妹紅はきっと物語を完結させる程度の能力を持っている (確信)
虚と紫の会話を追記しました
最後の妹紅の呼び方を変えました
訂正したり追記したりで、すみません
糸を歯で噛み切り、服を広げてほつれなどを探すが見つからなかった
「よし、これにて修繕終わり」
俺は創造していた針を消す
昨日の訓練で所々燃えてしまっていた妹紅の服の修繕をしていたのが先ほど終わった所だ
寝ずにやっていたのだが、本当に便利な体になったものだ、寝ることが必要ない訳なのだが、それでも何かクルものがあるなぁ……
途中で妹紅と夕食を食べる休憩を挟んではいたがそれでもかなり時間が掛かったようで外を眺めると空が白くなっている
「俺が化物なんて今更だ」
俺は自分に言い聞かせるように呟く
人間が指を斬り落としても直ぐに再生したりしない
人間が数億の妖怪の軍勢を単騎で殺し尽くすこともできやしない
人間が大都市を消滅させるような爆発巻き込まれたら死んでしまう
普通のこと、当たり前のこと、当然のことだ
だから俺が化物なんて本当に今更のことだ
やめよう、感傷なんて俺らしくない
「泣いてるわよ何か悲しいことでもあった?」
突如そのような女性の声が聞こえる、妹紅のものより少し高めの声だった
「別に何もないよ、紫」
俺は少し湿っていた目元を拭い顔を上げながら声の主の名前を呼ぶ
「あらそう」
開かれた障子の外の空間が裂け金髪の女性が降りてくる
「今日はどうしたんだい?」
「貴方に折り入ってお願いがあるの」
俺の正面に座った紫は真剣な目で俺を見る
「俺に頼み事?」
「とある妖怪の封印に協力してほしいの」
「妖怪の封印?」
紫程の妖怪が討伐ではなく封印、しかも協力を要請してくる程の妖怪か……
「
「手を貸せと言うが具体的には?」
「私が封印をするのだけどこの術式は集中力がいるの、だから西行妖の攻撃から私を守って欲しいの、お願いできるかしら?」
彼女は頭を下げる
「その西行妖は君と何か関係があるのかい?」
「私の大切な友人が管理している桜なの私は彼女を助けたい、だからお願い」
「成る程だから討伐ではなく封印か……分かった」
俺は首を縦に振って言う
「ありがとう」
「少し準備もあるから明日来てくれ」
「分かったわ」
紫は空間を裂いて帰っていった
「とりあえず妹紅起こしにいくか」
俺は立ち上がり妹紅が寝ている部屋へと足を運ぶ
「妹紅もう朝だぞ起きろ」
「……」
「おい妹紅」
妹紅が起きないので体を揺する
別に他意はない
妹紅の女性的象徴部分が揺れようとも俺は悪くない
「ふみゅ」
妹紅が俺を抱き寄せようとするが抵抗する
「おきてんだろいい加減にしろ」
「……ちぇっ乗ってくれても良いじゃないか」
「話がある着替えて居間に来てくれ」
俺は絡み付いている妹紅の腕を外し
その場を後にする
しばらくすると居間に妹紅が来る
妹紅は白いシャツに赤いもんぺを履き
髪をいくつかのリボンでくくっている妹紅が来た
「虚、話って何?」
妹紅はまだ少し眠そうに目を擦りながら首を傾げてそう言った
「まぁ少し座りなよ」
「ん」
そう言いながら妹紅は頷いて座る
「さて、まぁ話と言うのは俺はここを離れることになった」
「……直ぐ帰ってくるんでしょ?」
妹紅は首を傾げて言う
「多分長くなると思う」
「どのくらい?」
「さぁわからん」
これは嘘だ、西行妖の封印、紫が協力を求めて来たがおそらく過剰戦力になる、長くても一週間程しか掛からないだろう
「わからないって……」
妹紅は信じて顔を暗くする
嘘を吐いた上にその理由が身勝手なものだから余計に罪悪感を感じる
「それでだ妹紅、俺はここにずっと仙人みたいに籠るのは良くないと考えた」
「……え?」
妹紅は少し理解が及ばないのかキョトンとした表情をする
「戦闘技術はある程度教えたし、妖怪を退治できるならある程度は大丈夫だろうと思う」
「嫌だよ!」
妹紅は絶叫する
「嫌だ、虚と離れるのは嫌だよ、私虚に嫌われることしたっけ?私に愛想ついちゃった……?」
俺は不安そうに言う妹紅の言葉を遮った
「いやいや、そう言うことではない」
俺は妹紅を宥めるように落ち着いた声で言う
やはり長過ぎたな、体を重ねた上に数百年一緒に住んでいた、俺もかなり情が湧いてしまっている……
紫のこの話は正直丁度良かった、妹紅と離れる切っ掛けになってくれた、もし妹紅とずっとここに住んでいたらかなり不味かったかもしれない
「なら私を連れていってよ!私は虚と離れたくないんだよ!」
「別に永遠にさよならって訳じゃないだろ?」
「それでもだよ!」
「なら、妹紅先に行っててくれないか?」
「行けって何処にさ?」
厳しい目で妹紅は俺を見る
「幻想郷という場所に」
「幻想郷?」
「幻想郷というのは、さっき言った友人が作っている場所だよ、そこでは俺みたいな化物と人間が共存することができるようにすることが目的で作られている場所だよ」
「……」
妹紅は無言で俺の目を覗く
「いつか俺もそこに行くことになるだろうからさ、先にっててくれな?……俺の可愛い妹紅」
「…………あーあズルいよ虚、そんな言い方」
妹紅不機嫌そうな顔で天上を見上げてそう言う、俺には不機嫌そうなのだが少し嬉しそうにも見えた
「わかったよ……幻想郷、探してみる、だけど絶対に幻想郷に来ること私は
妹紅はニッと笑う
俺はそれに笑い返すことで答えた
これにて人から蓬莱人となった少女の話は閉幕
次は存在するだけで死を誘う桜の話