東方暇潰記   作:黒と白の人

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名前が違っていたので修正
勇義→勇儀


第48記 鬼の頭目

青鬼に案内されたのは洞窟のような場所だった

 

「お頭、この兄ちゃんが話がしたいそうですぜ」

「んあ?」

「こんなところに客人なんて珍しいね」

 

そこには長い茶髪に大きな二本の角、片手に瓢箪、両腕と髪に分銅を付け盃片手に酔っている幼女と

長い金髪に赤い目、額から生えた一本の角、同じく盃を片手に酒をのむ女がいた

 

「んじゃ俺戻るから」

 

頭の前だから萎縮しているのか青鬼は俺に片手を挙げて素早く出て行った

 

「アンタ達が頭目か?」

「あぁそうだよ、私は伊吹萃香(いぶきすいか)

「アタシは星熊勇儀(ほしぐまゆうぎ)アンタは何て言うんだい?」

 

伊吹萃香(ようじょ)は顔がかなり赤いが、そこまで酔っている訳ではなさそうで受け答えは確りしていた

 

「俺は黄昏虚だ」

「そんで?アンタは何のようがあってここに来たんだい?」

 

俺は幻想卿の概要について話し、移り住まないか?と聞いた

 

「人間と共存ね……」

「それで?アンタはアタシ達に何をさせようってんだい?」

 

星熊勇儀は俺を見定めるように見てそう言った

 

「あぁ、アンタ達には幻想卿にある旧都で妖怪が暴走しないように見張っていてほしい」

「旧都って?」

「あぁ伊吹殿、旧都は地獄の経費削減のためにできたなんとも世知辛い理由でできた場所だ」

「ホントに世知辛いね、あぁ後萃香でいいよ」

 

ケラケラと伊吹萃香は笑って酒を煽り、自身を名前で呼べと言った

 

「なら、俺も虚でかまわないあと星熊殿も」

「別にアタシも勇儀で良いよ」

「話を続ける、その旧都には所謂力が全てみたいな妖怪が集まる、だからソイツらが暴走しないようにアンタ達に頼みたいんだ」

「ま、全員が全員、人間と共存なんて求めてないだろうしね」

 

勇儀は盃を煽りながら言う

正しくその通り、むしろ人間と共存するなんて奴は、混血か人間に恩があるか物好きだけであり、共存を望むのは極々小数で、大半が旧都に移るだろう

 

「でもさ、なんで私達なんだい?」

 

萃香がそう俺に問う

 

「ん?あぁそれはアンタ達が鬼だからだよ」

「私達が鬼だから?」

「あぁ、鬼は実力もあるし基本的に嘘を嫌う、約束事を破る事も嫌うから、今回の事には適任だと思って声を掛けた」

 

この話において求められるのは力と約束事を守れる誠実さ、鬼と言う種族はこの条件を満たしてくれている

 

「成る程ね、その辺にいる奴等に頼んで止められなかったじゃ話にならないし裏切られても困るからか」

「あぁその通りだ」

 

約束事を守れても力がなければ荒くれ者が集まると予想される旧都じゃ淘汰される、かといって力だけの奴ならばソイツも暴走しかねない、その点鬼は約束事を破ることや嘘を嫌い、力もそこら辺の妖怪相手なら片手で潰せる程の力がある、これほど適任な奴はいないだろう

 

「別に私達はここになんの思い入れもないし住処を移るのに抵抗はないよ、でもタダでって言うのは虫がいい話だと思わないかい?」

 

萃香はニヤリと笑みを浮かべる

 

あぁ、ここからどんな言葉が続けられるか簡単に想像出来るぞ……

 

「……具体的には何をお望みで?」

「なに、簡単な話だよ…」

 

萃香の言葉を遮り勇儀が続ける

 

「アタイ達と勝負しようってんだよ」

「……内容は?」

 

まだだ、まだ決まったわけじゃない……

 

「そりゃ決まってるだろ?喧嘩だよ」

「私達の仲間の門番の鬼を倒したんだってね?これで喧嘩しなきゃ鬼の名が廃るね」

「ですよねー」

 

俺は大きくため息吐いて肩を落とす

 

「あっ勇儀、最初は私だからね」

「あぁいいよ」

 

俺は星熊と萃香に連れられ外に出る

 

 

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