん」
「でもさ、さすがに長居しすぎだと思うんだ。年単位だよ」
「長居するのはまずいことか?」
「まずいよ。まったく入金する気ないだろ」
「お前の給料でなら入金する必要ないだろうが」
こいつは今
それだけの金を持ちながら俺の面倒も見れる。一体いくらもらっていやがるんだ。
「なんで開き直ってんだか。しょうがないな。はいこれ」
掌に召喚魔法陣を展開。そこから数枚の書類が出てくる。
パラケルはそれを俺に手渡し、俺はとりあえず目を通す。
「中央魔術学院教員募集?」
土の国にある残された大陸最大の魔術の学校。それが、中央魔術学院である。
数十年以上も前に通っていた母校でもある。
「そうだとも。最近まで臨時で魔導師を募集していたんだ」
「術士免許は俺にはないぞ。それに教えるのは下手だ」
「中央は免許なくても良いのさ。実践重視だから。それに教え方は教員の自由」
なら、授業しなくてもいいのかよ。
そう思いながら、金額の面を見ると生徒の実績に応じて固定給にボーナスが発生するとのこと。
これは悪くない。優秀な生徒のクラスの担任なら授業せず、給料がもらえる上に、ボーナスで給料が増える。
要は「授業せずとも給料がもらえる」。うますぎる話だが、もともと中央の生徒は能力が高い。
だが……
「金額が良くても住居がな……」
「それなら一軒押さえてある」
即答。
「教えられるほどの技量が」
「あるね。そこは僕が保証しよう」
これも即答。お見事。
こちらの質問を正確に把握し、即答するあたり、相当前から準備していやがったなこいつ。
「僕はね、このまま友人が何もせず空し~く、くたばっていく様を見るのはどうかと思うんだ」
「それを今言うか……」
「まぁ、もう本採用されてるんだけどね」
「はぁ!?ふざけん……」
そういえば、さっき「
つまりは、こいつがどういった手段かはわからないが、俺をその空いていた枠にねじ込んだ可能性が高い。
どう転んでもここから追い出して働かせる気らしい。
「完全に追い出すつもりで……」
「そうそう。断ったら、僕がどうするか」
言われなくてもわかる。ここでこいつと勝負してもぶっ飛ばされるのが落ちだ。
最悪、逆召喚系の魔法でどこか知らないところに飛ばされる。
完全に負け勝負だったわけだ。
「背に腹はなんとやらだ……。いいだろう、なってやろう魔導師に」
こうして俺、