多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話   作:VISP

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長ーい!
でも書きたい所書けて楽しかった!

それと、いつも誤字報告してくださる読者の皆さんと感想を書いてくださる皆さん、改めてお礼申し上げます。

特にムロンさんとガンバスターさんは毎度毎度構想に大きく影響する様なお話をしてくださってとても助かってますし嬉しいです。

では本編でどーぞ!

なお、題名は某刑事ドラマのパクリですw


第24話 太陽に捨てろ!

 新西暦186年8月3日 太陽系中心部

 

 そこには現在、未完成のマジンカイザー(の偽物)を太陽に投棄するための艦隊が厳重な警戒態勢を敷きながら航行していた。

 その編成は本格的なもので、るくしおん級を中心に新型艦であるアテネ級1隻と旗艦であるガリア級1隻で編成された極めて有力な艦隊だった。

 

 アテネ級は全長約800m、艦艇用大型縮退炉を主機関にスペースチタニウム製の装甲を採用した上でDFを搭載し、巨人族系兵器と同様の高い耐久性・信頼性を実現し、同サイズの地球圏の艦艇としては高いタフネスを誇る。

 武装面も艦首大型バスターキャノン×1、40cm装衝撃砲×6、誘導収束ビーム砲×20、多目的多連装ミサイルランチャー×6、対空ビーム機銃×多数に加え、高い艦載機運用能力も持ち、更に新時代の艦艇とすべく各種フォールド技術も採用され、単独での超長距離フォールドも可能となっている。

 開発はヴィックウェリントン社。

 次世代の宇宙艦を設計するには10万年単位の運用実績を持つゼントラーディ艦を手本とするのが合理的であると判断した同社がマクロス級のデータと自社の宇宙艦建造技術を組み合わせて建造した宇宙戦艦であり、基本的にマクロスをダウンサイジングして更に簡略化したような外見をしており、後に遭遇するメルトランディ系砲艦(マクロス級の原型)により近い外見となっている。

 新型の縮退炉の搭載、エネルギー伝導回路の見直し等によって主砲のバスターキャノンの威力はマクロスより20%の向上を果たしている。

 なお変形機構は存在しないが、量産性を高めるためブロック工法を採用している都合上、原作のように無理やり人型にする事は可能。

 但し、その場合は足にあたる部分が極端に短くなってしまう。

 ガリア級は全長3700m、艦艇用大型縮退炉二基を主機関、サブにプラズマリアクター二基を搭載、スペースチタニウム製の装甲とDF、更に各部がディストーション・ブロックで保護され、巨人族系兵器特有の耐久性・信頼性も合わさって凄まじい所か異常なタフネスを誇る。

 武装は艦首大型バスターキャノン×1、200cm4連装衝撃砲×5、誘導収束ビーム砲×多数、多目的多連装ミサイルランチャー×多数、対空ビーム機銃×無数、ホーミングレーザー発振器×4、更に高い艦載機運用能力を持つ。

 場合によってはマクロス級同様、内部に街や工廠すら設ける事の可能な容量も併せ持ち、大艦隊の旗艦としても申し分ない性能だ。

 ヴィックウェリントン社製の艦隊旗艦用宇宙戦艦であり、A.I.M.との交渉で手に入れたゼントラーディ軍4000m級中型指揮用戦艦を地球側の技術を追加して改装する事で開発された。

 アテネ級の開発経験から得られたエネルギー高効率化技術と縮退炉や新開発のプラズマリアクターからの膨大なエネルギー供給能力により、艦首バスターキャノンは原型艦の数倍の威力を有する。

 その他にもスペースノアに装備された衝撃砲を大幅にスケールアップした200cm4連装衝撃砲や多数のミサイルランチャー、シズラーシリーズに搭載されていたホーミングレーザーを装備するなど、単艦で艦隊に匹敵する砲火力を持つ。

 

 これらの艦は将来編成予定の外宇宙への移民開拓船団の護衛艦隊へ採用される候補の一つであり、現在無人機動艦隊として改装されて運用されている巨人族系艦艇を参考にしている。

 何れ来る太陽系外への旅立ちのための船、その試作艦がこの二つの新型艦だった。

 なお、艦載機に関してはスタークジェガン、VF-01アーマードパック(変形に非干渉)、量産型ビルトシュバイン、FAガーリオン、グスタフカールに加え、多数のデストロイド系(モンスター3機含む)にオーキスユニット装備型ジェガン+オーキスユニットで構成されている。

 

 FAガーリオンはリオンそのものを改装したバックパックを装備し、機動性と火力、出力の向上を実現した機体である。

 装備は基本実弾中心だが、AM系らしく低コストで仕上がっている。

 反面、操縦難易度がガーリオンよりもやや悪化してしまったが、武装面において大型レールガン(ランドリオンの装備)×1、ミサイルポッド兼シールド×1、翼部懸架式マイクロミサイルランチャー(VFと共通)×2、バックパック直結式ツインビームキャノン(エルアインスの装備)×1、脚部三連装中型ミサイル(ランドリオンの背中の装備)×2、胸部マシンキャノン×2、腕部ビームサーベル兼ビームガン×2から来るAM系としては破格の大火力を持つ。

 そしてオーキスユニット装備型ジェガンは月のアナハイム社にてテム少佐(出世した)とミノフスキー博士らによって楽しく弄られた代物を特機の代わりとして3機建造したものだった。

 多数のミサイルやロケット、試作型ヴェスバー2門にDF、大型ビーム砲兼サーベル内蔵クローアームを持つ本機は最新鋭巡洋艦に匹敵する大火力と防御力を持つ事に成功している。

 無論、操縦難易度は一年戦争時のジオン製MAに匹敵するが、それでもサイコセンサーの搭載によってある程度解決している。

 加えて、今回は任務が任務であるため、全機が対艦ミサイルやバズーカ等が反応弾や光子ミサイルへと換装され、核装備前提のグフタスカールに至ってはMkー82型弾頭を装備している。

 その威力たるや、小惑星改装型の要塞すら一撃で大打撃を与える威力であり、地球圏ではおいそれと使用できない代物だった。

 

 こんなものを用意してまで太陽への投棄作戦を成功させようというのは、それだけ連邦軍が未完成のマジンカイザーが第二のマジンガーZEROとなる事を恐れている事の証明だった。

 無論、今回持ってきた代物はデコイであり、もしもの時は太陽に向けて光速で射出せよとの許可も得ているが、それでもマジンガー系技術が小なりとも敵に漏れる可能性を現場の指揮官らは懸念していた。

 そして、その情報の真偽が分からないものの、絶対に無視できない者達からすれば、この任務は正に好機だった。

 結果は予期していた通り、艦隊の左右と前方の空間に揺らぎが発生する。

 ワープアウト、或いはフォールドアウトの前兆だった。

 

 「! 司令、本艦隊を中心に左右と前方3000kmに転移反応!」

 「来たか!全艦隊、第一種戦闘態勢へ!」

 「艦隊各艦は対転移先制攻撃、光子魚雷は全発射管に装填、完了次第順次転移反応に向けて発射!」

 「艦載機は全機発進用意。デストロイド隊は艦隊防空に参加、グスタフカール隊は艦隊直掩に回れ。」

 「ライブラリに検索、敵はゼ・バルマリィ帝国所属、フラワー級3隻と推定!後3秒で実体化します!」

 「光子魚雷装填完了!転移反応への照準良し!」

 「光子魚雷、全弾発射!」

 

 こうして、トレミィらの援護の無いまま、人類は初めてゼ・バルマリィ帝国第七艦隊との戦闘に臨むのだった。

 

 

 ……………

 

 

 太陽系中心宙域でそんな艦隊戦が行われている頃、第二新東京市においてはシンジは諸々の手続きを終えた後、普通の学生生活をしていた。

 一日目はあの戦闘と後に気絶してからのNERV内部の医療用ベッドで過ごし、二日目は早朝から目覚め行く第二新東京市をミサトと共に眺めてからの引っ越し、そして三日目から通学である。

 もう少し休める時間設けろよ!と言いたくなるタイトなスケジュールである。

 なお、住居は葛城ミサトと同じマンションの隣室である。

 これには同居しましょーよーとか言う葛城ミサトNERV作戦本部長(独身)に対して、先の戦闘に参加した首都防衛隊のメンバー(特にヘイズ3)から「ちゃんと未成年が生活できる環境を維持してますか?」という突っ込みが入り、親友の赤木リツコ技術開発部技術局第一課所属E計画担当・エヴァンゲリオン開発責任者から「絶対無理ね」とのコメントが出て調査した結果、「未成年への教育に悪過ぎる」との結論が出たため、護衛や監視の兼ね合いもあって同じマンションの隣室へと落ち着いた。

 因みに首都防衛隊は基本的に男女別の寮で寝泊まりなので、もしそちらに住む事になってもラッキースケベは起きない。

 学校においては相田ケンスケの仕業で見慣れぬ特機のパイロットとバレてしまったが、特に民間人への被害が出ないまま戦闘が終了したので鈴原トウジに殴られる事もなく、シンジは「ちょっとナヨっとした新型特機のパイロットってだけ以外は普通のもの静かな少年」として受け入れられた。

 そして登校初日、放課後遊ばないかと誘われると、シンジは残念そうに明日では駄目かな?と聞いてきた。

 

 「良いけど、何かあるのか?」

 「今日は一昨日の戦闘で一緒に戦った首都防衛隊の人達と一緒に歓迎会なんだ。一昨日は戦闘が終わって気絶しちゃったから、今日やろうって。」

 「へー、すぐ終わったと思ったけどキツイ戦闘だったんだな。終わったら気絶って。」

 「スーパーロボットのパイロットでもそんな事あるんやなぁ。」

 「あ、いや、それは僕が素人で初陣だったから…。」

 「「え」」

 「あ」

 「「「……。」」」

 「じゃ、また明日!」

 「あ、こらー!」

 「また明日-!」

 

 これ以上は機密かも知れないと焦ったシンジは愛想笑いを浮かべて素早く身を翻し、すたこらさっさと逃げ出した。

 鈴原はそれを追いかけようとするが、相田がそれを止めた。

 

 「何で止めるんじゃケンスケ!」

 「馬鹿!機密だったらシンジもオレらもヤバいでしょ!」

 「え、あ、あー…。」

 「にしても13、中学一年生で初陣って…。」

 「一体どんな理由でんな事になっとるんや…。」

 

 二人の疑問はもっともだった。

 

 

 ……………

 

 

 「ぱんぱかぱーん!ようこそ碇くーん!」

 「今日は主賓なんだから、ゆっくり楽しんでいってくださいね。」

 

 一瞬、首都防衛隊のサブの食堂(居酒屋鳳翔第二新東京市支店との暖簾あり)の一角でイメクラとか正気かな?とシンジは思った。

 周囲には厳つい軍人さんとかがげらげらだったりのほほんだったりと談笑しつつ、まだ明るい内から酒カッ喰らっているのを見て、余計にシンジは思った。

 

 「あ、直接ははじめまして。私は横塚愛宕中尉。こっちは姉の横塚高雄中尉よ。」

 「はじめまして碇シンジ君。ロック1と2と言った方が分かり易いかしら?」

 「あ!グラビリオンのパイロットのお二人ですか!?」

 

 そう言えば、ヘイズ小隊の面々は通信越しだが顔を合わせていたが、こちらの二人とはそんな余裕も時間も無かった。

 

 「あ、シンジ君も来てくれたのね。ヘイズ3改めクローナ・ゴトランド少尉です。皆は私のことゴトって呼んでるから、シンジ君もお願いね。」

 「え、えーと…ゴトさん、よろしくお願いします。」

 「よく出来ました!さ、こっちの席に上がって上がって。もうあの時のメンバー皆来てるからねー。でもシンジ君は未成年だからソフトドリンクね!」

 「お、少年もやっと来たか!そら飲みねぇ飲みねぇ、ここは連邦軍の食堂の中でも一際美味いぞ~!」

 「わわわ、皆さん落ち着いて!」

 

 こうして、碇シンジの第二新東京市での生活は、順調な滑り出しとなったのだった。

 三時間後、居酒屋鳳翔第二新東京市支店の御座敷の一角ではすっかり場酔いした挙句に潰れてしまったシンジに、ゴトランドが膝枕をしている光景があった。

 

 「何だ、少年はすっかりおねむか。」

 「隊長さん達の空気に当てられちゃったんですよ、もう。」

 「仕方ないだろ。この少年、真面目なのに繊細過ぎてこの位しないとストレスが抜けん。」

 

 そこにはさっきまでへべれけに酔っぱらったおっさんの姿はなく、極東方面軍の中でも富士戦技教導団に並ぶ精鋭で知られる首都防衛隊の長としての姿があった。

 

 「NERVがどういう意図を隠してるかは知らんが、この少年に色々しょい込ませようとしてるのは明らかだ。それはお前さん達も知ってるんだろう?」

 「えぇ、本当に度し難い連中ですよ。」

 

 一連邦軍の佐官とA.I.M.の実働部隊、否、太陽系防衛用無人機動部隊からの派遣パイロットはこの少年を絡め取るドロドロとした陰謀の存在を全貌は知らないにせよ何かがあるという事を知っていた。

 無論、嘴を突っ込むつもりはヘイズ1には無い。

 それは目の前の少女の形をしたモノとその仲間達に任せているからだ。

 しかし、市民を守る連邦軍人として、一人の大人として、ヘイズ1は目の前の存在へと眼光に殺気を乗せて告げた。

 

 「少年はまだ民間人で、子供だ。例え特機の中でも指折りに特殊な機体に搭乗できると言えどもだ。」

 「えぇ。」

 「だから宣言しておく。その少年に何かしてみろ。必ずお前らを殺してやる。」

 

 本気だった。

 ヘイズ1のその言葉は、間違いなく本気だった。

 指一つ動かす前に自分を最低でも10回は殺せるとは分からずとも圧倒的格上だと分かるモノを相手にして、ヘイズ1はたった一人の民間人、たった一人の子供のために啖呵を切ったのだ。

 

 「その言葉、シンジ君が起きてる時に聞かせてあげてくださいよ。」

 「素面でこんな事を言えるかよ。それに少年が戦場に立っちまったのは、俺達大人が情けないからだ。」

 

 ぐい、と僅かに残っていたビールを飲み干すヘイズ1。

 が、大分温くなっていたのか、思わず顔を顰めていた。

 やはり日本でならドイツ式常温ビールじゃなく、キンキンに冷えたジョッキのビールである。

 

 「俺達大人が情けなくて弱いから、子供まで苦しい思いをして、挙句戦わせる事になる。一年戦争の時もそうだった…。」

 「あぁ、隊長はアムロ君を鍛えてくれたんでしたっけ。」

 「応ともよ。今じゃNTだエースオブエースだ白い悪魔だって言われてるがな…アイツは、当時普通のガキだったんだよ…。」

 「やはり心残りがあったんですね、ヤザン隊長。」

 「当たり前だろうが…。」

 

 ヘイズ1、ヤザン少佐は一年戦争当時を回顧する。

 単なる小僧で、父親や友人達が生きていたから辛うじて狂わずに済んだ少年。

 その才覚故に人生を戦争に注力せざるを得なかった、守るべき子供。

 あんな子供を戦わせて何がエースか、何が野獣か!

 当時、同じ軍人だった恋人も戦争後期に無くしたヤザンにとって、アムロの存在は大きな傷であり、同時に救いでもあった。

 あの傷ついた子供が、ほの暗い瞳をした少年が、今も生きて大人になって、挙句今や二児の父親なのだと。

 アムロとセイラが二人の子供を腕に抱き、テムも含めて微笑んでいる家族写真は他の同僚や同輩、恋人の写真と共に今もヤザンの私室に飾ってある。

 

 「で、どうなんだ?」

 「寧ろ、私達としてはシンジ君が一民間人として平和に暮らしてもらう事を望んでいます。」

 「その言葉、裏切るなよ?」

 

 ぐい、と今度は冷え切った茶を飲み干したが、妙に苦いな、とヤザンは思った。

 

 「二人共、そんな話はオレのいない所でやってくれ。」

 「何だお前、起きてたのかよ。」

 「そうだ、フレッドさんも何か真面目な話してくださいよ。」

 「勘弁してくれ…。」

 

 ヘイズ2、フレッド・リーパーはそう言って口を閉ざすのだった。

 ちなみにロック1と2こと高雄と愛宕はやってきた店員さんに食器を纏めて渡したり、酔い潰れてる面々の介抱やタクシーの手配等をしていた。

 シンジ君はこの後、ゴトランドにマンションまで送迎されました。

 

 翌日、シンジの携帯端末にはヘイズ小隊を始めとした首都防衛隊の主要メンバーの連絡先が登録され、昨夜撮った多くの写真が保存されていた。

 なお、翌日にその写真の中でも高雄や愛宕に左右から抱き締められた時の写真やあーんしてもらった時の写真、止めにゴトランドに膝枕してもらいながら頭を撫でてもらった時の写真がしっかり収められており、トウジとケンスケにばれてしまって大変な嫉妬を買ってえらい騒ぎになってしまったりもした。

 だが、それら全てシンジにとっては大切な思い出になるのだった。

 

 




艦娘組は勿論ナノマシン式自動人形です。
横塚=横須賀と同じ母音
クローナ=スウェーデンのお金の単位
フレッド・リッパー=ガンダムサイドストーリーズにてピクシーガンダム(フレッド専用機)のパイロット。UCガンダムにてイフリート・シュナイドに搭乗して戦う。

野獣ヤザン、大人としての姿を魅せる。
そしてゴトちゃんによるシンジ君幼馴染み化計画が実るのか、はたまた高雄んと愛宕んによるおねショタおねコースに入るのか、それはまだ不明ですw

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