多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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思い付いた小ネタが予想以上に膨らむのって有るよねって話。


100話突破記念番外編 小ネタ会話集その2

 特殊脳医学研究所への突入後

 

 「やはりあいつらは取り逃がした、か…。」

 

 余りの非人道的な研究に義憤を募らせていたケンゾウ・コバヤシの独白。

 彼は自分達の研究の重要性を認識しながらも数々の非人道的な行い、特にユキコと言われる自分の研究の被験者へと目を離した隙に勝手に行われた生殖実験にブチ切れて当局、より正確に言えば連邦警察公安部への通報を行い、内部情報を暴露した。

 しかも、それを受け取ったのが当時「カミソリ後藤」として知られた公安部でも腕利きだったのが今回の大捕り物に繋がった。

 しかし、研究の主導的立場にあった人員は取り逃がす失態が起き、後藤は多くの政治家や企業幹部、軍高官の恨みもあって公安から異動(実質的な追放)を受けててしまう事になった。

 司法取引も上手くいき、軽い監視措置のみに留められたケンゾウは以降、実験の被害者達への保護のために軍と警察双方に協力、取り逃がした人員の追跡捜査のための聴取にも常に協力的だった。

 また、当時幼児だったユキコの卵子を用いて製造された子供達の生き残りの一人を保護、アヤと名付けて養育していく。

 

 

 

 特殊脳医学研究所への突入から半年後

 

 『これが地球人類の念動力者のサンプルか。』

 『あぁ、まだ胎児だがな。解凍して育成すれば良いし、こちらの卵巣から追加サンプルの製造も可能だろう。』

 『了解した。後はこちらで輸送する。』

 

 地球圏に潜入していたバルマー工作員らの会話。

 貴重な念動力を宿した地球人類のサンプルとしてユキコの摘出された片方の卵巣とそこから採取された卵子を用いた胎児を確保、バルマー本国へと輸送し、後にこの受精卵は解凍され、レビ・トーラーとして調整される事となる。

 

 

 

 特殊脳医学研究所への突入から半年後

 

 『バルマー工作員の活動を確認。介入しますか?』

 『必要無し。物品の輸送経路を追跡し、バルマー本国の正確な位置座標を入手せよ。』

 『了解。任務を継続します。』

 

 勿論、バルマー工作員の動きはバレていた。

 後の第一次αの時代に殲滅されるまで、彼らの行動は貴重なバルマー人のデータとして逐一記録される事となる。

 特にバルマー本星の正確な位置座標は銀河各地に配置されたデコイ艦でもゲベル・ガンエデンを警戒して掴み切れていなかった事もあり、後のバルマー本星への到達に大いに役立つ事となる。

 

 

 

 後の第一次α終結後

 

 「リュウセイ、アヤ!」

 「あら、マイ。もう健康診断は終わったの?」

 「うんっ!だから今日は時間があれば遊んでくれる?」

 「おう、大丈夫だぜ!んじゃ何か飯でも食いにいくか!」

 

 セーフティが働いていたのか、レビ・トーラーには一切の記憶がなく、しかしその遺伝子構造から彼女が地球人類出身である事が明らかになった。

 そして、その出自がリュウセイとアヤと同じである事も。

 大人達は過去の事件もあり、三人が大人になってからこの事を明かす事に決め、レビ・トーラーはマイ・コバヤシとしてケンゾウ・コバヤシ博士の養子となった。

 感じる精神の波長からリュウセイとアヤはマイの正体に気付いていたものの、おずおずともの静かで何も知らない彼女の様子から色々な事を飲み込んで、身内として振る舞うようになる。

 が、後にその絆は一連の戦乱によって本物となるのだった。

 

 

 

 後の第一次α終結後

 

 「あの子は今は地球だったかしら…。」

 「あぁ。クスハちゃんや同じ部隊の人達も無事らしい。」

 「良かった…本当に、良かった…!」

 

 リュウセイの無事を聞いて家で夫の腕の中で涙するユキコ。

 結婚しても暫く続いたフラッシュバックもリュウセイを出産、育てていく内に殆ど起きなくなったが、リュウセイが家を出て軍に入ってからは再発するようになった。

 自分から引き継がれてしまった特殊な才能にリュウセイも不幸な事になるのではないか?とユキコは悪夢に苛まれ続けた。

 フラッシュバックに苦しみながら、夫と共に心配していたのだが、無事を知らされて心底安堵した。

 が、その直後に自分の卵子から作られた種違いの姉妹に囲まれていると聞いて心底驚いた。

 

 

 

 SRXチーム結成後

 

 「リュウセイ……。」

 

 血縁上は種違いの兄である筈のリュウセイの背を物陰から音も無く、ハイライトの消えた瞳で見つめるマイ。

 その視線はねっとりかつしっとり、明らかに身内とか家族とか超越した色合いが混じっていた。

 後に思いを同じくするラトゥーニに見つかり、普通に接するようになるが、それまでは大体こんな感じで色恋の分からないリュウセイから警戒されていた。

 が、その気持ちはアヤに妹として可愛がられ、ラトゥーニと出会って恋心を実感した後も一切変わっていない。

 これは洗脳・記憶措置によって動いていた嘗てのレビ・トーラーが半分とは言え血を同じくする近しい者と初めて接し、尚且つ今まで自身の根幹だと思っていたものと引き剥がされ、失った事による喪失を埋めようとしているのではないかと思われる。

 

 

 

 アインストの存在が公表後の某日

 

 「キョウスケ…エクセレン…。」

 

 何処からともなくヒリュウ改艦内に侵入してきたアルフィミィの言葉。

 自分のオリジナルとその恋人の存在を、自身にとって重要なものと捉え、監察を行っている。

 が、大抵はバレて怒られて他のアインスト4人娘に回収されるか、エクセレンに首根っこ掴まれて引き摺り出される。

 

 

 

 第二新東京市内 首都防衛隊訓練施設にて

 

 「1・2!1・2!1・2!」

 「背を曲げない!正しいフォームを保ったまま走りなさい!じゃないと余計に体力を消耗するわよ!」

 「あれは?」

 「この前の襲撃からあんな感じよ。」

 

 衝撃のアルベルトによる襲撃以降、シンジは自らの立ち位置を改めて考えた。

 後一歩で周囲の人達全てを亡くしていたであろう事態を、自分なりに。

 結果、友人達や周囲の人達(NERVや首都防衛隊の人達)のため、何よりも自分が大切に思っている周囲の人達を無くしたくないがためにエヴァ初号機に乗り続ける事を決めた。

 以降、その瞳に宿った炎に気付いたユン・グローリアス少佐によって以前よりも厳しく扱かれていく事となる。

 しかし、その扱きにシンジは人前では決して泣き言を漏らさず、ただ前を見て歩き始めるのだった。

 それは独りぼっちの少年が、大人へ成るために踏み出した最初の一歩だった。

 

 

 

 第二新東京市内 首都防衛隊訓練施設にて

 

 「男の子、ねぇ…。」

 「うふふ、あーいうのってやっぱり素敵ねぇ。」

 「シンジ君…。」

 

 上から訓練するシンジを見つめる高雄、愛宕、ゴトラントの三人。

 何れ主人となる人間を支え、仕える事に喜びを見出す自動人形の一体として、シンジを守り慈しむのはとても心地よかったが、脆弱だった子供が大人へと歩み始め、自分達の主人に足る姿へと成長していくのもまた素敵だった。

 高雄と愛宕は純粋に成長を喜んでいるのだが、既にしてマシンハートに目覚めつつあるゴトランドはその瞳に慈しみだけでなく、恋慕の色を浮かべてうっとりと三番目の少年の名を呟くのだった。

 

 

 

 一年戦争後 極東方面にて

 

 「で、今更こんな辺鄙な埋め立て地にいる私に何をしろおっしゃるので?」

 「貴方の知恵をお借りしたいのです、カミソリ後藤さん。」

 「切れ過ぎて公安追い出された口なんですけどねー私。ギリアム大尉さんも、私に手柄上げてほしい訳じゃないんでしょう?」

 「えぇ。正直な話、貴方は地位も名誉も金も興味はない。ただ自分の矜持と警察官としての職務意識で動いている。私の様な立場の人間からすれば、一番動かし辛いが、同時に一番信じられる類の人間です。」

 「ま、取り敢えず要件だけ言ってみてください。受ける受けないはそこからって事で。」

 

 メテオ3群の落着により発生した津波と海水面上昇によって壊滅した東京都跡地を捨て、行政は第二の首都として一年戦争中に実質的な行政機能を担当した大阪ではなく、新たに芦ノ湖北岸(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原地籍付近)に第二新東京市として遷都される事となった。

 しかし、未だ多くの人々が住んでいた土地を見捨てられず、旧東京都沿岸部一帯を人工地盤で埋め立てて土地を確保する一大事業、通称「バビロン・プロジェクト」が発足された。

 このプロジェクトには反対の声も大きく、壊滅したとは言え嘗ての都市の景観を残すべきだ、未だ行方不明の人の遺体や遺品を探すので待ってほしいという意見も多い。

 が、ゼーレによる強引な第二新東京市への遷都に否定的な人々はこのバビロン・プロジェクトを対抗馬として、実質的な首都機能を再び手にしようとこの事業を半ば強引に進めようとしていた。

 そんな訳で作業用に格安で投入されたレイバーはその本来の目的ではなく、犯罪にも多く利用されてしまった。

 そして、旧関東地方一帯での治安悪化と共に海外から避難してきた難民達に紛れて、多数の非正規作戦従事者やテロリストが流入している事に公安並び連邦軍情報部は気付いていた。

 これらは所謂アマルガムと言われる非合法組織の工作員とその雇われ、更に彼らを追ってきた国際警察機構や情報部の人間達だった。

 アマルガムも既にゼーレ派とA.I.M.派に別れて久しく、何としても主導権を取り戻したいゼーレ派は欧州のみならずこの地に基盤を築き、勢力を拡大しようと目論んでいた。

 これを察知したギリアム大尉ら連邦軍情報部と公安は密かに大規模作戦の用意を始め、その相談役として特車二課第二小隊隊長へとトバされていた元公安の後藤喜一を選んだのだった。

 

 

 

 一年戦争後 極東方面にて

 

 「そうよ、この滅んだ都市が再誕するように、私達【一族】もまた…。」

 

 一族とは地球圏に古くから存在する組織であり、人類を存続させるという目的のため、時には戦争すら画策してきた。

 絶滅戦争や際限のない幸福の追求を抑止する事で人類を管理する事を目的としており、戦争・紛争のような不幸を意図的に発生させ、人口削減を行ってきた。

 また、戦争が破滅的な様相を見せればそれに対する介入も行っている

 一族の在り方・行動理念に従い、一年戦争前から紛争・混乱を煽ってきた彼女らだが、ここ100年はその行動の殆どが空振りか、的外れなものとなっていた。

 それでもめげずに歴代党首は頑張ってきたが、今後の一連の戦乱を見越して人類全体の人口増加・技術向上・版図拡大を目指して動いていたA.I.M.に邪魔だと認識され、一年戦争直後もその方針を転換しないと見るやあっさりと壊滅に追い遣られた。

 その資金と技術の殆どは密かに回収されたが、資金は兎も角技術は殆ど使い物にならないと判断された。

 カーボンヒューマン作成技術(記憶転写・クローン作製)は確かに驚くべきだが、そんなもん自動人形達には幾らでも再現・複製可能だったからだ。

 生き残った僅かな残党を率いて、次期党首候補の一人だったマティスは以前から繋がりのあったアマルガム・ゼーレ派へと身を寄せ、配下に加わった。

 その内に一族再興という野心を秘めたまま、壊滅した旧東京都へと向かい、そこで再起のための基盤を作る作業に入るのだった。

 

 こういった経緯で、ギリアム大尉や連邦軍情報部並び公安、ついでに後藤隊長も加えた劇場版パトレイバー番外編みたいな話が始まるのだった。

 

 




私が書く妹は大体キモウトかヨスガる系になる不具合。
やはり男兄弟で育った現実の妹を知らない奴には普通のは書けないというのか…。
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