セッ〇スしたら爆発して死ぬ呪い   作:バリ茶

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仲間がふえるよ! やったねたえちゃん!


パーティメンバー加入イベント【後編】

 

 

 

「……お、お前っ、本当にインなのか!?」

「うん」 

 

 数十分後。

 準備室の中にあった隠し扉を通って、俺たちはいま秘密の部屋で休憩をしている。

 普通の教室の半分くらいの広さで、壁にある大きな机には3Dプリンターやらパソコンやら配線がいっぱい繋がってるコンピュータがたくさんだ。

 ここはこの学園に元々存在していた部屋らしいが、抜きゲーみたいな世界の学園なので、こういった秘密の部屋があっても不思議ではない……と割り切ることにした。

 

 しかし、割り切れないというか、信じがたい話も同時に抱えてしまっている。

 

「何で女の子の姿に……」

「ハンデ。残機を一つ多く貰う代わりに、筋力と体力と男の体と表情を持ってかれた」

 

 この、目の前にいる黒髪ポニーテールの美少女が、自分の正体が俺の親友である火路胤(ひろイン)だと名乗りやがったのだ。

 端的に言って困っている。

 もちろんこの世界で親友と再会できたことは嬉しいが、当の本人が女になっていたら、どんなリアクションをすればいいのか全く分からない。

 俺は頭を抱えていた。

 

「……ゲームをクリアしたら、元の姿に戻れるんだろうな?」

「うん」

「ホッ……」

 

 マジでホッとした。ホッって言っちゃった。

 困るだろ。男の友達が女になってたらさぁ。

 嫌ってわけじゃないけど、とにかく困る。

 朝起きたら美少女になっていた──通称”あさおん”を体験したらどうする? ……なんてくだらない会話をしたことはあったけど、まさか本当に女になってくるとは思わないじゃん。

 しかも結構かわいいし。

 胸は……そこそこ。無いわけじゃない。

 インのやつ、あの話をしてた時は『俺が女になったら胸揉ませてやるよ(笑)』とか言ってたけど、できれば忘れてて欲しいな。

 もし女の子の体を使ってからかわれたら、童貞丸出しの反応をして悔しい思いをしそうだから。

 

「そういえば……インのゲームクリアの条件って何なんだ?

 俺はバレンタインデーまで生き残ることだけど、同じなの?」

「……」

 

 黙っちゃったよ。なんでだよ。

 

「イン?」

「……」

「おーい」

「……ひみつ」

 

 そっすか。

 まぁ隠し事の一つや二つ、あったところで問題はない。

 親友だからって何もかも詳らかにしていいわけじゃないしな。

 これに関しては余計な詮索をするべきじゃないだろ。

 クリア条件が親友の俺に言うのも憚られるほど恥ずかしい内容だったとしたら、隠したい気持ちも理解できる。

 

「とりあえずインのことは分かったけど……」

 

 首を横に向けると、カップに注がれた熱々のコーヒーに苦戦している、幼い少女の姿がある。

 

「あちち……んっ。ボクは別に幼い少女じゃないですけど」

「心の中を読まないでください」

「読めちゃうからしょうがないでしょ。そういう顔してたし」

 

 どういう顔だよ。何でそれで読めるんだよ。怖いよ。

 

 ……俺たちを助けてくれたのは、かつて俺と一戦交えた相手であるロリ先輩だった。

 どうやら俺と先輩のひと悶着があった後、いろいろあって先輩がインに協力を申し出たらしい。

 

 俺たちが本当はこの世界の住人ではないことや、悪魔によって開催されているゲームの事は、元からインに聞かされていたようだ。

 それから俺のセックスで爆発して死ぬ呪いの事も諸々、この休憩中に全て話した。

 信用できる人間だと、そう判断したから。

 彼女は既に何回かインを助けていて、今回の逃走用ガジェットも全て彼女の自作とのことだ。

 十分信じるに値する。

 

 ……もっとも、逆に先輩が俺の話を信じてくれるかは、わからないけれど。

 荒唐無稽な話をしている自覚は流石にある。

 それにこんな呪いの話をしておきながら、俺と先輩がセックスしたときは、なぜか爆発しなかったのだ。

 正気を疑われて当然だろう。

 

「いや、信じるよ」

「えっ?」

 

 先輩は机の上にコーヒーを置いて、しっかり俺と目を合わせた。

 背が低いのに完全に俺と目線が一緒なのは、彼女が椅子の上にクッションを置いているからだろうか。

 

「事実、こうして学園中が君のフェロモンで大混乱してるし。疑う余地がないよ。きっとボクもイン君も、こうして鼻栓を詰めてなかったら、皆と同じように発情していただろうね」

「は、鼻栓……?」

 

 二人ともそんなのしてないように見えるが。

 

「奥に詰めてあるんだ。ボクが開発した完全遮断性の高性能ミニ鼻栓さ。

 女の子だし、見た目にも気を遣わないとね」

「はぇー……すっごい」

「なんか危険なガスとか使われた場合の対策としてあらかじめ作っておいたんだよ」

 

 それは随分と用意周到だ。しかし、俺の腕時計はついさっき赤い点滅をやめた。

 

「あっ、先輩、俺もうフェロモンは出ていないみたいです」

「そうなの? じゃあ外そうかな……ふんっ」

 

 ティッシュを鼻に添えてひと吹き。

 すぽんっ、と鼻から出てくる粒。きったね。

 

「うるさいなぁ! これでも頑張って作ったんだぞ!」

「それ、鼻で息できるんですか?」

「できないよ。口でしか呼吸できないから、そのせいでイン君も途中でバテそうになってたし。

 まぁでも、そろそろ高性能マスクが完成するんだ。息苦しくなくて、デザインも可愛くて、尚且つ君のフェロモンを遮断する優れものさ。

 ボクの技術力にアッと驚くといい」

 

 ふふん、と無い胸を張るロリ先輩。

 子供が大人ぶっているようにしか見えなくて微笑ましい。

 

「こ、こら! その保護者みたいな眼差しやめたまえよ!」

「えらいですねぇ先輩。撫でてあげます」

「うぇ? えへへ……っておい! 弄ぶなぁ!」

 

 遊ばれてる自覚があったらしい。

 思っていたよりも彼女は大人だったようだ。

 

 ……からかうのはここら辺にして。

 表情を切り替え、真面目な雰囲気を戻した。

 

「でも、先輩はいいんですか? 俺たちと一緒にいると、きっと先輩にも危険が及びます」

「承知の上だよ。なによりアイテムが無いと基本的にクソザコなイン君を放ってはおけないしね」

 

 ズズーっと温かいお茶をすすっているインを一瞥し、再び俺の方を向いた先輩は、ふわりと柔らかい笑みを浮かべた。

 その表情に少しドキッとしたものの、俺もお茶をすすって誤魔化した。

 ……インが懐いてる理由が、ちょっとだけ分かったような気がする。

 

「それに後輩君への罪滅ぼしでもあるんだ。ボクは一度、きみを殺しかけてしまったようだし」

「い、いやっ、それは俺のフェロモンのせいで! それに、先輩とシたときは残機も減らなかったですし、罪滅ぼしなんて……」

「外的要因も確かにあったかもしれないけど、結局性欲に負けてきみを襲ったのは事実だ。それって私の罪だろう?」

「ぅ……」

 

 だからそれはフェロモンのせいで──なんて言ったところで、きっと彼女には通用しないのだろう。

 少しだけだが、目の前にいるこの少女のことが、俺にも理解できた。

 責任感が強いというか、先ほど言った通り本当に”放っておけない”タイプの人なのかもしれない。

 

「いいから先輩を頼りたまえよ。これでも年上だぞっ」

 

 椅子を降りて、真っ直ぐ俺に手を伸ばす先輩。

 意図を察して俺も椅子から立ち上がって、彼女の手を握った。

 

「……はい。よろしくお願いします、先輩」

「うんっ! こっちこそよろしくね!」

 

 朗らかに笑ってくれた彼女を前にして、力が抜けてしまったのか、俺も同様に破顔した。

 先輩の技術力が折り紙付きなのは今回の逃走で理解したし、なによりここまでの話を信じてくれて、真正面から協力を申し出てくれた先輩を頼りたくなってしまった。

 元から親友で同じ世界から来たインとは違って、初めてこの世界で出来た仲間。

 その存在を改めて自覚すると、自分でも驚くほどに心から安心感に包まれた。

 俺の孤独な戦いは、どうやら今日で終わりらしい。

 仲間と安心を与えてくれた先輩だ、そろそろ名乗っておかないと失礼だろう。

 

「俺は主陣コウです。改めてよろしくです」

「ボクは式上(しきじょう)桃彩(ももいろ)。呼び方は先輩でいいからね、後輩君っ♪」

「はい。頼りにしてます、式上先輩」

「えへへ~。あっ、イン君もこっちおいで」

 

 照れる先輩と握手を交わしていると、彼女はインを手招きした。

 指示通り近づいてきたインは、式上先輩の意図を察して、自分の手を俺たちの手の上に置く。

 

「ボクとイン君と後輩君、三人寄れば文殊の知恵だ。

 なんとか・トラブルから逃げて・リタイアしないようにがんばる──略してNTR!

 これがボクたちのチーム名だ!

 みんなでがんばろー! おーっ!」

「ぉ、おぉーっ!」

「おー……」

 

 元気いっぱいな式上先輩。

 感化されてテンションが上がる俺。

 そして変わることなくずっと無表情なインの三人による、なんとか理性的にセックスから逃げるチームこと”NTR”が、いまここに結成されたのだった。

 

 

 

「あぁ、それと」

「……?」

 

 なんですか先輩。

 

「このチームの目的はもう一つあるんだ」

「初耳」

 

 俺も初耳だ。いったい何だろう。

 

「この世界の女の子たちを──後輩君の凶悪なイチモツから守ることっ!」

「なるほど」

 

 いやなるほどじゃねぇだろイン。てか急に何言ってんだこのロリは。

 俺が女の子たちを襲うとでも思ってるのか……?

 

「いやいや、この世界は君たちの世界で言うところの”抜きゲー”なるジャンルのゲームと似ているらしいからね。

 気を抜けばボクみたいに君を催眠で操る輩とかいっぱい出てくるんだ」

 

 た、例えば?

 

「サキュバスとか逆レ痴漢魔とか、平気でポンポン出てくるよ。

 彼女らに負けて操られると、君は最低最悪のおちんぽ魔王と化してしまうだろう。

 そうなったら最後、この世界の女の子たちは後輩くんのイチモツで墜ちてしまい、後輩君のイチモツなしでは生きられない体にされてしまう!」

 

 物騒すぎるだろこの世界。

 ……ていうか俺の股間の聖剣に、そんな人を屈服させるような大層な力なんて無いと思うのだが。

 

「あるよ? この世界で唯一、直に体験したボクが言うんだから間違いない」

 

 そういえばこの人とシたことあるんだった。

 できれば忘れていたかった。

 

「あれは凄かったな……本当にボクの事をオナホみたいに使って、ボクが壊れる直前まで腰を振っていたね。咄嗟に催眠を解除してなかったらヤバかった。

 あんなでっかくて凶悪なイチモツに襲われたら、普通の女の子はひとたまりもないよぉ……ぷるぷる」

「コウ、やばい。近寄らないで。ぷるぷる」

 

 何でそうなるんだよ!? 

 ちょっ、二人ともそんな距離を取らないで!

 心にクるものがあるから! あからさまに怯えないでくれ!

 

「えっとねぇ……ゴソゴソ。

 ぉ、あった。後輩君にはボクが制作したこの特注オナホをあげるよ。

 オカズに困ったら……まぁ自撮り程度なら送ってあげるから、ムラムラしたら使ってね」

「私もパンツの写真くらいなら」

「い゛ら゛ね゛ぇ゛よ゛ッ゛!!!」

 

 謂れのない非難を受け、悲しみの叫び声を上げつつ、俺は受け取ったオナホを地面に叩きつけた。

 

 

 




インのクリア条件はもうちょっとだけ秘密です

メインキャラ一覧
・主陣鋼→しゅじんこう→主人公
・火路胤→ひろいん→ヒロイン
・式上桃彩 
式上→しきじょう→じょうしき→常識人枠
桃彩→ももいろ→ピンク髪

次回はたぶんきっとおそらくサキュバス
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