多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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ちょっとやっつけ仕事だったと反省。
次回以降、ここから一気に加速します。


第8話 眠れる巨人

 イデオンとは?

 

 全高105m 重量5650t エンジン出力120000t/df+X

 第六文明人が建造した遺物を人類が復元・改造した三機のメカが合体して生まれるロボット。

 第六文明人の言語で唯一判読可能な言葉「IDEON=イデを包む者」からその名を付けられた。

 人類によって全身にミサイルポッド、グレンキャノンが搭載され、大型ミサイルやビーム砲などの直撃なども撥ね退けるバリアーも有する。

 本機体の最大の特徴として、動力源の「無限力」イデと呼ばれるエネルギーがある。

 搭載されたイデシステムは意思をエネルギーへと変換する力を持ち、そのポテンシャルを発揮するには搭乗者並びに周辺の人間の精神力、強い感情が必要となる。

 通常動力の核融合炉ではまともに動かせず、イデシステム並びにイデがあるからこそロボットとして動ける。

 イデは「数億の第六文明人の意志(認識力)の集積の場」、言い換えれば「数億の人間の意志を集積して作り出された1個の意志集合体」であり、歴とした自我を持つ精神生命体である。

 これが前述のイデシステムを介して無限に近いエネルギーを発生させる。

 それこそ、ビッグバンを引き起こす程のエネルギーを。

 このエネルギーを腕部からサーベル状に発振、またはイデオンガンと言われる大型砲で放つ事で宇宙規模の破壊を実現する。

 その出力故に射程・威力に限界はない。

 本質的にイデオンはその名の通りイデの器でしかない。

 しかし、イデとは自身曰く、「感情で出来た泉」である。

 人の感情という小石が投げ入れられれば、小石に沿った波紋が生まれ、その様に行動する。

 その波紋をイデ自身に消す事は出来ず、増幅しか出来ないが、どんな小石が投げ込まれるかをある程度選ぶ事はできる。

 憎悪の小石が入れられれば破壊を振り撒き、慈しみの小石が入れられれば癒しを振り撒く。

 嘗て宇宙を破壊したイデだが、しかしビッグバンから人々の命の種子、魂とも言えるものを守る力を持ち、ビッグバンにて宇宙が滅亡・再誕した後にそれを撒き、再び人類を誕生させた。

 次こそはより良い力に目覚めるように、今度こそ分かり合えるようにと自身の力の欠片を分け与えながら。

 

 イデは人類を見守り、見定め、そしてまた同じ過ちを繰り返すだけと判断すれば、また宇宙ごとリセットする。

 故にイデに触れてはいけない、イデを起こしてはならない。

 それは宇宙を、人類を消滅させかねないから。

 

 

 ……………

 

 

 木星圏 アステロイドベルト某所

 

 そこには現在、太陽系全体を消滅させてもなお余る程の戦力がひしめき合っていた。

 改エクセリオン級プトレマイオス並び艦載機動兵器群。

 改トンボ級並びに虫型無人機動兵器群。

 そして太陽系絶対防衛戦力としてのヴァルチャー隊一個中隊。

 これらは全てイデオンが復活してしまった場合、完全に覚醒する前に一撃で消滅させるための戦力である。

 如何にイデオンと言えど、その力を完全に発揮するには人々の感情を必要とする。

 逆に言えば、感情を与えずに一撃で消滅させれば、何とかなるかもしれない。

 ……まぁ内部の無限力が解放されてしまったら、やはりどうしようもないのだが。

 

 「G.G.の合流まではあとどれ位?」

 「後3時間です。補給・整備はそれまでに万全にすると。」

 「周辺警戒を厳に。誰一人通してはなりません。下手打てば宇宙が消えますよ。」

 「無人探査用ロボットの様子は?」

 「現在、岩塊の割れ目から進入中。目標に依然として動き無し。」

 

 彼女らの視線の先、そこには全長1㎞近い巨大な岩塊と、その中に埋もれた状態で眠り続ける赤い巨大ロボットの姿があった。

 大きく上方向に伸びた肩、岩塊の隙間から覗く手足、そしてそこだけ何故か白い頭部。

 どこか後の地球連邦製MSのジムに似たデザインをしたその姿に対し、この太陽系最強の戦力を持つ彼女らをして最大限の警戒を向けている。

 当然だ、こいつにはこの宇宙を滅ぼすだけの力があるのだから。

 

 「……解析でました。目標はやはり休眠状態の様子です。」

 「今すぐ起きる事はない?」

 「少なくとも起こそうとしない限りは。」

 

 つまり、相変わらずたった一人の子供や赤子がコイツの内部や近場で怯えれば、それを切っ掛けに宇宙崩壊のキーが始動しかねない状態のままだと言う事。 

 

 「G.G.…武蔵さん達が到着次第、作業を開始します。くれぐれも刺激しないように慎重に。」

 「了解。各員に徹底させます。」

 「では作業を開始。何か僅かでも異変を感じたら直ぐに報告を。相手は瞬間湯沸かし器並みに宇宙を滅ぼす危険な存在です。細心の注意を払ってください。」

 「言わんとする所は分かりますが、その言い方はどうなんでしょう…?」

 

 この作戦の目的はただ一つ、イデオンを人の手の届かぬ場所へと封印する事にある。

 幸い、未だイデオンは、その内包された無限力は目覚めていない。

 故に人の目に触れさせる前に、発見されたイデオンが眠る岩塊を補強した上で、木星の海へと沈める。

 もし人類がイデオンの存在に気付くとして、その頃には木星の内部に潜れる程の技術力を有しているとなれば、それはつまり自分達がこの宇宙から去る時でもある。

 無論、太陽系並びに地球人類が危機に陥れば加勢する心算だが、完全な負け戦に加わる程お人好しではない。

 …まぁ他のご家庭に嫁入りしていった生体式自動人形達は伴侶や家族と運命を共にするだろうが。

 

 「宇宙の興亡、この一戦にあり。各員の奮闘を期待します。」

 「盛大な負けフラグ乙。」

 

 イデオンの埋まっている岩塊の隙間に、コロニー補修用の充填剤をこれでもかと注ぎ、更に周辺に浮かぶ小さめの岩塊をこれまたコロニー補修用の接着剤で入念に接着していく。

 外部から完全に確認できなくなるまで、大量に。

 その作業が終了し次第、余りに巨大故に近くに見える木星へと送り出す。

 勿論、ヘリウム3採取の労働者が近くにいない場所に狙いを定めて。

 後は勝手に木星の巨大な重力によってその中心へと引き寄せられる。

 そうなればもう、現状の人類では手出し不可能だ。

 

 (頼むから何も起きないでください!ジョニー・デップ似の神様、パンチパーマな仏様、そして本体様~!)

 

 だがしかし、彼女の願いは無常にも叶わない。

 

 

 ……………

 

 

 同宙域 二時間後

 

 「! ワープアウト反応検知!ライブラリ検索……識別無し!」

 「以降、ワープ対象をボギーと呼称。ワープアウト地点に攻撃用意!紅玉式光線主砲並び中口径光線副砲照準!対空パルスレーザー並びレールガンは全周警戒!敵影確認次第攻撃を開始せよ!」

 

 こと近代戦において、一瞬の判断が生死を分ける。

 それ程に素早く戦況が動き、一手間違えれば死に繋がるのも珍しくもない。

 況してや亜光速戦闘ともなれば、彼女ら自動人形らの思考速度を以てしても万全とは言い辛い。

 故にこそ、この状況で突然のワープアウト反応を行う存在など、敵としか認識できない。

 

 「各艦載機部隊は緊急発艦!警戒中の部隊を呼び戻せ!」

 「展開中のヴァルチャー隊はイデオンの防衛に専念せよ!絶対に奴を目覚めさせるな!」

 「工兵隊は作業急げ!終わり次第撤収開始だ!」

 

 そして、ワープアウトした存在に、彼女らの誰もが度肝を抜かれた。

 眼球を持った不定形の粘体の群れ。

 中には海洋生物や恐竜、虫に酷似した形態の個体もおり、明らかに通常の生物の系統樹から逸脱した存在である事が伺える。

 そいつらの姿を確認した瞬間、トレミィは命令を下していた。

 

 「攻撃開始!奴らを近づかせるな!」

 

 戦艦ユニットは改エルトリウム級のみで、他は作業艇や探査船に数合わせの改トンボ級。

 しかし、そんな不利なんて昔から予想済み。

 多少の不利を帳消しにする圧倒的質による戦力で以て、改エクセリオン級並びに展開したヴァルチャー中隊が攻撃を開始する。

 紅玉式光線主砲、中口径光線副砲、対空パルスレーザー並びレールガン。

 そしてヴァルチャー一個中隊分の「惑星破壊」すら可能なジェノサイドガン。

 これらの射撃により、ワープアウトしてきた生物群はものの数秒で蒸発してしまった。

 

 「…宇宙怪獣に比べて弱すぎない?」

 「これは…生命体ですが、奴らとは異なるようです。」

 「索敵を厳に。増援や極小の個体がイデオンに取り付く可能性がある。」

 

 その気になれば太陽系の全惑星を破壊可能な、太陽系最強の部隊。

 後の時代を含めてもなお出鱈目な戦力を持つこの部隊にとって、この程度の敵は鎧袖一触だった。

 

 「ワープアウト反応検知。IFFに反応、G.G.です。」

 『おぉーい無事かぁ!?』

 

 現れたのは全高250m、頭頂高200mというサイズを誇る巨大な黒いロボット。

 ガンバスターに酷似しながら、しかし随所にゲッターロボに近い意匠を持っていた。

 

 「お久しぶりです武蔵さん。戦闘は先程敵第一陣を撃破した所です。」

 『そうかいそうかい。あのインベーダー共、こっちに向かって来やがってな。今さっきブッ殺してきたせいで遅れちまった。』

 『でも、あいつらの生体サンプルとか取らなくて良かったんですか?』

 『いらんいらん。あいつらのデータなんざ、もうこっちに腐る程ある筈だしな。』

 

 インベーダー、それはゲッター線を浴びて超微生物が急激に進化した種族。

 黒い不定形の身体で構成されており、生物や機械、果ては星にまで融合して人間以上の進化を果たすバイド染みた存在である。

 しかし、それは本来の「生物」の進化とはかけ離れた「異質」の存在である。

 そのため進化を促すゲッター線からはゲッター線に「寄生」している存在としてその存在を否定されている。

 ゲッター線を生きる糧にしているが、上記の通りゲッター線に否定されているためか自分の限界を超えるゲッター線を摂取すると体が崩壊、壊死してしまう。

 また、融合は食べる事にもなるので、その食欲は無限で永遠に満たされる事が無い。

 インベーダーに寄生・融合された機械はメタルビーストと呼ばれ、有機物質と無機物質がナノレベルで融合し、性質の変化や性能の向上等が起きる。

 そんな存在であるためか、繁殖・進化に成功した宇宙においてはあの「ゲッター・エンペラーとその旗下の艦隊」に対して、「宇宙怪獣を超える勢力を築いて戦争」しているという凄まじい存在である。

 

 「インベーダー。つまり宇宙怪獣並みかそれ以上にヤベー奴じゃねーですかヤダー……。」

 「しっかりしてください。現実は非情で絶望が後から後からやってきますが、まだ被害らしい被害はありません。」

 

 人工胃壁がギチィ!と嫌な音を立てるのを実感して、トレミィは気が遠のいた。

 それを傍らのSfが健気に支えつつ止めなのか励ましなのか微妙な言葉を言う。

 

 『取り敢えず、こっちの索敵範囲内にゃいないようだが、どうする?』

 「試作機で無理する訳にもいきませんが…赤城と一緒に周辺の警戒を。さっきの戦闘で撃ち漏らしが出た可能性がありますので。」

 『よしきた!赤城、索敵頼んだ!』

 『はーい任せてくださーい。』

 

 内心\(^o^)/オワタとか思ってるトレミィを他所に、武蔵とその奥さんであるナノマシン式自動人形「赤城」がG.G.を駆り、改エクセリオンから離れていく。

 

 「あー前途多難過ぎる……。」

 「いつもの事かと。」 

 

 こうして、イデオン再封印作戦は予期せぬハプニングと頭の痛い問題が発生したものの、辛うじて無事に終了した。

 

 

 

 

 




遂にヤベー奴らと遭遇。
ゲッター線研究してるんだから、こんなのが寄ってくるのは当然なんだけどね。
但し真ゲッターを超える戦闘力を持った試作ロボがいるので無理ゲーだけど。

Q インベーダーが地球ごとゲッター線を食らう方法は?
A 太陽系外で戦力を整えて侵攻しましょう。
  ただし銀河中心領域を始め、幾つもの勢力がひしめき合う銀河戦国時代を生き抜く必要があります。
  勢力デカくなり過ぎると危険視されて周辺から攻撃されるぞ!
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