多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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連日の農作業と仕事の挟み撃ちで死にそう…
序にイベントも回らねば…のっぶー
でも書けたから投下するんご…


第8話 ようやく決戦

 新西暦186年7月 極東方面 光子力研究所近郊

 

 

 科学要塞島内部にて、何とかメカ鉄甲鬼の数を減らしていく事には成功しているものの、未だ戦闘を繰り広げる突入部隊は焦っていた。

 この時、彼らは要塞の外での情報、即ち極東方面を中心としたコロニー落としならぬ要塞落としの情報が届いていなかった。

 要塞内部に入ってからというもの、近距離・接触通信は兎も角として、長距離通信がジャミングによって使用不可能となっていたからだ。

 

 (何だ、この胸騒ぎは何なんだ…!?」

 

 そんな中、先程から激しく警鐘を鳴らす危機感に、ひびき洸は焦燥感を募らせていた。

 

 『く、えぇいやぁ!』

 

 ダイターン3が盾役に徹し、扇と剣で敵の攻撃を打ち払い、それを潜り抜けた敵はコンバトラーVとボルテスVのコンビが潰して回り、超能力による直感によって放たれたゴッドゴーガンが一度に複数の敵を射抜く。

 この連携で辛うじて量産型メカ鉄甲鬼の軍勢を減らしていたのだが……安定した連携故に、どうしても殲滅速度は遅かった。

 

 『万丈さん!このままじゃ間に合わない!』

 『何!?』

 『おい、どうした!?』

 『洸君、落ち着いて、何が見えたかを言うんだ。』

 

 洸の焦りを滲ませた声に、他の3機から疑問の声が上がる。

 

 『このままじゃ手遅れになる!外で何か、大変な事が起こっている!』

 『くははははは、漸く気付いたか馬鹿め!』

 

 その通信を傍受したのか、不意に科学要塞島の中心にある司令部からブライ大帝の通信が届く。

 

 『つい先程、Dr.ヘルめが衛星軌道上に自分の本拠地の島をワープさせ、落とそうとしたそれを砕かれたのよ。そのまま落ちるよりはマシと言えど、このままならばどれだけの人間が死ぬだろうな?』

 『んな…!?』

 『少なくとも、億の人間は死ぬだろう。コロニー落としの再来だな!』

 

 ふははははははははは!と哄笑するブライ大帝に対し、4機の特機のパイロットらは戦慄した。

 彼らの多くが未だ戦いを知らぬ子供(今も十二分に若いが)だった頃、空から降って来る巨大なコロニーの映像はトラウマとして刻まれている。

 当時を生きていた地球全土の人間がそうだった。

 そんなものの再来など、断じて認める訳にはいかなかった。

 それは無論、洸もだった。

 

 『そんな事、絶対にさせてなるものか!』

 

 ひびき洸は非凡な生まれと資質を持っているが、その人格は善良でスポーツ大好きで、人並み程度に性欲もある極普通の少年だった。 

 故にこそ、自らの生まれた星を、家族や周囲の人々の暮らす地球を壊そうという邪悪に対し、恐れや憎悪ではなく、正しく怒りを抱く事が出来る。

 

 『ライディーン!お前にまだ隠された力があるのなら、オレの事は構うな!この星を守る力を、人々の平和を守る力を、迷わずに振るうんだ!』

 

 故に、ライディーンは勇者たる資質を持ち、ここまで育て上げた半身の声に応えた。

 胸部内に秘められた、普段は分割して決して誤作動しないようにと封印されていた機能が、武装が解放されていく。

 

 (…きら?洸?止めなさい!それは危険です!)

 

 不意に洸の脳裏に母の玲子の声が響く。

 普段の公に見せる女王レムリアとしての声ではなく、家で家族と共にいる時に見せる一人の母親として身を案じる声に、洸は苦笑した。

 

 (大丈夫だよ、母さん。大丈夫、オレは勝つよ。)

 (洸!?だm)

 

 意図的に念話を遮断し、自身の中にある力の流れを意識して、普段よりも強くライディーンへと流していく。

 そうしなければ勝てない。

 そうしなければならない。

 そんな予感に従い、洸は今まで漠然と運用していた超能力を意識して使用し、その精度をドンドン高めていく。

 

 (勇者よ、第二の目覚めの時が来た。)

 (ライディーン、いや、お爺ちゃんか!?)

 

 そして、洸の脳裏に初めてライディーンに乗った時と同じ声、即ち祖父にあたるムー帝国先代皇帝ラ・ムー本人の声が響いた。

 

 (そなたは正しく勇者としてあり続けた。それを裏切らぬ限り、ライディーンは、ムートロンはお前に力を貸し続けよう。)

 (お爺ちゃん…。)

 (だが忘れてはならぬぞ。そなたが悪に堕ちた時、ライディーンとムートロンは二度と力を貸してはくれぬ。心が悪に堕ちた時、それは新たな妖魔の、次なるバラオの誕生へと繋がるのだから。)

 (次なるバラオ…。)

 (妖魔とは元々妖魔として生まれたのではない。悪に堕ちた者が妖魔となり、周囲の者を悪に堕として増えてゆくのだ。この連鎖を断たねば、何れまた新たな邪悪が生まれてしまう。)

 (…分かった。オレは決して、あんな連中みたいにはならない。)

 (では受け取るのだ、新たなるムートロンを!そして、この星と人々を救うのだ!)

 

 厳かな、しかし穏やかさと慈しみを湛えた声が途絶え、不意にライディーンの頭上より光が降り注いだ。

 本来ならば神面岩の地下、海底に封じられたムー帝国の遺跡から、ラ・ムーの星を鍵としてムートロンエネルギーが供給される。

 しかし、此処に来て洸は余りに急速な成長を見せ、同時に地球全土が危険に晒されていた。

 故に孫と地球のために融通を効かせたラ・ムー(霊体)が手続きをすっ飛ばして許可を出したのだ。

 なお、原作通りの生贄有りの方が供給するムートロンの量は多いが、今回は洸の成長によってそうまでせずとも既に十分な念動力を持っている事もラ・ムーにこうしたすっ飛ばしをさせた原因でもある。

 

 (愛娘と初孫を無暗に傷つけたい訳が無いじゃろうが!)

 

 ア、ハイ。ソッスネ。

 

 『ラァァァァイディィィィィィィィン!!ッ』

 

 神面岩から放たれた光、即ち膨大なムートロンの光がライディーンへと降り注ぐ。

 途端、ライディーンの姿が大きくぶれ、その輪郭が徐々に巨大化していく。

 遂には全長300mもの巨体となり、科学要塞島へと轟音と共に着地した。

 

 『な、何だとォ!?』

 『万丈さん、後は任せてください!』

 『ひびき君!?よし、任せたぞ!』

 

 巨大化したライディーンの胸部、そこから三つの砲口が姿を現す。

 今まで盾役を務めてくれたダイターン3を後ろに置き、遂にライディーンがその禁じ手とされる武装を解き放つ。

 

 『ゴォォォォォォッド…!』

 『いかん!撃たせるな!』

 

 ブライ大帝の号令の下、残存のメカ鉄甲鬼並び各砲台が巨大化したライディーンへと攻撃を集中する。

 しかし、ムートロンの過剰供給によって強化されたライディーンにその攻撃が通る事はない。

 周辺に展開されたバリアによって、傷一つ付けられる事はなかった。

 

 『ラ・ムゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

 三つの砲口から放たれた特殊な超音波は科学要塞島全域を飲み込んだ。

 全てが分子レベルで粉砕されていくだけでなく、霊的な力による防御すらその圧倒的エネルギーの奔流を前にしては消し飛ばされていく。

 百鬼帝国の本拠地たる科学要塞島とその首脳部は、それに抗する手段を持っていなかった。

 

 『こんなもの、こんなもの勝てる訳が…!』

 

 こうして、ただの一撃で百鬼帝国は滅亡した。

 

 

 ……………

 

 

 (何だアレは…ライディーンなのか?)

 

 その光景を要塞の外から観測していたブライト達は、愕然としていた。

 詳しい事情を知らない者からすれば、ライディーンとて単なる特機の一つに過ぎない。

 そんな印象はしかし、今の光景を見れば霧散する事だろう。

 嘗て銀河全域を超えて広がっていたプロトカルチャー、その末裔たるムー帝国。

 彼らが作りし妖魔帝国を始めとした敵対勢力への切り札。

 その本当の意味を今日、改めて理解する事となったのだ。

 

 「艦長、ジャミング消えました!通信機能回復します!」

 「よし、突入部隊に通信!落下する隕石群の迎撃作戦を始める!補給と整備が必要なら直ぐにさせるんだ!」

 

 既に要塞外の戦いの趨勢は決し、連邦軍の更なる増援もあって残敵の掃討へと移っていた。

 現在は各機動兵器の補給と簡易修理をして配置した上で、擱座していたジガンⅡを応急修理し、仰向けにして胸部GBを用いての対空砲台として運用すべく準備をしていた。

 

 「隕石群落下まで後1分だ!何としても迎撃するんだ!」

 

 既にVF隊は最低限の補給を済ませた上で再出撃し、高高度へと展開、大気圏への落下を開始している隕石群の位置情報の観測ならび先行迎撃を試みていた。

 しかし、火力の低さからアーマードパックを搭載していない機体では効率的な迎撃が出来ず、精々破片を多少細かくするか、表面を削るしか出来ていなかった。

 地球の危機は、これからが本番だった。

 

 

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