東方暇潰記   作:黒と白の人

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それでは外の世界での話開幕でございます


第62記 外の世界

吸血鬼を消滅させて数十年

 

「懐かしいねぇ」

 

ビルが建ち並ぶ町を見て言う

 

永琳と出会った頃の町もこんな感じだったな

別れる時は何処の未来都市だよってなってたけどな

 

俺はクスリと笑う

俺は町を気の向くまま歩いている

そして公園の前を通りかかった所でそれを発見した

公園では一人の少女が同じ年頃の複数の男女にイジメを受けていた

普通であれば俺はそこから去るのだが

何故か俺にはそれが出来なかった

 

「返して、それは大事なものなの!」

「なら取り返せば良いだろ?」

 

少年は少女の物であろう白い蛇のような髪飾りと蛙の髪飾りを握っていた

そして気がつけば俺は少女をイジメていた少年少女達から髪飾りを取り上げ声をかけていた

 

「そのくらいにしろ」

「あ?おっさん誰だよ」

 

おそらくリーダーであろう少年が言う

 

「見ていて気分が悪い」

「おっさんには関係ないだろ?」

「そうだ!そうだ!」

 

それに同調するようにイジメていた少年少女達が言う

 

「もういいです、私は大丈夫ですから……」

「そんな傷だらけでよく言うね君は」

 

イジメを受けていた少女は緑髪で白地に青の線で縁取りした巫女服姿で青色のスカートを履いていた

しかし巫女服は所々砂を被って汚れている身体のいたる所には擦り傷が見える

 

「無視すんなよおっさん」

 

少年は手に霊力を使い風を集め俺に放つ

俺は風の玉のようなものを回避する

 

「おっおい!術は駄目だろ」

「先生に怒られるよ!」

「バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ」

 

霊力での攻撃、さらに教えている教師もいるらしい

 

「えっ避けた?」

「なるほど陰陽師の卵か」

 

この時代にまだ陰陽術を扱う少年に少し驚いたが、やはり時代の波には勝てないのか、それとも少年が未熟なだけなのか、とても弱い術でこれでは平安の頃では下級妖怪すら退治できやしない

 

「貴方もそうなんですか?」

「いや違うよ、俺は陰陽師じゃない」

 

緑髪の少女の問に俺はそう答える

 

「当たれ!」

 

俺はその攻撃を全て回避する

 

「おいお前ら、警告だ次はないぞ?」

 

俺は声を低くして言い、同時に少し妖力も放出する

 

「よ、妖怪?!」

「な、なんで妖怪が?!」

「は、速く先生に知らせないと!」

「逃げるぞ!」

 

少年少女達は恐慌状態に陥りどこかへと走り去っていく

 

なぜ俺はこの緑髪の少女を助けたのだろうか?

出せば消え続ける妖力を開放してまで……

 

俺は首を傾げながら少女に手を貸して立ち上がらせてその場を去る

 

「あ、あの…ありがとうございます!」

 

声をかけられ俺は振り返る、少女は頭を下げて俺に礼を言っていた

 

「君は、何かずれてるね」

「そう…でしょうか?」

 

俺は普通の人間とは違う反応の少女にクスリと笑ってそう言うと少女は首を傾げてそう言った

 

「そうだよ、俺は妖怪だよ?さっきの子供の反応が普通だ」

「それでもお礼は言わないと駄目ですから」

「妖怪相手に無防備なそれは自分を食べてくれって言ってるような物だよ?」

「その時はその時です!」

 

俺は口許に手を当てて笑う

 

あぁ、わかったなぜ俺はこの少女を助けたのか

 

「元気に言う言葉じゃないだろう……」

 

この元気の良さに素直なところ

 

「貴方の名前は?」

 

とても懐かしく感じた

 

「俺は黄昏虚、君は?」

 

 

 

そして極めつけには、懐かしい神達の匂い

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は東風谷早苗(こちやさなえ)です!」

 

守矢の巫女だったあの東風谷ちゃんに似ていたんだ

 

俺がそう思った時と同時に少女は名乗った

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