多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
新西暦186年 地球圏 宇宙空間
ゲッターエンペラーにすら並ぶとされるマジンガーZERO。
元はとある世界線・時間軸にて兜十蔵博士が開発したマジンガーZの一つに過ぎなかった。
この十蔵博士はDr.ヘル並みの野心を持っており、具体的には世界最強の人造神を完成させ、世界制覇を成し遂げる野望の為なら自分の息子や孫すら抹殺しようとする極悪非道のマッドサイエンティストだった事が悲劇の引き金だった(初代版と交代してください)。
そんな性格なので当然世界征服を志したのだが、老いた自身ではその完了を見る事は出来ないとして諦めかけていたのだが、とある世界線の十蔵博士が光子力による重力制御によって時空を歪曲、過去の自分に未来の自身の研究結果を送る事を可能とする光子加速器=ミネルバXの開発に成功してしまう。
これによって自身の研究を濃縮し続けていった結果、完成したマジンガーZ(人工知能搭載の無人機)は唯一無二のスーパーロボットとして各国の軍隊を蹂躙、世界各国の首脳陣を14日と10時間34分で降伏させてしまった。
なお、このループの際に世界征服までのRTAをやったりとやりたい放題している。
挙句の果て、この結果に博士は満足せず、より高みを目指すため「過去の自分ではなく研究成果を各国にばら撒く」ことで世界にハンデを与え、自分の想像を超えた出来事を起こす事で更なるインスピレーションを得て研究を飛躍させることを目論んだ(超余計な事に)。
そして次の世界で十蔵博士の研究結果を理解できた一握りの科学者の中に居た者こそがもう一人の世界征服を目論むマッドサイエンティスト、Dr.ヘルだった。
Dr.ヘルは研究結果を利用して古代ミケーネの遺産を復活、機械獣による世界征服を目指した。
当然の結果として、十蔵博士と対立。
やがて二人はマジンガーと機械獣によるデスマッチを展開する事となった(他所でやれ!)。
激化した対決の中、この世界線では遠隔操縦方式だったマジンガーの弱点を突いたDr.ヘルの操るバルガスV5との戦闘で十蔵博士は重症を負い、これに対抗するためにマジンガーZに乗り込んだ甲児が直接操縦しこれを迎撃した。
その後、搭乗型に改良したマジンガーと甲児の活躍を病院のベッドの上で観戦していく内に十蔵博士は孫への愛情を得て改心した(遅い!)。
元々余命幾ばくもない十蔵博士はDr.ヘルとの戦いに終止符を打つべく真のマジンガーの完成の為の研究を病床の身体をおして進めていった。
死の間際、マジンガーが敗れる姿を見た十蔵博士は「自分より優れた知を持ち、自己進化し永遠の命を持つ新たな生命」の設計図を最後の研究成果として「世界を救い、甲児を守ってくれ」と願ってミネルバXに託し、彼女は再び過去の世界線へと戻った。
しかし、次の世界の十蔵博士は改心する前のマッドサイエンティストだったため、ミネルバXが当初隠していた設計図を独自に解析、その悪魔的発想を組み込んでマジンガーZを建造してしまった(おお、もう…)。
結果、出来上がってしまったのが7つのブラックボックスたる魔神パワーを有するようになった、愛を知らない究極の魔神となったマジンガーであり、それが進化していった存在こそがマジンガーZEROである(おぉ、もう…)。
ミネルバXがループを繰り返す中、その力はドンドン増していき、やがては自らの手で世界創造すら行える程に進化し、正に神同然の概念へと成った。
さて、こいつの持つ7つの魔神パワーについても解説する。
この世界線におけるマジンガーZの時点から内包されていた特殊能力で、甲児の強い意志や脅威となる存在との邂逅で能力が段階的に解放される。
全部で7つの能力が封印されており、マジンガーZEROに変貌した時点で自動的に全て解放される。
それぞれの能力の封印はマジンガーZの内部をチャクラの配置に沿ってブラックボックスとして配置されており、ZERO時空のサイボーグ化した甲児の体内にも空中元素固定装置を強制的に起動して形成している。
開発を行ったのは上述の改心した十蔵博士だが、マジンガーZに組み込んだ次の世界の十蔵博士(マッドサイエンティストのまま)が本来の物を独自に改良して組み込んでおり、元々の能力は魔神化を筆頭に全く異なるものだったと思われる。
第一段階:再生
戦闘で負ったいかなるダメージをも瞬時に自己修復する。
魔神化が解放されると瞬間的に修復を行い始め、大破寸前の状態から暗黒大将軍が大剣を振り抜く刹那の間に完全修復を行っている。
ZERO時空のグレートマジンガーの持つ空中元素固定装置を用いた自己修復機能とは根本的に異なるものであり、恐らくだが第四・六の魔神パワーを限定解除して並行世界の自身の情報を用いて上書きしているのではないかと推測される。
第二段階:吸収
あらゆるエネルギーを吸収し、自らのものとすることが可能。
ZEROに変貌した後は敵を食らい取り込むことも可能になる。
また自己再生との同時行使で敵の物理攻撃で機体を大きく損傷した状態から修復を行いつつ攻撃に使用された武器を取り込むことも可能。
これによりエネルギー・熱量兵器だけでなく、質量兵器すら取り込んで自身の補給・強化を行っていく。
そのため、戦う敵が存在する限り、ガス欠になる事はない(白目)。
第三段階:強化
マジンガーZの性能を飛躍的に向上させる。
旧来通りのマジンパワーに近いが、こちらは出力の劇的向上だけに留まらず機体の性能から他の魔神パワーにまで恒久的に効果が発揮される上に重複して発動可能な上に時間制限もなく、更に強化することも可能。
実質的にエネルギー切れもしないため、無限に自己バフを掛けられる事になる。
第四段階:高次予測
未来予知にも匹敵する状況シミュレーションを可能とする他、平行世界の観測さえ可能とするZEROのトンデモ能力その1である(白目)。
劇中では解放されている時に甲児の瞳孔部にケーブルのような物が覆い被さっている。
この力による平行世界観測はマジンガーZを起点とした干渉であるため、マジンガーの存在しない世界=別の作品の世界を認識できないという根源的な欠点がある(この場合の認識とは単純に見聞きが出来ないと言うだけでなく、接触や物理的な破壊といった干渉も出来ない)。
更に限定的な点として、少なくとも作中での観測範囲はZEROを中心とした地球全域までのようで、範囲外の事象は予測不能に陥る可能性がある。
終盤Zの世界に再び囚われそうになった甲児に排除される寸前の鉄也が言った「ミケーネ帝国を倒して得られた平和を脅かす新たな敵は何処から来るのか?」の問に甲児が言った「宇宙から現れる」の答で無効化している。
この辺りはFateの千里眼よろしく主観を持ってしまった事、マジンガーZが存在する世界を基点とする事が観測範囲を狭めている理由だと思われる。
第五段階:変態
物理法則の常識を超え、マジンガーZの形状・性能を変化させることができる。
この効果によりマジンガーはZからZEROへと変貌する。
副次効果として、ZERO時空のマジンガーZは一部の追加武装が魔神パワーの効果が無くなった後も追加されたまま残ったりもしている。
第六段階:因果律兵器
因果律に干渉し、平行世界で発生した事象の因果を紡ぎ、数多の未来から勝利する可能性を現時空に転移・現出させるというマジンガーZERO最大のトンデモ能力である(白目)。
簡潔に言えば、相対する敵が何者であろうとも、勝利の可能性が0%でない限り100%確実に勝利できるというもの。
例えるなら命中率が1%でもあれば攻撃が必中・回避率が1%でもあれば完全回避が確定する。因果を紡ぐ=勝利であるため、敵は回避も防御も不可能である。
但し、ZEROの予測を越えた未知の出来事・存在に対しては効果を発揮できないが、素でも強すぎる上に予測を超えるなど不可能と言ってもいいので弱点になっていない。
第七段階:魔神化
マジンガーZEROとしての意思と力を発現する。
この状態になると、第六段階まで魔神パワーを解放した状態と比較してさえ天と地ほどの力の差がある。
この段階まで解放された時点でマジンガーZは完全に暴走、甲児を吸収あるいは排除し、「終焉の魔神」と化してしまう。
マジンガーZに人工知能を搭載した場合は、その時点で開放されてしまう。
また、一瞬にして7つの段階が全て解放されることがあり、ZERO時空では「甲児がマジンガーZと同化する・甲児が弓さやかの死を始めとする激情を起こす」の条件で覚醒している。
他にも「ZERO自らの意思で解放される」場合もあるが、こちらは魔神化の後に他の魔神パワーを開放してからZEROに変貌している。
このZERO自らの解放に関しては、「マジンガーZ以外のマジンガーは紛い物であり、排除せねばならない」、「自身にとって脅威となる者が存在する」事から来ている。
これが終わりであり、ある意味で始まりといえる形態である。
終焉が確定しているこれを倒す方法はZERO時空には存在しない。
ZERO時空での唯一の手段が過去改変による「誕生の取り消し」だった。
あるとすれば、マジンガーの想像を上回るものを見せつけるか、ZEROの観測できない世界からの因果しかない。
本来の魔神パワーは改心した十蔵博士が甲児達を守るために開発した機能なので、少なくとも甲児を吸収・排除してしまう特性は前述のマッドサイエンティストの十蔵博士によって改悪されたものと思われる。
こんな出鱈目でケン・イシカワ時空の住民なマジンガーZEROだが、このα時空風味の世界線だと少々事情が異なる。
この世界線においては、兜十蔵は確かにマッドサイエンティストであったが、衝撃編よろしくファンキーな爺様だった。
そんな彼が何故マジンガーZEROを作ったのか?
その理由はただ一つ、A.I.M.ならび太陽系防衛用無人兵器部隊へと対抗するためである。
地球人類史上においても屈指の頭脳チートなこのご老人は、トレミィ達の存在を危険視していた。
何せ地球連邦政府の根幹に食い込み、地球連邦軍においても極めて大きい影響力を一つの勢力が保有しているのだ。
加えて、その出自は先史古代文明のムー帝国であり、現在はレムリア女王個人を主君として(次期主君としてひびき洸を守りながら)行動している。
もしひびき母子のどちらかが道を踏み外せば、或いは何か事が起きて二人のどちらかが害された時、一体どんな行動を取るのか検討も付かない。
しかも、この銀河の真実を知らされた兜十蔵博士他多数の科学者らは挙って地球防衛用対異星人戦力として特機の開発をA.I.M.の支援の下に行っていた。
まるで将来の番犬に首輪を付ける様なその行動に、十蔵の不信感は膨れ上がった。
実際、トレミィ達としてはこちらと敵対する事なく、地球防衛に万進して欲しいが故の行動だったので、下心自体は存在していた。
が、十蔵の考えは余りに的外れというか行き過ぎであった。
そして、遂に十蔵は自ら禁じていた行動に出る。
それが「自分より優れた知を持ち、自己進化し永遠の命を持つ新たな生命」の開発であり、孫である甲児を守るためのマジンガーZであり、マジンガーZが敗れた際のセーフティであるマジンガーZEROだった。
この際、マジンガーZEROには十蔵の意志として「ワシのマジンガーこそが最強無敵のスーパーロボット!甲児を守りながらそれを証明するんじゃ!」が組み込まれており、それが行動理念の根幹となっている。
完成してZEROの危険性に漸く気付き、正気に戻った十蔵はZEROを危険と判断、発動すれば即座に発揮される魔神パワーを7段階に分けて発動するようにした上で、外付け安全装置としてミネルバXの開発を開始した。
しかし、ミネルバXに関しては開発完了前にDr.ヘル一派の襲撃を受けた事で開発が中断、未完成のままで現在は科学要塞研究所の兜剣造博士が開発を進めている。
そんな訳で、甲児の生命の危機&ペーパープランで終わった失敗作のデビルマジンガーの登場により覚醒したマジンガーZEROはその行動理念のままに地球産の他のスーパーロボを駆逐すべき活動を開始したのだが……
『全艦隊、パターンZ用兵装を任意に使用。』
『バスタービーム砲、照準付け次第順次発射。』
『GB、収束状態でチャージ完了と同時に発射せよ。』
『マイクロブラックホールキャノン、発射します。』
『亜光速レールガン、チャージ開始。光子弾頭は近接信管でセット。』
『チャージ完了次第、各艦斉射せよ。』
『発射。』『発射。』『発射。』
『無人量産型OF7000機はパターンZ用兵装で任意に攻撃。敵味方の射線が地球並びコロニーに重ならない様に留意せよ。』
無人量産型OF3000機による重力場による拘束。
そして無人シズラー改によるバスターホームランによる殴打並び重力場レールガンによる射出。
これによって地球上から宇宙空間へと吹っ飛ばされたマジンガーZEROは、彼が吸収できない重力・空間歪曲兵器と吸収してもエネルギーにならない冷凍光線であるバスタービームの砲撃を大艦隊規模で受けていた。
その隻数、実に3000隻。
冥王星工廠基地にあった巨人族向け兵器工廠を利用し、完全に無人化されたこの艦隊は同数どころか約3倍の宇宙怪獣の大艦隊にすら勝る戦力を持つ。
つまり、この艦隊があれば一億体以上の宇宙怪獣に勝利できるのだ。
そんな艦隊をたった一機の機動兵器を破壊するために使用する。
実情を知らなければ余りにもおかしな戦力差・物量差に見えるが、実態は全くの正反対。
太陽系防衛用無人兵器部隊の艦隊側こそが不利なのだと、知る者はこの時点ではまだ殆どいなかった。
煩 わ し い
大艦隊の砲撃の雨霰を数え切れぬ程に受けながら、それでも魔神は健在だった。
多少表面装甲が削れているようだが、そんなものは掠り傷であり、何もしなくても数秒もあれば自己修復する程度でしかない。
しかし、毒も何もないとは言え、大量の小蠅に纏わり付かれるのは気分が良いものではない。
消 し 飛 べ
故に、マジンガーZEROは何の躊躇もなく、最大火力を行使した。
光子力ビームによる雨とサザンクロスナイフによる無数の標的へのホーミング、そしてブレストファイヤーの照射によって目に付く全てを一息に薙ぎ払ったのだ。