しばらく大通りを歩き里の外へ出る門が見え始めた
「さて里の外に出るわよ」
「りょうか、ん?」
俺は妖力を感じ俺達が入った里の入り口を見る
「どうしたの……?!」
「あれは明らかに友好なんてないよねぇ」
里に向かってきている妖怪を見つけた
「妖怪だ!妖怪が来たぞ!」
「逃げろ!」
「誰か中央の陰陽師呼んでこい!!」
「寺子屋の上白沢先生は!?」
「博麗のとこの巫女が今里に来てるはずだ!」
「早く呼んでこい!!」
その妖怪は猪のような妖怪で体の周りに触手のような何かがまとわり付いているような外見をしていた
「黄昏さんはここで少し待ってて」
「博麗の巫女出陣かい?」
「ええ少しぶっ飛ばしてくるわ」
博麗の巫女は面倒くさそうなため息を吐いて頷く
「行ってらっしゃい」
博麗の巫女は妖怪に向かって飛ぶ
「少し覗きましょうかね」
妖力もそこまで感じれなかったしすぐに滅せられるはずだから速くいかないと終わってしまうな
俺はそんなことを考えつつ屋根を伝って博麗の巫女が飛んだ方向へと向かう
「やってるねぇ」
博麗の巫女は妖怪を殴り、妖怪は吹き飛ぶ
「巫女って武道家の別名だっけ?」
俺はそんなことを言いながら観戦する
流石の妖怪も高々人間の拳一発では沈まない
妖怪は博麗の巫女を捕まえようとまとわり付いている触手を伸ばす、博麗の巫女はその触手を綺麗に回避して攻撃を入れていくが妖怪は博麗の巫女から逃げ遅れた少女に標的を変えた
「危ない!」
博麗の巫女は少女を押して逃がす
結果博麗の巫女は妖怪の触手に捕らわれた
息を切らしながら走る見知った顔を見かけ俺は屋根から降りてその女に声を掛けた
「おや、上白沢先生」
「黄昏殿か、いやそんなことより妖怪は?!」
「今博麗の巫女が戦ってて少女を守るため捕まった」
「そんな?!速く加勢しなければ!」
「いや、俺が少し手を貸すから良いよっと」
俺はそう言って博麗の巫女が捕まっている触手に狙いを定めて短刀を投げて触手を斬り裂く
「はぁ!!」
触手が斬れ力が弱まったためか博麗の巫女は触手を引き千切り後ろに下がり俺の隣に立つ
「ありがとう」
「別にいいよ、殴打じゃコイツと相性悪いだろ?」
「触手が邪魔ね、あれで打撃の威力が減る」
博麗の巫女はチッと舌打ちして妖怪を睨み付けた
「だから、コイツは俺が殺ろう」
俺は触手猪に指を差してそう言った
「これは博麗の巫女の仕事よ」
「ここは私達に任せてくれ」
「大丈夫、そんなに俺は柔じゃないよ」
俺は歩いて妖怪に近づく
妖怪は俺を喰うためか触手を伸ばす
俺は腕を触手に捕まえさせる
「意識などはないか」
その妖怪の目に意識の光がないことを確認して俺はため息を吐く
「くっ今助ける!」
「必要ないよ」
上白沢が此方に来ようとするのを俺は止める
俺は触手に縛られた腕で縛る触手を掴み妖怪を引き寄せる
「駄目だねルールは守らないと、好き勝手したいなら地下に行きなさいな、まぁこの忠告は君に意識もないし生かす訳でもないから意味なんてないけどね」
俺は此方に飛んで来るように引き寄せた妖怪を殴り飛ばす
「まだまだ行くよ」
腕を引き再度妖怪を引き寄せ殴り飛ばす
そして三度飛ばしたら触手が千切れた
「千切れたか」
妖怪はフラフラと立ち上がり逃げようと立ち上がる
「どこに行くんだい?」
俺は妖怪の頭上に跳び妖怪の頭を踏み潰す
グシャリと潰れる音と共に妖怪の頭が弾け飛び絶命した
「これで終わり」
ふと身体に妖力が入ってくるのを感じた俺は後ろに振り向く、里の人間がチラホラともう終わったのかと此方に戻ってきたり家の物陰から覗いている、その顔に浮かぶのは恐怖
あぁ、さっきの奴の血で体が血塗れだから怖がられてるのか……
幸い投げた短刀は近くの店の壁に突き刺さり発見は楽だった
俺はその短刀を回収して鞘に戻して袖にいれ、指を弾き穴の空いた壁を修復しておく
「帰るわよ」
博麗の巫女は俺に近付き俺の袖を引いてそう言う
「おや?良いのかい?」
「血生臭い、早く帰ってその血洗い流しなさい」
「あぁ、上白沢先生」
「な、なんだ黄昏殿?」
恐怖していると言うより引いてるなこれ……
俺はまぁ仕方ないと思い苦笑して上白沢に聞く
「この妖怪どうするの?」
「コイツは森に埋める予定だが」
「じゃあいらないのね」
「どうするのだ?」
俺がそう言って頷くと上白沢は困惑して俺に聞く
「いや、食べようかなと」
「え?」
「は?」
「ん?」
上白沢、博麗の巫女、俺の順で声をあげる
「えーと食べれるのか?妖怪は?」
「食えるよ、あぁ人間が妖力抜ずに食べると妖怪になるか死ぬかするけど」
妖怪が妖怪を喰うのは別に問題はない
だが、人間が妖怪の、いや正確には妖力が宿っている肉を喰うとなると話が違う
昔、人魚の肉を食べると不老不死になれるという話が出回り実際に食べた人間は死ぬという話を思い出し俺はそう付け加えた
「妖力って抜けるものなの?」
「まぁ死んでるからね時間がたったり、霊力で妖力を出したりすれば食べれるようになるよ」
この妖怪だって元を正せばきっと猪を恐怖した何かから生まれている、なら恐怖によって生まれた妖力を消せば妖怪だったコイツは妖怪に変化する前のただの猪に戻る
「美味しいの?」
「人によるんじゃないかな?それより服重いな」
着物は血で赤く染まりその血を吸っているため重量を上げて重い
おまけに濡れているため体に貼り付き気持ち悪い
俺はパチンと指を弾く
血に濡れたことを
「え?!」
「これでよし後で洗おう」
無かったこととしても気持ちが良いとは言えない
「能力?」
「その通り」
「アンタには驚かされてばっかりね、まぁいいわ帰りましょう虚」
「……あぁそうだね靈夢」
俺達は博麗神社へと飛ぶ