多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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よし、何とか今日中に投下できたな。


第3話 ターニングポイント

 新西暦186年 7月 地球

 

 

 『洸…大丈夫、大丈夫だから…。』

 

 『ほら、ぎゅー……。』

 

 『私の心音、聞こえるでしょ?』

 

 『私も生きてるし、洸も生きてる。』

 

 『大丈夫。洸が何をしても、私は受け入れるから……』

 

 

 

 

 『洸!だいじょうb』

 

 『『『……………』』』

 

 『よし、これで孫が出来るわね!』

 

 

 

 

 「出てけぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 余りの悪夢に、洸は絶叫と共に起き上がった。

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…!夢だったか…っ!」

 

 先日の初陣とその後のアレな出来事の余りの衝撃に、洸は時折こうして悪夢に魘される事があった。

 あの出来事の後、父一郎が洸・玲子・マリのそれぞれに対して社会的一般常識と父親としての立場から訥々と実に真っ当なお説教が行われた。

 その結果、洸は男としての責任を取る事となり、マリと婚約する事となった。

 性交渉に関してはしっかり避妊し、結婚可能年齢となるか戦乱が終わるまでは子供を作らない事を約束した。

 但し、政治的事情によって今後妻が増える可能性もある事は明言されており、その場合は連邦政府と協議の上で重婚する事となった。

 玲子に関しては今後、母親と言えども息子と恋人のプライバシーを侵さないように言われ、若干難色を示したものの…

 

 「そんな事言ってると初孫の顔を見せてもらえなくなるよ?」

 「分かりました(0.1秒)。洸、マリさん、本当にごめんなさいね。」

 

 なお、こんなひびき家のあれこれを見ていた妹の晶は家政婦の鳳翔と間宮の傍で終始きゃらきゃら笑っていた。

 将来が実に楽しみな娘さんである。

 

 「洸、大丈夫!?」

 「あ、マリ、おはよう。」

 

 先程の叫びを聞き付けてか、マリが直ぐにやってきた。

 

 「その様子だと、大丈夫みたいね。」

 「あぁ、うん。夢見が悪かっただけだから…。」

 「あー。」

 

 言葉を濁す洸に、マリもまた苦笑いと共に納得した。

 折角の恋人との初体験が実にアレな顛末になってしまってガッカリしたのは彼女も同じだった。

 が、今はこうして出撃のない時は毎朝起こしたり頻繁にいちゃいちゃしたりデートしたり○○○したりと、以前よりも周囲に遠慮なく付き合う事が出来ているので、結果的には満足していた。

 加えて、再会早々に女王就任という事もあって何処か遠慮のあった玲子との関係も今回の一件から遠慮が無くなり、良い意味で扱いが雑となり、普通の家族に近付く事が出来た。

 代償は大きかったが………それでもまぁ、何とか全員が落ち着く所に落ち着く事が出来たのだ、うん。

 なお、二人のこの行動は周囲から常にバカップルとして見られており、護衛役の艦娘らと街の人々からは生暖かい視線、或いは嫉妬と憎悪の込められた視線を向けられていた。

 

 「着替えるから下で待っててくれ。」

 「うん、遅れないようにね!」

 

 今日、洸は他の特機とそのパイロット達と共に、乾坤一擲の作戦を行う予定だった。

 

 

 ……………

 

 

 同日 極東方面 富士山近く 光子力研究所

 

 連日、全方位通信で「地底種族連合へ、決着を付けよう。○○日に光子力研究所にて待つ。」という内容の放送をし続けた後、ゲッターロボにマジンガーZ、そしてライディーンが光子力研究所前の広場にて待機していた。

 

 『本当に来ると思うかい、竜馬さん?』

 『ハッ!来るならぶっ殺す!来ないなら探し出してぶっ殺す!変わんねぇよ!』

 『竜馬の言う通りだ!結局生存競争なんざそんなもんよ!』

 『皆さん、本当に元気ですね…。』

 『ま、洸もリラックスして待ちな。力んだ所でどうしようもないしな。』

 

 兜甲児のマジンガーZは、この日のための装備としてジェットスクランダーのみならず、多数の追加武装を搭載していた。

 背面と腰の左右と後ろを中心に光子力ミサイルランチャーや光子力ロケット弾ポッドを装着し、両手には光子力ビッグバズーカを装備している。

 これらは全て弾切れし次第パージ可能であり、その後は通常装備のマジンガーZ(スクランダー装備)として活動できる。

 流竜馬・神隼人・巴武蔵の三人のゲッターチームの乗るゲッターロボもまた、多数の追加装備を持ち込んでいた。

 とは言え、三機のゲットマシンの複雑な分離合体による三段変形をする構造のため、機体の直接追加武装を施す事は出来ない。

 周辺に大量の装甲コンテナを設置し、その中に多量の手持ち式の武装を格納してあるのだ。

 内容はミサイルマシンガンやガトリングガン、マシンガンにロケットランチャー、回転式グレネードランチャー等であり、機体サイズの関係上で元々は艦載武装を手持ち式に作り変えた代物だ。

 単純な実弾兵装だが、その威力は既に証明されている。

 以降、これらの武装のデータを流用して汎用性が低い特機向けの汎用兵装が開発される事となる。

 これだけでは一見物足りないようにも見えるが、大元のゲッターロボ並びゲットマシンの性能が本来のものよりも強化されており、特にゲッター炉心の出力はゲッター戦艦から得られた初期のゲッターロボに比べて倍近い出力を誇り、装甲強度も大幅に向上している。

 これは早乙女博士がA.I.M.の身内であり、多くのバックアップを受け続けた結果だった。

 まぁその分、最古参の自動人形達からはあの典型的マッドサイエンティストな容姿なのに未だに「賢ちゃん」呼ばわりされて可愛がられている事は本人的に忸怩たるものがあるらしいが、地球の未来のためにも耐えてほしいものである。

 なお、最後に残ったライディーンに関してだが…

 

 「え、寧ろ強化とかいるの?」

 「古代ムー帝国産の決戦兵器に付け足すものとかどう開発せいと…。」

 「そもそも通常の装甲よりも頑丈過ぎて何も取り付けられないのですがそれは。」

 

 という残当な結果に終わってしまった。

 そのため、普段は専門のサポートメカであるブルーガー(ムトロポリスにて開発・生産)小隊並び艦娘勢の駆るクラウドブレイカーⅢ(という名の擬装した無人OFセト)が支援を行っている。

 なお、桜野マリはブルーガー隊に志願したものの、洸本人から「頼むから家で待っていてくれ!君のいる我が家に帰りたいんだ!」という熱い説得と土下座によって大人しく家で待つ事となった。

 

 『皆、奴らに動きがあった!』

 

 グダグダしていた一同は途端に身を引き締め、弓博士からの急な通信に耳を傾けた。

 

 『現在、地底種族連合は富士川河口から上陸し、途中の市街地を破壊しながらこちらに向かってきている。』

 『民間人の避難状況は?』

 『既に完了している。被害も想定の範囲内だ。』

 『到着までの時間は?』

 『約30分。奴ら、見た事ない程の戦力だ。』

 『具体的には?』

 『飛行要塞グールが3隻、ガンテが4隻、メカザウルス・グダが2隻。それと……。』

 『弓博士?』

 『巨大な浮遊要塞が二つ、こちらに接近中だ。円盤型と珊瑚に似たタイプだ。大きさはどちらも3kmを超えている。また、地上にはいつもの機械獣や百鬼メカ、メカザウルスが展開している他、大型の地上戦艦の様なメカザウルスが2体いる。』

 『ヒュー!大量じゃねーか!』

 

 余りに絶望的な物量差に洸と甲児は顔を引き攣らせたが、寧ろゲッターチームは武蔵を除いて歓声を上げた。

 

 『こんな機会、もうありゃしねぇだろ!徹底的に叩いてやるぜ!』

 『竜馬の言う事も最もだ。ここであいつらを叩ければ、戦力の回復は難しい。地球を平和にするには必要な事だぜ。』

 

 流石は闘争心の塊な所のあるゲッターチーム、こういう時は頼もしい。

 そして隼人の言う事は事実だった。

 百鬼帝国は科学要塞島、恐竜帝国はマシーンランドを投入している。

 どちらも両者の切り札であり、マシーンランドは最低でも三つあるが、科学要塞島は一つしかない。

 機械獣軍団のグールに関しても既に二度撃破した海中要塞の代わりとなる現状唯一の移動基地であり、叩けば確実に暫くの間は活動が大人しくなるだろう。

 

 『連中の本隊がここに到達するまで後15分、先行部隊が到着するまで3分!何とか連邦軍の増援が到着するまで踏ん張ってほしい。そうすれば奴らは袋の鼠になる。』

 『了解了解!到着までにこっちで全部平らげちまっても良いんだろう?』

 『連邦軍には急いで来ないと食いっ逸れちまうと伝えておいてくれ!』

 『よぅーし、そろそろ行こうか!』

 『っ、来ます!』

 

 洸が警告を発した途端、三機がいた辺りへと大量のミサイルや砲弾が降り注いだ。

 

 『っと、無事か坊っちゃん!』

 『子供扱いしないでください!歳はそんな離れてないですよ!』

 『ふ、それだけ言えれば心配ないな。』

 

 現れたのは母艦から発進したばかりの身軽な飛行型のメカザウルスや百鬼メカ、機械獣だ。 

 本隊の露払い、或いは偵察を担当する先行部隊の様だ。

 

 『さぁやろうかぁ!!』

 『開幕は任せな!ミサイル全弾発射ぁ!』

 『行け、ゴッドゴーガン!』

 

 今後の地球の行く末を決める戦いの一つが、こうして始まった。

 

 

 ……………

 

 

 同時刻 バードス島にて

 

 「く、漸く始まったか。」

 

 飛行要塞グールに設置されたセンサーから中継される映像を見て、Dr.ヘルは嗤っていた。

 

 「安心せよ流竜馬、神隼人、巴武蔵、ひびき洸、そして我が宿敵兜甲児よ。」

 

 玉座に座り、周辺のモニターが表示する情報を見て、Dr.ヘルは己の策略がほぼ嵌った事を確信していた。

 

 「貴様らの奮戦が、勇気が、命が無駄になる事は決してない。」

 

 現在、この場所は既に連邦軍により捕捉されており、欧州方面軍の精鋭部隊たるティターンズが急速に向かってきているというにも関わらず、それでもDr.ヘルの嗤いは消えない。

 そんな小蠅程度、別に彼にとっては障害にも成りはしないと確信しているからだ。

 

 「貴様らが鬼に蜥蜴、化け物共を滅ぼし生き残った暁には、この儂直々に引導を渡してやろう。そして、この手に世界を掴み、全てを支配してくれよう。」

 

 この期に及んで、否、この状況になったからこそ、Dr.ヘルは勝利を確信していた。

 自分を含めた妖魔帝国に服従している勢力はどれも胸の内の野心は消えていない。

 しかし、こうして自分は出し抜く事に成功した。

 最終兵器の生産・起動に持ち込んだ今、最早妖魔帝国すらも恐るるに足らずと判断したのだ。

 それだけDr.ヘルは自らの最終兵器に自信を持っていた。

 

 「例え奴らに打ち勝ったとしても、貴様らは我が野望の礎となるしかない。」

 

 今は友軍であろうとも、将来的には敵対しかしないと判明しているのなら消すしかない。

 Dr.ヘルはそれを敵に、地球の誇るスーパーロボット達に任せたのだ。

 

 「このゴードンヘルを前にしてはな!」

 

 静かになったバードス島の玉座の間にて、Dr.ヘルの哄笑だけが響き渡った。

 

 

 

 

 

 この10分後、駆け付けたティターンズはあっさりと壊滅し、経験を積んだパイロットらと優良装備の多くを失う事となる。

 更に3時間後、極東方面にて今回の戦闘の趨勢が決まるのだった。

 

 

 




(ZERO出現フラグが積み重なり始めて)ふふ怖?安心しろ、オレもだ。
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