多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
新西暦186年7月 地球 極東方面 光子力研究所近郊
「何!?隕石が落ちて来るだと!?」
その報告を真っ先に受け取ったのは、現場の総指揮官であるブライト中佐だった。
『この戦域の直上に大質量のワープを確認しました!シャッフル同盟の方々のお陰で辛うじて破壊が間に合ったのですが…。』
「砕けた破片までは間に合わないという事か…。」
「情報を受けた連邦軍総司令部からも、地球全土の連邦軍に対して可能な限り落下する隕石群を迎撃せよとの命令が下りました。」
「民間人への避難勧告は?」
「現状ではどう足掻いても間に合いません。」
「迎撃するしかないか…。」
月のアナハイムからの緊急通信に、ブライトは頭を抱えた。
そしてものの数秒で、現場指揮官たる彼はやるべき事をすべく動き始めた。
「全方位に伝達!都市部に落着する隕石の迎撃を最優先しろ!コロニー落としの再来など、絶対に阻止するぞ!」
未だ要塞内部でスーパーロボット達が奮戦する中、その外では一気に状況が動いていた。
……………
『ゲッタァァァァビィィィィィィィムッ!!』
一方その頃、マシーンランドへと突入したゲッターロボとマジンガーZ、ダンクーガの三機は縦横無尽に暴れ回っていた。
『くそ、敵の勢いが止まらん!』
『犠牲を恐れるな!命を賭してでも止めるんだ!』
『ウラン兵器まだか!?ゲッター線汚染が広まってるぞ!』
無論、恐竜帝国側も黙ってやられる訳もない。
内部に展開する歩兵戦力に対装甲兵器を持たせて支援、内部に待機していたメカザウルスを前衛に何とか三機のスーパーロボットを押し返そうと無謀な攻撃をしていた。
しかし、その程度で止められるのならスーパーロボット等と御大層な名で呼ばれる事はない。
『チェンジ、ゲッター2!ドリルアーム!』
『ルストハリケーン!』
『全弾発射、行くぜぇ!』
マジンガーZの口部から放たれる酸を纏った突風。
ダンクーガの全身にある合体前の実弾系火器類の一斉射。
それらはゲッター2がドリルでこじ開けた空間を通して突風と爆風が拡散し、深刻な被害を要塞内部へと広げていく。
「ゲッター、マジンガー、ダンクーガの三機が要塞中枢まで突き進んできます!」
「えぇい、奴らの侵入したブロックを切り離すと同時に自爆させぇい!」
「む、無理です!先程の砲撃で一部のブロックが融解して溶接されている状態です!」
「ならば隣接するブロックも切り離せ!このままではマシーンランドが完全に破壊されるぞ!」
「り、了解!…切り離しまで60秒!」
既に要塞中枢まで数区画という所まで迫ってきている状況で、その一分はゴール達には余りにも長く感じられた。
そして、その微細な戦場の空気の変化を、野生故の直感によって悟った者達がいた。
『おい、甲児、竜馬!』
『どうした、忍さん!』
『あぁ!?』
『敵が怯えてやがる!逃げに入りやがった!』
何で分かる!?と要塞中枢の司令部の者達が聞いていれば、そう叫ぶしかなかっただろう。
藤原忍、実に恐ろしきはその野生の勘である。
『忍、出鱈目って訳じゃないんだよな?』
『流石の忍もこんな状況で言う訳がないだろう。』
『その空気の読み、普段からもう少し活かせないのかい?』
『おめぇら少しは真面目にやれ!』
僚機ではなく、同僚達からの余りな物言いに怒鳴る忍。
しかし、彼らの言い分は忍の普段の素行から来るものなので自業自得だった。
『で、どうすんだ忍!』
『このままぶっ壊して進んでたら取り逃がす事になる!』
『じゃぁ正面に火力集中して突っ走るか!』
やるべき事が決まれば、話は早いとばかりに全機が動く。
『ダイガン、マキシマムレベル…!』
『行くぜ、正義の怒り!』
『チェンジ、ゲッター1!』
各機が各々の最大火力を正面に集中、道中の障害を全て破壊し、一気に要塞中枢まで突き進もうというのだ。
『シュートぉッ!』
『ブレストファイヤー!』
『最大出力の、ゲッタァァビィィィィム!』
大型戦艦の艦砲すら超える程の大出力のビームと熱線、ゲッター線の奔流が、要塞内部を突き進む。
途中あった全ての障害物を蒸発・融解させながら、エネルギーの奔流は遂に要塞中枢付近まで届いた。
「う、うわああああああ!?」
「か、カウント10!」
「ダメだ、間に合わん!」
そのドロドロになった一直線の道を、ゲッター1が突き進む。
『ゴール!テメェとの因縁も今日限りだ!』
「おのれおのれおのれおのれおのれ!許さぬぞゲッター!流竜馬!神隼人!巴武蔵!例え我が肉体滅びようと、永久に貴様らを呪ってくれるぅぅ!!」
『戯言は地獄でほざきなぁ!』
それが恐竜帝国帝王ゴールの最後の言葉だった。
遂に要塞中枢へと到達したゲッター1はその右腕を要塞中枢司令部へ、帝王ゴールへと叩き付け、ミンチにした。
『ゲッタービーム!』
空かさず、先程よりも遥かに威力の低いゲッタービームを放ち、司令部を完全に破壊した。
『竜馬さん、脱出するぞ!自爆が始まってる!』
『おおっと、悪党ってなやる事がワンパターンだな!』
『言ってる場合か!急げぇ!』
こうして、恐竜帝国は暫くの間、人類の前から姿を消した。
残った4つのマシーンランドと共に、彼らが人類の前に姿を再び現すようになるのは来年以降となる。
……………
「ふはははははは!口程にもない!」
一方、科学要塞島に突入したライディーン、ダイターン3、コンバトラーV、ボルテスVの4機は苦戦していた。
「我ら百鬼帝国の科学技術ならば、この様な事は簡単に出来るのだ!」
突入した4機のスーパーロボットを待ち受けていたのは、量産型メカ鉄甲鬼軍団だった。
百鬼帝国の優秀な科学者にしてパイロットでもある鉄甲鬼がゲッターロボを徹底的に研究し、対ゲッターロボとして設計したこの百鬼メカは変形合体分離機能こそないものの、現在のゲッターロボに匹敵する性能を有している。
以前はパイロットの鉄甲鬼の腕前もあり、未完成の状態での出撃でありながらゲッターチームを大いに苦しめた。
だが、一騎打ちに拘った彼と功を焦るヒドラー元帥との間で確執があり、一騎打ちを邪魔したヒドラー元帥の部隊を追い払い、最終的には互いに損傷した状態で一騎打ちを続行、ゲッターに討ち取られた。
当時は未完成だったこの機体、データ自体は百鬼帝国側にも残っており、その性能と実績からその後も開発は続行され、今日になって漸く日の目を見たのだ。
ゲッター1を超える空戦能力と火力、ゲッター2に比肩する運動性、ゲッター3を凌駕する装甲とパワーを併せ持つ、百鬼メカの一つの完成形とでも言うべき機体だった。
武装は破壊光線、トマホーク、ドリル、チェーンアタック、ミサイルであり、更に脚部にはキャタピラを内蔵している。
そのためコスト(撃破時資金が1万2千)が非常に高く、今までは本拠地である科学要塞島を守る首都防衛隊として温存されていたのだ。
それが50機近く存在し、連携して襲い掛かってくるのである。
しかも敵要塞の上とくれば、地の利すら相手側にあるのだ。
『サン・レーザー!』
『ガトリング・ミサイル!』
『Vレーザー!』
サイズに勝る三機の特機からの攻撃を、しかしメカ鉄甲鬼軍団は持ち前の機動性とサイズ差によって易々と回避、反撃に大量の破壊光線とミサイルが放たれ、更に科学要塞島の各所に備えられた対空砲やミサイルが次々と降り注いでくる。
『ゴッドゴーガン、束ね撃ちだぁ!』
故に、この4機の中で最も着実に敵を撃破しているのは高い機動性と超能力者故の直感を併せ持つひびき洸の駆るライディーンだ。
先程のシャーキンとの戦闘から直感が更に冴え渡り、更には機体性能すら向上(正確にはリミッターの段階的解除)している現在、その巨大な弓の一撃は的確にメカ鉄甲鬼を射抜き、次々と撃破していく。
『各機、ライディーンを支援するんだ!彼が集中できる状態を保つんだ!』
『了解!』
『なぁ、万丈さんをメイン盾にしてオレらがカバーする形が一番じゃないか?』
『え?…あ。』
『『『……。』』』
ライディーン 全長52m
コンバトラーV 全長57m
ボルテスV 全長58m
ダイターン3 全長120m(人型時)
どう考えてもサイズ差がデカい。
加えて、素の装甲の厚さはこの面々の中ではダイターン3が堂々のトップであった。
なお、装甲に関してはライディーンは二番手で、次にボルテスV、最後にコンバトラーVが来る。
この辺りは複雑な変形合体システムの短所である装甲の薄さが諸に出た形だった。
『よし、行くぞ!』
(凄い、一瞬で今の雰囲気を無かった事に。)
(流石金持ちの御曹司は違うなぁ。)
破嵐万丈は持ち前のリーダーシップを発揮して、戦闘を再開した。
彼らの頭上に突然の流れ星が落ちて来るのは、それから3分後の事だった。
なお、量産型メカ鉄甲鬼の性能は量産型ゲッタードラゴンやグレートマジンガーに比肩します。