東方暇潰記   作:黒と白の人

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第60記 吸血鬼

何回コイツを斬り刻んだろうか?

 

斬って再生斬って再生斬って再生斬って再生

斬って再生斬って再生斬って再生斬って再生

斬って再生斬って再生斬って再生斬って再生

斬って再生斬って再生斬って再生斬って再生

斬って再生斬って再生斬って再生斬って再生

斬って再生斬って再生……

 

満月の夜の吸血鬼は不老不死

例え首を切り落としても心臓を貫いても生き続ける、全くめんどくさい相手だ

 

「化け物だなアンタ」

 

俺は攻撃を止める、吸血鬼は身体を再生させながら俺から距離をとる

 

「貴様こそ化け物ではないか、私の攻撃を掠りもせず避け続けるなど」

「見切れない程ではないからな」

「自信の攻撃で私の血が飛び散りそれさえも見切る貴様こそ化け物と言うに相応しい」

 

吸血鬼の攻撃手段は血液による攻撃、血液の槍、血液の剣等の形をしたものを十余り自信の周囲に漂わせながら俺をその血液の武器で攻撃する

 

「余り私の好みではないが後ろを見てみよ」

 

ニヤリと吸血鬼は笑った

 

「なに?」

 

吸血鬼は俺の後ろを指す

俺は素早く後ろを振り返る

そこには首に血液の剣を当てられている藍が居た

 

「さて、先ず武器を捨てろ」

 

勝ち誇った笑みを浮かべて吸血鬼は俺に命令する

俺は舌打ちをして短刀を手放す

 

「それでいい」

 

吸血鬼の弱点とはなんだったか

まず思い浮かんだのは銀製の十字架

しかしコイツは認めたくないが吸血鬼の中でも上位に入る奴だろう

ならば銀製の十字架程度少し怯む、若しくは全く無駄である可能性と推測できる……確実性に欠ける、保留

次だ、日光に照らす……論外だ

赤い月は吸血鬼が何らかの方法で出しているものだ、少なくとも夜が明けるのは奴の妖力が尽きた時だろう

日光…天候…雨…そうだ、流れる水は吸血鬼は越えられなかったはずだ

ならば越えようとするならばどうだろうか?

少なくとも継続的に怯むのは確実だ

そして上手く行けば弱体化も狙える……考えは纏まった

 

俺は指を弾く

 

晴れの満月から雨へと天候の改変

 

ポツリと冷たい滴が俺の頬に落ちてくる

 

「雨?!馬鹿な今宵は満月のうえ天候の固定もしておったのだぞ?!」

 

吸血鬼は頭上を見上げる

空には赤い月が不気味な光を出しているが、ポツリポツリと雨が降り始める

俺は吸血鬼との距離を詰めるために跳ぶ

 

「動くな!動けばあの女がどうなっても知らんぞ!」

「あの女とはいったい誰のことだ?」

 

俺は吸血鬼の側まで近寄り顎に掌底を入れ、空中から地面に蹴り落とす

吸血鬼は地面に叩き付けられる寸前に復帰し体勢を整える

 

「あの女どこいった?!」

 

おそらく藍を探しているのだろう

 

「虚、藍は助けたわ」

「ありがとう紫」

「申し訳ありません紫様、虚」

 

簡単だ吸血鬼の意識が雨に向いた隙に紫が藍をスキマに入れただけのことだ

 

「さて形成逆転だ吸血鬼」

 

俺がそう言うと

吸血鬼は舌打ちし幾何学的な魔方陣を作り出す

 

「雨量は少ないとは言え雨では分が悪い……次は殺してやる、お前達そいつを殺せ!」

 

吸血鬼は飛び上がり赤い館へと帰っていく

吸血鬼が残した魔方陣は扉のように開く

中から出てくるのは悪魔と言うものだろうか

黒や灰など暗い色をした肌

共通しているのは捻れた角と裂けた口をし黒い羽がついていることだろう

数はだいたい数百匹

その全ての悪魔はよくわからない奇声を上げている

 

「とりあえずこの雑魚共を殺さないとな」

 

悪魔達は俺の言葉を理解しているのか怒気を感じさせる奇声を発しながら突撃してくる

 

「虚、手は出さないで頂戴な」

 

しかしと言おうとしたが出来なかった

 

「ふふふ……私の式に手を出すなんて、それに私を手込めにする?全く……全くもって愚かしい」

 

ゆっくりとした声、その声には怒気が含まれ何か声を掛けれる雰囲気ではない

 

「みなこの幻想郷、いえ大地から消えさるが良い!」

 

パチンと扇子の閉じられる音

 

それと同時に現れる巨大なスキマ

そこから現れる黒い無数の腕

悪魔達はその腕に捕まり引きずり込まれ消えていく

なんとか腕から逃げることができた奴も見えるがそれは藍が打ち出す蒼い雷によって貫かれ絶命している

 

数秒経つとスキマは閉じられた

悪魔は全てスキマに引きずり込まれたようだ

 

あれ?これ俺いらなかったんじゃね?

 

ふとそんなことが頭を過った

 

「そんなことはないさ、お前が居てアイツの気を引いてくれたから私は助かった、感謝しているぞ」

 

そう言って藍は俺に抱きついた、先程の攻撃のせいか少しピリピリしている

 

「あぁ、それじゃ俺はあの吸血鬼を幻想郷の外に叩き出してくるよ」

 

俺は藍を放す

 

「ええお願い、私は博麗の巫女と結界を何時でも張れるようにしておくわ」

「あ……虚」

 

藍は俺に手を伸ばす

 

「……早く迎えに来てくれよな」

 

俺は藍に笑いかける

 

「ああ!」

 

藍は嬉しそうに笑みを浮かべ頷く

そっと紫が俺の側に寄り囁く

 

「……女誑し」

「…認めたくないが否定出来ない」

 

俺はそう囁き返す

 

「そちらは頼んだわ虚」

「了解」

 

俺はそう言って吸血鬼を追いかける

 




全く忌々しい!
この雨もおそらくあの男の仕業だろう
ここに来るのも時間の問題だ

「おい!」
「お呼びてすか旦那様」

このメイドは私を殺しにきたヴァンパイアハンターだった女だ
娘が気に入りここにメイドとして仕えさせている

「地下室のアレをだせ」
「妹様をですか?」
「アレを私の娘にするな!」
「……承知しました」

そのメイド恭しく扉から出ていった
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