銀河帝国革命   作:悠久なる書記長

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今回は同盟内の話を外伝として掲載します。
※今話は本編とかなり毛色が違うのでご注意ください。
※過剰な原作・キャラ崩壊があります。
※作中の設定はあくまで今作品のみの設定になります。


外伝「魔術師消滅」

それはハイネセンで人気のゴシップ専門週刊誌「チューズデー」の記事から始まった……

 

『同盟軍の英雄に初スキャンダル!正に衝撃の極み!

ミラクル・ヤン禁断の愛!

お相手は同盟一美しすぎる女性議員ジェシカ・エドワーズ!?

魔術師は現代に蘇ったドン・ファンだった?

ダウナー系キャラを気取った草食系肉食軍人の実態とは!』

 

この記事に対し、世間の多くは真面に取り合おうとせず、中には悪質なデマであると怒りの声を上げる人もいた。

 

「ミラクル・ヤンがそんなことするはずない!これはデマだ!」

 

「ヤン・ウェンリーの嫁はグリーンヒル大将の娘で美しすぎる女性軍人ってテレビで放送されてた人だろ?浮気なんてするかなぁ……」

 

「反戦のマドンナであるジェシカさんがそんなことするはずないでしょ!あの人は結婚してるのよ!」

 

「そもそもヤン中将とジェシカ議員の夫のラップ准将は親友で3人とも10年来の付き合いって話だぞ。マスコミならそれくらい知ってるだろうに。」

 

更にヤン中将の恩師である統合作戦本部長シドニー・シトレ元帥が「私はヤン・ウェンリー幕僚総監の事を士官学校時代から知っているが、彼にそのような甲斐性があるとは思えない。これは名誉毀損に当たるのではないか。」と発言、多くの関係者も口を揃えて同じことを言ったのであった。

 

これにより週刊誌の記事はただのデマとして処理されようとしていた。そもそも世間では同盟軍の現役将官と最高評議会の現職閣僚が逮捕された「ラッキード事件」の方がはるかに話題になっており、信憑性のないゴシップ記事など、すぐに忘れ去られたのであった。

 

 

1週間後、チューズデーの特集にて、同盟全土を揺るがす衝撃の記事が掲載された。

 

『激震スクープ!

(ジャン・ロベール・ラップ)が目にした衝撃の不倫現場!

「自宅の寝室に裸の親友が…」

【美しすぎる女性議員】ジェシカ・エドワーズに何が--』

 

それはジェシカ・エドワーズ議員の夫にしてヤン・ウェンリーの親友、ジャン・ロベール・ラップ准将の暴露インタビュー記事であった。記事にて自宅でヤン中将と不倫中に、夫であるラップ准将が帰宅して鉢合わせとなったことが書かれており、更に自宅前でヤン中将とジェシカ議員が抱き合ってキスしている写真が掲載されていたのである。

 

不倫スキャンダルが事実であったことに対し世間は激怒し、マスコミは報道に熱を上げた。

そしてヤン中将の被保護者であるユリアン・ミンツ氏からの提供で、ヤン中将とジェシカ議員のメールが、朝の人気情報番組『ズームイン!!ハイネセン!』にて放送、世間に晒されたのである。

 

「さあ、今日の特集はこれ!【同盟軍の英雄、ヤン・ウェンリー中将に不倫スキャンダル!】」

 

「いや~まさか魔術師ヤンが不倫ねえ……」

 

「当番組ではヤン中将とジェシカ議員のやり取りしたメールの内容を入手したのでご覧ください。」

 

 

[愛しいジェシカ!おはよー!チュッ♡(笑)

 

もう私とジェシカは既に運命共同体となっておりますので、どうか最後までお付き合いください(笑)

 

明日の晩は抱っこして、腕枕して寝てあげるからね

 

ジェシカ!私にもチュッ♡は?(笑)

 

まだお風呂かな?一緒に入ろう! 今度ね!って…もう私とジェシカは、何でもありでしょ?(笑)

 

また湯船に浸かって、ちょっと恥ずかしそうな顔のかわいいジェシカを見せてね! チュッ♡]

 

 

「いや~まさかあのヤン中将がこんなメールを送っていたとは……」

 

「人は見かけによらないですよねぇ……」

 

「それでは今回の不倫スキャンダルに関して街の人々にインタビューをしました。」

 

 

「ショックです。ほんとショック。」

 

「既婚者同士で不倫でしょ?やぁねぇ……信じられないわぁ……」

 

「ヤン~俺にもチュッ♡ってしてくれや~」

 

「不倫なんて最低です!」

 

「英雄色を好むってか?よっ!下半身【フリー】プラネッツ!」

 

 

「……このように街中でもヤン中将とジェシカ議員に対する非難の声が多いみたいですね。この騒動、どうなってしまうのでしょうか。それでは次のニュースです……」

 

この報道に対し、ヤン・ジェシカ両氏共に沈黙を保っていた。マスコミは何とかしてコメントを貰おうと、彼等に付きまとったが、なしのつぶてであった。

 

しかし数日後、ヤン中将の義父であるイゼルローン要塞司令官ドワイト・グリーンヒル大将が会見を開いたことで、状況が一気に動くことになる。彼は涙ぐみながらヤン中将を非難すると同時、軍の上司として義父として息子の不義理を止められなかった不甲斐なさを同盟市民に謝罪、世間から同情を称賛を浴びた。これをきっかけにして社会全体で風紀向上・綱紀粛正の機運が高まり、大規模な市民運動に発展、レベロ政権は対応に追われることになる。

その結果、ジェシカ議員は情報交通委員長を辞任し議員を辞職、ヤン中将は幕僚総監を更迭され少将に降格の上、予備役に編入された。更にヤン中将を庇う発言をしたシトレ統合作戦本部長は退役することになったのである。

一方グリーンヒル大将、ラップ准将、フレデリカ大尉は被害者として世間から同情されたのだが、それがきっかけで彼等の模範的な軍人としての仕事ぶりが世間から高い評価を受けた。特にフレデリカ大尉はヤンとの離婚を拒否「夫の不祥事は妻の責任」と主張して自ら予備役入りを志願、世間から「淑女の鑑」と評された。そしてグリーンヒル大将はその立ち振る舞いから『民主主義国家の模範的軍人』として高い評価を受け、シトレ統合作戦本部長の後任であるラザール・ロボス元帥やクブルスリー宇宙艦隊司令長官以上の名声を集めたのであった。

 

 

世間を騒がせた不倫スキャンダルから数ヶ月後、事態はとんでもない大事件に発展した。

きっかけはヤン・ウェンリー氏の元被保護者であるユリアン・ミンツ氏が、謹慎中のヤン氏の自宅アパートを訪ねたところ、ヤン夫妻はおらず、大量の血痕が発見されたのである。ミンツ氏はすぐさま警察に通報、捜索したところ妻のフレデリカが書いたと思われるメモが発見された。メモにはヤン氏の名前が只管書かれており、最後に「アイシテル」と書かれ途切れていた。これがチューズデーにスクープされたのである。

 

そして同時刻、ラップ少将(准将から昇進)から元妻のジェシカと連絡が取れないと警察に通報が入る。警察がジェシカ宅を訪ねたところ、「ワタシハカレトエイエンヲトモニシマス」と書かれたノートのみが残され、行方不明となっていたことが報道され、一連の行方不明事件に合わせて「ヤン・ファミリー神隠し事件」と命名され世間を騒がせた。

 

世間では心中や夜逃げに駆け落ち、果ては暗殺や異次元人に誘拐されたなんて噂が飛び交っていたが、どれも信憑性に欠けるものばかりであった。

そしてヤン達の行方は警察と関係者の必死の捜索にもかかわらず、手掛かりすら見つからない有様で、事件の迷宮入りが囁かれた。

 

こうして【エル・ファシルの奇跡】から始まり、数多くの戦いで同盟軍の勝利に貢献し、様々な異名を持つ稀代の英雄【ヤン・ウェンリー】は、数多くの謎を残しながら表舞台から退場したのであった。

 

 

 

 




箸休めとしてはそこそこできたと思っています。
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