多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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うーむ、本編が進まない…
でも必要な描写ではあるのでまた小ネタです。


小ネタ会話集その21

・あの人は今その1   時系列不明

 

 「ただいま…。」

 「疲れた…。」

 「お帰り二人共。大丈夫?今ご飯あっためるから。」

 「ありがとうカミーユ…。」

 「私、先にシャワー…。」

 「うん、寝落ちしないようにね。今日はどの位家にいれそう?」

 「明日の朝にまた出るから、後はゆっくり休むよ…。」

 「無理しないようにね?母さんもかなり疲れてるみたいだし。」

 「そうも言ってられん。プロジェクトが大詰めでなぁ…。」

 

 サイド7グリーンノアのとあるご一家のある日の会話。

 地球連邦宇宙軍も協力しているアナハイムによる次世代MS開発プロジェクトに参加しており、日夜デスマーチを夫婦共にしている。

 学生の一人息子が幼馴染みと共に家事一般を率先して受け持ってくれるお陰で何とか生活できている。

 浮気?愛人?そんな暇はない。

 そんな暇あるならもっと仕事できるよね?って感じで容赦なく仕事が増えるブラック業務形態。

 現在はZ計画関連(Z・メタス改・ZⅡ・リゼル等)を担当しているが、他部署では移民船団向けのジェガン系宇宙専用機等も開発されている。

 

 

・あの人は今その2

 

 『うわあああああ!?』

 『ちょ、こっちに突っ込んでくるなぁ!』

 「やはりZはじゃじゃ馬が過ぎるな…。」

 「メタス改は旧式ですし、新型のZⅡももう少しマイルドにしないといけませんね…。」

 「もう少し性能落としてでも操縦性を上げないとな。」

 「ある程度条件を満たしたら、リミッターを付けてパイロット毎に調整してみますか?」

 

 サイド7グリーンノアでのアナハイムによる次世代MS開発プロジェクトの様子。

 Z計画で開発された可変MS・MAはその性質上どうしても操縦性とコスト面に難があった。

 これは既に前線で運用されているVFシリーズが防御面や火力面に関してはある程度見切りを付けていた点に注目し、それらの面で完全に上回る事で少数生産・採用の高級機を目指したからだった。

 結果、高級素材の採用や最新のプラズマジェネレーターに二基のテスラドライブの搭載等でそれを実現したのだが、当然の如く操縦性とコストが劣悪になってしまった。

 それを解決すべく開発されたのがメタス系の変形機構を再設計して開発されたZⅡであり、この機体のデータによって開発陣が目指すべき方向性が定まった。

 更に内装や武装、装甲材等をジェガンと共有する事でコスト削減、リミッターを設ける事で操縦性の改善を図ったのが後のリゼルとなる。

 

 

・あの人は今その3

 

 『その程度で!』

 『ちぃ!流石に無理か!』

 「ブラン少佐、機体に負荷がかかっています!一度帰投してください!」

 『何!?…分かった。試験中止、一度帰投する!』

 『了解。少佐、基地まで飛べますか?』

 『そこまで深刻じゃないさ。が、もしもの時は頼んだぞ。』

 

 とある連邦軍基地での実機試験での一幕。

 VFシリーズに対し、Z計画機が劣っていたのはコストと操縦性だけではなかった。

 大気圏内における高機動形態での機動性と運動性の面でも劣っていた。

 これは機体形状の空力特性が原因であった。

 元々大気圏内向けの航空機主体のVFと元々宇宙用のMS主体のZ計画機とではこの一点は歴然とした差があった。

 史実宇宙世紀においてもZガンダムはWR形態時は大気圏内においてもスラスターを吹かさないと方向転換が出来なかった。

 加えて、中間形態のガウォーク含め三段変形して地表スレスレを自在にホバリング可能なVFと比較すると、大気圏内での運用に関してはもうどうしようもなかった。

 無理に変形システムに中間形態を組み込もうとした所、変形の軸となるムーバブルフレームに大きな負荷がかかった。

 これは各部の重量がVF系よりもかなり重いZ計画機だからこそのものだった。

 各部が非常に軽量なVFに対し、Z計画機は装甲材の関係から3割以上重く(脚部に至っては倍)、これをフレームの構造材を最新のルナチタニウム系素材にする事で対応していた。

 が、それでもなおガウォーク形態では腰回りを中心にムーバブルフレームへの負荷が高過ぎたため、中間形態の採用は中止された。

 そうした事からZ計画機は量産型ZZ系の非変形機を除いて全てが宇宙用で開発が進む事となる。

 

 

・あの人は今その4

 

 『オーライオーライ!そのままー!』

 『新型縮退炉と生体パーツの扱いは特に厳重にしろぉ!お前らよりもデリケートだからなぁ!』

 『『『うーす!』』』

 『合体時のコクピットブロックの移動は迅速かつ丁寧に!機体よりもパイロットの方が代えが無いって事を忘れるなぁ!』

 「遂にここまで来た、か…。」

 「だが、まだ予定の6割です。ズールや宇宙怪獣が来るまでの猶予を考えると…。」

 「ズールはまだどうにかなる。してみせる。だが、宇宙怪獣は降伏も何も出来ん。生きるためには勝つしかない。」

 「あの子達には平和な時代を生きてほしかったのですが…。」

 「人生とは儘ならんものだな…。」

 

 月のA.I.M.支部大規模工廠にて、バスターマシン開発責任者オオタ・コウイチロウ少佐とその後ろ盾であるタカヤ・ユウゾウ少将の会話。

 A.I.M.出資で始まったバスターマシン1号・2号建造計画だが、これは単なる決戦用特機開発計画ではなかった。

 ワンマンオペレーション並びに対霊・対念動兵器の概念実証を主眼とした計画だった。

 バスターマシン1号・2号は原作においては「超光速万能大型変形合体マシン兵器」であり、単体でも「一人で操縦可能な亜光速戦闘艦艇」である。

 人材不足に喘ぐ地球連邦としてはこのワンマンオペレーション可能な戦闘艦艇というのは大きな意味を持つ。

 加えて、ネルフ並びにゼーレから密かに入手したエヴァの技術情報とオリジナルのエクセリオン級から入手したデータから開発された生体パーツを多数使用する事で対霊・対念動兵器への抵抗力を上げる試みをしている。

 これは何れ来るズールやバルマーに宇宙怪獣、プロトデビルンや負の無限力等の超ヤベー連中への対抗兵器としての意味合いもある。

 なお、動力源は次世代型縮退炉(オリジナルのコピー品。最終話で抉り出したアレ)を一基、予備にプラズマリアクターを二基それぞれが搭載している。

 コクピット部分は高性能の脱出装置兼冷凍睡眠装置であり、もしも撃破されても10年は無補給で宇宙を漂流する事ができる優れものである。

 

 

・スパロボの伝統その1

 

 「機種の追加と新規生産数増加に関してまた他部門から抗議の電話が来てます!」

 「ああもう!機種を統一するともしも対抗兵器が出て来た時に被害が拡大するって一年戦争で習っただろうが!」

 「軍拡のジレンマですね…。」

 「一年戦争当時は9割ジム系一色だったからまだマシでしたが…。」

 「ジェガンやゲシュペンスト、ガーリオンは兎も角として他がな…。」

 「可変機にカスタム機に試作機に特機…。」

 「最新兵器の博覧会かな???」

 「ざけんばバカヤロー!必要だからって増やし過ぎなんだよッ!!」

 

 あーだこーだと頭を悩ませる地球連邦政府の財務官僚達の会話。

 彼らは今日も地球連邦と言う名の巨人の血液を循環させるべく働いているが、限度というものがある。

 スパロボでは当たり前の無数の種類の機動兵器も、実際に生産・配備・使用するとなると物凄いお金がかかる。

 当然、それらを調達する費用は地球連邦政府から出ており、戦時ともあって物凄い額である。

 幸いにも戦時国債は各大企業や同盟国である共和連合によって発行の度に残らずお買い上げされているが、返済を考えると頭が痛いのが本音だし、これを盾にどんな要求がされるか分かったものじゃない。

 更に平時なら回って来る筈の他部門への予算も、がっつり軍事偏重にならねばならない事から、他部門からは大いに恨みを買う事となるが、相手も背に腹は代えられない事を分かっているので、ギリギリ抗議だけで済ませてもらっているのが現状だ。

 戦争なんてとっとと終われ。

 それがこの戦乱に巻き込まれている地球人類の総意だったが、その願いは暫く叶わない。

 彼らの悩みが一旦収まるには第一次α編終了まで待たねばならない。

 

 

・スパロボ伝統その2

 

 「やはり前線での機動兵器の補給・修理の手間は増える一方ですか…。」

 「工具やら部品の規格やらは合わせてますが、それでも専用パーツは多いですからね。」

 「特にゲッターとかマジンガーとか、量産仕様なのになお高価ですからね…。」

 「シズラーは比較的マシですが、そのサイズから必要となる部品点数がダンチです。」

 「やはり以前から進めていた急速修復用ナノマシンを販売すべきですね。」

 「ですが、超合金Zやゲッター合金やら特殊な素材には対応できるのですか?」

 「難しいですね。自己修復機能持たせた方が良いのでは?」

 「補給装置もですね。弾薬は兎も角、エネルギー系は縮退炉やプラズマジェネレーター系以外は独特過ぎます。」

 「まぁ正の無限力ともなれば致し方ないかと。」

 「各エネルギーごとに事前にカートリッジに封入して迅速に補給できるようにするのはどうでしょうか?」

 「それは有効かと。事前に余剰分を貯蓄しておけば無駄も無いですし。」

 「野獣回路とかはどうしましょう?」

 「申訳ないが精神エネルギーの類は無理。」

 

 ある日のA.I.M.開発部門の会話。

 機種が、特に特機系が増えるにつれ、兵站だけでなく前線での運用にも支障が出て来ていた。

 特に他の機種とパーツの互換性の無い決戦兵器である量産型グレートや量産型ゲッターG等は最たるもので、今後特務部隊用の極少数の生産で済ますか、本格的な量産を行うかは議論が分かれている。

 が、A.I.M.としては最終的には使いこなせるパイロットの確保の難しさから極少数の生産で終わるだろうと見ているので、これらの装置は専らそうした特機を運用している特務部隊向けに開発される事となる。

 なお、特務部隊で運用されるこれら装置を見て、一般の部隊から「オレらも欲しい!」と注文が殺到し、量産主力機向けの簡易版等も後に開発される事となるのだった。

 

 

・スパロボ伝統その3

 

 『うむむ、このままではやはり地球に侵攻する前に我らが全滅する…!』

 『こちらもだ。そも我らは母星を失ってから国民は減る一方。安住の地を欲しているだけなのだぞ…。』

 『そちらはまだ良いだろう!我らは母星の守りも全てこの艦隊に費やしているのだぞ!今、母星に何かあったらお終いだ…!』

 『皇帝陛下は一体何をお考えなのだ…。このままではギシンの民まで滅んでしまうというのに…。』

 『以前からそんな兆候はあったが、やはり陛下は民草の事など何も考えてはおらぬのではないか?』

 『だが、我らが何か言ってどうする?何せ陛下一人で我らが艦隊全てをねじ伏せる事が出来るのだぞ?』

 

 とある人達の秘匿通信での極秘会談。

 その正体はズール銀河帝国傘下の国々、要は外様の諸侯らの内緒話である。

 ズール相手に滅ぼされる前にギリギリ土下座の間に会った彼らは、今現在何とか族滅を免れて生きてはいるが、常に死と隣り合わせだった。

 何せズール皇帝は負の無限力の一角であり、この宇宙の悪の化身である。

 この宇宙に負の想念が満ち、無念の死者が増えれば増える程に力を増す。

 そして、本質が負の精神エネルギーの化身なので、基本的に滅ぼす事が出来ないという最悪の存在である。

 その戦闘能力は個人でズール銀河帝国の全戦力を撃滅できる程であり、彼らでは対抗する術なんて無かった。

 そんな存在に歯向かった所で、屍の山を増やすだけでしかない。

 滅亡を避けるためにズール皇帝に従っている者達、即ちスパロボ参加作品でのスーパー系異星人達(ベガ星連合、バーム星人、ボアザン星人、キャンベル星人、他雑多な少数の生き残り等)は皆一様に明日への希望を持てずに今日もズール皇帝に恐怖しながら従うのだった。

 

 

 

 


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