多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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長すぎた…そして眠い…


第26話 最新主力機の配備 そして伝説の男

 新西暦183年は、あっという間に過ぎていった。

 

 と言うのも大企業群各社が設計は一旦置いて、本格的な兵器生産を開始したからだ。

 既存ラインでは足りず、修正された艦隊再編計画に合わせた艦艇建造も始まったばかりである事から、関係各位は死にもの狂いで仕事を行っていた。

 これには連邦政府の補正予算案が通った事と新年度の予算案が想定されたよりも多く、その分軍事費への割合も多くなった事が要員の一つとして上げられる。

 これには大幅に増加された国債発行の全てがA.I.M.を筆頭とした大企業群によって買われていった事も大きく影響している。

 が、最大の理由はそこではない。

 

 「いい加減、俺達を守る兵器を更新してくれ!」

 

 コロニー並び各星系の市民達の声だった。

 無論、以前から兵器のアップデートや改修、防衛のためのジェガン系の配備は進めていたが、肝心の主力兵器の殆どが未だジムⅡだったのが問題となっていた。

 既にして旧式なジムⅡをこれ以上改修しても亜光速戦闘にはとてもではないが対応できず、新型機の配備が急務となっていた。

 無論の事、最新鋭装備の多くは土星基地へと優先して割り振られていた事も大いにある。

 遠くで盾となって戦っている人がいても、いざその時が近いとなると身近な所にも盾を欲するのが人なのだ。

 これが地球だと逆に対岸の火事程度に思う者が多いのだが、この世界のコロニー在住の市民らは先の一年戦争の事が未だトラウマになっているし、身を挺して自分達を守ろうとしてくれた連邦軍が殺されていったのも覚えている。

 そうした事情もあり、どういう割合で生産するか揉めていた次期主力機の割合はあっさりと決まった。

 

 「地球とコロニーに各星系では環境が違い過ぎる。」

 「それぞれに合った機体を採用すべきだ。」

 「それでいて緊急時には何処でも十全に稼働できる機体で揃えた特務部隊も必要だな。」

 

 1、地球の場合

 熱帯から砂漠、氷原、森林に荒野、山岳地帯に都市部と多種多様。

 どんな環境でも十全に動けるだけの信頼性と汎用性が必須。

 

 2、コロニーの場合

 内部は遠心力による疑似重力と重力操作による1G環境再現の二種に大別。

 外部は基本普通の宇宙だが、コロニーというそこまで頑強ではない巨大構造物(現在は多少改善されてる)の防衛が前提。

 

 3、火星

 荒野と山岳地帯、氷原に都市部と地球に比べて狭い海からなる。

 密林や森林地帯はその成立過程上無い。

 地球に比べて三分の一程度の重力がある。

 

 4、木星

 基本は木星周辺のコロニーや資源衛星基地、無数の小惑星がある暗礁宙域からなる。

 巨大な重力圏を持ち、その中でも十全に動けるだけの推進力が必要となる。

 

 5、土星

 木星に近い環境だが、デブリや小惑星の殆どは土星の環として回避し易い。

 現在はジオン共和国軍が主体となっている。

 

 6、金星

 まだまだ開発中。駐留軍配備予定無し。

 

 大体この様な環境となっている。

 どう考えても一機種でカバーするには限度があった。

 なので、それぞれの特性を活かす形で配備を割り振りつつ、一つの機種では容易に対策を取られ、最悪無力化される可能性がある事から複数の機種を配備する必要がある。

 一つの機種を派生させて配備した方が生産・コスト・兵站・運用面等でとても便利?

 確かにその通りなのだが、連邦は以前それで痛い目を見ていた。

 一年戦争において当時のマゼラン・サラミス級・セイバーフィッシュの大量生産で乗り切ろうとしていた連邦がミノフスキー粒子の重散布下ではジオンのMSに対して無力であり、有視界戦闘も問題なく行ける機動性・運動性を持ったストライクスーツ・ゼロが活躍した事からも伺える。

 一つの手段・あり方に拘るのは確かにその分野にて無二のプロになれるが、想定外の事態に対しては脆くなってしまうものなのだ。

 だからこその複数機種の敢えての採用とも言える。

 で、実際の配備と割合がこちらになる。

 

 1、地球の場合

 ジェガン4:ゲシュペンスト1:VF1:その他4

 地球の場合、大気圏内運用が前提であり、更には歩行能力も重要となる。

 この時点で性能・コスト・生産性は優秀でも歩行能力に難のあるバタラは除外され、火力と装甲がやや低めなAMも除外される。

 火力は最悪デストロイドが補うとは言え、手軽かつ強力な火力である戦術核弾頭や反応弾他大規模破壊兵器の使用は制限されてしまうので、それに抵触しない範囲での火力が必要となる。

 更に地球での本格戦闘=都市部・工業地帯の防衛戦が想定されるので、民間人や重要施設を守るための最後の盾となるべく可能な限り耐久力も高くなければならない。

 加えて、転移でやってきた敵勢力に対して即応できるだけの展開能力もあると望ましい。

 そんな贅沢山盛りを満たす配備の割合がこれだった。

 ジェガンとゲシュペンストのハイローミックスを歩兵とし、VFが火消し等の特務として運用する。

 その他は支援機と特機に大別され、支援機の多くはデストロイ=ガンタンクやガンキャノンの様な火力支援機である。

 特機はその特性を活かしつつ、専用の大型艦と共に敵指揮系統の中枢への殴り込みや斬首戦術を行う。

 

 2、コロニーの場合

 ガーリオン3:バタラ3:その他4

 コロニー内部で活動する場合、閉所でも問題ない操作性とサイズ、過剰火力ではなく、調整可能か低火力かが問われる。

 また、歩行能力は余り問わない。

 操作性は新型機全てが確保しているのでサイズと火力に注目した場合、最も小さいのがVFで、その次がバタラとなる。

 火力においては基本実弾のみのガーリオン、適宜細かく調節可能なバタラが条件に合致している。

 が、VFは大気圏内外・重力圏内外問わず無調整で運用できるのが強みであるから、可変機構(=スラスターの一方向への集中と空力特性の獲得)が余り重要ではない上にコストの高さから断念した。

 ゲシュペンストはVF程ではないが生産性はそこまで高くないため、広範囲に広がる各サイドへの配備に時間がかかってしまう可能性があった。

 で、残ったのがコストと整備性・生産性全てに優れたバタラとガーリオンであり、この二機でのハイローミックスが決定した。

 それに付け加える形でジガン系の特機とデストロイドモンスターを始めとした火力支援機がコロニーに近づく敵勢力を迎撃する。

 あくまでコロニー防衛のための迎撃が主眼であり、コロニー自体への攻撃を防いでくれるジガンがいるので、機動兵器側の装甲には多少目を瞑ったため、この様な割合となった。

 

 3、火星の場合

 ジェガン3:ゲシュペンスト2:VF2:その他4

 地球よりは小さいとは言え重力があり、歩行能力は重視される。

 また、地球同様の過酷な環境への対応が求められる。 

 そのため、最も雑多な割合になっているが、火星は木星と並ぶA.I.M.のお膝元であり、相応の兵站を確保できている。

 最悪、無人ワープで物資を届ける事も可能なので、最も多様な兵器類を見る事が出来る。

 なお、その他の内訳で最も多いのデストロイドシリーズとバレリオンである。

 

 4、木星の場合

 バタラ5:ガーリオン1:VF1:その他3

 開拓済みの太陽系においては最大の資源惑星であり、A.I.M.の最重要戦略拠点でもある。

 コロニー内や資源衛星基地を除けば、その巨大な重力圏での活動を余儀なくされる。

 そのため、設計段階で木星圏での活動を考慮しているバタラ系、高い機動性で活動可能なガーリオンとVFが配備されている。

 その他はA.I.M.所属のシズラー軍団で主に構成されており、そのシズラー軍団だけで他の全てを一蹴しかねないだけの性能を持っている。

 

 5、土星の場合

 バタラ2:ゲシュペンスト2:ガーリオン1:VF2:その他3

 巨大な重力圏を持ちながら地上戦が可能な程度の陸地(氷多し)もあるため、土星基地の部隊は地球に酷似した編成であり、宇宙に展開している部隊の編制は木星のそれに近い。

 その他は主にデストロイドモンスターやジガン系といった対多数を主眼とした特機や準特機級機体からなる。

 ほぼ全ての機種を採用しているのは、今のジオン共和国では余り大っぴらに最新鋭機のデータ取りとか解析が出来ないからという理由もある。

 

 

 大体こんな感じの割合で配備する予定なのだが…

 

 

 「おい、作っても作っても注文が減らないぞ。」

 「追加注文です。今度はオプション込々でジェガン一個大隊です…。」

 「畜生!また初期ロットに不具合だ!」

 「今夜も徹夜かぁ…一体何度目だっけか…?」

 「あーバタラ系とAM系は生産楽で良いんじゃ~。」

 

 太陽系の全軍需系企業にもの凄い数の注文が入ったため、現場も上層部も中間管理職も皆一様にデスマーチ状態に突入、生産体制が軌道に乗り始めるまで不眠不休の努力が続けられるのだった。

 

 

 ……………

 

 

 同じ頃、斯様に大量生産で利益はウハウハ(だけど仕事量が殺人的)のアナハイムはこれを機に一つの転換期を迎えようとしていた。

 

 「いかん。これでは完全に特機市場に遅れを取ってしまっている。何とかせねば…。」

 

 特機。

 それは時に一機で艦艇一隻分にも匹敵する対異星人・地球外生命体を想定した巨大兵器。

 単騎で戦局を覆す切っ掛けを与えるべく開発されたそれらは、正に一騎当千の戦闘能力を持ったスーパーロボットだ。

 太陽系全土で機体の募集をした地球連邦、否、A.I.M.(=スポンサー)の声に応えて各地から集められた試作型特機達は既にして実戦証明済みのものすら存在する。

 

 「何とかしてこの巨大市場に食い込まねばならない。」

 

 太陽系第二位の巨大複合企業たるアナハイムとしては、A.I.M.の独走状態を崩すためにも自らも特機市場へと参加したかった。

 しかし、アナハイムには特機開発のノウハウは無い。

 

 「何か案は無いかね?」

 

 この上からの無茶ぶりに応えるべく、現場から幾つかの企画書が上がってきた。

 

 「どれどれ……成程、大型化と高性能化。大別すると二つのパターンになる訳だな。」

 

 普通の特機の様な大型化による高性能化。

 要はMAや大型MSと同じ系譜だ。

 対して、高性能化とはサイズそのままに特機級の性能を付与する事だ。

 技術的には後者の方が難しく、しかし既存艦艇での運用が可能等のメリットも多い。

 

 「我が社には余裕が無い。ならば両方やって遮二無二ノウハウを得ていくしかない。」

 

 幸いと言うべきか、ジガン系二機とデストロイドモンスターを購入し、更に現場から何とかシズラー0とプロト・ゲッターのデータを僅かながら入手できた。

 これらを解析し、自社製MSに反映していく。

 それこそがアナハイムの次の目標だった。

 なお、技術的には完全に盗用であり、訴えられたら負けるしかない。 

 

 「で、命じられた訳ですが…。」

 「いきなりは無理だっつーのに…!」

 「安心しろ。プランはある。」

 

 上層部から無茶ぶりされた現場の技術者達は一計を案じた。

 

 「別に一つの機体に解析できた技術を纏めて搭載する必要はない。」

 「あ!」

 「つまり、別々の機体でそれぞれ検証しようという事か?」

 「許可、出るか?時間は兎も角人手が凄い必要だぞ?」

 「こんな無茶ぶりをしてきたのは上だ。上に頑張ってもらおう。」

 

 こんな下からの提案に、上はにやりと笑った。

 

 「宜しい。許可を出そう。」

 

 こうして、アナハイム製特機開発計画はスタートした。

 

 「やってみて分かったが、確かにこれは大型化しないと纏めて搭載は無理だな!」

 「特機が皆大型機なのがよく分かる…。」

 「流石は各社がそれぞれ粋を集めて設計しただけはあるな。」

 

 ジガン系にデストロイドモンスター、ゲッターにシズラー。

 それらの技術を部分ごとに分類し、再現しようという計画。

 例えば装甲材質等に関しては材料工学系の技術者が担当し、武装類に関してはレーザーやビーム、実弾ならば更にミサイルや炸薬式火砲、レールガン等に細分された上で専門家が担当していく。

 多数の技術者を擁する巨大な複合企業体であるアナハイムにとって、そうした大量の技術者を動員するのは決して不可能な事ではなかった。

 

 「があああああああ!!駄目だ、出来ん!」

 「何だこのスペースチタニウムって…。」

 「最新のガンダリウム合金よりも頑丈ってマジかい…。」

 「ゲッター線とは…宇宙とは……!」

 

 が、ジガン系とデストロイドモンスターの解析と再現は割と上手くいっているのだが、如何せん僅かな情報しかなかったプロトゲッターとシズラー0に関してはカタログデータは入手できてもそれ以外の面で余りに未知数に過ぎた。

 

 「駄目だなこれは…。基礎的な技術レベルが隔絶している。」

 「どうします?」

 「取り敢えず、ジガン系をベースとした大型機と特機由来の技術をMSに転用した高性能機で行くべきだろうな。」

 

 技術レベルの違いによる実質的なブラックボックス。

 アナハイムは超えるべき商売敵の背中が遥か高みにある事を知り、頭を抱えた。

 そのため、妥協とも言うべき方向へと方針を変えた。

 

 「別にジガンそのものじゃなくて良い。アナハイム風に昇華して別物にする。」

 「例えば?」

 「広範囲のDF展開にアプサラス式メガ粒子砲がジガン系二機の特徴だ。が、その出力を機動性と運動性に全振りしてみるとしたらどうなると思う?」

 「!?」

 「テスラドライブのお陰でデカブツでも空を飛べるし、自在に動ける。」

 「つまり、次の目標は高機動・高火力かつ白兵戦闘もこなせる大型MS…!」

 

 ここから開発チームは予定通り二分され、大型化チームと高性能化チームへと分かれていく事となる。

 この大型化チームは後にクスィーやペーネロペーガンダムの開発に成功する事となる。

 が、後者はその難易度から開発は遅延した。

 

 「それだけじゃない。ゲッターとシズラーの操縦方法は知っているな?」

 「確か腰の後ろが座席と繋がってて、パイロットの動きが直接伝わるシステムですよね?」

 「直接動作操縦システムと言うらしい。これを使った通常サイズのMSを作る。」

 「へ?別にそれだけなら…」

 「序にFI社から入ったサイコセンサーの発展系があったろう、あれも使う。」

 「一体どうして?確かに例のバイオセンサーなら反応速度も上昇するでしょうけど。」

 「こっちはサイコミュ担当班からデータ取ってくれって頼まれたのさ。ま、大丈夫だろう。」

 

 当然ながら、問題が発生した。

 一般パイロットの脳波を拾って動作補助を行うサイコミュセンサーを更に鋭敏化したバイオセンサー。

 原作のそれよりも鋭敏化したそれは、パイロットの反応を過敏に拾うせいで機体をじゃじゃ馬化してしまう事態が多発した。

 しかし、それを差し引いても驚異的な反応速度を発揮し、時には観測機器の故障か夢でも見ていたのかと思う程の結果を叩き出すバイオセンサー搭載機を諦める事は出来なかった。

 

 「えぇい、自分の肉体位十全に扱えるパイロットはいないのか!?」

 「まぁ機体を扱うのは上手くても、今までの機体とは全然違いますからねぇ。」

 「……仕方ない。軍や他の企業、一般市民からでも良い。十全に肉体を制御可能な人間を探す他あるまい。」

 「えぇ……(困惑)。」

 

 この時の技術者らの諦めの悪さは特筆に当たった。

 機体に不備があるのなら、その不備を無視できるパイロットを乗せれば良い。

 そんな本末転倒な考えで大丈夫なのかと思うが、勿論大丈夫ではなかった。

 が、そんな当たり前の事に気付く事も出来ない程に、彼らは特機という存在へと魅了されきってしまっていた。

 そして、大揉めが予想されたパイロット候補生選定は優秀なスカウトマンの努力により何とか二人だけ確保する事に成功した。

 

 「ほぉ、ここがワシが操縦するに足るMSを開発しておる所か。」

 「わ~父さんや兄さんの仕事場に似てる~。」

 「これドモン、これから世話になるのだ。挨拶位せぬか。」

 「はい師匠!ボクはドモン・カッシュ、流派東方不敗の弟子です!」

 「ワシは面映ゆいがマスター・アジア等と呼ばれておる老い耄れよ。まぁよろしく頼む。」

 

 開発陣は思った。

 え、何この凄いカリスマ感じる爺様とショタは?

 

 

 この出会いが巡り巡ってMSならぬMF開発へと繋がっていく事に、この場の面々は未だ知らないのだった。

 

 

 

 




アナハイム
特機作りたいけどよー分からん

よし、他の会社の真似すんべ!

一部解析できへんけど形にしてみっか!
序に合併したFI社から貰ったシステム組み込んでみるべ!

何か想定外の代物が…あれー?
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