多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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連邦とジオン双方の内輪の話
次回こそガンダム大地に立つを…!


第15話 戦争序盤と本気のギレン

 新西暦179年1月31日、地球連邦政府とジオン公国の間に戦時条約として南極条約が締結。

 本来は休戦条約の予定だったが、捕らえられたレビル将軍がジオン本国を脱出、有名な「ジオンに兵無し」演説をぶち上げ、ジオン本国の厳しい内情を打ち明けた事で変更された。

 これにより両軍はNBC兵器の全面的な使用禁止並びに民間人・民間所有船舶・コロニーに対しての攻撃は禁止された。

 無論、表向きの話であり、ゲリラやコマンド部隊が両軍に存在し、後にコロニーレーザーやソーラーレイ等の条約に抵触しない大量破壊兵器が開発・使用される事となる。

 続く2月1日、ジオン軍は地球方面軍設立を宣言、地球降下作戦の準備に入る。

 3月1日、ジオン公国軍は第1次降下作戦を開始。バイコヌール宇宙基地に宇宙基地制圧隊が降下。

 しかし、敵部隊撤退を確認・制圧完了後、基地施設が自爆し、再建する必要が発生。

 3月15日、第2次降下作戦にてキャリフォルニアベースに制圧部隊が降下。無血開城に成功。

 が、しっかりと各種データは削除、建物は残っていても施設類は爆破解体されていたため、再建が必要となる。

 3月25日、第3次降下作戦にてニューギニアおよびオセアニアに降下。オセアニアは制圧に成功するも東南アジアは戦闘継続。

 しかし、各地にて民兵・ゲリラコマンドのハラスメント攻撃を受け、消耗を強いられる。

 こうして一年戦争は地上へとその主戦場を移したものの、宇宙での戦いが終わった訳ではない。

 寧ろ準備期間に入ったと言うべき状況だった。

 

 ジオン軍は予定よりも擦り減った宇宙戦力を補充しようとしながら、少ない国力と備蓄を血の滲む思いですり減らしながら重力戦線へあらゆる物資を送らねばならない状況だった。

 これは降下作戦を敢えて見逃して出血を強いる方針を取った連邦の作戦勝ちと言えた。 

 各地に送られた資源探索・採掘隊が当面必要な資源を確保したものの、降下部隊が下りた軍事施設の多くは制圧寸前に自爆、多大な犠牲を払いつつ進軍しても、正面戦闘ではなく焦土戦術やゲリラコマンドにて消耗を強いる戦法にシフトした連邦軍にジオン軍は多大な出血を強いられ続けた。

 加えて、少数ながら各戦線に出没し始めた飛行可能なMSもどき(量産型クラウドブレイカーの初期ロット)による射程外からの高速での一撃離脱戦術に貴重なMSとパイロットを失い続ける事となる。

 無論、彼らとて何もしていなかった訳ではない。

 戦前に行った統合整備計画にて兵站への負担は可能な限り小さくし、使用する兵器の殆どは史実よりも遥かに使い勝手や信頼性に優れ、パーツの互換性や弾薬の規格の合致もあってよく戦った。

 特に地上ではザクⅡJ型(陸専用)に続き、G型(頭部バルカンを追加した総合性能強化型)が配備され、数と投射火力に勝る連邦地上軍を苦しめた。

 

 この様に一見連邦側の戦術が嵌っているように見えるが、彼らには彼らで正面決戦するだけの余裕が無かった。

 時間が彼らにとって何よりの味方であるとは言え、暫くは忍従の時を過ごさねばならなかった。

 宇宙においては各コロニーがミノフスキー粒子が薄れても未だ電波障害が止まず、核分裂炉が再起動しないため、連邦宇宙軍艦艇の3割が電力供給のために拘束されており、打診を受けたA.I.M.グループが大急ぎでコロニー用エーテル機関を増産している最中だった。

 また、太陽系全域に散らばっている艦艇を集結、可能な限り対MS向けに改修する必要性があった。

 なお、この世界線における地球連邦宇宙軍の艦隊は広大になった支配領域全体に散らばっており、その隻数は史実よりも遥かに多い。

 充足完了した艦隊だけでサイド1~7に一つずつ、地球防衛用に三つ(月は中立自治都市群なので無し)、火星に一つ、広大な木星圏に二つとなっており、後に金星向けの艦隊も設立される予定だった。

 つまり、合計13個艦隊存在するのだ。

 なお、平時での彼らの仕事はデブリ排除と宙難事故への対応であるため、連邦軍は旧世紀の極東の島国の軍隊?よろしく「最もレスキュー活動が得意な軍隊」だったりする。

 木星圏はその重力圏の広さからデブリや小惑星が多く、事故も起きやすい上に広大なので、艦隊が多く配属されている。

 この内、各サイドから動ける艦隊を纏め、地球防衛用艦隊の一つが先のルウムで壊滅したが、まだまだ国力的に余裕があるのだ。

 が、木星圏の艦隊はエーテル機関搭載の追加ブースターユニットを装着しても片道半年かかるので、有り合わせの資材で改修しながら向かっている途中だったりする。

 なので、既存戦力ならびにゲリラ・コマンド部隊で時間を稼ぎつつ、反撃の用意とジオン側が攻勢限界に達するのを待つ予定になっていた。

 何せ地上はジオン軍が想定するよりも遥かに過酷な環境が広がっており、図体故に足の遅いこの時代のMSはミノフスキー粒子やNジャマーの効果範囲内で無ければ機甲戦力や航空戦力にとってはカモに近い。

 それでも高い運動性能を持つザクⅡG型の相手は厳しく、航空攻撃や高性能プチMSとも言えるアーハンを用いての待ち伏せ戦法で時間を稼ぎつつ、クラウドブレイカー並び連邦製MSの量産・配備を待つのだった。

 

 

 ……………

 

 

 「優先すべきはザクⅡの派生型だ。他の整備性・信頼性・コスト面での問題がある機体は没だ。」

 

 実質的に戦争を指導する立場のギレンは、徹底的なコストカットで以てこの戦争に臨んだ。

 

 「ショルダーアーマーに棘?それは何か意味があるのかね?」

 「マニュピレーターにバルカン砲?胸部の30mmでは足らない?なら頭部にしろ。なお反対するのならその腕を付けたG型でJ型やF型と殴り合いさせたまえ。それで100回やって一度も壊れなかったら採用してやろう。」

 「…何故水中用MSがこんなに大量にある?何、地球の表面積の7割は海だから?地上の人類は残り3割に住んでるのが何故分からん?ズゴックとアッガイに生産を絞れ。後、M型の装備をオプション化できないか問い合わせろ。」

 「MA……宇宙ではドダイの代わりも出来るか?」

 「ザクレロ……キシリアに休みを出してやれ。」

 「ドムか…悪くはないが共通規格は守れよ。」

 「……ちょっと誰か父上を、無理なら開発部を呼んで来い。」←ジャブロー攻略用各種MSを見つつ

 

 ガルマ三部作の中の人かな?????

 そんな感じでもの凄ーくまともな戦争指導をしていた。

 なお、この世界のジオンは基本的にオリジン仕様のため、ザクⅡ一つとっても多くのバリエーションが存在する。

 基本的なモデルであるF型は胸部に30mmバルカン×2、左肩にショルダーアーマー、右肩にL字型シールド(サブアームで保持)となっている。

 地上では陸戦仕様のJ型とグフならぬ総合性能を強化し、頭部バルカンを追加したG型が主力となっている。

 宇宙ではF型が主力だがF2型に順次更新中であり、一部熟練兵向けに黒い三連星も乗った高機動仕様のR型へと改装されている最中だ。

 武装面においても120mmマシンガンは問題が多いとして精度・連射・貫通力に優れ、兵站にも優しい新型の80mmマシンガンへと生産が移行している。

 また、戦争初期で活躍した対艦狙撃ライフルも良好な性能だったため、その後も生産・運用が続いている。

 

 「ビグザム……ふざけているのか?いや、Iフィールド技術の研究は必要だな。だが、このふざけた武装レイアウトは改めろ。」

 「ビグロ……これは良い。もう少しコストカット出来れば制式採用を認める。」

 「ヒルドルブ……変形機構は削除しろ。自走砲ではなく、必要なのは戦車だ。」

 「アッザム……いい加減にしろよ貴様ら。」

 

 史実では視聴者の度肝を抜いた数多くのジオン製珍兵器はこうして日の目を見る前に消えていった。

 

 「いい加減にしろ!貴様ら、高性能にかまけて兵站を疎かにする等、あの改造人間共と同じ轍を踏むつもりかッ!?」

 

 こうして、ギレン君のキレッキレな戦争指導の声が今日もマッドな連中を叱りつけるのでした。

 

 

 

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