多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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修正
地下勢力連合→地底種族連合


第31話 巨人の産声 そして…

 新西暦185年 秋

 

 かねてより設立が決定されていた地球連邦軍独立治安維持部隊「ティターンズ」が設立された。

 主な任務内容は地球圏の治安維持を名目とした対テロ・異星人他の撃滅である。

 この部隊の人員に関しては以前より選抜されており、極端な地球人類至上主義者並び貴族主義者から構成されており、内部は実質的に二つの指揮系統が存在するという問題があった。

 しかし、配備されたMSを始めとした兵器はどれも新品の最新型であり、スポンサーであるジブリール財閥並びロームフェラ財団の多大な支援と期待を現していた。

 

 「しかし意外でしたね、ロームフェラ財団がこうまで出資してくるとは…。」

 

 ティターンズに関する諸手続きをする中、ポツリとジャマイカン少佐が告げた。

 

 「何、簡単な事だよ。」

 

 それを上司であるジャミトフが説明した。

 

 「ロームフェラ財団の長であるデルマイユはな、トレーズを扱いかねて……いや、持て余しておるのだよ。」

 「故に島流し、ですか?」

 「その間に再度スペシャルズを自分の影響下に置き直すつもりだろうがな…。」

 「それは、無理では?」

 「役者が違い過ぎるからな。」

 

 あっさりとジャミトフはジャマイカンの意見を肯定した。

 

 「まぁ我々は連中がやらかし次第、軍規に則って公正に裁くのみ。それだけで済む。」

 「既に憲兵隊と陸戦隊とは話が付いています。」

 「教導隊ともな。もし自棄になった所でそれで済む。」 

 

 これでティターンズがどうやらかそうと対応できる。

 また、地球連邦軍教導隊機動兵器部門の若手将校を中核とした一派は彼らと主義主張は似通っているものの、精鋭軍人として優れた見識を持つ彼らにはティターンズを構成するブルーコスモス並び行き過ぎた貴族主義者の存在を事前に十分に教えられている。

 即ち、今後の地球人類にとって、この連中が害悪である事をしっかりと認識していた。

 これでもう、ティターンズ参加者には実質的に地球連邦軍内での居場所が無くなっていた。

 

 (ま、巻き込まれただけの人員がいた場合、新しい戸籍と名前を用意するがな。)

 

 勿論、アフターケアの用意もバッチリである。

 

 

 ……………

 

 

 新西暦185年 冬

 

 「は?ズール銀河帝国に動きあり?」

 

 時折やってくる宇宙怪獣やインベーダーの億単位の大艦隊を撃滅しながら、採掘した資源でヴァルチャーやOF、無人仕様改エクセリオン級を生産して日々を過ごすトレミィ達こと太陽系防衛用無人兵器部隊は最近は専ら観測用となってるデコイ艦からの急報に驚いていた。

 

 「はい。大規模な艦隊が行動中です。」

 「隻数は?」

 「約1憶。機動兵器に関しては不明です。」

 「ワープ実装してる艦と機動兵器も多いから…本気か。」

 

 ズール銀河帝国。

 それは強大な念動力者にして悪の思念体(=人の集合無意識の悪の側面=負の無限力の一つ)でもあるズール皇帝の圧倒的戦闘能力を背景とした絶対君主による恐怖政治体制の国家である。

 ギシン星を首都とし、同星を中心に半径一千光年という極めて広大な支配領域を誇る。

 この支配領域内にはボアザン星、キャンベル星、ベガ星雲、フリード星、ラドリオ星他多数の有人惑星が存在し、一部が滅亡、多くが属国状態となっている。

 なお、バッフクラン並びゼ・バルマリィ帝国と支配領域が接しているため、両者とは日常的に戦争している。

 が、支配領域からガンガン収奪しているので、その無茶な攻勢に陰りは見えない。

 支配領域で圧制を敷けば敷く程に悪の、負の思念が強まり、結果的に本人が艦隊戦力を整備するよりも多大に強化される。

 更にその力で以て外敵と内部の反乱分子に更なる暴虐を敷いているため、更に強化されるという。

 単体戦闘能力だけを見ても、この銀河においても5指に入る強大極まる存在である。

 他にも洗脳や分身、物理的な攻撃では殺せないという頭のおかしな能力を多数持つ。

 そんな奴が本気で指揮下の艦隊戦力を動かしているのだ。

 しかもその気になればズール皇帝の超能力で幾らでも艦隊をワープさせる事も出来る。

 はっきり言って超危険な状態だった。

 

 「レビル首相並び地球連合軍総司令部、それと女王陛下にも通達。」

 「宜しいのですか?」

 「何が起こるか分からないんだから仕方ない。全戦力は即応状態で待機。特に地球圏最終防衛ライン担当のOF隊はいつでも動けるように。要人警護も抜かりなく。」

 「コードREDは発令しますか?」

 「…今はまだ無しで。」

 「畏まりました。」

 

 こうして、太陽系は未だ完全に準備が終わらないまま、新たな戦乱の気配に戦くのだった。

 

 

 ……………

 

 

 一方、そんな事は知らないティターンズは設立早々にしてやらかしていた。

 アフリカ等で撤退命令に従わず、そのまま地球に残留して匪賊行為を繰り返していた一部の旧ジオン公国残党兵。

 彼らは一年戦争以前からの犯罪者であり、人員の足りなさから減刑・釈放を餌に駆り出されたのだ。

 地上の重力戦線の趨勢が固まると、即座にジオンに見切りを付けて現地犯罪組織との伝手を辿って離脱、以降は最新鋭機には大きく劣るが旧式のMSをも保有する武力組織として各地での民族紛争でPMCとして活躍、時々サイドビジネス=略奪を楽しみながら財貨を稼いでいった。

 これに以前から目を付けていたティターンズはストーク級6隻とその艦載機を用いて現地の市街地のど真中で攻撃を敢行、民間人多数を巻き込みながら当該残党兵からなるPMCを殲滅した。

 艦載機はジブリール財閥開発のダガーシリーズを主体に、リーオーやエアリーズ等のロームフェラ財団系のMSで構成されている。

 ダガーシリーズはジム系を旧プラント系の技術者(地球にいたのを人質取って協力させた、処分済み)が再設計した機体であり、その性能は購入したDFやテスラドライブを搭載、マグネットコーティングを施してある事もあって優秀であり、尚且つ低コストだ。

 が、操縦系統にはサイコセンサーを搭載していないため、反応速度や操縦性においては若干劣る。

 それでもロームフェラ財団に依らない大事な戦力として運用されていた。

 そして、予定通りPMCを殲滅した後は、蓄えられていた財貨をどさくさに紛れて懐に入れる事に成功していた。

 加えて、「テロリストが紛れ込んでいる」として、市街地から逃げようとする民間人を皆殺しにし、略奪を終えた後に爆撃まで加えてから立ち去った。

 無論、これには現場の人員の一部からしても眉を顰める所業だったが、それでも目的は果たせたし、何より部隊の大多数は気前よくばら撒かれた財貨の一部に歓声を上げる様な連中だった。

 

 「ん~~やっぱり赤いのは良いですねぇ。」

 

 そんな惨状を楽し気に見るのは、この部隊の指揮官たるアーチボルト・グリムズ大佐だ。

 以前からジブリールの下で非正規任務に従事していたこの男は、人の流血こそ趣味とする「外道」としか呼べない性根を持っていた。

 どんな残虐な任務でさえ、報酬云々ではなく「趣味」として楽しめるから実行し、そうでなくともそれなり以上に優秀で仕事を成功させるため、ジブリールからは便利屋として重宝され、一年戦争の頃もジブリールの根拠地にあたる東欧でジオン相手に焦土戦術を始めとした敵味方双方へと容赦のない戦術で散々に荒らし回ってすらいた。

 そういう意味ではこのアーチボルト・グリムズ大佐は間違いなく軍人としてベテランであり、優れた指揮官だった。

 

 「お次は何処にしましょうか。」

 

 これを手始めに、ティターンズはテロリストの排除を進めていくのだが、余りに残虐非道なやり方に非難が殺到し、後にその牙を向けられては堪らないと連邦軍内部の有志とアナハイムをメインスポンサーとしてエゥーゴが結成されるのだった。

 

 

 ……………

 

 

 新西暦186年 1月1日

 

 レビル首相による新年を迎えられた事を祝う演説の最中。

 宇宙からの侵略を警戒していた連邦軍を嘲笑うかの様に、一連の戦乱は先ず地下からの奇襲、そして異次元からの侵略によって始まった。

 

 「ギギギ!我らは地底種族連合!猿共め、大人しく降伏するがいい!」

 『我らムゲ・ゾルバドス帝国!地球人類共よ、降伏せよ!抵抗は無意味だ!』

 「『………。』」

 「取り敢えず地球連邦を下してから、上の人と話し合ってくれんか?」

 『了解した。先ずは地球連邦軍の相手を優先するよう掛け合ってみる。』

 

 そんなコント染みた会話から、地球圏最大の受難は始まった。

 なお、この数か月後にズール銀河帝国とゼ・バルマリィ帝国もほぼ同時期に侵略を開始する模様。

 

 

 

 




 「お前ら他所に行くか一遍に来るんじゃない!」

 地球人類は大体似た様な感想を抱いたという。
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