多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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ぐぎぎ、日付変更に間に合わなかった…!


第四章 一年早くて延長な第一次α
第1話 第一次スーパーロボット大戦α 開幕


 新西暦186年 1月1日

 

 地球は地底と異次元からの奇襲により、極度の混乱へと飲み込まれた。

 地底種族連合とムゲ・ゾルバドス帝国。

 しかもこの両者は当面の敵を地球連邦と定めており、お互い邪魔する事なく地球各所で暴れているのだ。

 

 「ギギギ!猿共、我ら爬虫人類に平伏すがいい!」

 「ふはははは!我ら百鬼帝国の礎となるがいい!」

 「連邦軍など恐れるに足らず!ご覧くださいDr.ヘル!このブロッケンが…」

 『ポイントに誘導完了!』

 『各機、集中砲火!』

 「「「ぎゃあああああ!?」」」

 

 が、奇襲当初から一か月としない内に逆撃を受け始めた。

 一時は演説中だったレビル首相の命すら危なかったのだが、異星人を仮想敵として連邦軍全体が訓練を欠かす事無く自らを鍛え続けてきたのが大きい。

 無論、太陽系外周を守る土星基地や資源地帯である木星を守る駐留艦隊に比べれば練度も装備も一段劣るが、それでも有力な部隊は多数存在する。

 特に有名であるのが地球連邦首都たるダカールを幾度もの侵攻から守り抜いた首都防衛隊、極東方面軍で民間開発の特機他訳ありの人員を纏める形で構成されたマーチウィンド、欧州・中東方面で暴れ回っているティターンズとスペシャルズ、そして地球圏最大最精鋭の名を欲しいままにする旗艦マクロス改他ISA戦術対応艦で統一されたαナンバーズである。

 これらの部隊だけでなく、各方面から選抜された人員によって火消役として編成された抽出打撃部隊(最新装備+ストーク級orガルダ級)の活躍により、辛うじて重要な資源地帯に市街地、大規模軍事施設等は守る事が出来ていた。

 が、最大の理由はそこではない。

 

 『コードRED発令、コードRED発令。』

 『レムリア女王並びひびき洸少年への攻撃を確認。護衛により対処済み。』

 『敵勢力は恐竜帝国、百鬼帝国、機械獣軍団、ムゲ・ゾルバドス帝国と確認。』

 『地球圏防衛用無人OF部隊は所定の作戦行動を実行せよ。』

 

 約2億を誇る太陽系防衛用無人兵器部隊の奥の手、無人OF隊が動いたのである。

 彼女らの活躍により、開戦当初の異次元と地底からの奇襲は防がれた。

 地底からの電話線や都市ガス管、水道管等の都市部の重要なライフラインの破壊こそ防げなかったものの、地方行政府や工業地帯、各大企業群の生産工場の防衛には成功した。

 演説中に襲撃を受けたレビル首相を護衛したのも、彼女ら無人OF部隊だった。

 まぁいきなり地中と虚空から現れたMSサイズの機動兵器への対応を歩兵で行う、若しくは足元の他の政府要人やマスコミのカメラマン等を気にせずMSを突っ込ませるのは如何に精鋭で揃えられた首都防衛隊でも無理だった。

 他にも人間に化けて潜り込んでいた爬虫人類の掃討も無人OF部隊により行われ、人類社会に浸透していた爬虫人類の内の殆どが狩り出され、決して抵抗を諦める事が無かったため例外なく射殺された。

 現在、最初の混乱を乗り越えた地球連邦政府はレビル首相による徹底抗戦の決定ならび両勢力へと宣戦布告を返し、正式に開戦した。

 これにより一年戦争から僅か6年の間を置いて、地球人類は異種族に対する生存競争を開始する事となった。

 態勢を立て直した地球連邦軍は各所で反撃を開始、各サイドや資源衛星基地、月面へと配備していた一部戦力を抽出して殲滅しようと考えたのだが……

 

 

 『冥王星工廠基地の太陽系防衛用無人兵器部隊より入電!インベーダーによる大規模侵攻を確認!数は…10億!?ほ、他にも異星人の有力な艦隊多数が接近中との事です!』

 

 

 この報告により、地球は現状の戦力で事態に対処する必要に迫られた。

 そして開戦より3か月後、地球の情勢はある種の膠着状態となる。

 これは地球上の各陣営が決着を付けるための準備段階である事は、誰の目にも明らかだった。

 

 

 ……………

 

 

 新西暦186年 4月 極東方面 獣戦機隊基地

 

 「こいつら、いつもいつもしつこい!」

 

 沙羅の搭乗するランドクーガーは戦車形態のまま、高収束ビーム速射砲と二つの5連装ミサイルランチャーを用いて次々とやってくるムゲ帝国の機動兵器ゼイ・ファーへと対空射撃を行っていた。

 特にこの高収束ビーム速射砲、その名が示す通り毎分300発もの連射を可能としている。

 同型のランドライガーよりも一発当たりの火力と装甲こそ劣るものの、獣戦機中最高の射撃能力に身軽な運動性を活かした立ち回りに関しては勝っている。

 また、獣戦機隊メンバーの中では最も射撃に長けているため、こうした対空射撃は彼女も得意とする所だった。

 だがそちらは囮であり、今回の攻撃は本格的なものだった。

 空に気を取られていた彼女の下、地面が激しく振動する。

 

 (まずっ)

 

 直感のまま、即座にその場から後退し、人型形態へと変形する。

 変形完了とほぼ同時、地面の下から恐竜帝国のメカザウルスが次々と姿を現す。

 

 「こちらランドクーガー、敵増援と接敵!応援求む!」

 

 通信器に怒鳴ると同時、人型となったランドクーガーの両手に高収束ビーム速射砲とブラスターガンを構えると、碌に狙いも付けず連射する。

 ダメージにより苦痛の悲鳴を上げ、何体かのメカザウルスが倒れるが、その全てを倒す前にランドクーガー目掛けて後続のメカザウルスが次々と突撃してくる。

 

 「チィ!」

 

 その突撃をヒラリと回避し、更に射撃を加える沙羅。

 が、やたら頑丈で生命力に富む上に反応速度に優れる生体兵器としての性質を活かし、徐々にメカザウルスは包囲を作り、狭めていく。

 

 『沙羅、跳べ!』

 「っ!」

 

 通信器からの命令に、沙羅は何も考えずにその場から機体を後方へ向けて大きく跳躍させる。

 次の瞬間、彼女を襲おうと包囲を狭め、一か所に集まったたメカザウルスへと大量のビームやミサイル、砲弾が撃ち込まれ、瞬く間に殲滅されていく。

 

 『どうにか間に合ったか。』

 「シャピロ!」

 

 そこに現れたのは獣戦機隊の指揮官にして沙羅達の教官でもあるシャピロ・キーツとその部下の駆る獣戦機の試作機の内の一つ、コマンドウルフ隊だった。

 背部の武装を交換する事で陸戦に限るが高い汎用性を誇り、音速で疾走するこの機体は獣戦機隊基地の防衛のために急遽少数生産されていた。

 この内の一機をシャピロは受領しており、残りの機体を直接指揮下において小隊を編成、運用していた。

 

 『沙羅、一度補給に戻れ。その後、西からの増援に対処する。』

 「そんな、私はまだやれるよ!」

 『良いから聞け。戦いはまだまだ続く。ここで僅かでも獣戦機隊の人員を欠く訳にはいかん。』

 「分かったよ…。」

 

 獣戦機だけでなく、特機の運用には厳しい制限が付く。

 それは機体そのものの生産と運用のための周辺施設だけでなく、最も貴重なパイロットにこそ言える事だった。

 それをよく知るシャピロの断固とした厳しい言葉に、沙羅は渋々といった様子で従い、獣戦機基地へと戻っていった。

 

 (…懐かせ過ぎたか。)

 

 その様子を、シャピロは頭が痛そうに見送るのだった。

 結局、この日の襲撃は日没近くまで戦闘が続いたものの、獣戦機隊基地はまたも防衛に成功するのだった。

 こうした襲撃は極東方面を中心に断続的に行われており、他方面は何とか落ち着いていた。

 しかし、この程度では終わらないとシャピロを始めとした指揮官や将校らは理解していた。

 この緊張状態が破られるのは一か月後、極東方面にて突然の地震の発生、その直後に出現した地底種族連合の盟主を名乗る妖魔帝国の襲来まで待つ事となる。

 

 

 

 ……………

 

 

 新西暦186年 5月 ムトロポリス周辺地域

 

 極東某所の海沿いにある臨海市、そこにあるムートロン専門研究施設であるムトロポリス。

 そこを中心とした一帯に大地震が発生、周辺市街地に大きな被害が発生した。

 その直後、近くの臨海学園から一人の少年が血相を変えてバイクに乗り、海を目指していた。

 彼の名はひびき洸。

 プロトカルチャーの末裔たるレムリア女王ことひびき玲子と考古学者ひびき一郎の息子だ。

 最近妹が出来た彼は、しかし母親の権力目当てにすり寄って来る有力者やマスコミの存在に苛立ちを隠せず、更に長年行方不明だった母親とその部下達の課す各種教育にストレスを貯めていた。

 幼馴染みの桜野マリの慰めと応援、臨海学園の先生方や市民の人達からの同情とマスゴミ等のシャットアウトが無ければ、彼は間違いなくグレていただろう。

 そんな彼はつい先程、地震発生の直後から様子がおかしく、更には突然の雷に打たれて失神した。

 その瞬間を見ていた洸と同じサッカー部の面々は彼を病院に連れて行こうとしたのだが(救急車は地震で大きな被害の出た街に出払ってて無理だった)、突然飛び起きると海目指してバイクで走り出してしまったのだ。

 これに仰天した友人達は追い掛けるも、バイクに敵う筈もなく。

 マリの運転していたバギーに相乗りさせてもらう事で追い掛けるも、法定速度と道路状況無視のバイクに追い付けず。

 結局、流されてきたボートに乗って沖を目指す洸の存在を大人達に教えて、救助を願う事になった。

 

 『こちら鹿島、市街地の救助活動に参加中!手隙の方は手伝ってください!』

 『こちら香取、校舎に倒壊の恐れあり。生徒達を避難誘導中につき無理です。』

 『こちら大淀、重巡・軽巡組に向かってもらいました。もう暫くお待ち下さい。』

 『こちら長門、沖合海底に多数の動体反応と大型熱源を確認。接敵まで後10分。』

 『こちら陸奥、同じく反応を確認。これが妖魔帝国って奴らかしら?』

 『こちら伊5-8、海底ピラミッド内部の反応が活性化したでち。やっぱりライディーンが起きたみたいでち。』

 

 そして、そんな超重要人物らがいる場所にトレミィ達が戦力を配置していない筈がない。

 要人護衛及びムトロポリス防衛のために専門化された特務部隊を配置、そうであると今日まで一切気付かせずその任務を果たしてきた。

 

 『来ますかね、妖魔大帝バラオが?』

 『先ずは偵察、後に威力偵察、そして本格的な攻撃だろう。』

 『最終的には親衛隊、或いは大帝本人って所でしょうか?』

 『何れにせよ、これで私達の任務は第二段階に移るという事です。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『勇者よ、此処にライディーンが待つ…!』

 『勇者よ、ライディーンに乗れ…!』

 

 「ネンシン、キリキ…」

 「コウショウ、コンライ…」

 「フェード、フェード…フェード…!」

 「ラァァイディィィィィン!」

 「フェェェェェド、イン……!!」

 

 そして、洸は祖父に当たるムー帝国先代皇帝たるラ・ムーの声に導かれるまま、対妖魔帝国の切り札たる勇者ロボ「ライディーン」に搭乗した。

 今後、彼は友人達と共にムー帝国の末裔と遺産を目の敵にする妖魔帝国との闘いに身を投じていくのだった。

 

 

 




太陽系外縁部ではインベーダー・バルマー・ズールが太陽系を目指して進軍、三つ巴で雪崩れ込んでこようとするのをトレミィ達は必死に迎撃していました。

なお、艦娘勢は全員が高級ナノマシン式自動人形ですが、本体は無人OF「セト」であり、自動人形としてのボディは端末です。
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