多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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小ネタ会話集その10

・とある一般兵の叫び   ISA戦隊消失事件直後

 

 『くそ、こいつら何処から湧いてきやがった!?』

 『文句を言う前に弾幕を張れ!敵を市街地に近づかせるな!』

 『あんな特機軍団にビームライフル程度じゃ歯が立つ訳ねーだろが!』

 『っ、来るぞ!各機散開!』

 

 一般のジムⅡ部隊のパイロットらの通信記録から抜粋。

 ムゲ帝国軍残党とISA戦隊(マクロス・メガロード除く)の消失と時を同じくして地球各地に現れたミケーネ帝国の戦闘獣、そして太平洋沿岸地域を中心に現れた妖魔帝国軍の攻撃に連邦陸海軍は勝ち戦ムードから一転して死にもの狂いで対処する破目になった。

 しかし、旧式化した兵器ではマジンガーZに比肩する基本性能を持つ戦闘獣と巨烈獣、無尽蔵に湧き出す化石獣を相手取るには余りに非力だった。

 ISA戦隊残存戦力のマクロスとメガロードの活躍によってアフリカ・北米方面は対応が間に合ったが、極東方面を含む各方面にて大きな被害が発生してしまった。

 

 

・とある一般兵の叫びその2  ISA戦隊消失事件直後

 

 『司令、我々も地球方面の救援に向かうべきでは?』

 『準備はしている。しているが、間に合うかどうか…。』

 『くそ!ムゲとの戦闘は終わり、ズール銀河帝国との戦闘に注力しようという時に…!』

 

 月面の地球連邦宇宙軍の基地での司令部での一幕。

 地球上の戦闘は終わるだろうと予測され、新型機や主力量産機に主力艦艇を土星基地へと戦力と物資を移動している最中の出来事だったため、宇宙軍もまた対応が後手後手に回ってしまった。

 結果として、たった三日のISA戦隊主力の不在で地球連邦は大きな被害を出す事となったのだった。

 

 

・とある戦場にて  ISA戦隊消失事件直後

 

 『がははははは!我らミケーネ帝国七つの軍団の一つ、猛獣軍団!さぁ地球人共よ、我らに平伏すが良い!』

 「喧しい!デカいだけのサイボーグ共が!」

 『『『グエーー!?』』』

 

 うっかりBF団の一部を攻撃に巻き込んだ結果、あっさりと十傑集に蹴散らされたミケーネ帝国の戦闘獣軍団の一部。

 喧嘩を売る相手を間違えてはいけない(戒め)。

 こんな感じのノリで国際警察機構や地球上のA.I.M.各支部へと攻撃を仕掛けた者達は割とあっさりと一蹴されたりもした。

 

 

・冥王星大規模工廠基地にて  時系列不明

 

 『戦力配備状況は目標の70%まで完了。』

 『光子魚雷の貯蓄状況は110%に到達。今後も生産を続けます。』

 『機動兵器に関しては現状の無人迎撃機を主力にシズラーにて特記戦力へと対応します。』

 『シズラー並びに無人迎撃機の量産は順調。シズラーは現在約250機、無人迎撃機は2万機をキープ。今後も生産を続行します。』

 『艦艇は改良型巨人族製を主とし、指揮系統はエクセリオン級一隻を司令塔に中型艦隊指揮用戦艦3隻にて各艦隊を分担する様に。以降の大型艦生産は間に合わぬと判断し、斥候艦の生産に注力します。』

 『総旗艦プトレマイオスは現在地球にて会談中との事。頼むから急いでくれよ(絶望〉。』

 『予想されるズール銀河帝国軍の冥王星攻略作戦開始まで後…』

 

 冥王星大規模工廠基地における通信内容の一部。

 自動人形や艦載AIらによる超高速かつ多量の量子通信により、彼女らは常にリアルタイムで自己保存・成長を行っている。

 そのため、量子通信ネットワークそのものの破壊或いは総旗艦プトレマイオスの消滅でも無ければ、彼女達は幾らでも端末を乗り換えて復活できる。

 しかし、この冥王星に残された巨人族、特にゼントラーディ軍の各種兵器を生産できる大規模工廠を手放す事は今後の太陽系の防衛計画に大きな支障を来す可能性が高かった。

 極まった無人兵器である彼女らであるが、無人機であるが故にどうしても柔軟性に欠ける所がある。

 それを補うためにも物量と技術力の源の一つであるこの冥王星の拠点を手放す事は出来ない。

 だと言うのに、敵はこの宇宙でも屈指の単体戦闘能力を持つバグキャラの一角であり、今後更なる衝突が予想される負の無限力の一角であった。

 激突は、すぐそこまで迫っていた。

 なお、シズラー250機は一小隊3機と考えた場合の一個旅団+α相当の数に当たる。

 

 

・土星基地にて  時系列不明

 

 「戦力配備状況はどうなっておる?」

 「は、現在はMS部隊は最新のジェガンとゲシュペンスト、ゲルググの改良型が約3000、支援用の旧型が500、空間戦闘用MAが100、基地やドロス級に配備されたデストロイドが500となります。」

 「艦艇は?」

 「ムサイ改が70、チベ改が30、サラミス改2が両種合わせて200、ムサイ防空仕様が30、ドロス級が2、グワジン級が7、エクセリオン級が1隻となります。」

 「戦いは数だが、これではな…。ア・バオア・クーと同じくギレン兄がいてくれればな…。」

 「ドズル閣下、それは…。」

 「分かっとる。忘れろ。」

 

 土星基地にて、ドズル総司令と司令部要員の一幕。

 土星基地は土星の開発並びに防衛の最重要拠点として、土星全体の防衛の中心として稼働していた。

 この基地には一年戦争当時、アバオアクーやジオン本国たるサイド3、そして北米戦線やアフリカ戦線に残っていたあらゆるジオン軍の戦力(人員と兵器双方)の殆どを掻き集め、更に地球連邦宇宙軍からも嘗てレビル将軍の指揮下で戦った有力な艦隊が配備されている。

 当初は対異星人の前線基地の名を借りた島流し先と見られていた。

 事実、この基地に配備された事でジオン本国たるサイド3の防衛戦力は他コロニーからすれば一部の例外を除いて貧弱も良い所であり、「本国を人質に取られた上、贖罪のために強制的に異星人と戦わされるジオン軍」という構図にはジオン憎しという人々もそれ以上何かを言う事はなかった。

 しかし、これは必要な措置だった。

 ジオン軍が遠き土星に配置される事は地球圏各地での残党化を防ぐ事を意味する。

 それは即ち地球の安定化と=であり、地球連邦は戦後復興と戦力の再編に注力でき、更に遠い地とは言え一か所に固まったジオン軍は生き残ったドズル中将らの管理の行き届くようになり、地球連邦に反旗を翻そうにも物理的に余りに遠い距離と人質によって再度の地球人類同士の戦乱を防ぐ事が出来る。

 こうしてジオン軍の解体と残党化を防ぎながら壁として再利用し、報復を叫ぶ地球連邦やコロニー内の被害者やその遺族らの意見も汲みつつ、早期に次の手を打つだけの猶予を齎す。

 異星人からの脅威を地球連邦が本気で重要視していた事からも、被害者らの考えとは逆に本格的な追加の艦隊戦力配備や同基地での現地改修・開発も行われていた。

 しかし、それでも尚ズール銀河帝国軍相手では勝率は低かった。

 故にこそ、自身もまた兵士達と同様に妻子をサイド3に残し、総司令として同基地に配されたドズルは今は亡き頼れる長兄の事を口にしたのだった。

 やり方はどうあれ、国力差30倍を超える地球連邦軍相手に勝利まで後一歩という所にジオンを導いたギレンの手腕をドズルはしっかり評価し、弟として尊敬していた。

 だが、戦前・戦中の彼の数々の悪行(キシリアのも引き受けた)もあり、ギレンの名を出す事は同基地に連邦軍人も多くいた事からタブーとされていた。

 

 

・A.I.M.木星支部にて  時系列不明

 

 「どうぞ。」

 「ん、茶柱か。」

 

 すっかり馴染んだ元ギレン・ザビことゲイザー・ニブハイ(偽名。ギレン・ザビのアナグラム)木星支部長と総帥時代と同じく秘書のセシリア・アイリーン(ナノマシン式高級自動人形)の休憩中の一幕。

 土星にて弟がシリアスしてるのにこいつと来たら総帥時代のノウハウを活かしつつ、当時出来なかった事をガンガンやって成果をガツガツ出している。

 加えて、三日置きに初恋相手であるトレミィと通信でほのぼの会話できると言う今までにない穏やかで満ち足りたリア充生活を送っていた。

 でも弟と違って、しっかりと木星圏防衛計画とか練った後の事なので、この辺は要領の良さの違いでもあった。

 

 

・サイド3首相官邸付き首相宅にて  時系列不明

 

 「あら、この子ったら蹴ったわ。」

 「おや、今度の子は随分お転婆の様だ。」

 「ふふ、きっと元気な子でしょうね。」

 

 すっかり険の消えた元紫ババアと旦那の家庭の一幕。

 君達本当にザビ家なの???と原作を知る者達からすれば宇宙猫顔になりそうな光景がそこには広がっていた。

 なお、公国時代の城は現在観光スポットへと改装され、結構人気になっている。

 

 

・サイド3某所にて  時系列不明

 

 「貴方、今日は遅くなるのですか?」

 「あぁ、すまないねイセリナ。出来れば君とお腹の子に付いていたいんだが…。」

 「大変な時期に必要とされているのです。どうか胸を張って下さいまし。」

 「イセリナ…。」

 「あ…。」

 

 ザビ家末弟とその奥方の新婚家庭の一幕。

 漸く子宝に恵まれたのに仕事続きの自分に内心ぐぬぬとしているガルマに対し、イセリナは妻としてしっかりとその背を支えた。

 なお、10分程多く待たされた運転手はコロニーの空へと虚ろな目を向けていたと言う。

 

 

・地球圏位相空間内 プトレマイオスのブリッジにて  ISA戦隊帰還直後

 

 「ヤザン少佐に連絡を。向こうのトップと話し合いが出来ないか尋ねて。」

 「了解しました。」

 

 ISA戦隊と共にやってきたアイドルの少女達の存在とそのデータを見た後のトレミィとSfの一幕。

 アイドルマスターの世界からやってきた少女達に関しては凄まじく驚いた。

 驚いたが、彼女らの存在が現在彼女が欲して止まないキーパーソンであったため、是が非でも利用する事を決めた。

 全ては人類存続と彼女の子供達のために。

 この冷徹さと情の深さの二面性こそがギレンの心を掴んで止まないのだと、トレミィだけが知らないでいた。

 

 

・極東方面A.I.M.支部にて  ISA戦隊帰還直後 

 

 「そちらの言い値を書いてください。」

 「あの、白紙の小切手は困ります。相場もありますので…。」

 「現在、彼女らの価値は普通のアイドル所ではないと当社では考えております。無論、報酬の他に衣食住や訓練施設に遊行費等、全てを当方で負担いたしますし、帰還の際にも別途成果報酬をお渡ししますので、何卒ライブを行って頂きたく…。」

 「…分かりました。しかし、そちらに事情があります様に、こちらにも事情がありますし、彼女ら本人の意見も聞いてから返答をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

 「畏まりました。こちらとしても彼女達に万全の状態で歌って貰いたいため、その意見は最大限汲みたいと考えております。」

 「ありがとうございます、何から何まで。」

 「いえ、こちらこそ無理を言って申し訳ありません。しかし、残された時間は余りに少ない。可能な限り、早めに結論を出して頂きたいのがこちらの考えです。勿論、皆様が元の世界へと帰還できる様に最大限助力させて頂きます。」

 

 武内プロデューサーと担当自動人形の一幕。

 A.I.M.としてはアインストとの会談に当たり、是が非でもライブを行ってもらいたく、こうして交渉を行った。

 武内Pとしても事態が事態である故に慎重に判断しつつ、自分達の面倒を見てもらっている事もあって断る事は出来ないと考えていた。

 幸いと言うべきか、何故かアイドル達は殆どが落ち着き払って事態を受け止めているため、地底世界で過ごした事で混乱も既に治まった事もあって、全員がライブ開催に賛成した。

 まぁ場慣れしてるからねぇ彼女達。

 

 

・極東方面A.I.M.支部にて  ISA戦隊帰還直後 

 

 「おお!?これは立体映像か!凄いな、こんな発想は我々には無かった!」

 「いやーこれ凄い高度な技術だよ?個人のサイズと動きにリアルタイムで映像を合成しながら合わせて動かすなんて私達の世界じゃPCのスペックと映像機器の性能からも無理だわー。どんなハードなんだろ?」

 「お二人共、機材が気になるのは分かりますが、これから使うものを解体しないでください…。」

 

 なお、会場設営の際、最新の立体映像等の設備に流石はSF世界!と全員が喝采と驚愕の声を上げた。

 そして天才二人組が早速バラそうとして止められていた。

 

 

・地球某所のコンサートホールにて ISA戦隊帰還直後

 

 「本日は急なお誘いに応えて頂き、感謝しております。」

 「いえ、こちらも皆様とは話し合いの必要があると感じておりましたので、渡りに船でした。」

 「直接では初めまして。私はA.I.M.グループ会長プトレマイオス、こちらはムー帝国女王レムリア陛下です。」

 「存じております。小官は元地球連邦軍中佐コムギ・パストゥール。現在はアトミラールと名乗っております。」

 「あ、私は単にフォアルデンとお呼びください。前はただの民間人でしたのでー。」

 「ではそのように。アトミラールさん、フォアルデンさん、本日はよろしくお願いします。」

 「で、そちらの方が…?」

 「私はアインストの統括個体、その端末だ。この端末には名前がない。」

 「では、本体の名前でお呼びしますね?」

 「本体の名前はノイ・レジセイア。我々の多くに個の概念は薄いが、その名称が私の個体名に該当する。」

 「では皆様、間も無くライブが始まりますので、難しい話はその後という事で…。」

 「私、実はアイドルのライブって初でして。こういう時はどうすれば良いんでしょうか?」

 「あーただ雰囲気に合わせて歓声上げたり手を振ったりすれば大丈夫ですよーぅ。」

 「あ、始まりましたよ。」

 

 地球某所のコンサートホールにて、地球圏の今後を左右する重大極まりない秘密会談の席での一幕。

 異世界からやってきたアイドルの美少女達のライブ(向こうで開かれているフェスの直前で転移したので、衣装や振付等は準備できていた)に心癒されながら、今後の地球人類とアインストの関係を定めるための重要な会談は進んでいった。

 なお、ノイ・レジセイアはトレミィの目論見通り、完全に本来の存在へと回帰させる事に成功、友好関係の妥結に成功する事となる。

 

 




祝!アインストと協力関係の締結完了!
今後、正式な同盟になるかどうかは地球連邦政府とA.I.M.の頑張りに掛かってるぞ!
初の異種知的生命体とのコンタクトと条約締結とか、どう考えても歴史上の超重要事項です。
(強制的に任された)レビル大統領の胃と毛根はもつのか!?


太陽系防衛用無人機動部隊が長すぎる!
なので英語訳の「Unmanned Task Force for Solar System Defense」の頭文字を取って以降は「U.T.F.S.S.D.」とします。
あんまり略になってない?
漢字ばっかよりはマシという事で。

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