少し改定
とある王国の祟り神との話開幕でございます
目を開けると空は暗く月が輝いていた
俺は鈍い痛みに顔をしかめて体を起こした
「いつつ……ここどこだ……?」
軽く周囲を見渡すと森の中だった
えっとまず俺はどうなった?
最後の記憶は都市の機械音声で聞こえた自爆という単語と秒読みの声、となると自爆の爆風でここまで吹っ飛ばされたか?でも何故に自爆なんて……
「服、もうこれは駄目だな」
少し嫌な考えが頭を過って俺は首を振る
その時自分の体を見ると服はボロボロでもう服の意味をなしていなかった
俺は一つ手を打ち鳴らす
創ったのは作りが簡単な着流しでそれを俺は身に纏った
「服はこれで良しっと……」
もう一度俺は手を打ち鳴らす、続いて創ったのは短刀、軍の時ではあまり使わなかったが万が一刀が振れないような狭い場所等で対応できるように持っていた俺のサブウェポンだ
「さてとそれじゃ歩き回って見ますか」
俺は立ち上がり話ができそうな生命体を探し求め、少し暗い森を歩く
何度も夜が明けて、陽が落ちて、数え切れない程にそれが繰り返した
何度か人間のような猿のような奴を見つけたが誰も言葉らしい言葉を喋ろうとはせずに動物のように唸り声をあげるだけだった
俺は最初の森に戻り永琳を待っていた、それからまた何日も過ぎ、日にちの感覚が曖昧になり始めた頃にその声は聞こえた
ウワアアアアアアア!
微かに男の悲鳴のような声が聞こえた
「悲鳴……?あぁ見つけた」
俺は飛び上がって近くの木に登り声の方向を見る、そして数百m先に妖怪に襲われている男を見つけた
俺は木から木へと飛び写りながら男の下へと向かう、男を襲うその妖怪は熊のような妖怪だった
俺は男へと腕を振り上げている妖怪に飛び蹴りを当て仰け反り倒れた妖怪が起き上がる前に妖怪の頭部を踏み潰した
「怪我ないか?」
俺は呆けている男に話しかけた
「……あ…あぁ…だ……大丈夫だ」
呆然としていた男は頷いて辿々しくそう言った
「そうか……ならばよかった」
言葉らしい言葉を喋った男に俺は話せる奴に会えたと安堵の息を吐いて俺はそう言った
「あ、あんた何者だ?」
震えた声で男は言った
「俺は黄昏虚と言う、アンタは何処から来たんだ?」
「お、俺は洩矢の王国から来た者だ、この辺りには丁度狩りに来た、危ないところを助けて頂いて感謝する、礼がしたい、もし良ければ…国に来ないか?」
「……分かった」
俺が頷いてそう言うと男は嬉しそうな表情を浮かべて頷いた
俺は洩矢諏訪子と言われる神が納める王国につれてこられた
この男と歩くうちに気付いたのだが服装がかなり前時代的なことに気がついた
木綿だろうかそれを布にして首の部分と腕の部分に穴を開けただけのような服を着ており都市に住んでいた時には考えられないような服装だった
「コホン……とりあえずようこそ洩矢の王国へ、俺の家に案内する」
そこは王国と言われると首を傾げたくなるが集落と言われれば納得できる程度の国だった、丸太を組んで作られた背の高い家が至るところにあり、その近くには稲を育てているのであろう田んぼがあった
俺のいる近くには外敵発見のためか櫓が建っており、少し見渡すと遠くに幾つか同じような櫓があるのが見受けられた
狩人の男が槍を持った門番のような男と話をしている、門番のような男は訝しげな顔をして俺を見て、一言通れと言った
俺は男の家だという場所へ案内された
「あなたおかえりなさい……そちらの方は?」
「あぁただいま、狩に出ていた時妖怪に襲われてしまってな……」
「え!?怪我はない?!」
悲鳴のような甲高い声を上げて男の妻であろう女は男に走り寄る
「あぁ大丈夫だよ、こちらの方に助けてもらった」
「夫を助けてもいただきありがとうございます」
と男の嫁らしき女が頭を下げた
「いや、気にしなくていい」
「すまないが、俺は洩矢様に報告に行ってくる」
と男は社がある方角へと走っていった
しばらくすると男が暗い顔をして帰ってきた
「……ただいま」
「おかえりなさい……どうしたの?」
「実はな……」
男の話によると今日は神への貢物を捧げる日だったらしく、妖怪に襲われ貢物を捕れなくなり殺されると思ったら俺を捧げたら許してやるとのことだった
「了解した」
「すまない命の恩人を生け贄に差し出すような真似をしてしまって…」
申し訳なさそうに男は謝罪する
「いいよ、あの社にいけばいいのか?」
「あぁ、洩矢様は一人で来いといっていた、失礼の無いようにすれば生き残れるかもしれない本当にすまない」
「忠告ありがとう」
俺は洩矢様と言われる神の社へと歩いた