多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
なお、トップをねらえ原作ではこの時点で壊滅してます。
新西暦183年 太陽系外縁部にて
太陽系外縁部調査試験艦隊は初めて遭遇する宇宙怪獣を相手に、苦戦を強いられていた。
これがバルマーやインスペクター、ズールやバッフ・クラン相手ならまだ善戦できていただろうが、巨人族を超える異常極まりない生命体という事もあり、その戦闘は大きく押されていた。
「小型種を近づけるな!艦砲は大型種に集中し、艦載機は小型種の排除に徹しろ!」
「DF出力78%、まだいけます!」
「破損した機体は後退し、予備機で再出撃!」
「核弾頭を使用可能なVFは直ぐに装備して出撃しろ!」
未だ反応弾ではなく、一年戦争でも使用された戦術核が最大火力である多くの艦載機は大型種に対して有効な火力を持たない。
それはつまり、艦載機の運用能力を重視している艦が多い現状、不利に作用した。
『バスタービーム!』
『ゲッタービーム!』
だが、ここに例外がいた。
戦艦の艦砲射撃すら易々と超える火力を叩き出す二機の特機によって、数体の大型種が撃沈、爆発四散する。
プロトゲッター1とプロトシズラー0。
『おおっと、艦は落とさせないぞ!』
そして、艦隊の盾として強大なDFを展開し続けるジガンスクード。
これら特機の存在により、数に劣る太陽系外縁部調査試験艦隊は何とか持ちこたえていた。
「マクロスキャノン、チャージ完了しました!」
「よし、目標敵中央!」
「照準良し、味方機の退避完了。」
「発射ぁ!!」
マクロスの艦首から放たれた一筋の光の柱は、一撃で10近い大型種を巻き込み、消滅させていく。
『達人、往くわよ!』
『了解!』
流れが変わったと見るや、開けられた穴へと吶喊する二機の特機。
ジワリと開けられた穴を広げられ、徐々に押されていく宇宙怪獣。
だが、そうは問屋が卸さない。
『全機DFを最大!何か来るぞ!』
スタークジェガンを駆り、小型種を駆逐していたアムロの叫びに、最速で反応したのはアムロと付き合いの長いブライト、そしてライバルたるシャアだった。
『各機、DF出力最大で乱数回避!』
『DF出力最大!回避運動!』
この叫びに反応出来たかどうかが明暗を分けた。
一撃。
亜光速で艦隊の陣形中央に突っ込んできた大型種の中でも特に巨大な個体(後に巡洋艦級混合型と分類)によってクラップの左舷エンジンブロックが大破(後に切り離し)、ヒリュウの艦首ブロックが大破、スペースノアの艦首が中破し、他にも多数の機動兵器が巻き込まれた。
『許可が出た。これより本艦は亜光速戦闘を開始する!』
『了解。艦内慣性制御の出力上昇。』
『艦内隔壁降ろせ。無人区画は電源カット。出力を重力・慣性制御に集中。』
タカヤ大佐の号令と共に、るくしおんは亜光速戦闘機動を開始した。
通常、他の艦との連携行動をするに当たって、その過剰な機動力は邪魔であり、リミッターを設けている。
しかし、現状のるくしおんは単艦での行動の許可が降り、リミッターも無い。
一年戦争の高機動MSに匹敵する機動性を、333mというサイズで得る事に成功したるくしおんは、艦隊中央をぶち抜いて離脱した3kmもある大型種へと追撃を開始した。
『逃がすな!もう一度今の突撃をされたら他の艦が沈むぞ!』
タカヤ大佐の指示と共に、るくしおんから無数のレーザー砲と艦の上下に追加されたバスタービーム砲が発射される。
しかし、それらは何もない宇宙を貫くばかりで命中しない。
未だ亜光速での戦闘経験の少ない地球側には、その速度に対応できるだけの射撃データの蓄積がないのだ。
それ故にるくしおんの攻撃は亜光速で動き回る大型種には当たらず、悪戯にエネルギーを消耗してしまう。
『反撃来るぞ!DF正面に集中展開!』
『了解、DFを正面に集中!』
同時、お返しとばかりに斉射された光弾がるくしおんに正面から命中、DFの存在によりそのエネルギーは散らされ、船体にまでダメージは入らなかった。
『っ、突進来ます!』
『右舷ブースター全開!』
宣言とほぼ同時、左方向へとスライドしたるくしおんの右側を大型種が砲弾の様に、否、砲弾そのものとなって通り抜けていく。
直撃を受ければ質量差もあって一瞬で木端微塵となる一撃。
これが先程艦隊陣形を貫いていったのだ。
だが、その一撃離脱の戦い方に、タカヤ大佐は正確に相手の手の内を読み切った。
『…やってみるか。』
『艦長?』
『第一・二バスタービーム砲の照準を左舷へ。次に敵が突進を行った場合、左舷ブースターを全開、同時にバスタービーム砲を発射せよ。』
『しかし、危険では?』
『敵も焦れている。そして我々と同様に攻撃の手数が少ない。突進か砲撃しか出来んのだよ。』
事実だった。
宇宙怪獣小艦隊の旗艦たる巡洋艦級混合型は高い性能を持つものの、その攻撃手段は光弾と突進のみで、変異した亜種が槍状のエネルギー弾を使用するしか報告例がない。
故に光弾に耐え得る敵を確実に撃破するには、突進一択しかないのだ。
『悩んでる時間は無い。来るぞ!』
『正面、突進来ます!』
『左舷ブースター全開、同時にバスタービーム発射ぁ!!』
タカヤ大佐の命令と同時、操舵手と砲撃手は人生最速で以てその命令を遂行した。
先程の動きからるくしおんの機動を読んでいたのか、この突撃はブースター全開でも回避し切れず、DFを抉り、左舷装甲を浅く長く削っていった。
しかし、それだけだった。
艦の中央上部と下部に配された射角が広い二門のバスタービーム砲は艦の装甲が削られると同時、巡洋艦級混合型の巨大な横っ腹へと二条のマイナス一億度の冷凍ビームが突き刺さり、交差の一瞬で先頭から後方へと二本の凍傷がその巨体へと刻まれ、直後に全身が砕け散った。
『敵旗艦、撃破に成功!』
『周囲を索敵!味方はどうか!』
浮かれる艦橋要員に一喝とばかりに指示が飛ぶ。
そうだ、まだ戦闘は終わっていないのだ。
『…全艦健在です!敵中枢でシズラーとゲッターが暴れ回っています!』
『よし、本艦も援護するぞ!』
左舷の武装とブースター、格納庫ハッチ(上下はバスタービーム砲があるので無理)こそ破壊されたものの、未だ多くの武装とブースターは生きている。
『マルチロック、ゲッタービィィィィィム!!』
ユングの音声認証と共にプロトシズラー0の腹部の装甲が開き、内蔵されたゲッタービームの砲口が露出し、発射される。
発射されたビームは機体から一定の距離で拡散、分裂し、100近い無数の小型種へと命中、爆散させる。
『チッ!やっぱりガンバスターみたいにはいかないか!』
これがガンバスターならば、開始一分とせずに単体で敵戦力を撃滅できたのに。
嘗て相棒として長く共に戦った親友と愛機を思い出しながら、ユングは今の愛機で出来る事をし続ける。
幸い、上陸艇と巡洋艦高速型までは問題なく撃破できる。
それ以上、混合型となると火力が低くてその装甲を突破できない。
『おっと!』
正面と背後から突撃してきた小型種、兵隊に対し、シズラー0の両肩に内蔵されたランサー生成口がせり出し、左右のそれがそれぞれ前後を向く。
『バスターランサー!』
ゲッターのトマホークを参考にしながらも、彼女の得意とする槍が生成され、射出される。
射出された槍は前後から迫っていた小型種を一撃で貫き即死させ、次いでそれを両手に構えたシズラー0は加速、迫り来る上陸艇に狙いを付ける。
『ジャコビニ流星アターーーック!』
自身の得意とする加速からの乱れ突き。
正確無比に上陸艇の甲殻の隙間へと差し込まれた槍は、内部から宇宙怪獣の弱点の一つでもある高圧電流を流し、ものの数秒で内部から爆散させてしまった。
『さぁ、次は誰!?』
たった数機の特機と、それを駆るエースパイロット。
更にプロトゲッター1とるくしおんの助力もあって宇宙怪獣の小艦隊は統制を失った事もあり、各個撃破されていった。
破れかぶれの突撃すら、ジガンスクードの捨て身の防御によって防ぎ切られ、どの艦も落とす事は叶わなかった。
予想されていた不意の遭遇戦。
しかし、辛うじて地球人類は勝利を捥ぎ取ってみせた。
だが、それは序の口に過ぎなかった。
『ワープアウト反応、無数に確認!数は…1000、2000、5000を突破!なお増加中!』
『推定質量……わ、惑星サイズです!?』
『ワープアウト、来ます!』
現れたのは、先程まで太陽系外縁部調査試験艦隊が戦っていた小艦隊とは文字通り桁違い(それも三つ四つ違う)の物量を持った本格的な殲滅のための大艦隊。
数にして実に3億近い宇宙怪獣の大群だった。
彼らの初陣は、まだ終わらない。
……………
『よし、もう良いよな?』
「オッケーオッケー。今ならバッチリ!」
『よし、全艦隊聞いてたな!通常空間に復帰!消耗した地球人艦隊を救援!恩の押し売りの時間だ!』
「改エルトリウム級プトレマイオス、通常空間に復帰と同時に四連装空間破砕砲発射!新しい私の初陣、目に焼き付けろ宇宙怪獣!」
『……これ、オーバーキルじゃな~い~?』
「ですね。そちらとこちら、合わせて1分持たないのではないかと。」
一方、出待ちしていた方々は漸く出番かとワクワクしていました。