多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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愛おぼえていますかをレンタルして視聴しながらの執筆でした。


第22話 旗艦突入

 ここらでいい加減、グレートジオングについて解説しよう。

 

 実はこのグレートジオングという名称は、別に正式名称という訳ではない。

 別口のNT専用重火力MA開発プランの機体とたまたまシルエットが似ているから、正式名称も決まってないからとその名前を借りて、それでいてサイズが倍どころではない程に差があるので、便宜上付けられた名前に過ぎない。

 本機は複数の大型MA開発計画を統合され、新技術実証のために試作一号のみ生産が許可された機体だ。

 しいて正式名称を付けるのならば「試作マルチロックオン拡散・収束切り替えメガ粒子砲搭載型拠点防衛用巨大MA」となる。

 長過ぎるし、実際はアプサラス計画以外のMA開発計画も統合したせいでどんな名前を付ければ良いのか最早誰にも分らなかった。

 生産に関わった中で最も階級の高いギニアス技術少将をして「こんなもの私のアプサラスではない」として、その名前の使用を禁止した程である。

 

 名前の由来は兎も角としてその性能、特に火力と防御面に関しては本物である。

 機体総重量は測ってない上にちょくちょく変化してしまうので不明だがそのサイズは約200mと、小型艦艇に匹敵するサイズを誇る。

 機動兵器の分類の中では先ず間違いなく当時の太陽系で(少なくとも公式に記録された中では)最大と言って良いだろう。

 

 下半身は元試作型超ド級MA構想の概念実証機(コスト肥大にて開発中断)の下半身を流用、Iフィールドの死角を補う役割を担うMPオッゴ一個中隊との連携のために補給・応急修理設備を備え、一機ずつ搭載して簡易修理・補給を行う。

 胴体部はジャブロー攻略用試作型巨大MAビグザムのボディを流用しているが、その機能の殆どは残っていない。

 全方位に配された26門ものメガ粒子砲群は「無駄な上にコストと信頼性と耐久力を著しく損なう」と言うギレンの一言により撤廃、大型メガ粒子砲に関しても本来のアプサラスのそれを改良したものを搭載したため、本当に外側と大出力核融合炉しか流用されていない。

 大型メガ粒子砲の威力たるや、ヨルムンガンドを除いた両軍の通常兵器の中で最大の火力を誇る。

 左右に広がる特徴的な大きい両肩は、Iフィールドジェネレーター並び専用核融合炉を搭載したがために大型化したものだ。

 元々はビグザムの装備だったのだが、ビグザムにしてもエネルギーが足りずに活動時間が極端に短くなってしまう欠点を大型化によって無理矢理解消したものだった。

 そして、両腕部は名前の元となったジオングを始めとしたNT専用機を参考に、機械的補助並びに専用操縦士を用意する事で通常のパイロットでも操作可能とした疑似サイコミュシステムである。

 巨大な腕部には四本のクローが備わり、その中心にビーム砲と大型ビームサーベルの放出口を備える。

 前腕部を有線で繋いだ状態で射出、搭載したスラスターで機動させ、接近してくる目標を自由な角度から攻撃する事が可能になっている、自衛の色合いが濃い兵装だ。

 ビームサーベルの長さは200mと自身に匹敵する長さであり、同系列兵器の中では最長のギネス記録を持つ。

 また、各部には動作不良やエネルギー不足になった場合に備えて30連装ビーム撹乱弾発射機×6、自衛用対空装備として6連装ミサイルランチャー(ザクのフットミサイルを連結した流用品)×8、80mm対空ガトリング砲×2、60mm近接防御バルカン×2等の信頼性の高い実弾武装も豊富に搭載されている。

 装甲は可能な限りの対ビーム・対実弾双方への対策が施されており、連邦の一般的な戦闘艦艇よりも高い防御能力を持つ。

 しかし、ダメコンがその性質上殆ど出来ないため、最終的な耐久性に関してはそこまで差はない。

 これら複雑極まる機体を運用するため、パイロットはこの機体やMAに精通した者が選ばれた。

 最終的にドズル・ザビ中将を筆頭に、デミトリー曹長他6名の合計7名で操縦する。

 なお、オリヴァー・マイ技術中尉も候補として選ばれていたのだが、実戦経験の少なさから辞退したそうな。

 内訳は二人がオッゴ中隊の指揮を兼ねる通信士、三人が火器管制、一人が主操縦士となる。

 

 要は「デカくて固くて強い巨大メカ」なのだ。

 ……バッフ・クラン産かな???

 

 あのコストカットに煩いギレンがよくぞ許可したものだと驚く機体だが、「こいつを構成する各計画をそのまま通していた方がコスト面で大問題だったからだ」と本人はコメントしている。

 そんな急造品なのだが、ジオン脅威のメカニズムというか、いつものMAD共が本気を出したと言うべきか、急造品としては驚くべき完成度を持っていた。

 

 『主砲は収束モードを維持!チャージ完了確認次第敵旗艦に撃て!各対空砲は任意に射撃!撃ちまくれ!』

 『オッゴ中隊は本機をサポート!敵を近付けるな!』

 

 味方からすれば驚きながらも心強いが、敵からすればいきなり巨大な機動兵器が撃破した筈の要塞から出現し、損傷も厭わず突撃してきたのだから度肝を抜かれた事だろう。

 動揺しながらも即座に迎撃の手を緩めないのは、やはり戦闘種族故か、その火線は正確なものだった。

 護衛として展開している500m級斥候艦17隻と1500mm級中型砲艦2隻。

 それらの隊列が万全ならば、グレートジオングを始めとした連邦・ジオン両軍の突撃する艦艇は全て宇宙の塵と消えていた事だろう。

 だが、防空仕様ムサイとグレートジオング、そして先のヨルムンガンドによる砲撃が、辛うじて敵艦隊に動揺を、隙を作る事が出来た。

 ヨルムンガンドは反撃で消滅し、防空仕様ムサイはこれまでの連続使用と無茶な砲撃で使用不能となり、もう次はない。

 

 『ジオン・連邦両軍はこの好機を逃すな!負ければ人類そのものの危機だぞ!』

 

 宙域に響くドズルの声は、正しく人類の状態を示していた。

 ここで負ければ人類は滅ぼされる。

 何せ初めて出会った人類を、銃口を向け合っていたとは言え一切の躊躇いなく攻撃してきたのだ。

 相手側が有利である限り、和平や休戦などという事には絶対にならないだろう。

 待っているのは巨人族に出会った多くの種族がそうだった様に、絶滅だ。

 だからこそ、両軍のエースと艦艇は損傷も死も厭わず突き進む。

 だが、後一手が足りない。 

 

 「なら任せなぁ!!」

 

 隙が出来たとは言え、未だ濃密な迎撃網の中を一切怯まずに突き進む者がいた。

 「野獣」ヤザン・ゲーブル。

 NTを始め多くの異能力者でも天才でもなく、ただ闘争本能に満ち溢れた人間が、この絶望的な状況に斬り込んだ。

 クラウドブレイカー。

 木星の重力圏内で使用するための大出力ブースターと堅牢な構造を持つこの機体は、未だ未熟なMSよりも本来の性能は遥かに高い。

 輸出用のモンキーモデルはジェネレーターを小型縮退炉からミノフスキー式核融合炉へと変更され、重力・慣性制御装置も廃され、リミッターをかけられた。

 それでも高い性能故、今まで誰もそのリミッターを解除する事はなかった。

 だが、この土壇場でヤザンはそれを解除した。

 

 「ぐ、おぉ……!?」

 

 それはヤザンをして初めて体験する程の強烈なGだった。

 本来ならば重力・慣性制御装置を搭載した上で無人機としての運用を前提としたこの機体。

 出力は下がりながらも、本来の性能へと近づいたこの機体は地球圏の有人兵器では到底到達できない次元へと足を踏み入れていた。

 

 (長くは保たねぇ…!)

 

 襲い来るGの中、懸命に操縦棹を操って機体に振り回されながら操作する。

 武装を使う暇なんてありゃしない。

 内臓が口から出そうだと思いながら、それでも必死に意識を手放さぬよう歯を食いしばる。

 機体を掠める様に敵の火線が通り過ぎていく中、それでもヤザンは終わらぬ、終われぬと耐え続ける。

 

 「お、お、おおおおおおおお……!!」

 

 十重二十重の迎撃のレーザーやミサイル、ビームを振り切って、漸くヤザンは4000m級中型艦隊指揮用戦艦へと取り付いた。

 

 「食らえぇぇ!!」

 

 残り1発の対艦ミサイル、120mmレールガン、80mmガトリングガンの全てをヨルムンガンドの開けた大穴へと叩き込む。

 各部で小爆発が連鎖し、濃密だった対空射撃が減少する。

 通常の地球人類製の艦艇であったなら、これだけで轟沈必須だろう。

 しかし、相手はゼントラーディ軍の中でも特に頑丈で知られる4000m級中型艦隊指揮用戦艦。

 史実においてはあのマクロスのダイダロスアタックを艦首に受けてなお沈まず、ノーメンテで15万周期を超えて運用される艦も存在する兎に角頑丈な戦艦なのだ。

 だが、ヤザンの乾坤一擲は確かに届いた。

 

 『各員突入せよ!動力源を狙え!内部から破壊するしか手はない!』

 

 旗艦に更なる損害が発生した事で増した隙を、今度は被弾を厭わぬ特攻にてグレートジオングが取り付いた。

 次いで、両軍のエースらが艦内に侵入し、両軍の艦艇が4000m級中型艦隊指揮用戦艦の表面へと突き刺さる様に着底し、白兵戦へと移行していく。

 

 『後は頼んだぞ!本機はこの場で退路を確保する!』

 

 そして、戦局は最終局面へと移っていった。

 

 

 

 




 本日のギレン様

 「エルメス…それで?この実質使い捨てのビットで一体ゲルググとビームライフル何組分のコストなのかね?」
 「無線でのNT専用兵器の小型化が不可能なら、先ずこちらの有線式で技術を蓄積しろ。」
 「今のこいつなら、スン少尉なら扱い切るだろう。」
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