多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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思ったより進まなかったな…

これもそれもHF三章視聴したのが悪いな!(2回目で初4DX)
座席揺れ過ぎ&名作過ぎて2回目でも詰まらないとか全く思わなかったぜ!
皆にも是非お勧めだ!(ダイマ


第66話 皇帝VS皇帝その5

 新西暦186年9月28日 極東方面 旧光子力研究所跡地 地下秘匿区画

 

 

 【ふぅ…これで遂に完了じゃな!】

 

 闇の帝王もといアストラル体となったDr.ヘルは自分専用カスタマイズが完了したマジンカイザーを前にして達成感に満ちた吐息(呼吸してないが)と共に額を拭った(汗腺自体もないが)。

 同時、何時の間に用意していたのか、≪祝☆ヘルカイザー完成!≫の横断幕が壁に張られ、天井から釣り下げられたくす玉が割れ、設置された扇風機によって紙吹雪が綺麗に舞い上がる。

 …努力する所を間違えているかもしれないが、割と原作でもこんな感じだったりする。

 

 「おめでとうございます、闇の帝王様。」

 「永きに渡った宿願の成就、心よりお祝い申し上げます。」

 【うむ!ここまで実に永かった…同時に瞬きの様でもあった…。】

 

 一万年以上も過去にアストラル体のみとなって跳ばされ、古代ミケーネ帝国を傘下に入れてからというもの、Dr.ヘルに休息は無かった。

 何せ肉体的な疲労からは完全に解放され、バードス島が水没した事もあって、研究に没頭し続けたからだ。

 ミケーネ人達の統治は完成した暗黒大将軍と七大将軍に任せ、マジンガーZEROを超えるべく研究を続けた。

 しかし、兵力確保のために新型の戦闘獣の開発にミケーネスやミケーネ人の品種改良と量産、何よりZEROに勝つための機体の開発という難事はDr.ヘルをして困難を極めた。

 それこそ一万年以上の時間があってもまだまだ足りず、尻に火が着いた様な心境で開発に専念した。

 

 【やる事が…やる事が多い!えぇい、これでは締め切り前の漫画家の様ではないか!?】

 

 それでもまだまだ目標は遥か遠く、あの原初にして頂点たる魔神の陰を踏む事すら出来なかった。

 元素固定装置による高速の自己修復機能、対超合金Zのための各種兵器、戦闘用頭脳を搭載したジェネラル級の戦闘獣、デビルマジンガー開発の際に得た光子力エンジンや超合金Zの設計図や開発ノウハウを活かした自分専用戦闘獣こと地獄大元帥。

 こうした堂々たる成果を出しながらも、しかし、これらでは精々魔神パワー解放の半ばまでしか対抗出来ないと言う結論しか出せなかった。

 

 【だが苦節1万年余り…遂に我が悲願成就の時が来た!見よ、これぞ我が努力と苦悩と苦痛とお前達の献身の成果だ!】

 

 そこには、あちこちが微妙に悪者っぽく改装されたマジンカイザーの姿があった。

 ケーブルは全て引き抜かれ、露わになっていた内部構造は巨大なビスの様なもので装甲が打ち付けられ、各部にエネルギーラインが増設されている。

 また、最大の相違点は頭部であり、専用のカイザーパイルダーではなく闇の帝王専用のヘルパイルダーとも言うべきものが接続されていた。

 …こう、何というか、デザインが他の世界であしゅら男爵が強奪したマジンガーZを改造したパターン(通称あしゅらマジンガー)にそっくりだった。

 やはり創造主と被造物とでは感性が似るのだろうか…?

 

 「しかし、見た目は急造品の様な…。」

 

 こそこそとあるミケーネスが囁いた。

 途端、闇の帝王から稲妻状の精神的エネルギーが発射され、無礼極まりないミケーネスの一人を焼き尽くした。

 

 【誰か他に何か言いたい事はあるか?】

 「「「「「「「「「「いえ、何も。」」」」」」」」」」

 

 闇の帝王以外の面々が手や首を左右に振るう。

 そりゃもう必死にブンブカブンブン!と手や首を左右に振るう。

 誰だって失言一つで無礼討ちされたくはなかった。

 

 【よろしい、では出撃だ!地上にいる連邦軍を一人残らず皆殺しにするのだ!】

 「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」」」」」」」」」」

 

 こうして、マジンカイザーはミケーネ帝国の手に落ち、その開発目的とは真逆のISA戦隊分隊へとその矛先を向けるのだった。

 

 

 ……………

 

 

 新西暦186年9月28日 極東方面 旧光子力研究所跡地 

 

 『ぐああああ!ミケーネ帝国バンザーイ!』

 

 超人将軍ユリシーザーが、断末魔の叫びと共に吹き飛んだ。

 

 『よし、残る指揮官は二体だけだ!』

 『確実に殲滅しろ!最後っ屁も許すな!』

 

 簡易修理と補給を終え、遂に量産型特機軍団が戦線に復帰したのだ。

 未完成とは言え、量産型グレートマジンガーと量産型ゲッターロボGが9機ずつ参戦したのだ。

 厳選に厳選を重ねた代えの利かない程の適性と腕前を持ったパイロット達と共にこれまでミケーネ帝国の侵攻を遅らせてきた実績を持つ彼らである。

 未だ500機という半数以上が健在だとは言え、ISA戦隊分達との戦闘で消耗を重ねたミケーネ帝国では彼らの戦線復帰によって意気高揚となったISA戦隊分隊を抑える事は出来なくなっていた。

 

 『よもやこれ程まで押されるとはな…。』

 『ハ、人間様を舐め過ぎたって事さ。』

 

 弛まぬ鍛錬と磨き上げられた才覚、多くの危機を潜り抜けた戦歴。

 綿密に計算され尽くした戦術・戦略、聊かも衰えぬ戦意。

 そして、後方の人員を限界寸前まで酷死もとい酷使して準備した兵器や物資類。 

 これらを用意するだけの力が地球連邦政府には、太陽系の人類とその愉快な仲間達にはあったのだ。

 だからこそ今、ここまで優位に立つ事が出来た。

 

 『だが、勝鬨を上げるには少しばかり遅すぎた様だな。』

 『なに?…これは!?』

 

 鉄也が通信で警告を出す寸前、旧光子力研究所は地下部分から巨大台風が如き暴風によって根こそぎ消し飛ばされた。

 

 『全機、フィールド出力最大!自衛に専念せよ!』

 

 クロガネ艦長クルト・ビットナーの声に、ISA戦隊分隊並びに特機軍団は精鋭らしく即座に対応する。

 しかし、二隻の母艦が最も旧光子力研究所跡地に近かった事もあり、母艦並びにその直掩に当たっていたMS部隊は直撃ではなかったものの余波を受けてしまった。

 

 『ぐぅ…状況報告!』

 『クロガネ、シロガネ両艦は推進系統に異常発生、浮上できません!エンジンは無事ですが、テスラドライブの出力が上がりません!』 

 『こちら、艦直掩のMS部隊…!全機が先の風で中大破…戦闘続行不可能です!』

 『何て事だ…艦の復旧とダメコン急げ!MS部隊は撤退しろ、的にされるぞ!』

 

 暴風が収まるまでの数十秒間。

 それだけで二隻のスペースノア級と直掩のMS部隊は壊滅的打撃を受けていた。

 先の事件の際の痕跡によって、周辺一帯は既に更地になって久しいため被害はないが、それでも凄まじい破壊の痕跡が再度地表に刻まれていた。

 だが、それを成したたった一機の機動兵器の性能を考えれば、この程度の事は序の口に過ぎなかった。

 

 『! 光子力研究所跡地に超高出力の光子力エネルギーを確認!この出力は…魔神覚醒事件時に観測された数値に匹敵します!』

 『『『『『『ッ!?』』』』』』

 

 その報告を聞いた全員の背を戦慄が駆け抜けた。

 この場所、この敵、この状況。

 それら全てがあの事件の時と酷似していると、彼らは漸く気付いたのだ。

 

 『ぐはははははは!どうやら遅かった様だな、剣鉄也!』

 『てめぇ、知ってやがったか!』

 

 再び暗黒大将軍の大剣とグレートの二本のマジンガーブレードが切り結ぶ。

 だが、行動は同じな筈なのに、両者の心情は先程とは全くの真逆だった。

 

 『こ、甲児!聞こえておるのなら逃げるんじゃ!』

 『っ!?爺ちゃん!?』

 

 突如、全方位通信で腹から大出血しながら血眼になって叫ぶ兜十蔵博士というある意味ホラーな映像通信が送られた。

 

 『アレにはグレートやG、況してや量産型では勝てん!アレは、あの魔神皇帝はZEROを、悪に堕ちた魔神を倒すために作られた魔神の中の魔神なのじゃ!』

 『十蔵博士、大人しくしてください!』

 『鎮静剤投与開始!輸血急いで!』

 『ダメです、圧迫止血じゃ間に合わない!』

 

 十蔵の叫びの後ろで、彼を拘束しながら必死に治療を進めるU.T.F.所属と思われる自動人形達がいた。

 しかし、聞こえてくる彼女らの声はどれもこれも悪い状況を知らせるものしかなかった。

 

 『…爺ちゃんは治療を受けてくれ。オレは戦う。』

 『バッカモン!死ぬぞ馬鹿孫!』

 『…仕方ありません。電気ショックによる鎮圧を行います。』

 

 シリアスな会話の後ろで、さっぱり大人しくならない十蔵に対して遂に強硬策が取られようとしていた。

 

 『あの時、マジンガーをZEROにしちまった責任を、オレはまだ果たしてない。』

 『甲児…。』

 『帰ってくるから、爺ちゃんは怪我治して待っててくれ。』

 『甲…!』

 『電圧、最低値に設定。電気ショック、実行します。』

 

 ブツ、とそれきり通信は途切れた。

 十蔵が限界だったのか、通信が切られたのか、それとも電気ショックによるものなのかは定かではないが、戦後この時の通信を見ていたほぼ全員が(あれ、これ十蔵博士死んでね???)と思ったそうな。

 

 

 【ふふふふふ……フハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!】

 

 

 戦場に哄笑が響き渡る。

 機動兵器に脅威にはならぬ程度まで弱まったとは言え、未だ吹き止まぬ暴風の中をゆっくりと闊歩してくるその機体に、誰もが戦慄と畏怖を隠せない。

 全員が分かっているのだ。

 この場の誰よりも、今現れようとしている者こそが最も強いのだと言う事を。

 

 【遂に満願成就の時が来た!ミケーネ帝国の兵共よ、今こそ地球を我が手に!このヘルカイザーと共に地球連邦を蹂躙し、この美しき母なる星を手に入れようぞ!】

 『『『『『『『『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』』』』』』』』』』

 

 マジンガーの系譜であると一目で分かるが、グレートよりも一回り大きい既存のマジンガーとは全く異なると一目で分かるその姿。

 全身に追加されたビス止めされた装甲にエネルギーライン、頭部に追加されたデザインの異なるパイルダーこそ違和感を持つが、それは間違いなく新たなマジンガーであり、ZEROを除けば現時点で間違いなく最強であろうマジンガーだった。

 暴風の中から現れたその威容に、未だ500機以上も残るミケーネ帝国の戦闘獣が雄叫びを上げ、下がり切っていた士気が天井知らずに上がっていく。

 彼らもまた嘗ての魔神覚醒事件の折、マジンガーZEROの脅威を観測していた勢力の一つだった。

 海中に没したバードス島の地下、そこで一万年もの太古より地球の覇権を手にするために雌伏を続けていた彼らをして、マジンガーZEROは心胆寒からしめる恐るべき敵であった。

 だが、だが!遂にそのマジンガーZEROに匹敵する力を、我らが神たる闇の帝王様が手に入れた!

 であれば、最早恐れるものは何一つ無いッ!!

 

 『さ、せるかよ…ッ!!』

 

 では、誰が魔神率いる戦闘獣軍団の道を阻むのか?

 その様な蛮勇の持ち主はこの場には僅かしかいない。

 グレートマジンガーと剣鉄也?

 否、彼は暗黒大将軍一人に掛かり切りである。

 ゲッターロボGとゲッターチーム?

 確かに彼らならばやるだろう。

 しかし、彼らもまた七大将軍の相手で忙しい。

 では、グレンダイザーとデュークフリード?

 それも否、彼も擱座してしまった母艦二隻の防衛で手一杯だ。

 ダイターン3と破嵐万丈?

 補給し終わったら戦況が思いっきり不利になり、特機軍団と一緒になって防戦一方になっているのでこれも無理だ。

 ダンクーガと獣戦機隊?

 上と同じく。

 加えて彼らの中の野生がしきりに撤退を叫ぶため、その動きは先程よりも精彩を欠いて押されている。

 ならばもう、一人しかいない。

 

 【くくく…ハハハハハハハハハハ!そんな無様な機体で、我が前に立つと言うのか、兜甲児!?】

 『応よ!オレは何度だってお前の前に立ってやる!闇の帝王!いや、Dr.ヘル!』

 

 こうして、再び因縁の二人がマジンガー同士を駆って対峙した。

 これもまた、嘗ての事件の再現だと言うかの様に両雄は激突するのだった。

 

 

 




・グレートマジンガー(オリジナル)
パイロットは剣鉄也。
コスト以外全性能が上。魔神パワーを4段階目まで再現して搭載。

・量産型グレート(先行生産)
現パイロットは甲児とジュン。
基本性能は原作アニメ版グレート。 
運用データは後期生産型へと受け継がれる。

・量産型グレート(粗製)
名も無きエースパイロット達が搭乗。
実は機体以上にパイロットの確保が困難。
正式な後期生産型ではなく、完成度80%で出撃。
だが大抵の戦闘獣より強い。
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