多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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申し訳ありませんが、順番前後してます。
うっかり魔装機神組忘れてたので説明回です。


第45話 暗闘その5

 シュウ・シラカワ

 

 その名はスーパーロボット大戦時空において知らぬ者はいない程、極めて重要な意味を持つ。

 重力の魔神グランゾン(及びネオ・グランゾン)の開発者にしてパイロット。

 地上においては最新の科学技術を、地下世界ラ・ギアスでは錬金術を修めるだけでなく、武術にも通じ、あらゆる分野で優れた才覚を発揮する正に万能の天才と言って良い男であり、総合科学技術者(メタ・ネクシャリスト)の異名を持つ。

 母の故郷である日本人としての名前に加え、本名はクリストフ・グラン・マクソードと言う。

 これは地下世界ラ・ギアスの主要国家ラングラン王国の王族である事を意味しているのだが、幼少時は王族でありながら地上人とのハーフという事で、地上人を嫌う人々から迫害を受けていた。

 その時に守ってくれていた母に強い信頼を寄せていたが、迫害に耐えかねた母ミサキが地上への望郷の念に駆られた際、地上送還の生け贄として殺されかける。

 その時の絶望と力を求める意志に以前から目を付けていた邪神ヴォルクルスが応え、契約する事で力と命を得た。

 これによりシュウの「自由」はヴォルクルスによって束縛されたものとなってしまう。

 実の母親に負わされた左胸の外傷は十年以上経っても残っており、シュウの数少ないコンプレックスになっている。

 その自由を愛する性格故に、自分を利用しようとする者、利用した者は誰であろうと決して許さない。

 その力故に様々な人物や組織に目を付けられ、原作ではそれを利用しようとしたゼゼーナンやユーゼスといった地球の敵と戦う事も多い。

 ただシュウが嫌うのは、あくまでも自らを一方的に抑圧する、利用する行為であり、ギブアンドテイクが成立している取引を断ってはいないことからも窺える。

 つまり互いに納得した上で「利用しあう」という行為であれば問題はない。

 また、地球の敵と戦うのも単に自分の自由を侵害する事が許せないという事以外にも、 地球を愛する者として侵略には徹底抗戦というシュウなりの正義感による面もある(でなければ、シュウはヴォルクルスに洗脳されてなお「ビアンの考えに惹かれた」と彼に協力するはずがない)

 なお、この世界線だとこの邪神、勿論ながら負の無限力の一角であり、撃破には覚醒済みサイコドライバー複数人の投入が最低条件になる。

 そんな自由を愛するシュウは自身がヴォルクルスの力で自由を失っている事に耐えられず、地上に出た後はマサキやスーパーロボット軍団と敢えて敵対する事で、彼らに自分を倒させようとした。

 とはいえただ倒されるだけでなく、全力で戦った結果としての死を望んでいたようである。

 結果、スーパーロボット軍団をボコボコにした後、最後にはマサキに倒され、死を以てヴォルクルスの呪縛から解放された。

 その後、紆余曲折あって復活してからは自身を利用する原点となったヴォルクルスやヴォルクルス教団、そしてその首魁である預言者ヨーテンナイを倒すことが彼の目的となる。

 基本的に性格は自己中心的で嫌な男だが、本来は穏やかな気質らしく、邪神の呪縛から解放された後はサフィーネやモニカ、テリウスらを仲間として扱うなど、他人に対する気遣いが見られる。

 また、教団時代の自身の被害者であるプレシアやセニアを気に掛けたり、遺恨を持ちながらも「借り」という形で見逃したアルバーダに対して、「ありがとう」という感謝の言葉を口にする等、要所要所で気遣いを見せている。

 しかしながら「自分を利用した相手は絶対殺すマン」としてのスタンスは一切、微塵も、全く変わっていない辺り、実に筋金入りである。

 その立ち位置やキャラクター性、オリジナルキャラクターの中でも群を抜く存在感ゆえに「スパロボ界のジョーカー」とも称される。

 その苛烈な報復から「関わったら死亡フラグが立つ」「敵対したら殺される」「恨みを買ったら宇宙の果てまで追い回される」等とすら言われており、その存在感の大きさが分かるというものである。

 加えて、気を抜いた時は普通に冗談や嘘、からかいの言葉も口にするが、それは滅多に見られるものではない。

 尚、そんな彼だが女性によくモテる。

 モテるのだが、女性不信も相俟ってマサキに対して濃厚なホモ疑惑がかかっている。

 自身の使い魔であるチカにすら疑われている始末である。

 

 新西暦184年12月、そんな男がビアン博士に連れられてA.I.M本社へと訪れた事は社外秘に指定されるのも当然の事だった。

 

 彼の姿が確認された瞬間、地球の絶対防衛ラインの戦力は危うくコードREDパターンG又はVが発令されかけたと言えば、トレミィ達からの警戒ぶりがよく分かるだろう。

 

 「そう警戒をしないでください。私からは貴女方に何もしませんので。」

 「了解致しました。」

 

 早速応接室に通された二人には太陽系外縁部からトレミィがすっ飛んでくるまで、武蔵社長(まだアズラエルとの結婚前なので4代目)は二人の博士を最上級VIP待遇で歓待するのだった。

 この歓待、彼女のそれなりに長い経験の中で最も神経を使ったものだったと言う。

 表向き和やかな会話(主に最新技術関係)が続く事30分程、遂に太陽系外縁部から戻ってきたトレミィが焦燥も露わに駆け込んで来た。

 その上でいつものゴスロリ服でいきなりスライディング土下座しながら入室してきた。

 

 「何でもあげますからうちの子達だけは勘弁してください後生ですぅぅぅぅっ!!」

 「貴女は何を言ってるんですか?」

 「トレミィ会長、少々こちらへ…。」

 「へ?武蔵、何で廊下に…待って待って何をそんなに怒って」

 

 

 ~~~ 只今大変残虐な音声が流れているため、鳳翔さんの3分クッキング動画を見て癒されながら暫くお待ちください ~~~

 

 

 「大変失礼致しました。」

 「いえ、こちらこそ急な訪問で失礼致しました。」

 

 3分後、頭に漫画みたいな三段たんこぶを生やしたトレミィが普通に挨拶していた。

 なお、ビアン博士は終始苦笑いしていた。

 

 「それで、我が社に如何なるご用事でしょうか?」

 「私共で開発した特機の作成にご助力願いたいのです。」

 「それは構いませんが…それでしたら北米にて開発計画が進行しておりますので、そちらにご参加して頂く事は出来ませんか?」

 「故あって秘密裏に行いたいのです。お願いできませんか?」

 「私からも是非お願いしたい。彼の才能は本物であり、その事情も私は僅かながら聞かせてもらった。何とか用立ててもらえないだろうか?」

 「んー、他ならぬビアン博士からの紹介ですし……当社の地下ドッグであれば可能ですが、少々手狭になりますよ?資金や設備のサポートもこちらで致しますが、開発する機体のデータ等はこちらにも提供して頂く事になりますが…。」

 「望外の条件です。それでお願いします。あぁ、それと一つ、注意事項を。」

 「注意事項ですか?」

 

 「私は、私を一方的に利用する者、利用した者を決して許しません。それだけはお忘れなきよう。」

 「分かりました。よく覚えておきます。」

 

 こうして、シュウ・シラカワは密かにA.I.M北米本社地下の秘匿エリアにて僅か一年でグランゾンを完成させたのだった。

 その間、トレミィ達は決して彼の背後関係やプライベートを探る様な事はせず、契約内容通りの関係に終始した。

 それは彼女らとしては当然の約束・契約の遵守であり、シュウ・シラカワという一個人への恐れ故だった。

 それから一年後、出来上がったグランゾンを駆り、シュウ・シラカワは挨拶もそこそこに旅立っていった。

 彼が今、何処で何をしているのかは知らない。

 しかし、定期的にこちらで行っている資金援助用の口座から生活費や改造費用が引き落とされているので、しっかり生きている事だけは分かっている。

 そして、肝心のトレミィ達が望んでいたグランゾンの詳細データなのだが……はっきり言って欠陥機と言っても良かった。

 

 何故って?操縦系統や武装の類が搭乗者がシュウ・シラカワ級の大天才である事前提に作られてるからだよ!

 

 例えば、ワームスマッシャーという武装がある。

 胸部を解放してエネルギービームを発射、それを発生させたワームホールに打ち込み、目標の周辺で新たに無数のワームホールを発生、それを出口にエネルギービームが標的へと命中する。

 単体だけでなく無数の目標へ攻撃可能で、最大65536もの目標を同時に攻撃可能と言われている恐ろしい武装だ。

 で、こんなん使用するには極めて精密な重力操作による空間干渉に機動する敵機の位置情報並びに正確無比な機動予測が必要となる。

 で、そんな事を最大65536もの目標に対して行う?

 機体側だけではとてもではないが追い付かない程の情報処理が必要となる。

 それをシュウ・シラカワはガイキングのサコン・ゲンよろしく自分自身の脳で追い付かない分を処理しているのである。

 加えて、そんな事をしながら直進ならサイバスターを凌駕する機動性を駆使しての近接戦闘すら行うのである。

 んな事出来る人類なんて一体何人いると言うのだろうか?(トレーズ閣下は出来そうだが)

 太陽系防衛用無人機動部隊所属のヴァルチャーやOFならば可能だが、逆に言えばアレら級のオーバーテクノロジーが必要となるのだ。

 なお、グランゾンは当初ヴァルシオンの基礎設計を参考にしつつ、半分近くまで小型化したものを基礎としていたのだが、途中から「閃きました」とか言って、一から設計を開始して作り上げられていたりする。

 人員と設備、資材に資金なんかは使い放題だったとは言え、僅か一年でほぼ独力であんな代物作るシラカワさんちのシュウ君はやっぱり異常なんだなってトレミィははっきりと理解しましたとさ。

 そして完成してから1年後、地下世界ラギアスにおいて何が起こっていたのかは定かではないが、予定よりも早い第一次α時空においてラ・ギアスよりシュウ・シラカワを追ってマサキ・アンドーと魔装機神サイバスターが来訪するのだった。

 

 

 ……………

 

 

 新西暦186年8月半ば 地球 太平洋上空にて

 

 『あーもう!ここは何処なんだよ!』

 『マサキ…お腹減ったにゃ…。』

 『もう喋るのも億劫だにゃ…。』

 

 一人と二匹に一機が旧合衆国領ハワイ諸島に向けて侵攻中だったムゲ艦隊を見つけ、交戦するまで後30分。

 戦闘に気付いて加勢にやってきたハガネとヒリュウ改の部隊(SRXチーム・ATXチーム・旧教導隊チーム・ヒリュウ改チーム+ヴァルシオーネ)と合流するまで後35分。

 意気投合して事情話して同行するまで後45分の出来事だった。

 

 

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