多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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書きたい部分書いてたら随分時間が…(汗

なお、デビルマジンガーの武装はうろ覚えで、もしかしたら間違ってたりするかもしれません。

知っている方がいれば感想欄にてご指摘お願いします。


第12話 因縁その2

 新西暦186年7月 極東方面 光子力研究所近郊

 

 

 「ゴアアアアアアアアアアアアッ!!」

 『行くぜ、超電磁タ・ツ・マ・キー!』

 『超電磁ボォォォォル!』

 

 ゲッター2によって発生した竜巻によって拘束されていた巨大合体百鬼メカに二機の超電磁ロボの拘束技が炸裂し、その巨体を完全に停止させる。

 脱出しようともがくが、それは余りに遅きに失した。

 

 『超電磁スピィィィィン!』

 『天空剣、Vの字斬りィィ!』

 

 二機の合体技が炸裂し、巨大百鬼メカを構成する百鬼メカの4割近くが吹き飛ばされ、中枢が露出する。

 

 「ぐおおおおおおおおお!?おのれ人間共、おのれゲッターロボぉ!」

 

 そこには半身が機械化され、巨大合体百鬼メカと融合する事で無理矢理延命していた死に体のブライ大帝の姿があった。

 

 『あばよブライ!』

 「ゲッタアアアアア!ゲッタああああロボおおおおおおお!!」

 『ゲッタービィィィム!』

 

 国を、部下を、尊厳を失い、ただ憎悪と怒りに呑まれた最後の鬼は、ゲッター線の光によって塵一つ残さず消滅した。

 

 『よし、竜馬さん達は一度補給を!』

 『応、任せるぜ!』

 

 こうして、百鬼帝国は最後は至極あっさりと滅亡したのだった。

 なお、獲得資金3万の所をしっかり幸運・努力をかけて撃破されたのでウハウハだった模様。

 

 

 ……………

 

 

 『兜甲児ぃぃぃ!』

 『ぐ、おおおおお!?』

 

 一方その頃、兜甲児&マジンガーZはDr.ヘル&デビルマジンガーに押されに押されていた。

 そりゃ機体性能に勝る&落下の衝撃でMFに若干不具合が出てる等の条件付きとは言え、あの東方不敗相手に格闘戦で五分にやり合える猛者が相手では如何に祖父と父譲りの才能マンな兜甲児であっても押されるってもんである。

 

 『ふ、ふははははは!どうした兜甲児!その程度で終わるのか!?この程度の力にワシは恐怖しておったのか!?』

 『ぬ、ぅぅ…!』

 

 デビルマジンガーが徒手空拳であるのに対し、マジンガーZは完全に防戦一方だった。

 装甲強度、機体出力に機体サイズ、何よりパイロットの技量の差が大きく、甲児は防戦に徹する事で辛うじて命を繋いでいた。

 しかし、それも限度がある。

 ロケットパンチ、光子力ビーム、ブレストファイヤー。

 どれもこれも今まで多くの敵を撃破してきたマジンガーZの十八番とも言える武装だが、その全てをデビルマジンガーはマジンガーZよりも高威力で搭載しており、相殺所か寧ろこちらの方が一方的にダメージを負っているのが現状だった。

 

 『く、甲児君、援護を!』

 『手を出さないでくれ!コイツとは、Dr.ヘルとはオレが決着を付けなくちゃならないんだ!』

 

 加えて、折角の数の利を挑発に乗った甲児自身が捨てていた。

 弓博士からの通信も空しく、一方的な状況が続いていく。

 無論、殺されそうになれば甲児には悪いが手を出す予定だ。

 勝ち戦だからこその自然と抱いた油断。

 が、これが良くなかった。

 引き際の良さと諦めの悪さが特筆の機械獣軍団、その創造主たるDr.ヘルは口では何と言おうとも冷静に戦況を俯瞰していた。

 

 (そろそろ離脱せねばなるまい。)

 

 既に趨勢は決していた。

 機械獣軍団の掃討はほぼ完了しており、化石獣も僅かしか残っていない。

 全ての特機の補給が終われば、例えマジンガーZと兜甲児を葬った所で囲まれて袋叩きにされるのが目に見えている。

 そして自分のゴードン・ヘルの落下を思えば、生かして捕らえよう等とは思わないだろう。

 

 (潮時じゃな。)

 

 では最後に、取って置きのお土産を残して離脱するとしよう。

 この期に及んで諦めの悪い(機械獣軍団は全員がそうだが)Dr.ヘルは奥の手を出して離脱する事にした。

 

 『くくく、兜甲児!貴様ではワシとデビルマジンガーを止める事は出来ん!』

 『何おう!?』

 『若い、若すぎる!この程度の挑発に乗る様な若造ではな!』

 

 一瞬、怒りによって発生したほんの僅かな隙を突いて、デビルマジンガーが肉薄し、その背の翼を大きく広げる。

 その姿は正しく悪魔であり、マジンガーZが道を踏み外せばそうなるであろう未来を暗示しているようだった。

 

 『喰らえい、インフェルノデモリッション!』

 『な、これは…!?』

 

 デビルマジンガーの翼から放たれた特殊な冷気が、無数の魑魅魍魎の様な氷となってマジンガーZへと絡みつく。

 それはマジンガーZを完全に拘束し、兜甲児の精神そのものを直接汚染し始めたのだ。

 

 『あ、あ、あ、うあああああああああああああッ!?』

 『兜!?』

 『甲児君!?』

 

 その尋常ならざる叫びに、流石に周囲で黙して見ていた面々やモニターしていた光子力研究所のメンバーも慌てた。

 

 『まさか、インフェルノデモリッション!?完成していたのか!?』

 『何ですそれ!?』

 『精神破壊兵器の一種だ!敵パイロットに恐怖や嫌悪等の感情と幻覚を見せる事で破壊してしまう!余りに非人道的であるとして十蔵先生はこの機能を搭載したデビルマジンガーの開発を取り止めたのだ!』

 『そんな!?何か対抗策は無いんですか!?』

 『残念ながら…無い!甲児君の精神力に賭けるしか…!』

 

 これが精神攻撃の怖い所で、余程特殊な才能やスキル、装置でもない限り、決して防げないのだ。

 機体がファンタジー系技術で作成されているラ・ギアスの魔装機神や先史文明の遺産たる超機人等の例外を除き、この手の精神攻撃は防ぐ事は出来ない。

 そして、才能豊かとは言え人間の域を出ない兜甲児では、インフェルノデモリッションを防ぐ事は出来なかった。

 

 『ちぃ、デビルマジンガーを排除するぞ!』

 『待て!今迂闊に攻撃すれば精神干渉されている甲児君にどんな影響が出るか分からん!』

 『何だって!?』

 

 そりゃー有線で繋げてのクラッキング受けてる所をいきなり引っこ抜いたらどんな影響が出るか分かったもんじゃない。

 最悪、兜甲児というソフト=精神が破損、即ち人格崩壊する可能性すらある。

 

 『お願い甲児君!しっかりして、目を覚まして!』

 『! そうだ、皆声を掛けるんだ!』

 『おし、そういうのなら得意だわさ!兜ー踏ん張れー目を覚ませー負けるなー!』

 

 こうして、勝ち戦の雰囲気は消し飛び、戦場は再び緊迫した状態へと移っていた。

 

 

 ……………

 

 

 『ぐははははは!分かる、分かるぞ兜甲児!貴様の恐怖が!何と心地良い事か!』

 「うぅ…うああああああああああああああああああぁ!!」

 

 Dr.ヘルの駆るデビルマジンガーから送られる思念波が、甲児の精神を飲み込み、蝕んでいく。

 ありとあらゆる恐怖が増大され、Dr.ヘルの強大さが、戦いの恐怖が、何時終わるとも知れない戦いの予感が、無限に広がる暗黒が甲児の精神をガリガリと削り取っていく。

 

 『さぁ何時までもつ?ワシも実戦での使用は初めてでの。加減が分からぬのだよ。』

 

 嗜虐心を隠さぬDr.ヘルの楽し気な声が甲児の精神に響く。

 しかし、その声すらもう甲児には届かない。

 余りに増大された恐怖に対し、甲児は何も感じない事で、即ち自閉状態になる事で身を守る選択をしたのだ。

 

 『なんだ、もう壊れおったのか?洗脳して暴れさせようと思っておったが仕方あるまい。パイルダーだけを取り出して人質に』

 

 

 

  五 月 蠅 い 

 

 

 

 不意に、光を纏った巨大な声が甲児の壊れかけの精神に響き渡った。

 

 

 ……………

 

 

 一方その頃、ひびき洸は自分を追ってきたシャーキンと問答をしていた。

 ここ最近、幾度となく戦ってきた憎い相手である筈が、疲れ切っていた事もあって洸はシャーキンへの怒りや憎悪を忘れる事が出来た。

 そんな余裕なんて無かったとも言えるが。

 

 「何故って…飛んでくる火の粉を払ってるだけだよ、オレの場合は…。」

 「ふむ?」

 「小さい頃にいなくなった母さんがムー帝国のお姫様で、今や女王様…オレはその息子…普通の子供扱いだった頃が懐かしい……帝室の責務だからって物凄い大量に勉強させられたし…。」

 

 事実である。

 シャーキンと弟のアズナルは生まれた時からムー帝国帝室の一員であり、母の実家は高位の神官である。

 二人の勤勉さと才能もあって勉強に不自由する事はなく、若いながらも将来を期待されていたため、余り共感こそ出来ないが、それでも想像できる。

 単なる一般人、それも思春期に入ったばかりの少年に、いきなり帝室としての知識と意識を埋め込もう等とどうやっても無理だ。

 それでもひびき洸が今の今まで明確な反抗期に突入しなかったのは、それが本当に必要な事なのだと理解していたからだ。

 それでも以前の様に友人達や幼馴染みで恋人のマリと一緒に馬鹿騒ぎを恋しく思っていた。

 ストレスは相当のものであり、母玲子に近付く事を目的としたハニートラップや誘拐未遂だって何度もあった。

 それら全ては直前になって必ず防がれてきた、街の至る所に配置された美人のSP=艦娘系自動人形らの手によって。

 それだけでも下手すれば人間不信を拗らせそうなものなのだが、それに加えていきなり謎の声(後に祖父のものと判明)によってトランス状態に陥り、今まで見た事も聞いた事も無かったライディーンへと搭乗させられ、そのまま初陣である。

 無数のドローメとガンテを相手に恐慌状態で大立ち回りの末、ライディーンの性能とブチ切れた洸によって大戦果を上げる事には成功した。

 しかし、洸はマリに(身体で)慰めてもらうまでは家から出る事も出来ず、恐怖に呑まれていた。

 

 「本当なら、昔みたく普通の人間として生きたい…母さんに父さん、マリに晶と一緒に平和で穏やかで…。」

 「成程、普通だな。」

 「あぁ、普通だよ。」

 

 それは誰もが求めて止まない当たり前の平和な暮らし。

 退屈だ何だと言いながらも、それでもそんな普通を守るために立ち上がり、血を流し、前に出る者達がいる。

 今日の平和は先人達と軍関係者ら、そして太陽系無人防衛部隊が血を流して保っている束の間の平和に過ぎない。

 

 「満足したか?」

 「あぁ、十分だ。」

 

 それはシャーキンが野心を抱く前、バラオと契約する前、心に魔が差す前の日々。

 弟と共に全盛期のムー帝国で過ごした平和の日々だった。

 権力もなく、王位継承権もとても低く、しかし最愛で自慢の弟と共に暮らす日々。

 その何と美しく、愛おしく、掛け替えのない事よ。

 シャーキンは今になって漸く、ひびき洸という人間をライディーンのパイロット、或いは嘗て栄光の王位を約束されたレムリア姫の息子ではなく、ただの等身大の人間として捉える事が出来た。

 そうなると、ストン、とシャーキンの肩から洸を通してレムリアに抱いていた憎悪が消えた。

 

 「私も昔、ムー帝国で平和に暮らしていた。」

 「? 妖魔じゃなかったのか?」

 「妖魔とは、人間が負の感情を増大させ、変質した存在だ。妖魔大帝たるバラオもまた、元を辿れば人間らしい。それ以外の妖魔は大元たるバラオによって変質させられた者に過ぎない。」

 「初めて聞いた…。」

 「レムリア女王も知らぬ事だよ。ムー陛下は薄々察していた様だがね。」

 

 それからぽつぽつと、シャーキンは話し始めた。

 自分の生まれの事。

 弟の事、弟との暮らしの事。

 弟にこそ帝位が相応しいと思った事。

 そこをバラオに勧誘された事。

 弟を石板に封じて眠らせ、妖魔帝国の王子としてムー帝国に戦いを挑んだ事。

 最後にはムー帝国の国土たる大陸サイズの超巨大移民船の航行装置を破壊し、墜落しそうになった事。

 当時の皇帝ムーが大陸級質量の地球への落下を防ぐべく、超巨大移民船ムーを「存在と非存在の狭間の空間」へと沈めた事。

 その際にレムリア姫は冷凍睡眠装置を搭載した帝室用小型船に乗って脱出した事。

 それが誰にも話した事のない、ありのままのシャーキンの人生だった。

 

 「後はお前の知る通りだ。」

 「何で、弟さんに相談しなかったんだ?」

 「優しいアズナルの事だ、私を止めるだろう事は分かっていた。」

 「………。」

 「だがな、アズナルが玉座に座り、私がその後ろで相談役としてアイツを支え、ムー帝国に一層の繁栄を齎す。その光景を想像してから、私の頭の中はそれだけになってしまった。アズナルの意見すら無視して…。」

 

 それがシャーキン最大の過ちだった。

 その光景を想像して是非とも弟を皇帝にと願った瞬間、魔が差した/バラオが囁いた。

 

 「だが、お前も知っての通り、ムーは滅んだ。今も存在と非存在の狭間で永遠に停滞した時を漂い続けている。」

 「………。」

 「私は何をしていたのだろうな?故国を滅ぼそうとする者達の手伝いをして、無人の玉座にでも弟を座らせるつもりだったのかな?」

 

 最早道化だった。

 ムー帝国が滅んだ現状、シャーキンとバラオの契約は完了する事は出来ず、しかし離反しようにも行く所も無い上に弟を人質に取られている。

 完全に詰んでいた。

 恐らく、バラオはこれを読み切った上でシャーキンに囁いたのだろう。

 

 「さて、語るべき経緯は以上だ。」

 

 シャーキンは妖魔として得た感覚で、この場に近付いてくる気配を察知し、話を切り上げた。

 

 「決着を付けよう、ひびき洸。」

 「他に選択肢は無いんだな?」

 「私が完全に裏切れば、弟が殺される。それだけは避けねばならん。」

 

 身を起こしながら洸が尋ねると、案の定外道な答えが返ってきた。

 

 「では、さらばだ!」

 「…っ!」

 

 サーベルを構え、振り被るシャーキンに対し、洸は直感の赴くままに咄嗟に後ろに跳んだ。

 瞬間、二人の間を貫く様に一条のレーザーが通り過ぎる。

 

 「ぬお!?」

 『洸、助けに来たぞ!』

 「神宮寺さん!?」

 

 現れたのは皆ご存知スパロボでは全滅プレイのお供たるブルーガー、ではない。

 偵察や救助活動、機動兵器の支援のための多目的重戦闘機「程度」ではライディーンが投入される様な戦闘には耐えられないためだ。

 

 「うちの息子のために…分かっていますね?」

 「全力を尽くします。」

 

 そんな会話の結果、A.I.M.北米本社で設計されたのがこの可変攻撃機(Variable Atacker)ことVA-1ブルーガーである。

 一見VF-1バルキリーにも見えるが、バトロイド形態への変形機構をオミット、ファイターとガウォーク形態のみになっている。

 その分の空いた容量を主に装甲と火力の強化へと割り振り、反面、空力特性への配慮は余りされていない。

 両腕部がデストロイドシャイアンやトマホークのそれと交換可能であり、パイロットの神宮司の好みなのか、専らトマホークのビームキャノンに交換されている。

 他にもVFの共通装備はアーマードパックやスーパーパックを除いて装備可能となっている。

 結果的に空飛ぶデストロイドとも言うべき火力支援機になっている。

 カラーリングに関しては派手なトリコロールになっているが、後に全機が青と白に統一されている。

 え、デストロイドと言うならモンスターの火器も?

 アレは例外であり、アレの後継機はケーニッヒモンスターが出るまで待ってほしい。

 

 「シャーキン!?」

 『決着を付けよう、ひびき洸!』

 

 一瞬で跳躍し、距離を稼いだシャーキンはライディーンとほぼ同サイズの巨体へと変身し、サーベルと盾を構える。

 

 「フェェェド・イーーン!」

 『そうだ、それで良い!』

 『シャーキン、オレは…お前の過ちを止める!』

 『やってみせろ!出来る者ならば!』

 

 こうして、もう一つの戦場が漸く始まった。

 

 

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