多重クロス作品世界で人外転生者が四苦八苦する話 作:VISP
新西暦186年8月3日 地球 極東方面
太平洋沖に新たに発見された巨大不明生物はそのエネルギーパターンから第四の使徒と推定、ATフィールドを展開した状態で真っすぐ第二新東京市へ向けて移動していた。
『周辺の民間船舶は退避完了しました。』
『よし、爆撃機各機は光子爆弾を投下せよ。』
周辺に気兼ねなくぶっ放せる状態の上、相手に遠距離攻撃手段が無いとなれば、そりゃーこうなるってもんである。
第四使徒シャムシェルは最初の威力偵察用の無人攻撃機ゴーストによる攻撃で自分を害せるものはいないと判断していたのか、特に反応する事もなく光子爆弾の直撃を受けた。
『光子爆弾、投下開始。』
『…直撃を確認。目標表面にダメージを確認。』
『予測通りだな。死ぬまで攻撃続行だ。』
こうしてボコボコにされたシャムシェルは碌すっぽ反撃できぬままにその体表を削られ続けるという、なぶり殺しに近い状況に置かれてしまった。
そんな状況が続いて約30分、シャムシェルは完全に移動不可能なまでに損傷し、その質量の3割を削り取られていた。
辛うじてS2機関は守り通しているものの、完全に死に体だった。
『目標、移動能力を喪失した模様。』
『アレ作った先史文明って奴らは馬鹿なのか…?』
『言ってやるなよ。ライディーンとか移動都市とかは凄いだろ?』
『お前ら、お喋りしてないで止めを刺すぞ。』
その時、念のために周辺海域に展開していた連邦海軍所属の艦艇から緊急通信が入った。
『て、敵襲、敵襲です!こちら三笠、現在艦内に敵が侵入しt』
『海底に感あり!大型の特機と推定、本艦に向k』
『総員、目標を不明敵勢力に変更!使徒殲滅は後回しだ!』
『『『っ!?』』』
その通信を聞いた三機の爆撃機は、驚愕と共に困惑した。
即ち、「あの、俺ら対水上・水中用装備持ってきてないんですが」というものだった。
目標がゆっくり動く使徒で、反撃も何も無いから圧倒していたが、それ以外となるとちょっと無理だった
。
『どうする?』
『本来なら使徒への攻撃が優先なんだが…。』
『でも今不明勢力に変更って言ってましたよ?』
『……HQ、爆撃機隊は対水上・水中用装備を持っていない。光子爆弾の残りも僅かだ。よって帰投したい。よろしいか?』
『こちらHQ、帰投を許可する。』
こうして、三機の爆撃機はあっさりと帰投した。
止めを刺せぬ事を残念に思った彼らだったが…実の所、彼らは幸運だった。
この直ぐ後、ヒマラヤ級含む水上艦艇並び搭載されていた艦載機は全滅、生存者もほんの僅かしか出なかったのだから。
「これが使徒か。あの程度の爆撃機すらどうにもならんとは…何とも無様だな。」
BF団最高幹部たる十傑集が一人、衝撃のアルベルトは葉巻を燻らせながら、もがき続けるシャムシェルを前にそう吐き捨てた。
『アルベルト様、これより回収作業を始めます。』
沈み行くヒマラヤ級の残骸の上に立つアルベルトのすぐ近く、海底から浮上してきたオロシャのイワンの乗るウラエヌスが配下の量産型GR-2を始め、BF団所属真シズマ・ドライブ搭載ロボット達を連れて現れた。
ウラエヌスを除いた各機は死に体のシャムシェルに取り付くと、必要のない部位を切り離して解体、総質量の4割程度とS2機関だけとなった状態の肉塊をコンテナに箱詰めしていく。
「うむ、後はお前達に任せる。イワン、ワシらは行くぞ。」
『? 一体何処に行かれるのですか?』
「決まっておる。」
にやり、とまだまだ不完全燃焼なアルベルトは闘志を露わに口の端を歪める。
「第二新東京市。エヴァンゲリオンとやらも回収前にその価値を見定めねばならん。」
こうして、第二新東京市に十傑集来襲が決まってしまった。
……………
一方その頃、太陽系中心領域には未だゼ・バルマリィ帝国監察軍第7艦隊副司令分艦隊が存在していた。
「回収したサンプルはどうか?」
『解析の結果、装甲材はマジンガーZと同様の超合金Zであり、内部構造は解析できる程のものは残っておりません。』
「やはりダミーだったか…。」
分艦隊司令として戦闘に参加したヴィレッタは、予想通りの結果に溜息を吐いた。
この分艦隊と太陽派遣艦隊の戦闘は熾烈を極めた。
フーレ級も3隻中1隻が轟沈、2隻が小中破という結果はヴィレッタをしてかなり驚いていた。
最終的にこれ以上の損害を無視できなくなったヴィレッタがプロトタイプ・ジュデッカとも言えるアンティノラに乗って出撃、敵旗艦に大打撃を与える事で敵艦隊がコンテナ(時限爆弾付き)で太陽に向け射出、そのまま転移によって撤退していった。
「メギロートも殆ど消耗した…これはお叱りを受ける事になるか。」
(それに、イングラムの身が危険かもしれない。)
第7艦隊副司令たるユーゼス・ゴッツォの命によってこの作戦は行われたが、明らかにこれは地球連邦内部にいるだろうバルマーのスパイを炙り出すためのものだった。
それでも僅かながらあの魔神の情報を欲したユーゼスによって作戦は強行され、殆ど損ばかり被る事となった。
(でも、今回の情報はイングラムは出していないそうだし…どうしたものかしら?)
イングラム・プリスケン少佐は現在SRX隊の教官兼指揮官として動いている。
これは地球の戦力を向上させつつ各方面にコネを作り、何れ来るゼ・バルマリィ帝国への融和をスムーズに行うためのものなのだが…。
(ユーゼスがそんな事する訳ないわよねぇ…。)
名目上の司令であるラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォはユーゼスの作った複製クローンであり、本物は既に十数年前に巨人族との戦いで戦死、現在は人格も典型的武人から好戦的にされ、外見や能力は同じだけの別の個体だ。
そして、基本的にユーゼスの言いなりの人形である。
ユーゼスが何を考えているか分からない現状、迂闊な事はしたくないのだが…
(そうも言ってられないか…。)
イングラムを洗脳されている現状、迂闊に動けばエライ事になるのがよく分かっていた。
連邦軍情報部、具体的にはギリアム・イェーガー少佐ともコネクションが構築できた現在、ダブルスパイとしての自分の立場は多くの情報を得られては地球側に還元できる事もあって彼の上の地球連邦軍情報部としてもかなり美味しい筈だ。
今暫くはこの状態のまま、ダブルスパイとして動き続けた方が地球側の利益になる。
(問題はイングラムね。どうやって洗脳を解いたものか…。)
その方法がさっぱり分からない現状が、ヴィレッタにとっては多大なストレスだった。
また、地球での教え子や同僚達は皆気分の良い者達であり、彼らを騙し続けるのはただただ辛い。
結局、諸々を考えると今の立場を続行せざるを得ず、それは彼女にとってただ只管ストレスを重ね続ける事と同義だった。
(胃薬、買おうかしら…?)
凄まじく重い溜息を吐きながら、ヴィレッタは内心でそう愚痴った。
……………
「三将軍よ、準備は整っていたか?」
「は、抜かりなく。」
「地球侵攻軍全て、今か今かと帝王様のご下知を待っております。」
「今度こそ、我らの手で御身にあの青く美しい星を!」
「良い、実に良い。だが忘れるな。次に失敗あれば、その時は素直に退くのだ。」
「「「はっ!」」」
「そなた等がまた敗北し、奴らが我が帝国等恐れるに足らぬと愚かにも吠えた時、その時こそこの私もまたそなた等と共に戦陣を組み、共に戦おう。死してなお、な。」
「有り難き御言葉、身に染みまする。」
「ですが我ら三将軍、必ずや御身の期待に応えましょうぞ。」
「全てを我らが帝王様へ捧げてみせましょう!」
「よろしい。ではムゲ帝国地球侵攻軍全軍、第二次侵攻作戦を開始せよ。」
今度こそ地球を手中に収めるべく、一度は撤退したムゲ帝国が万全の準備をした状態で再侵攻を開始した。
……………
「次は、地球か…。」
「おっすー☆どうしたんですアトミラールさん?次の任務は何ですか?また宇宙怪獣の巣に突撃!隣の敵本拠地!するんですか?」
「あんなの二度とご免よ!?そうじゃなくて、次のノイレジセイアからの任務は地球で変な特機の回収だって話。」
「あらま。そりゃまた変な話ですね。」
「あら、サンプルの回収ですの?」
「アルフィミィ、貴女ももう少しその髪の毛と露出どうにかしなさい…。」
「これが私の芸風ですの~。」
「あ、あの、地球、ですか?」
「あ、レーちゃんもいたかー。何、どうしたいの?」
「ちょっと、だけ、行きたい所が…だ、だめ?」
「仕方ないわね…任務の合間になら良いから、一人で出歩いたりしたら駄目よ?」
「う、うん…!」
「よっしゃーじゃー何か新作出てないか探すかー。」
「貴女はもう少し緊張感とか持ってくれないかしらねフォアルデン?」
こんな感じで、アインスト化した人類や人類を参考に生み出された擬人型アインスト達もまた、再び地球圏へとやってくるのだった。
最後の4人の女性キャラはアインスト・アルフィミィ+3人のアインスト化した女性達(オリキャラ)です。
その内設定出すので、それまではお待ち下さい。