多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
A 超少数精鋭の機動兵器部隊を載せた機動母艦による敵指揮系統TOPへの電撃戦。
この戦いが後のISA戦術の走りである。
ここで、プラント側の戦力を見てみよう。
先ず主力MSはジンとジン・ハイマニューバ、そしてシグーである。
ZGMFー1017モビル・ジン
全高21.43m 重量78.5t
動力源 ミノフスキー式核融合炉・大容量バッテリー
基本武装 76mmハンドレールガン(最大発射速度1600発/分)
重斬刀×1
30mmm頭部バルカン砲×1
シールド×1
ZGMFー1017M ジン・ハイマニューバ
全高21.13m 重量80.41t
動力源 ミノフスキー式核融合炉・大容量バッテリー
基本武装 試作76mmアサルトレールガン(最大発射速度1800発/分)
重斬刀
30mm頭部バルカン砲×1
シールド×1
ZGMFー515 シグー
全高21.43m 重量80.22t
動力源 ミノフスキー式核融合炉・大容量バッテリー
基本武装 76mmロングレールガン(最大発射速度800発/分)
シールド一体型30mmショートレールガン(最大発射速度1800発/分)
重斬刀×1
30mm頭部バルカン砲×1
この様に、レールガンを主兵装とした構成となっている。
これは既存炸薬を用いた武装は「ジオンっぽくて嫌」という感情面での反発とビーム兵器の登場による陳腐化を避けつつ、対ビーム防御手段をすり抜ける方法を模索した結果(炸薬作るよりも農業プラント向け肥料の方が大事との声もあったため)、レールガンを採用するに至った。
これらMS搭載レールガンはA.I.M.グループを除けば初の試みであり、プラントのコーディネーターらの技術力の高さが伺える。
レールガンはその性質上、出力の調整で威力の高低を細かに調整可能で、更に炸薬式よりも反動が少なく、射撃精度が高い事から命中率の向上並びに弾薬の節約にも繋がるため、当初の理由は兎も角としてビーム兵器登場以降もプラント製MSの標準装備となる。
肝心の機体性能だが、ジンの最新バージョンにおいては既に高機動型ザクⅡに匹敵する機動性を獲得している。
シグーとジンHMに至ってはジオン側の最新鋭機であるゲルググ高機動型やJ型に匹敵する性能となっている。
索敵面に関してだが、ミノフスキー粒子散布下並びに新型Nジャマー(核分裂だけでなく核融合反応すらある程度抑制可能)作動環境でも十全に機能させるべく高性能なものを搭載した結果、大型化してしまい特徴的な鶏冠状のセンサーユニットとなっている。
動力源が複数なのもミノフスキー粒子散布下並びに新型Nジャマー作動環境でもその十全に行動するためであり、既存MSは核融合反応抑制に伴い、その出力の1~3割を抑え込まれてしまう。
が、これは一年戦争時の未熟なミノフスキー式核融合炉故なので、Z時代になる頃には対策されて陳腐化する可能性が高い。
最後に操作性だが、これは「やたら細かい所まで動かせるけど、実戦だとそこまで使わない」レベルの挙動が可能になっているが、その分だけ煩雑化しているせいで操作性は低い。
少なくとも普通のナチュラルには扱えない程度には低い。
テム氏に見せたら即座に没にされる程度には低い。
これらの他に強行偵察仕様や電子戦使用、対艦攻撃装備や艦隊防空装備等がある。
地上での活動はジオンの初期戦略がそうであったように存在しておらず、専ら宇宙で覇権を握る事を主眼としている。
次に艦艇群を見てみる。
改ローラシア級並びにナスカ級から構成されている。
どちらも元々は民間船から再設計されたものだが、MS運用を前提とした構成となっている。
武装面並びにナスカ級は特に変更はないので省略する。
最も変更されているのは改ローラシア級である。
以前は史実よろしくコムサイの様な格納庫・伸縮式リニアカタパルト・耐熱カプセルを備えていたのだが「カプセルとして投下したら艦載機並びに運用能力喪失とか冗談かね?」と某総帥に突っ込まれたとか何とかで改装され、現在は通常の箱型船体になっている。
これによりMS搭載数も8機まで増加し、搭載物資量も増え、長期活動能力を得た。
上記の通り、決して無能では無いのだが一部突っ込み所の存在するのがプラントの自治政府下にある武装組織ザフトの構成戦力となっている。
なお、艦艇数はナスカ級が20隻、改ローラシア級が48隻、MSが各種合計約3000機となっている。
数だけならア・バオア・クーに控えるジオン軍に匹敵し、戦略的タイミングと新型Nジャマーと合わせれば、成程、或いは確かに地球圏の覇権を握る事が出来ただろう。
だがしかし、今の彼らは絶望的な状況での戦闘を強いられていた。
「くそ、くそ、くそ!」
「何なんだこいつらは!?」
「よくもやったな!やってくれたなぁ!」
戦闘に介入し、ア・バオア・クー攻防に参加する両軍を全滅させようと慣性航行で移動していたザフト軍艦隊はプラント本国からの半ば狂乱した通信により即座に反転、全力で加速して家であるプラントへと帰還した。
そこで彼らは目撃した。
砕かれ、内部の住民が宇宙へと放り出されて死んでいく光景を。
1500m級の戦艦が2隻、400m級の比較的小型な斥候艦が12隻。
それらから出撃した二本足のMPやMSとは全く異なるレイアウトの人型兵器がプラント内部にすら潜り込み、銃火器すら使わず住民に襲い掛かる様を。
「全艦隊に伝達!プラントを襲う敵勢力を全て排除せよ!」
こうして戦闘が始まった。
だが、彼らは所詮地球圏においては少数であり、(精神面は除いた)人員の質は兎も角としてその数が少な過ぎた。
故にこそ、巨大艦艇の予想以上の火力と防御力に艦隊は蹂躙され、戦況を打開すべきMSは倍以上の物量を持つ戦闘ポッドに高性能なバトルスーツ群を排除できず、半ば一方的な戦況となっていた。
これがバトルスーツとの同数での戦いであったのなら、話はまた違ったのだが…。
彼らには常時続く板野サーカスを乗り越えるだけの質はなかった。
加えて、下手にミノフスキー粒子ならび新型Nジャマーを発動させれば、敵への妨害以上にプラントの民間人に被害が及んでしまう。
気の毒だが、完全に詰んでいた。
『むぅ…一部の兵が戦わずに戦闘不能だと?確かなのか?』
『えぇ。特に敵側の居住施設に侵入した兵の一部がそうなっております。』
『居住施設への侵入は取り止めだ。艦砲射撃にて破壊し、敵戦力の掃討後に調査を行う。』
『畏まりました。』
そして、砲艦2隻からまたも誘導ビームによる砲撃が発射され、また一つ宇宙に浮かぶ砂時計が砕かれた。
「止めろぉーッ!?」
「誰か、誰か止めてくれ!!」
「こちら第二小隊、ミサイルが…!」
「母艦が落とされた!どこに帰れば…」
この状況は、まだ暫く続く事となる。
……………
一方その頃、ア・バオア・クー宙域でも激しい戦闘が繰り広げられていた。
『くそ、何なんだこいつらは!?』
『ぼやくのは後だ!来るぞ!』
地球連邦とジオン双方へと襲い掛かってくる所属不明艦隊に、両軍はなし崩しに共闘に近い状態へともつれ込む事となる。
これには戦闘再開から直ぐに放送されたドズル中将の言葉によるものが大きかった。
『司令室との連絡が途絶したため指揮を引き継いだドズル・ザビだ!全ジオン軍将兵に通達!今は地球連邦軍じゃなくあの妙な連中と戦うぞ!地球連邦軍に対してはこの場での一時休戦並びに協力を要請する!返答は急いでくれ!』
そんな急な言葉だが、確かにザビ家であり軍事のトップであるドズルの言葉である。
ジオン軍将兵はそれまでの狼狽えようが嘘の様に態勢を立て直し始め、即座に反撃へと移り出した。
『本作戦の総指揮を預かる地球連邦軍のレビルだ。先程の要請を受託した。これよりジオン軍と協力し、所属不明艦隊への攻撃を行う。』
『レビル将軍、受託を感謝する。』
『正式な話し合いは、後日外交の場で改めて行おう。今はこの場を乗り越える事が肝要だ。』
『おうとも!グレートジオングも出すぞ!ここが正念場だ!』
連邦側が行動を決定すると、後は早かった。
機動兵器の物量においては寧ろ連邦・ジオン側が勝っているため、徐々に制宙権は地球側へと傾いていく事となる。
しかし、その一生を戦いにこそ費やす巨人族は現状の地球人類では楽に勝てる相手ではない。
「メガ粒子、照準でき次第発射!先ずは周囲の小さい奴から減らしてやれ!」
サラミス改の一隻から放たれた砲撃の一部は500m級斥候艦には当たらず、その奥の4000m級中型艦隊指揮用戦艦へと命中するも、その装甲表面を僅かに赤熱させただけで損傷らしい損傷を与える事が出来なかった。
「何て硬さだ!?」
次いで、反撃として放たれた多数の誘導ビームの斉射によって逆に複数の人類側艦艇が沈められていく。
明らかに艦隊火力・装甲の面ではゼントラーディ側が勝っていた。
その巨大さ故、この戦場では碌な回避行動も取らず、ただ足を止めて砲撃し続けるだけで勝てる。
それが分かっているのか、4000m級中型艦隊指揮用戦艦は動かず、その強力でありながら誘導可能なビーム砲を周囲の人類艦隊へと叩き付けていく。
「ダメなのか…!?」
それを見て、艦のサイズから大よその防御性能と火力を類推したアムロは絶望しかける。
ジオンならばちゃんと戦闘になっても勝てた。
でも、こいつらはどうだ。
同じ人間ではなく、見た事もない巨人が乗ったこいつらに、圧倒的な戦力を持った異星人に自分達は勝てるのか?
戦場全体に絶望が蔓延しかける中、それに感化されたアムロもまた心を絶望に覆われていく。
だから、ア・バオア・クーから放たれた一条の光、即ち核融合プラズマビーム砲の一撃が戦場を横断した時、心底度肝を抜かれた。
「へ…最後の一発、決めてやっ…z」
元試作艦隊決戦砲にして現要塞特装砲ヨルムンガンド。
ボロボロとなり、周囲には部下達の死体だらけの状態で、砲術長たるアレクサンドロ・ヘンメ大尉は血を吐きながら笑った。
直後、反撃の誘導ビームで蒸発しながらも、彼と彼の生涯を捧げたヨルムンガンドはこの戦闘の趨勢を左右してみせた。
『敵旗艦の装甲の融解並びに中型艦一隻の撃破を確認!』
『よし!各員に伝達!全艦艇はあの穴に突撃し、内部にMS部隊を侵入させよ!外から無理なら中から落としてやれ!』
レビルの声に両軍の艦艇は前進を始めるが、狙いを察知したゼントラーディー艦隊は弾幕を強め、近づく艦艇を容赦なく轟沈させていく。
「ダメだ!近づく前に落とされて…」
『なら任せろぉ!!』
先程以上の大声で叫んだのはドズル。
ア・バオア・クーから瓦礫を押し退けて出撃してきたのは全長100m以上、足の無い人型をした巨大な兵器だ。
『艦隊防空仕様のムサイ各艦は大型メガ粒子砲を拡散ではなく収束モード!』
『射撃タイミング合わせ!カウント20で敵旗艦に向けて斉射せよ!』
『いくぞグレートジオング!兄貴達の仇討ちだぁ!!』
残っていた12隻の防空仕様ムサイの収束射撃、そしてグレートジオングが乾坤一擲に一撃を放たんとエネルギーをチャージする。
それをさせじと、彼らへ向けて無数の戦闘ポッドとバトルスーツが押し寄せてくる。
『させるかよ!』
『行かせん!』
シン・マツナガにテネス・A・ユング。
その様子に隙を見出したのか、両軍のエースらがそれを阻害すべく瞬く間に撃墜していく。
幸いにも、敵機動兵器群の防御力自体はそう凄まじいものではない。
ビーム兵器の直撃なら確実に落とせた。
「三つ、四つ、五つ!」
『腕を上げたな、ガンダムのパイロット!』
そこには赤い彗星と白い悪魔と言われた二人の姿もあった。
「言いたい事はある!けど今戦うべき相手はあいつらだ!」
『同感だ!行くぞ!』
そして、放たれた13条の光が、4000m級中型艦隊指揮用戦艦への道を切り拓いた。
今日のギレン様
「ジオングは重火力MA?MS同様のマニュピレーターを持つのなら汎用性を確保したまえ。指全てがビーム砲とは整備性やコストに喧嘩を売っていると何故分からん?その分をゲルググのビームライフルにした方が効率的だ。」
「どいつもこいつも……決戦用巨大兵器なぞ非効率の極みだと何故分からん。せめてギニアス少将位の案を持ってこいと言うに。」
「どうせだ。全て纏めてコストを削減してしまおう。形にならんでもアプサラスの様にシステムの一部分だけでも役立てば良い。」
「何?形に出来ただと!?…両肩にIフィールドジェネレーター装備で腕はジオングを参考に常人も動かせる有線式簡易サイコミュ。下半身にオッゴとの連携のための補給設備、それにアプサラス式マルチロック拡散・収束切り替え可能なメガ粒子砲。他は各種対空ミサイルやガトリング砲に多連装ロケット砲…。材料は既存資材のみか。」
「よく形に出来たな。良かろう、試作一機のみだが製造を許可する。」