多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
新西暦183年 夏
「ついにねんがんの ミノフスキードライブ がかんせいしたぞ!」
「父さん、嬉しいのは分かるけど落ち着いてくれ。」
幾度もの徹夜とハイテンションと発狂と気絶を乗り越えた果て、ミノフスキー物理学は遂に亜光速の領域へと到達した。
なお、テム博士の周辺には彼を寝かそうとするアムロと死屍累々の開発メンバー達が横たわっている。
「とは言え、未だに小型化は出来ておらんがの。」
「博士、起きてらっしゃっても大丈夫なのですか?」
「ほっほっほ、まだまだ若いのには負けんよ。」
先日、狂乱状態の開発現場でぶっ倒れたミノフスキー博士も、研究の集大成の一つを見にベッドから起き出してきた。
「これで漸く艦艇サイズか…。」
「まだまだ道は長いですな。」
いや、あんたら一年戦争から数年後にクロボン時代後半の代物実用化してるとか、普通の速さじゃないからね?
「しかし、これどうしましょうね?作ったは良いですが、当初予定していた機動兵器への搭載は無理でしょうし…。」
「以前、アナハイムの作ったMAがあったじゃろ?あれに載せてデータ取ればよかろう。」
こうして、半ばお蔵入りしていたGP03は改めて亜光速戦闘仕様へと生まれ変わることとなるのだった。
但し、天才二人が陣頭指揮を執る形で徹底的にダメ出しされてだが。
「何かね、この無駄にデカいだけの代物は?」
「これでMAとは……アナハイムの迷走ぶりが見えるのぅ。」
月のGP03が格納されたドックに到着して早々の遠慮のない言葉に、案内していた者は顔を引きつらせていた。
「まぁ良い。だからこそ弄り甲斐もある。」
「さて、先ずはデータを解析してみるか。」
で、結果として、ほぼほぼ新造に近い程に弄る事となった。
「Iフィールド…ミノフスキー粒子式のビームを敵が撃ってくれるのかね?外そう。」
「大型ビームサーベル……発想は分かるが、それをクローアームに持たせる意味はないじゃろ。ビーム砲兼サーベルを仕込むぞ。」
「何故態々機体の手持ち武器をコンテナにしまい、剰え折り畳み式にした腕部で取り出すのかね?普通にコンテナから発射できるようにしよう。」
「メガビーム砲は昨今の火力上昇についていけんじゃろ。Iフィールドジェネレーターも外す事じゃし…おお!そういえば小型化で問題になっていた可変速型ビーム・ライフルがあったな。二門付けてやろう。」
「武装を正面と下方向にしか撃てないのは問題だな。この巨体では死角も多い。よし、上部のコンテナはVFの高機動ミサイルを搭載し、上方向に開閉か垂直発射式にしよう。」
「それと、中身のMSじゃが…。」
「そっちはコアファイター搭載かつムーバブルフレーム非搭載ですし、コネクタのバックパックとリアアーマーだけ取って解体で。最新の亜光速戦闘対応ジェガンを乗せましょう。」
さて、ここまでやってから漸くミノフスキードライブユニットの接続である。
とは言え、未だ小型化の済んでいないこの装置、かなりデカい。
何せGP03本来の大型メガビーム砲並みなのである。
「背面に縦向きに接続しますか。」
「不格好じゃが仕方ないの。」
本来なら横向きに広がる巨大な真一文字のユニットなのだが、縦以外の向きだとどうしてもブースターやコンテナと干渉してしまい、それを直すためには新造した方が早くなってしまうのだ。
でっち上げの実験機位、手直し程度で済ませて早くデータを取りたいと思っていた二人は勝手知ったる他人の家とばかりにアナハイムからの人員も扱き使って僅か1週間程で改修を済ませてしまった。
「よし、ではデータ取りを開始する。」
「前より操縦は楽になったと思うが、気を付けての。」
「は!了解しました!」
アナハイムに出向中のオリバー・マイ技術大尉(彼女持ち交際1年)は有名過ぎる二人の期待に応えるべく、奮起するのだった。
後にこの時のデータを基にして、ジェガン他汎用MSでも高機動・大火力を発揮可能となる大型オプション装備「ミーティア」がアナハイムから開発され、拠点防衛並び精鋭部隊向けに配備される事となる。
また、こうして改修されたGP03(正確にはアームドベース・オーキス)は一連の戦乱でその火力を見込まれて月の連邦軍基地に配備、拠点防衛において活躍し続けるのだった。
なお、いらない子扱いされたステイメンはデータ取りも終了していた事もあり間もなく解体されたため、担当していたシステムエンジニアのルセット・オデビーは膝から崩れ落ちたという。
……………
勿論、他もただ悠然と時間を過ごしていた訳ではない。
ゲシュペンストは各部にスラスターとユニバーサルコネクタを追加、亜光速戦闘対応改修を加えたゲシュペンストmk-Ⅱとして改めて生産開始された。
「ゲシュペンストは優秀な機体とは言え、それだけに甘んじちゃいられない。」
「あぁ、ここは一つ、皆で新型を作っちまおうぜ!」
そんな訳でマオ社の新型機開発である。
「ゲシュペンストのムーバブルフレームを改良して更に耐久性を高めて、装甲の方は薄くして軽量化してみるか?」
「あー確かにDFとビームシールドで防御力は十分か。」
「プラズマ・ジェネレーターもサイズそのままに高出力化に成功したそうだし、そっちを載せてみよう。」
「よし、ちょっとその方針で一度設計してみよう。」
こうして出来上がったのがプロトタイプ・ビルトシュバインである。
ゲシュペンストの純粋な性能向上を目指した試作機として設計された。
装甲自体は薄くなり、軽量化しているのだが、ムーバブルフレームがゲシュペンストの改良型たるG2フレームを採用しているため、相変わらず殴り合いしても壊れない耐久性・信頼性を持っている。
武装や索敵面等は正式採用仕様のゲシュペンストmk-Ⅱとほぼ同じだが、装甲による防御力とコスト、生産性以外のあらゆる面で性能向上に成功している。
ガンダム顔の試作1号機、ジム顔の試作2号機、モノアイ顔の試作3号機が生産され、一般兵向けに調整されたのが後に少数生産される量産型ビルトシュバインである。
が、その後直ぐにヒュッケバイン並び量産型ヒュッケバインが登場したため、少数配備に留まる不遇の名機になるのだった。
しかし、G2フレームを始めとして優秀な基礎設計はヒュッケバイン開発の母体として選ばれる程であり、その系譜は繋がっていくのだった。
「こりゃ負けてはいられないな。」
「でも、こっちは試作機のデータ待ちでしょう?」
と言う訳で、イスルギ重工も開発である。
ガーリオンも同様の亜光速戦闘対応改修を加えられた他、宇宙戦特化仕様並び亜光速巡行性能を獲得すべくプロジェクトTDチームがアステリオン並びカリオンを開発、試験運用を行っていた。
この二機は既存AMに搭載されたものを双発化したツイン・テスラ・ドライブを搭載しており、既存のAMよりも遥かに高い機動性・運動性能を持つ。
反面、その速さに振り回されて操縦性が低下しており、この二機は元々試作機だと言う事もあってデータ収集用として運用される事となる。
後に本計画から得られたデータは正式に恒星間航行船へと反映され、宇宙開拓を活発化させる一因となるのだった。
……………
地球 地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地にて
「それでは皆様、成果発表のお時間です。」
現在、そこでは地球連邦と言う看板を借りてのA.I.M.が以前から推進していた特機構想の研究発表会が行われていた。
で、この場に基地に実機を持ってきたのは以下の通りとなる。
早乙女研究所のプロトゲッター1改(武装追加済み)
光子力研究所のエネルガーZ(プロトマジンガーZ)
南原コネクションよりプロト・コンバトラー(分離合体機能無し・未武装)
テスラ・ライヒ研究所よりグルンガスト零式(斬艦刀追加・亜光速戦闘対応改装済み)
イスルギ重工よりグラビリオン(本社スタッフのみで開発、重力兵器非搭載)
EOTI機関よりヴァルシオン改(以前の欠点を改善し、生産性・操縦性を高めたモデル)
宇宙開発公団改めGGGよりガイガー(メカライオンの一部修復ならびサイボーグ・ガイとのマッチングに成功)
極東方面軍よりダンクーガ一号(ほぼ原作のまま。ビッグモスに野獣回路追加のための合体機能追加)
破嵐グループよりプロト・ダイターン(変形機能無し。純粋な巨大ロボット兵器)
A.I.M.より正式版シズラー(ノーチラス搭載機と同様の仕様)
「「「「「「「「待てや!!」」」」」」」」
「何か」
「問題でも?」
突っ込みを入れられたA.I.M.の担当者と破嵐グループからプレゼンに来たギャリソン氏は軽く受け流した。
「100mに130mとかたまげたなぁ…。」
「何でいきなりそんなデカい機体作ってんの!?」
「コストは!?そもそも動くの!?」
「羨ましい!私も今から作って来る!」
「何の!私も次は設計中だったDGGを…!」
「誰か剣造博士とビアン博士を止めろー!」
「ってーか葉月博士のこれは一体何なの???」
会場は深刻なパニックに陥ったのだった。
……………
???
『カコ……ミライ……キロク……』
『モンダイ…アリ……』
『サイテイ……ヒツヨウ……』
『シッパイ……カノウセイ……』
『セイジャクナル……ウチュウ……』