多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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スケジュールがタイト?
馬鹿言っちゃいけないよ、原作スパロボじゃもっとキツイ。
移動時間がない?何のためのテスラドライブなんだ。
ブレイクフィールド展開して最大までトバせばいけるいける。
※なお、人員の疲弊は考えないものとする。


第57話 妖魔大帝

 新西暦186年9月28日

 

 嘗て地底種族連合との決戦の地となり、そして魔神覚醒事件の発端となった旧光子力研究所。

 この因縁の地にて、遂に本格始動した量産型特機軍団が押し寄せるミケーネ帝国軍を撃滅すべく奮戦していた。

 

 『ゲッタービーム!』

 『トマホーク、ブーメラン!』

 『ドリルプレッシャーパーンチ!』

 『サンダーブレーク!』

 

 次々と特機特有の強力な武装が戦闘獣へと命中し、木端微塵に打ち砕かれていく。

 

 『ガアアアア!』

 『ゲッタードリル!』

 

 一体の量産型ゲッタードラゴンが両腕のドリルを構えて向かってくる人間型戦闘獣グラトニオスに対し、その右腕をドリルへと変形させ、その攻撃を正面から抉り穿つ。

 グラトニオスは両腕のドリル所かその右胸まで貫かれ、その活動を停止…しない!

 ミケーネ帝国の戦闘獣は機体の何処かにある頭、その中にある古代ミケーネ人の脳を破壊しないと活動を停止しない。

 それ以外の場所では例え真っ二つにされようとも時間さえあれば自己修復機能で復活してしまう。

 グラトニオスは数ある戦闘獣の中でも通常の頭部と左右の胸にある2つの顔の3つがあり、その辺がとても分かりにくいのだ。

 それでも両腕に右胸が壊され、大破に近い状態のグラトニオスは量産型ゲッタードラゴンの右腕を胸に空いた大穴に更に突っ込ませる様にして僅かな時間だが動きを停止させる。

 

 『ギシャア!』

 

 その隙を目敏く見抜いた魚類型戦闘獣ビラニアスがその口部を大きく開き、グラトニオスの背後から量産型ゲッタードラゴンへと噛み付かんと飛び掛かる!

 

 『チェーンアタック!』

 

 だが、量産型ゲッタードラゴンは慌てずに対処した。

 右腕に引っ掛かったグラトニオスをものともせず、強化されたパワーで機体を動かし、右腕が変形したドリルを鎖付きでそのまま射出し、今度はビラニアスを貫いた。

 この簡易部分変形機能こそ、百鬼メカの傑作機たるメカ鉄甲鬼を分析して得られた機能である。

 ゲッターロボ特有の三機のゲットマシンによる変形・合体・分離機能による高い対応力とトリッキーな戦闘スタイルこそないものの、兵器としての完成度ならばこの量産型ゲッタードラゴンにこそ軍配が上がる。

 他にも脚部側面の装甲が展開してゲッターミサイル、足裏には無限軌道が備わっている。

 加えて、マント部分はゲッター1よろしく武装として使用する事を止め、純粋な防御兵装兼推進ユニットと化している。

 具体的にはバスターマシン19号ディスヌフよろしく分厚いマント状のゲッターウイングの裾にブースターが追加され、テスラドライブの性能向上も合わさってより大推力・高機動を実現している。

 なお、元祖ゲッターチームよろしくテスラドライブをパイロット保護に割り振る事を止めて機動性向上に全振りするリミッター解除モードもあるが、今現在誰も使用していない(出来ないとも言う)。

 

 『ゲッタービーム!』

 

 腕を引き抜き、倒れ伏す2体の戦闘獣に纏めてゲッタービームを浴びせ、しっかりと止めを刺す。

 そのゲッタービームもまたその威力を大きく向上させており、戦闘獣二体を跡形もなく吹き飛ばす。

 ゲッタービームを始めとしたゲッター線を必要とする機能にゲッター炉の出力を割り振り、機体そのものの稼働等は縮退炉で代替する事で効率良くエネルギーを運用した結果だった。

 初代ではその辺が完全に分割されておらず、エネルギーの切り替えによるエネルギー伝達系への負担が大きかったのだが、その辺を解決するための構造だった。

 なお、もしもゲッター炉が壊れても武装が減るだけだが、縮退炉が壊れた場合はゲッター炉が機体の稼働も担当するためどうしても大きく性能が低下するという欠点があるが、そんな状態になったら撤退するべきとされている。

 直後、爆散する2体には目もくれず、量産型ゲッタードラゴンは次の敵を撃滅すべくゲッターウイングを棚引かせて飛んでいった。

 戦闘はまだ始まったばかりだった。

 

 

 ……………

 

 

 臨海市にある古代ムー帝国の遺産の研究並びに防衛を主とするムトロポリス基地にて。

 今現在、この地の留守を預かる連邦空軍所属のVAで統一されたコープランダー隊、そして一般のMS1個中隊、そしてモンスター含むデストロイド部隊1個大隊がこの地の防衛の任に就き、無数のドローメと飛行可能な化石獣の群れを相手に海岸線付近に布陣し、必死の敵の侵攻の遅滞、即ち時間稼ぎを目的に迎撃戦闘を続けていた。

 だが、彼らが必死になって迎撃しているこれらの戦力は所詮敵の先遣隊であり、本隊はもっと多く強力な戦力を揃えている事が既に確認されている。

 それを知るが故に彼らは敵本隊の到達前に民間人・非戦闘員の避難を完了させるべく強力な攻撃を連発して派手に目立ち、妖魔帝国軍の注目を集め、誘因していた。

 その後方の市街地では迫り来るタイムリミットを前に歩兵部隊や警察が必死に住民の避難を進めていた。

 

 『民間人の避難急がせろ!内陸側に逃がすんだ!』

 『シェルターは動けない人員を優先して収容しろ!それ以外は他所に逃がせ!』

 『避難を拒否する民間人を確認!制圧して輸送しますか!?』

 『本人達に再確認した後に放置!今は一人でも多く避難させるのが優先だ!』

 

 非情な様だが、今の地球では割とよく見られる光景だった。

 どうせ地球連邦軍が何とかしてくれる、他所で暮らせるか分からない、もう疲れた、死ぬのなら家で死にたい。

 諦観や絶望に魅入られた人々が足を止め、懸命に生きようとする人々の足を引っ張る。

 そんな連中に構ってなんていられない、死にたいなら勝手に死ね、自分達は最後の瞬間まで足掻く。

 地球連邦軍はそうした軟弱・惰弱が許される程に温い場所ではないし、彼らの助けを求める人々は大勢いる。

 名も無き兵士達は今この瞬間も諦めず、歯を食いしばって必死に戦い続けていた。

 なお、ティターンズみたいな連中もいる所にはいるが、その様な腐ったリンゴは何かと理由を付けて早々に配置転換されて懲罰(される人達の)部隊へと送られる。

 旧式の機体や兵器を渡され、大体はその部隊での初陣か次、その次位で死ぬ。

 もしこの部隊で生き残れる奴がいたらそれは異能生存体だって位には死亡率の高い部隊である。

 が、それはさておき。

 

 『! レーダーに感あり!多数の敵反応が戦域に到達します!』

 『くそ、間に合わなかったか!』

 『各機、敵増援が来る!警戒しろ!』

 『これ以上どうしろってんだよ!』

 

 報告から1分とせぬ内に、遂に妖魔帝国軍の本隊が現れた。

 30隻近いガンテの艦隊、その周囲を守る無数の巨烈獣の姿に守備隊と市民の心は次々と圧し折られ、絶望が広がっていく。

 

 『ふはははははは!恐怖したか?絶望したか?我ら妖魔帝国幹部、巨烈兄弟の巨烈獣軍団の威容に見ただけで心が折れたか!』

 『がはははははは!よぅし、このまま蹂躙してくれるわ!』

 

 巨烈兄弟の言葉に誰も言い返せぬまま、次々と守備隊が討ち取られていく中、市民はパニックに陥り、避難誘導を行う兵士や警察官らの言葉を聞く余裕すら失い、狂乱のままパニックへと陥っていく。

 最早どうしようもない、ただ蹂躙され、虐殺され、殲滅されるだけ。

 嘗て繁栄の絶頂期にあったムー帝国をして道連れに封印する事しか出来なかった妖魔帝国の本気の侵攻に、最早抗う術は無いと思われていた。

 

 『!?せ、戦域の高速で侵入する反応を確認!これは…!』

 

 守備隊司令部付きの管制官からの言葉が届く前、臨海市の直上を三条の巨大な閃光が通り抜け、沖合に現れたガンテの艦隊へと直撃した。

 直後、巨大な閃光と一拍遅れて爆音と衝撃波が全方位へと広がり、パニックになっていた市民と必死に沈静化しようとしていた兵士と警察官らは悲鳴と共に衝撃波に吹き飛ばされない様に伏せるか手近なものに捕まって堪えた。

 次に目を開け、周囲を見回した時、沖合にいたガンテの艦隊はその数を半分にまで減らし、展開していた無数の化石獣とドローメははほぼ全滅し、巨烈獣もその数を大きく減らしていた。

 

 『状況報告!』

 『味方増援!ISA戦隊よりスペースノア改、ハガネ改、ヒリュウ改の三隻です!』

 

 直後、戦域に三隻の戦艦が到着した。

 先程の三条の閃光はこの三隻の艦首に備わった特装砲、即ちハイメガキャノンにTBキャノン、GBだった。

 その威力、その効果範囲はマクロスキャノンに並び既に先のムゲ帝国軍地球侵攻軍司令部を消滅させるという大戦果で証明されている。

 この三隻含むISA戦隊は先日の作戦以降行方不明とされながら、しかしその生存が確実視されていた地球圏最精鋭にして最強の戦力の一角。

 宇宙怪獣、地底種族連合、ムゲ帝国。

 それらを悉く打ち破り、今日までその名を轟かせ続けているスーパーエースしかいないとされるISA戦隊の中核戦力の一つ、αナンバーズだった。

 

 『こちらスペースノア改艦長のブライト・ノア少佐だ。これより加勢する。防衛戦力は一度下げ、再編並びに補給と整備を行ってくれ。』

 『こちら防衛部隊司令部!ブライト少佐、よく来てくれた、感謝する!』

 

 健気にも踏み止まり続け、殆ど壊滅状態になった防衛部隊は後退し、今度はαナンバーズ所属機動兵器部隊が破壊され、傷つけられた人々のお返しだとばかりに展開する。

 

 『Gテリトリー展開!もう街には通さねぇぞ!』

 

 そして、ヒリュウ改から投下されたジガンスクードⅡが街を守るべく文字通りの盾となる。

 

 『お前達…!許さん、許さんぞ!よくもオレの生まれ育った街を荒らしてくれたな!絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!』

 『がはははは!肝心な時に留守だった小僧がよく吠える!その忌々しいライディーン諸共この激怒巨烈が砕いてくれるわ!』

 『ふん、相変わらず品の無い…まぁ良い。手柄首が向こうから来たのだ。皆殺しにしてその魂をバラオ様への捧げ物にしてくれる!者共かかれぇい!』

 

 そして、素早く混乱から立ち直った妖魔帝国軍が再び攻撃を開始しようと一斉に向かってきた瞬間、

 

 『行くぜ!サイフラッシュ!』

 『吹き飛べ!メガグラビトンウェーブ!』

 『ふふふ、メタルジェノサイダー、デッドエンドシュート!』

 

 出鼻を挫く様にして放たれた再度のMAP兵器によって、再度臨海市に侵攻すべく進撃=密集していた巨烈獣や生き残りの化石獣、ガンテは大きなダメージを負い、かなりの数が撃墜されてしまう。

 無論、先程の戦艦ユニット三隻のMAP兵器一斉射と同様に全て幸運・努力・熱血・必中付きである。

 今日も敵の屍で資金とパーツと経験値を稼げて飯が美味い(スパロボプレイヤー並感)。

 

 『ぐおおおおおおお!?』

 『ぬぅ、まだ隠し玉を持っていたか!』

 『よし、各機攻撃を開始!妖魔帝国軍を撃滅する!』

 

 こうして、一足先に臨海市の方で戦闘は第二ラウンドへと移るのだった。

 

 




量産型ゲッタードラゴン…この世界の技術で再現・強化されたメカ鉄甲鬼。回収された残骸から得られたデータを参考にしている。
量産型グレートマジンガー…基本的に甲児・ジュンの乗る機体と同じ仕様。
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