多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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ふぅ~漸く一年戦争終了!


第25話 終戦

 新西暦179年 ア・バオア・クー宙域にて

 

 

 『ふぅ…何とか生き残ったか。』

 

 ジオン・連邦双方の甚大な被害を見て、頭部だけとなったグレートジオングの中でドズルは眉を顰めた。

 大破した機体では爆発から逃げられないからと機体を捨て、頭部の分離機能で脱出したのだ。

 とは言え、度重なる被弾でまともに航行できず、ララァの乗るジオングに抱えてもらっている状態だが。

 

 『レビル将軍、正式にア・バオア・クー守備隊並びに駐留艦隊は連邦軍に降伏する。が、その前に人命救助をさせてくれ。要塞からの避難もそうだし、宙域でまだ生きている両軍の兵を拾わなけりゃならん。』

 『こちらレビルだ。連邦軍を代表して受託した。先程プラントの救援に向かったサイド3守備艦隊を率いるキシリア・ザビからも同じく降伏の申し出があり、それを受け入れた。只今より全軍は戦闘を停止せよ。繰り返す、戦闘を停止せよ。これ以上の人死には無用である。』

 

 こうして、一年に渡った地球人類同士では最大の戦争は幕を下ろした。

 しかし、もう一つの戦争の始まりは、まだ終わっていなかった。

 

 『待ってください!まだ敵意が消えていません!次が来ます!』

 『何だと!?本当か、スン少尉!?』

 

 停戦の言葉、しかしそれを聞いていたララァからの警告に、全員がギョッとした。

 

 『総員警戒せよ!次が来るぞ!』

 『閣下!計器類に反応が!先程の異星人達が現れた時と同じ反応、恐らくワープです!』

 『ちぃ!全員、敵増援が来るぞぉぉ!!』

 

 ドズルの悲鳴じみた叫びとほぼ同時、再び虚空から巨大な異星人の戦艦が現れた。

 その数は9隻と少ない。

 しかし、その陣容は先程よりも遥かに大規模だった。

 地球人類両軍が力を合わせ、乾坤一擲で以て轟沈させた4000m級が一隻なのは変わりないが、その周囲に存在するのは全艦が2000m級標準戦艦であり、先程までの500m級斥候艦とは武装もサイズも収容能力も段違いだ。

 やがて、それら全艦が武装を展開し、発射の前触れとなる発光現象が始まる。

 もう数秒とせず、この宙域の全ての人類が殺される。

 それが分かって、彼らの間を絶望感が蝕んでいき…

 

 突然、一隻の2000m級標準戦艦が爆砕した。

 

 『は?』

 

 誰がその声を発したのかは分からない。

 だけど、その場にいた全員の思いを代弁していた。

 即ち、驚きである。

 

 『索敵急げ!何があった!?』

 『センサーに感あり!先程から断続的なワープらしき反応がこの宙域で発生しています!』

 

 未だ全体への広域通信が保たれたまま、レビルと士官の声が全軍へと響く。

 その内容から周囲を見渡すと、その原因が知れた。

 全長20m程度の、MSと大差ない大きさのロボットが虚空から突如出現し、異星人の艦隊へと襲い掛かっていた。

 その数は20、30、50と次々と増えていき、その度に異星人の艦隊へ攻撃が加えられ、爆発と共にその数を減らしていく。

 

 「なんなんだ、こいつらは…?」

 

 アムロの呟きに、しかし、答える者はいない。

 そのロボット達は、地球人のMSに比べて奇妙なデザインだった。

 異星人のパワードスーツ類ともまた違う、内側のフレームは真鍮色で生物的なラインを描きながらも、明らかに機械だと分かる青緑色の装甲部分も併せ持つ姿。

 背面には背骨らしきフレームが見え、ヒト型のシルエットを持っている。

 しかし、その五指は小指が親指と同じ形で、足首から先は鋭角を描いたブレード状と、MSに比べると明らかに異質な要素を持っている。

 尾の様なパーツは先端部分に膨らみがあり、何らかの装置が内蔵されているように見える。

 確かな事は一つ、この正体不明のロボット群は人類が交戦した異星人艦隊の勢力とは敵対しているという事だった。

 ビームが、レーザーが、プラズマが、砲弾が、ミサイルが、ホーミングレーザーが、ブレードが、テールバインダーが次々と異星人の軍勢へと叩き付けられ、一方的にその数を減らされていく。

 誰が見ても彼我の戦力はどちらが勝っているかが分かる光景だった。

 やがて、周囲の艦が沈められていく中、4000m級中型艦隊指揮用戦艦の艦体が上下に割れ、巨大な砲口を晒す。

 先程は使うまでもないと思っていた必殺の奥の手を、追い詰められた事で曝け出したのだ。

 急いで射線軸上から退避しながらも、余りに遅過ぎだと、地球人類は直ぐに分かった。

 4000m級の正面で、所属不明のロボット2機が一組となって、自機を超えるサイズの砲を構えた。

 その二機の両肩と両脚部の装甲が展開し、露出した内部のジェネレーターがその出力を上昇、通常よりも多くのエネルギーを生産していく。

 更に腰から延びるテールバインダーを自身の倍以上もある巨大な砲へと接続し、素早くエネルギーを充填していく。

 

 そして、両者は同時に発射した。

 

 4000m級中型艦隊指揮用戦艦が備える超大型誘導集束ビーム砲は機動要塞攻略戦を想定してのもので、対機動兵器として使うものではない。

 しかし、ここで一隻でも道連れにするためにと艦隊司令官は使用を決断した。

 もしこの一撃が地球に着弾していれば、それこそ先のメテオ3郡の落着よりも遥かに甚大な被害が生じた事だろう。

 だからこそ、彼女らは容赦しなかった。

 空間圧縮破砕砲ベクターキャノンの使用を決断したのだ。

 万が一にも貴重極まる戦訓を積んだ両軍の兵士を、地球やコロニーを破壊されないためにも、この一撃を正面から叩き伏せる事を選んだのだ。

 本来よりも規模も射程も低下しながら、数機が連携する事でチャージ時間を実用範囲内に収めた廉価版だがその威力は確かなもので、空間歪曲・圧縮系の防御手段ではこの砲撃を防ぐ事など出来ず、要塞級の防護フィールドとて障子紙の様に貫いていく。

 ビームやレーザーなど、歪曲・粉砕された空間内では意味を成さない。

 故に、極光と共に放たれた両者の一撃は、当然ながら彼女らの勝利で終わった。

 

 「すごい……あの光の柱みたいだ。」

 

 アムロの感想も当然のものだった。

 両者から放たれた光の柱。

 それらは両者の中央で激突し、しかし遥かに大きい筈の4000m級中型艦隊指揮用戦艦が一方的に撃ち負け、一瞬で爆散してしまったのだから。

 

 「ん?」

 

 不意に近くにいた不明ロボットの一機がアムロの、ガンダムの方を見て、そのバイザーに隠れたカメラアイをチカチカと点滅させる。

 直ぐにそれがモールス信号だと、そういったものに詳しいアムロには伝わった。

 

 「G・O・O・D・J・O・B…グッジョブって事か。」

 

 無手となった左手で、親指を立てた握り拳を作る。

 急なマニュアル操作だったのでぎこちなかったが、それでも意味は伝わったのだろう、不明ロボットは頷くように頭部を上下させると、アムロに背を向けて去っていった。

 そして、少し距離を離すと虚空に消えていく。

 どうやらあのサイズで自在にワープが出来るようだった。

 

 「すごいな、宇宙ってのは。あんな人達が、あんな異星人が沢山いるんだ…。」

 

 アムロは宇宙に最初に出てから感じた宇宙の広大さ、果ての無さを、この戦争の終わりにあってもう一度感じたのだった。

 

 

 

 新西暦180年1月1日、余りにも濃密で長かった一日が終わり、世界は新たなステージへと移るのだった。

 

 だが、もう一つの戦場では今正に決戦が始まっていた。

 

 

 ……………

 

 

 太陽系外縁部 とある宙域にて

 

 「インベーダーの艦隊の旗艦、60km級大型個体を確認しました。」

 「こちらのエネルギーは67%まで回復完了。」

 「弾薬類は71%、エネルギー兵器は準備完了。」

 「正し、先程の被弾で空間破砕砲は使用不可。再使用にはドックでの修理を要します。」

 「インベーダー艦隊の総数、500m以上だけでも約5000体。小型は10万以上となります。」 

 「稼働可能なヴァルチャー隊は本艦周辺にいる一個中隊のみです。」

 

 そんな絶望的な状況報告を電子・音声両方で受け取る中、トレミィは瞼を閉じたまま問いかける。

 

 「変形機構ならびに亜光速戦闘とワープ機能は使用可能?」

 「はい、可能です。」

 「ワープ用ダミーは?」

 「今回は使っていませんが、エネルギーの関係で一回のみです。」

 「十分。」

 

 そして、話す間も惜しいと電子上で全ての情報が艦内各員へと伝達される。

 

 「…いけますかね?」

 「78%もありますし…。」

 「でもスパロボ時空で78%って…。」

 「それいじょういけない。」

 

 なお、作者は3%でレイズナーがドゴスギアに落とされた事があります(震え声)。

 

 「では各員は所定の作業を。ワープ並びにダミー用エネルギー充填開始。両者のワープが完了後はカウント20で木星圏A.I.M.大型ドック周辺宙域へと再ワープ。それまでは敵艦隊旗艦へと突撃、マクロスアタックを仕掛ける。」

 「まさかの神風とは驚きですね。」

 

 こうして、太陽系を守る人に知られぬ戦いもまた、佳境へと移るのだった。

 

 

 ……………

 

 

 ギチギチと、無尽蔵の飢えを持つインベーダー達は、もう間も無くあり付けるだろうご馳走を考えていた。

 ゲッター線。

 かつては宇宙を漂う無害な超微生物だった自分達を進化させ、今の姿へと変えたエネルギー。

 それを味わう喜悦を、法悦を思えば、無尽蔵の飢えすら僅かながら満たされる思いだ。

 故に、それを邪魔する者には(そうでない者も変わらないが)容赦しない。

 特にこの数十年ではこの星系から感じられる濃厚なゲッター線を目指しているのだが、それを妙な連中に邪魔され続けて久しい。

 そいつらを食べようにも自在に身体を分離させ、自爆すらしてくる連中なので食べられない。

 なのにゲッター線を食べるのを邪魔するとあって、インベーダー達の苛立ちは頂点に達していた。

 だからこそ他の生物を食べた時に一緒に取り込んだ機械を使って、この星系へと攻め込んだのだ。

 全てはこの飢えを満たして更に進化し、その果てにこの飢えを消し去るために。

 故に、気に食わない連中がワープしてくる気配を、インベーダーは素早く察知した。

 その気配目掛けて小型の個体は一斉に突撃し、巨大な個体は各々の射撃武装で攻撃を開始した。

 大抵の相手はこれをしているだけで消える。

 例外は自分達と同じように進化した生命体、即ち宇宙怪獣だが、あいつらは今ここにはいない。

 さぁ、これで漸く餌にあり付ける。

 そう思っていたのだが、その当ては外れた。

 ワープしてきたものは巨大なだけの風船であり、しかも攻撃した瞬間に巨大な爆発を起こしたのだ。

 これには流石のインベーダーも面食らった。

 自分達にこんな原始的な方法で挑んでくる連中がいたとは!と。

 そして、本物は何処だと探し始める前、未だ混乱している最中に、そいつは現れた。

 巨大な、全長10kmはあるだろう涙滴型の灰色の宇宙戦艦。

 それがあの宇宙怪獣と同様の速さで迫ってきたのだ。

 

 「前面に空間圧縮力場展開!機関はインパクトの瞬間まで最大出力を維持!各員は攻撃用意!」

 「了解。各兵装、射撃準備。」

 

 バリアは張っているが、あの質量と速さの前には無意味だ。

 弾幕を張ってみるが、聊かの減速もせず、それはインベーダーらの旗艦にして小型種の母船でもあった60km級インベーダーへと激突、その壊れかけた艦首を砕きながら更に突き刺して外殻を砕く。

 更にはヒト型に変形しながら、腕となった艦首を開くようにして内部の内臓や小型種の格納庫を露わにしてしまった。

 

 「全兵装自由、撃ちまくれ!」

 「了解。全弾発射。」 

 

 同時、無数のレーザーやビーム、レールガンやプラズマ砲、そして光子魚雷の全方位への一斉射撃によって、インベーダー艦隊は旗艦も含め、その陣形の内側から消し飛ばされた。

 

 「5・4・3・予定時刻につきワープします。」

 

 そして、後には何も残らなかった。

 今回の戦いもまた、彼女らは辛うじて勝ちを拾う事に成功するのだった。

 

 

 

 

 




量産型オービタルフレームは兵装の種類増したヴァルチャーの指揮官ユニットであり、補給ユニット。最大火力はほぼ同格。
デザインやスペックは基本ジェフティにアヌビスの要素を足したもの。
両肩、両足にはアヌビスのバインダーユニット(=大型のウィスプ)内部のジェネレーターの改良版を備え、一機当たりの出力が上昇している。
愛称は「セト」。
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