多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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大体の宇宙での登場勢力決定。
…地獄やな!


第10話 今日も銀河は地獄です

 新西暦100年代は、木星開発景気と並んで地球人類にとって正に黄金期とも言える時代だった。

 

 この時代、次世代のエネルギーとして「エーテル」を用いた全く新概念の機関が生まれ、それまでの核融合炉とは比べ物にならないエネルギーを人類は手に入れた。

 これに匹敵するエネルギーは火星にて発掘されたメタトロンしか無いのだが、生憎とこちらには精神汚染という悪質な特徴があり、どう考えても民需・軍需共に利用するには危険が伴うものだった。

 高度に無人化された発電施設、又は隔離された研究用の量子コンピューターとしての利用が殆どで、精神汚染対策が出来上がる新西暦180年代まで兵器に使用される事は発見直後の実験時以外に無かった(表向きは)。

 このエーテルを用いた炉心により、それまで以上に多量のエネルギーを手に入れた人類は、更なる飛躍を目指した。

 

 具体的には、太陽系の内外両方へと拡大する事を選んだのだ。

 

 これには勿論理由がある。

 自然環境保護のための地球の移民政策、それがまた必要になってきたのだ。

 それは当然だろう。

 好景気に当てられて、太陽系の多くのご家庭で産めや増やせや地に満ちよ(オブラート)したためか、当初の予定以上に宇宙移民したのに、更に人口が増えちゃったのだから。

 各ラグランジュポイントに設置されたコロニー群は現在も追加で建造中であり、一つのサイド毎に約10億人が居住し、現在も増加傾向にある。

 そして、現在サイドは7つまである事から、そこにいる人口は約70億人となる。

 更にテラフォーミングの終わった火星に関しては、環境に配慮すれば20億人、多少無理すれば25億人になる。

 最後に新西暦の中東とか言われる程に各勢力の暗闘と富が飛び交うカオスな木星圏は、その恵まれた環境から普通の移民だけでなく一山当てようという山師や脛に傷のある者、各勢力の紐付きに木星公社の社員、そしていつものA.I.M.グループの社員に木星駐留艦隊(最近では専ら木星の重力圏に捕まった民間船の救助やデブリの破壊がお仕事)等、既に30億近い人口が定住し、更に増加傾向にあった。

 こうしてやっとこさ地球の人口が100億を切ったのだが、前述した通りに人口がまた増加傾向になってしまったため、対策を講じる必要が出てきたのだ。

 これにはA.I.M.グループの最高権力者も苦笑いしたとか。

 で、そのためにも更なるフロンティアが求められ、連邦政府は惑星開拓に関しては何処よりも経験豊富なA.I.M.グループに声を掛けたのだが…

 

 「申し訳ありません。現在我がグループは巨大な木星圏開発に手一杯でして、他に注力する余裕がありません。金星向けのテラフォーミング用ナノマシンでしたら、比較的直ぐにご用意できますが…。」

 

 という回答が来て、地球連邦政府は俄かに慌てた。

 まぁそれが普通なのだが。

 単一の企業グループにコロニー建設から木星圏の開発まで手広く多重にこなせる方がおかしいのだ。

 無論、これは仕込みである。

 現在の太陽系は安全だが、外宇宙の情勢次第では太陽系外縁部は何時戦争になるか分かったものではない。

 それに加えて、ここいらで「A.I.M.グループ無しに人類が何処までやれるか」を測り、足りないようならその地力を底上げする必要があると判断したのもある。

 

 そうして始まったのは、土星・金星双方への探査船団の派遣だった。

 

 この探査船団に関しては地球連邦政府主催でコンペが開かれる事となった。

 アナハイムを筆頭にA.I.M.グループを除いた太陽系の大企業やグループが挙って参加したこの一大コンペは、この当時の各社の技術力を示す見本市ともなり、A.I.M.グループも参加こそしなかったものの大いに注目する結果となった。

 最終的にはアナハイム社製が通る形となったものの、全社に今後の開発に関して支援金が出る程度にはどれも意欲的な設計かつ高い性能を持っていたからだ。

 特にネルガル重工並びイスルギ重工に関しては簡易的かつ初歩も初歩だが重力操作技術が使用されており、今後の宇宙開発に更なる弾みを持たせる事が期待されている。

 この探査船団は二つ編成され、慣熟航海を終えた後に金星と土星双方へと派遣され、資源の実地探査を行う事となる。

 なお、金星派遣組はその内部に金星向けに調整された大量のテラフォーミング用ナノマシンを抱えており、探査終了後に散布する予定だ。

 この探査船団は想定内のアクシデントが発生したものの、計画通り探査を終了し、後の太陽系開発を加速させていく事となる。

 

 

 ……………

 

 

 翻って、太陽系外に目を向けよう。

 時は正に銀河大戦国時代といった様相だった。

 大小様々な勢力が入り乱れ、主義主張も種族も特性もバラバラな彼らは互いに争い合い、殺し合い、潰し合い、銀河全体を蠱毒の壺として生存競争を繰り広げていた。

 そして、地球側にとってそれは好ましい事態だった。

 彼らが戦えば戦う程、消耗すれば消耗する程に太陽系は相対的に平和になるからだ。

 なので、彼らの争いを助長する事をトレミィは選んだ。

 

 「分断して統治せよ。昔の人は良い事を言ったもんです。」

 「それ言った奴の国、地球全土に火種振り撒いた後没落しましたが。」

 

 そんな訳で、無人外宇宙調査用航宙艦「回天」型300隻が太陽系外に向けてワープ、銀河各宙域にて情報収集を開始した。

 そして、分かった事は本当に驚く程にこの銀河系が多種多様な勢力に溢れているという事だった。

 惑星を出て、星間国家となった勢力だけでも確認できただけで優に50を超え、滅亡或いは侵略・合併された勢力に関しては最早数え切れない程。

 もし本国艦隊がいれば、それこそ血眼になっていつもの情報収集を開始する様な情報の宝庫だった。

 しかし、そんな多様な勢力群も5つに大別できる。

 

 1、ゼバルマリィ帝国…霊帝による専制政治制だが、実態は各星系の軍事の長による合議制。

 2、共和連合…複数の星系国家から成る星間国家連合体で、ゲストとインスペクターの所属元。

 3、巨人艦隊…説明不要な所謂野良艦隊。艦隊一つ撃滅しても他所の銀河からおかわりが来る。製造時の階級(戦果で出世あり)による階級社会。

 4、バッフ・クラン(バッフ族)…階級制度による独裁政治。軍事偏重。350万光年範囲で包囲網を敷き、更にその内100万光年範囲は目視出来る状態での密集陣形を取れる馬鹿みたいな物量持ち。知的生命体では最大の物量・軍事力持ち。

 5、宇宙怪獣…宇宙のバクテリアにしてスカベンジャー。説明不要。

 6、インベーダー…ゲッター線に寄生する生命体。何でも食って取り込んで強くなる。

 7、ギシン銀河帝国…ズール皇帝による独裁。多数の侵略先の戦力を取り込んでる。

 

 単一惑星か数個程度の弱小勢力を除いた場合の大勢力がこいつらである(白目)。

 なお、物量に関しては宇宙怪獣をトップに、インベーダー、バッフ・クラン、巨人艦隊、ゼバルマリィ帝国、ギシン銀河帝国、共和連合となる。

 逆に単一戦力の質で見るとゼバルマリィ帝国とギシン銀河帝国の二つを同格として、宇宙怪獣、バッフ・クラン、インベーダー、共和連合、巨人艦隊となる。

 このどれもが銀河統一を成し遂げても不思議ではない技術と軍事力、物量を持っている。

 なお、この中で共和連合が少々格落ちな印象だが、彼らだって地球に比べると米帝様と日本帝国以上に国力に差があるので十二分にヤバい。

 質の上位二強はトップにいる連中がやば過ぎるからである。

 ズール皇帝と霊帝(影武者じゃない方)とか絶対敵にしたくない出鱈目である。

 因みにヤバさで言えば三重連太陽系を再生中のソール11遊星主もいるのだが、外へ侵略はしていないので選外になりました(白目)。

 

 「泣きたい…。」

 「涙腺再現されてても、ストレス発散の意味とか殆どありませんがよろしいですか?」

 

 こんな連中がひしめき合い、弱小勢力を滅ぼしたり吸収したり小競り合いしたりと、日夜しのぎを削って銀河の覇権を争っているのがこのスパロボ時空である。

 何だこの地獄は…たまげたなぁ…(絶望)。

 

 「で、計画実行します?」

 「今下手に手を出してバランス崩れても困るから、今暫くは情報収集のみで。終わったら位相空間に潜ったりステルスして隠れてもらっとこう。」

 「畏まりました。」

 

 こうして、地球人類にとっては平和な、A.I.M.グループにとっては発狂ものの事態と、対照的な新西暦100年代になるのだった。

 

 

 

 




宇宙のスーパー系は64よろしくズール皇帝が傘下に入れてます。
逆にリアル系の殆どは共和連合に入ってます。

描写されてない独立保ってる勢力はソール11遊星主よろしく極少数でこいつらに対応可能か、外に出てないだけでどうにでもなる物量持ちか、或いはその両方みたいなチート存在のみです。
各スーパー系主人公らの所属する星とか文明は滅亡or吸収済みです。
なお、プロトデビルンとかはまだ復活してないゾ。
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