俺は鳥居をくぐり目の前にある社を見る
辺りを軽く見回すが誰もいない
「…そなたが妖怪を退けた人間か」
いつの間にか目の前に金髪の少女がいたおそらくこの少女が諏訪子と呼ばれている神なのだろう
「ふむ…とても妖怪を退けた人間とは思えないな」
「俺もこんな美少女が神だとは思わなかったな」
「ふぇ?」
少女は驚いたように目を見開いた
「ん?どうした?」
「あんたさ私どう見えてる?」
少女は自身に指差しそう言った
「変な帽子被った金髪の美少女だが?」
笠の広い麦わら帽子のようなものに目玉がついた帽子、これをヘンテコと言わずになんと言えば良いのだろうかと考えつつ俺は答える
「……あんた何者だい?」
「俺は黄昏虚という、好きに呼んでくれ」
「私は
「そうか……」
「いや、そうかって……他になんかないの?」
少し呆れたような声で少女は言う
「とくにないが?」
「あーうー……それよりどうやって妖怪退けたのさ?」
少女は帽子を深く被り顔を隠す
「殴って踏み潰したが?」
「踏み潰した!?」
「あ……あぁ…」
俺は突然の大声に少し驚く
「あんた本当に人間?」
「どっちなんだろうな……」
俺は妖力を解放する
「っ!?…あんた妖怪だったのかい」
諏訪子はドスの効いた声でそう言う
後ろからワラワラと何処からともなく白い蛇が出てきて俺を睨み付ける
一匹一匹がわりと洒落にならないレベルで強大な気を感じるな、殺れないことはないがそれはかなりキツイ…これは対応をミスったかもしれん……
「わからん……」
「わからないって、あんた妖力持ってるじゃないか」
俺はさらに霊力も解放する
「霊力も、でもそれじゃ半人半妖なんじゃない?」
「親がわからないからな……確かに半人半妖なのかも知れないしはたまた別のナニかなのかも知れない、ようは俺自身もわからないんだよ」
俺は頭を掻きながらそう答えた
「あーもう、止め止め、なんか毒気抜かれたし危険な雰囲気ないしもう良いや!」
諏訪子は声のトーンを戻してそう言った
「殺さないのか?」
「止めとく、やれば私もただで済まなさそうだしね」
「そうか、なら俺はどうしようか……」
「ここに居なよ、私の国の住民を助けてくれたのは感謝する、でもあんたが妖怪とわかったからには素直に住まわさせてやることは出来ないよ」
自由が利かなくなる、かと言ってまた一人になるのは正直御免だ、これ以上一人は絶対に心が持たない、それに永琳を待つために動き回るより一ヶ所に留まる方が吉だろう
そう考えて俺は頷いた
「了解した、しかしここに置いてくれるのはありがたいが国民は俺をただの人間だと思っているんじゃないか?」
「あんたは私が嘗められるんじゃないかと危惧してんだね?その辺は安心していいよ、この子達を見てごらん」
少女、諏訪子はどこからか数匹の白い蛇を呼び出した、先程俺を睨み付け威嚇したものと同じものだ
「さっきも出てきたがそれは?」
「この子はミシャクジ様、祟り神だよ」
「なるほど諏訪子、あんたはそのミシャクジ様を操れるのか?」
ミシャクジと言う白い蛇は諏訪子の意のままに動いているようだった
「その通り、そしてこの子達を使って信仰を私は得ているってわけ、さしあたってあんたにはここの神職についてもらいたい、異常とも言って良いほど霊力があるから理由も充分だよ」
「……了解した、それでは世話になる諏訪子殿、いや洩矢様か?」
「アハハッ今はアンタと私しか居ないし諏訪子で良いよ」
諏訪子は子供のように笑ってそう言った
「わかった…これからよろしく頼む諏訪子」
「よろしく虚、さてととりあえず面倒な話は終わったし上がりなよ」
「あぁ」
俺達は社の中へと入って行った
その後助けた男の家に行けば、狩人の夫婦は安堵した表情を浮かべて良かったと自分のことのように嬉しそうにそう言っていた
俺は諏訪子のところで神職をやることになった事などを報告し夫婦と別れた
数ヶ月程の歳月が過ぎてやっとこの国の地理と仕事に慣れ始めた
少し難航したのは社の地理だった、この神社は国王が住む場所なためか途方もなくこの社はデカイ、幸い造りは簡単なので主要な場所は直ぐに何とかなったが、細かい場所はどうにも覚え辛かった、これには元々俺は方向音痴の気があったからだろうとは思いたくない
ここに来てからの事をそう思い出しながら俺は月を見ていた
「あっ…いたいた虚」
「ん?」
用意された自室で月を眺めていたら足音が聞こえ続いて最近聞き慣れだした少女の声、諏訪子の声が聞こえた
「どうした諏訪子?」
「いや、どうだい少し?」
諏訪子は親指と人差し指で輪を作り口元で傾ける動作をする
「酒か……了解付き合おう」
「……なんだいその間は」
「酒は弱い訳ではないがな特別強いというほどでもなくてな…」
俺は諏訪子の部屋へと案内された
「さて、座りなよ」
「それじゃ御言葉に甘えさせてもらう」
盃を手渡され彼女は俺の盃に酒を注いでくれる
「何か話があるんじゃないのか?」
「ん?別になにもないよそれとも何か?何か理由がないとあんたは私と酒を飲んでくれないかい?」
「いや、そう言うことではないが」
「ならいいじゃないか」
自身の盃にも酒を注ぐとそれを俺につきだしてくる
俺はその盃に自分の盃を当てる、その時諏訪子が小声で乾杯と言ったので俺も続けて乾杯と言う
「そんなに理由が欲しいならそうだねぇ、あんたここでどうやって働く?」
「俺は能力があるからそれでどうにかならないか?」
「へーどんな能力?」
「それはな…
『嘘と
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