多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
一年戦争終結後 某ゲーム店にて
「? 店長、何ですこれ?」
「あぁ、政府から支給された本格的シミュレーター風ゲームだよ。」
「へぇー。」
「場所取るけど筐体代金は政府持ちだし、プレイ料金も安いし、よく出来てるから置く事にしたんだよ。」
「よし、ちょっとやってみる!」
地球連邦政府は地球圏の復興が予想よりも早く終了する見込みが立つと、本格的な太陽系防衛のための戦力再編を開始した。
その一環として「人型機動兵器への優れたパイロット適性保持者」を探すべく、各地に軍用シミュレーターの廉価版をアーケードゲームとして設置、データ取り並び適性保持者の捜索を行った。
ゲーム業界にゲームを軍事に利用する事には難色を示した者もいたが背に腹は代えられぬとして黙殺され、後にアップデートの度に多数の機体や新機能が追加され、太陽系全体で大人気ゲームとして長く愛される事となり、そのトッププレイヤーの何割かが軍にスカウトされる事となる。
最終的に太陽系全土とフォールド通信で接続され、ガ○オンばりに100人同時プレイを行う合戦モードや小隊ごとに戦うチーム戦モード、NPC相手に戦う一人プレイモード等、子供から大人までプレイする一大コンテンツとなり、人材では軍に、店には売り上げで両者ウハウハとなるのだった。
一年戦争終結後 極東方面にて
『こちら特車二課第二小隊!そこのレイバー、大人しくしなさい!』
『ひぃぃ特車二課だぁ!?』
『もうダメだー!』
『動くなー!動くと撃つぞー!』
安価かつ汎用性の高い民間向け重機としてのレイバーが販売された事で、凄まじい速さで復興作業は進んだものの、戦争で人心の荒廃した場所では犯罪に使用される事も多かった。
しかし、鎮圧するのに一々MSを投入してはまた街が荒れるし、大型のMSでは小型のレイバーを相手にするには過剰攻撃になる場合が殆どだった。
そのため、連邦政府は警察内に警察用レイバー隊を設立、対レイバー犯罪を主眼とした彼らは各所で犯罪者に恐れられたのだった。
一年戦争の大体30年前 火星圏にて
『巨人族の小艦隊を確認。』
『こちらでも確認。偵察、又は工作活動と思われます。』
『攻撃を開始……撃墜しました。』
『脱出艇の射出とフォールドを確認。』
『デフォールド先は…火星圏の模様。』
『火星支部に伝令。巨人族が火星圏に侵入した可能性あり。予測進路を送りますので、対応を願います。』
実はこの脱出艇、太陽系偵察用の工作員を乗せた小型高速艇だった。
しかも現地で怪しまれないために人員を全てマイクローン化した上という念の入様である。
だが、陽動として同行し、小型高速艇を積載していたステルス仕様の小艦隊の旗艦が太陽系防衛用無人機動部隊の攻撃により轟沈。
何とか脱出した小型高速艇はフォールドしたものの、攻撃の影響と無理なフォールドのせいで小惑星に激突して大破、間も無く轟沈してしまった。
その中から重傷を負った一人の工作員が辛うじて脱出ポッドに乗り込んで離脱に成功するも、操縦不能で火星の海に落下してしまった。
海へ落着後は壊れたポッドから無我夢中で脱出、海岸に漂着した時には諸々の衝撃で記憶を失っていた。
が、偶然そこに通りかかった親切な老夫婦に助けられた彼はそのままA.I.M.系列の病院へ搬送される事となる
なお、この脱出ポッドが見落とされた原因は巨人族にしては余りに小型かつ射出された時点で余りにボロボロでスクラップにしか見えなかったため、火星圏防衛司令部がデブリとして処理してしまったためだった。
この辺りは後にしこたま怒られ、改善される事となる。
一年戦争の大体10年前 火星圏にて
「お前かよ!?」
トレミィが思わず突っ込みを入れてしまった際の言葉。
親切な老夫婦によって助けられた巨人族の工作員(実は見た目十代半ばの少年兵)はA.I.M.系列の病院へ搬送されるが、身元特定のために行われた血液・遺伝子検査によって現行のコーディネート技術を遥かに上回る高度な遺伝子操作の痕跡が発見される。
聞き取り調査の結果、高度な知性を有しながら一般常識がまるで備わっていないことが判明。
結果として彼は違法なコーディネート実験の犠牲者と断定され、社会復帰プログラムを受ける事となる。
遺伝子調整技術が公になり、S2インフルエンザ対策のついでに違法な遺伝子調整を行う事例が地球圏で多発していた時期でもあり、その被害者と思われたのだ。
身元引受人となったのは通報してくれた老夫婦であり、養父母となった彼らとの触れ合いや受講したプログラムが功を奏して健全な人格と社会性を培った彼は(A.I.M.系列に)就学、就職、結婚と順調に人生を歩む事となる。
当然、病院からの報告で早期に彼の存在はトレミィはしっかり認知していた。
後々ゼントラーディ人の帰化する未来がくる可能性がある事を知っていた彼女はたまに見せる冷徹な面を発揮して半ばモルモット扱いで経過を観察することにしたのだが…
・引き取った夫婦の名字が「ボーマン」
・生まれた息子につけられた名前が「ガルド」
・息子の進学先の生徒に「イサム・アルヴァ・ダイソン」と「ミュン・ファン・ローン」がいた
以上の事からついつい突っ込みを入れてしまった。
この事実が判明以降、過剰なまでの監視体制は解かれるのだった。
「こんなところまでファッション感覚で弄るとか…違法研究者絶対許さねえ!」
当時のガルド父を診察した医師の一人の言葉。
巨人族特有の尖った耳を見て激情に駆られた。
他にも普通の耳が獣耳、エルフ耳、鳥(羽毛)耳になっている事例があるが、全て違法である。
当時は割とこんな事が多発していたが、地球圏の外で起こる事は稀も稀だった。
なお、当時の地球は特殊脳医学研究所の解散前だったりする。
一年戦争の大体10年前
「…! こちらP3!要救助者を発見!女性で十代半ば!妊娠している!」
「た……け…。」
「あぁ、助ける!もう大丈夫だ!」
数々の違法実験の痕跡から遂に特殊脳医学研究所へと警察の特殊部隊が突入する事態となった。
この作戦は出資者の軍からも秘密で行われ、その内部で行われていた違法な人体実験の数々が表沙汰になり、多数の軍高官や企業幹部をも巻き込んだ一大スキャンダルとなった。
また、女優等の違法クローンの販売をしていた事も判明し、その売買に参加した人員は過剰遺伝子調整禁止法に抵触したとして次々と逮捕された。
生き残りの被害者は極僅かだが、その中で一人だけ妊婦だった少女ユキコは自身を助けてくれた警察の特殊部隊所属の男性に懐き、紆余曲折の後に結婚した。
生まれた子供はリュウセイと名付けられ、後に母親を超える念動力の才能を発揮、一連の戦乱を戦い抜く事となる。
新西暦186年7月末 地球 極東方面 早乙女研究所
「なぁ訓練って聞いてたんだがよ。」
「おう。」
「何で俺達、砲台に詰め込まれてるんだ?」
「奇遇だな武蔵。オレもそう見える。」
「奇遇でも何でもなく事実だよ。オレ達ゃ大砲に砲弾として装填されてるみたいだな。」
「「はぁ!?」」
『おおーし、お主ら準備は良いか!?良いな!?駄目とか聞かんからな!試作型ゲットマシン発射装置、ゲッターレールカタパルトキャノン、発射ぁ!!!』
現在建造中のゲットボマーに搭載予定のゲットマシン発進用設備の訓練。
砲身がコの字型の開放バレルとなった巨大な三連装亜光速レールガンによってゲットマシンを射出、戦地に亜光速でお届けする事が可能。
が、テスラ・ドライブ等の重力・慣性制御機構を最大出力で用いてもなお発射時のGは常人ではミンチになる程であった。
が、ゲッターチームなら行ける!と敷島博士に判断され(本人らに無断で)実験が強行された。
開発にはすっかり居着いたケーニッヒ博士も参加している。
一応、ゲットマシンだけでなくMSサイズの機動兵器や砲弾も発射可能だが、今日まで有人で乗り込んだ者はゲッターチーム以外にはいない。
そのゲッターチームをしてとてもキツイらしく(曰く、内臓が飛び出るかと思った)、帰還して直ぐに敷島博士を全力でボコボコにした。
が、有用である事は間違いなかったので、ゲッターチームやガンダムファイター等の一部のフィジカル強者、太陽系防衛用無人機動部隊所属の無人戦闘機等が幾度か利用する事となる。